偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2010.05.03
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カテゴリ: 近隣散歩

 本日は石切・額田・額田・瓢箪山界隈を自転車散歩。行程にして10km余に過ぎないのであるが、坂道を登ったり、下ったりを繰り返すので、結構いい運動になりました。
 先ず 近鉄石切駅 まで山沿いを走り、石切神社への参道の坂を下る。参道の途中に千手寺という寺がある。在原業平ゆかりの寺である。

千手寺 (9).jpg (千手寺山門・左側の石碑の後にあるのが「業平の腰掛石」)
千手寺 (10).jpg
(業平の腰掛石)
千手寺 (8).jpg
(左・本堂<光堂>、右・護摩堂<業平廟>)
千手寺 (6).jpg千手寺 (5).jpg

  千手寺 (せんじゅじ) は役行者によって開山。空海が、この寺に止宿した際に童形の青衣の善女竜王が現れ、観音浄土の霊池に浸されていたという霊木を託されたので、この木で千手観音像を刻し、これを本尊として本寺を中興したとのこと。その後兵火によって堂舎悉く焼失し、千手観音は深野池 (現在の深北緑地にあった大きな池) に飛び込み行方知れずとなった。
 時代が下って、当地にやって来た在原業平が夜池の中に不思議な光を発するものを見つけ引き上げると千手観音であった。これを天皇に奏上すると天皇は大層喜び、業平に命じて寺を中興し、五院を建立させた。業平が没した時に本堂の右に業平の廟を築き、遺品を納めたと伝えられている。

千手寺 (4).jpg
(明治時代の落語家・桂文之助の句碑 千手寺境内にある。)
業平と 背中合わせの ぬくさかな  
そろり
(注)桂文之助は後に曽呂利新左衛門を芸名とする。

千手寺 (2).jpg
(オオテマリ)
千手寺 (3).jpg

 千手寺に長居し過ぎました。境内は花がいっぱい。オオテマリの白い花が印象的でした。そして、何の木でしょう。赤い若葉の木が風にそよいでいました。
 石切神社参道に戻り、坂道を下る。神社詣の人がいっぱいで、自転車は殆ど進まない。

石切神社.jpg
(石切神社・拝殿横のクスノキは東大阪市の天然記念物に
 指定されている。)

 木の花桜さんがブログにアップされていた牛の像を横目で見て、神社を後にし、南側の鳥居前の坂道を再び登ると、こんなのを発見。大西丹後守の馬乗り石だという。

大西丹後守馬乗石 (2).jpg
 ヤカモチのMTBが凭れかかっている石が馬乗石です。昔、大西丹後守というお方が、この辺りに住んでいたらしいが、彼は背が低かったので、乗馬するときは、この石の上に立ってから乗っていたとのこと。
 いやはや、業平の腰掛石があったり、大西さんの馬乗り石があったり、さすが石切だけに、色んな石がありますな(笑)。しかし、この馬乗り石は、いずれ100年もすれば、ヤカモチの自転車が凭れたということで、「ヤカモチもたれ石」という名に変わるかも(笑)?
 馬乗石から坂道は険しくなり、突き当りの東石切公園に着いた頃には息が切れていました。公園で暫し休憩。

東石切公園.jpg
(東石切公園)

 東石切公園から夫婦塚古墳、額田戎神社、玄清寺、妙徳寺と回り、近鉄額田駅へ。

夫婦塚古墳 (3).jpg夫婦塚古墳 (2).jpg

 夫婦塚古墳は6世紀中頃の双円墳。東側石室は全長9.2m。2体が埋葬されていたことが分かっている。西側石室は全長9.6m。3体が埋葬された痕跡があったとのこと。

額田戎神社.jpg
(額田戎神社)
額田戎神社 (2).jpg
額田戎神社 (3).jpg

玄清寺.jpg
(玄清寺)

 玄清寺は、織田信長に従って大坂石山本願寺との戦いに参加した高内正定が、戦後その戦没者の霊を弔うために慶長2年(1597年)に建立したもの。高内正定の法名・浄翁玄清居士から玄清寺と名付けられた。彼は、古代河内の豪族、額田首 (ぬかたのおびと) の子孫と言われている。
 観音堂には観音像の脇侍として南無太子像
(聖徳太子2才像・室町時代作) が安置されている。
 昔は神と鬼は表裏一体のもの。鬼退治をするのは童子であったりするのも、神は童形で現れると考えられていたからだろう。童子は神聖な存在であると同時に恐ろしい力を持った存在であるから、これを鬼として怖れるというのも自然なことである。救済などプラス作用の面を神、祟りなどマイナス作用の面を鬼と見ていたということであるのだろう。聖徳太子像が童子姿であることが多いのは、聖徳太子を鬼
(祟る存在) と見ていた時期があったからという見解もあるようだ。

妙徳寺 (3).jpg
(妙徳寺)
妙徳寺.jpg
(妙徳寺本堂)

 江戸時代に五百羅漢を安置したので羅漢寺と呼ばれていたらしい。黄檗宗の禅寺である。昭和2年まで大阪の福島にあったのが、当地に移転して来たとのこと。
 妙徳寺から最後の坂を登り切ると 近鉄額田駅 である。
 この後、 枚岡駅 前経由、 瓢箪山駅 の方に向ってまた坂を下って行くのだが、上巻はここまで。下巻はページを改めます。(下巻に続く)






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最終更新日  2016.03.01 18:04:56
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Re:石切・額田・瓢箪山近隣散歩(上)(05/03)  
ひろろdec  さん
こんばんは~。
腰掛石に馬乗石。。路傍にごろごろしている石が、当時は重宝したのですね(^^ 高さと面積がピッタリでとっても使い易そうです~♪

純白で球体のオオテマリや紅葉したような赤い若葉の美しさにアップダウンの散策の疲れも癒えそうですね~(^^ (2010.05.04 21:21:50)

ひろろdecさんへ  
けん家持  さん
 業平さんも、平城天皇の長男阿保親王の子でありながら、薬子の変などで平城派が勢力を失い、平城の弟、嵯峨天皇の系列に勢力が移ってしまい、「身をやうなきもの」と思いなしていたのでしょうが、そんな身でも、いや、そんな身だからこそ一層、疲れを感じるのか、腰掛石が必要であったようですな。
 偐家持も業平さんにあやかろうと思いましたが、千手寺さんは先手を打って腰掛石に覆いかぶさるようにツツジの木を繁らせていました。これでは腰を掛けられません。
 千手寺ではなくて「先手寺」だなと思った次第(笑)。
 馬乗石に登って乗馬しようとする大西丹後さん、なかなか愛嬌があっていいですな。でも行った先の乗り降りはどうしていたんでしょうな?。因みに、生駒山への道の途中にひそかに偐家持が名付けた、偐家持専用の「腰掛石」があります(笑)。「偐家持公腰掛石之碑」でも建ててみますか?
 我が里は南北の移動は概ね平坦ですが東西の移動は斜面になり、東行きはアップアップでダウンしそうになります。西行きはダウンロードで楽々楽天ですが。
(2010.05.04 22:21:54)

Re:石切・額田・瓢箪山近隣散歩(上)(05/03)  
木の花桜  さん
在原業平が池の中のみ仏を見つけだし、中興の祖となられた、千手寺が石切神社の近くにあるのですか?
腰掛け石に腰を下ろしたら怒られそうですね。

石切神社はお百度を踏む人が少ないのは連休中からでしょうか。クスノキの新緑もきれいですね。

大西さんの乗馬石は家持さんのMTBでよく見えません。MTBのスタイルの良さに見とれてしまいました。
乗っ取り成功です。家持MTB凭れ専用石、に改名ですね。
(2010.05.04 23:58:06)

木の花桜さんへ  
けん家持  さん
 千手寺は、石切神社から近鉄石切駅の方へ参道商店街の坂道をうねうねと上って行った処にあります。神社からだと700m位上った処でしょうか。近鉄石切駅からの方が近いです。
 役小角、空海、業平とメジャーな人物にゆかりの寺にしては余り知られていないのは、石切神社のイメージが強過ぎる所為でしょうかね。
 境内には、業平、道真両公を祀る祠もありますので、千手寺さんのご祭神と言ってもよい業平。腰掛け石に腰を下ろすのは不敬ということになるのでしょうな。
 それでも、大阪人、河内人は、きっと腰を掛けるに違いなく、そういう光景が繰り返されたのかも知れません。また、子供にとっては石に乗って遊ぶということであったでしょうから、これを一々叱るのは無粋というもの。さりとて、腰掛禁止なんぞという立て札を立てるのはもっと無粋。ツツジの木の枝で覆い、石は見えるが坐ったり、乗ったり出来ないようにしたのは、千手寺さんの「粋」というものですな。
 お百度を踏む人が少ないのは連休中ということもあるのかも知れませんが、午後3時頃という時間帯の所為もあるかも知れません。 大西さんの乗馬石MTBが邪魔してますね。まあ、何てことない普通の石です。石碑も注意しないと見落としてしまいます。
 乗っ取り成功したものの、家持MTB凭れ専用石、に改名とならず、ヤカモチ悪乗り石、と顰蹙を買いそうですな(笑)。
(2010.05.05 01:00:30)

Re:石切・額田・瓢箪山近隣散歩(上)(05/03)  
小万知 さん
五月晴れが続きましたね。
賑やかな大波小波が散らばりやっと静けさが戻ってまいりました。
子供の頃、友達の後ろからそっと近寄って、「ソロリシンザエモン!」なんて吃驚させる遊びをしませんでしたか?
そんなあほな遊びをしたのは私だけ(?)、まさか実在の曽呂利新左衛門様がおられたとは夢にも思いませんでした(笑)しかも業平様とのご縁の句を詠まれ碑に残されているとは・・・。
紅の若葉が気になるのですが、スモークツリー(パープル系)・和名白熊(はぐま)の葉にとてもよく似ているのですが場所が神社だけにそぐわない気もしますが、花後6月頃霞がかかったようなふわふわの状態になれば間違いないですが、名前が煙の木だけに自信はないです。
(2010.05.05 21:23:08)

小万知さんへ  
けん家持  さん
 ちょっと暑過ぎる位の五月晴れでありました。
 「ソロリシンザエモン!」という遊びですか。言われてみればそんな記憶もなくはありませぬが、よくは覚えて居りませんです。
 実在の曽呂利新左衛門は太閤秀吉のお伽衆でありましたが、桂文之助はこれを芸名に戴いたようです。
 句碑の句は「木曽殿と背中合せの寒さかな」という芭蕉の句をパロディにしたものです。
 紅の若葉の木はスモークツリー(パープル系)・和名白熊(はぐま)ですか。有難うございます。
 千手寺の裏手にあった木でした。6月になったら、もう一度確認のため見に行ってみましょう。タバコでも喫いながら(笑)。
(2010.05.06 01:40:32)

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