偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2014.04.14
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カテゴリ: 智麻呂絵画展

第140回智麻呂絵画展

 本日は第140回智麻呂絵画展であります。2008年7月4日に第1回展を開催致しましたので、あと2カ月余で丸6年を迎えることとなりますが、早くも140回。こんなにも回を重ねることになろうとは予想だにしていませんでしたが、智麻呂氏の頑張りと皆さまの温かいご支援やお励ましに支えられて此処までやって来れたのだろうと思います。有難いことです。石の上にも3年ならぬ「若草の上にも6年」、日々の小さな積み重ねの結果、今回出展分も含め、智麻呂絵画の総点数は1231点にもなっています。
 では、どうぞごゆるりとご覧下さいませ。
<参考>他の智麻呂絵画展は下記から。
     ​ ​第1回展~第100回展
     ​ 第101回展~第200回展
     ​ 第201回展~
    絵画のみをご覧になられたい方は下記からどうぞ。
フォト蔵・智麻呂絵画集

 さて、今回の絵画展はやはり、桜の絵から始めることと致しましょう。

桜by智麻呂 桜by恒郎女
(桜・智麻呂画)           (桜・恒郎女画)

  智麻呂・恒郎女ご夫妻の桜の絵の競演であります。
  智麻呂さんの絵は言うまでもありませんが、恒郎女さんの絵も見事であります。
  この桜は啓翁桜と言うらしいのですが、先月30日の若草読書会のお花見の日に、当日は雨で花園中央公園での花見が出来ず、智麻呂邸での宴会となったこともあって、凡鬼・景郎女ご夫妻が「少しでもお花見気分を」とお持ち下さったものであります。
  この桜の絵を見て自ずからにヤカモチ館長の脳裏に浮かんだ歌は光明皇后の次の歌でありました。

わが背子と 二人見ませば いくばくか この降る雪の うれしからまし
                         (光明皇后 万葉集巻
8-1658)

  上の歌は「雪」なので、これを「花」に変えればピッタリの歌になるかと思います。

わが背子と 二人見ませば いくばくか この咲く花の うれしからまし
                                    (恒明皇后)

山吹の立ちよそひたる (山吹)

山吹の 花の盛りに かくの如 君を見まくは 千年にもがも
                  (大伴家持 万葉集巻20-4304)

 山吹の花は過去にも何度かと思いきや、意外にも智麻呂絵画展初登場でありました。従って、この絵は山吹の絵の記念すべき「第1作」となります。ヤカモチ的には「第1咲く」とすべきかもですが(笑)。

バラ (薔薇)

  このバラは智麻呂さんが買い求められたもの。デイサービスの施設では、施設の方が引率しての「お買い物デー」というのがあるらしく、皆さん夫々ご自分の買いたい物を自由に買われるらしい。その「お買い物デー」での智麻呂さんのお買い物がこのバラであったという次第。やや大ぶりなピンクの花で一輪挿しにするとなかなかに存在感もあって、恒郎女さんもお気に召されたようでありました。いい買い物であったと、褒めて居られましたから(笑)。
 さて、バラの方は以下の通り何度も登場して居ります。また、その次のスイセンになると、もう数え切れない位となります。
<参考>
バラ
 第3回展、第34回展、第101回展、第108回展、第123回展、第129回展
スイセン(白)
 第15回展、第23回展、第24回展、第52回展、第57回展、第72回展、
 第77回展、第92回展、第93回展、第98回展、第114回展、第116回展、
 第134回展、第135回展、第136回展、第139回展
スイセン(黄)
 第29回展、第35回展、第56回展、第72回展、第77回展、第116回展

​(喇叭水仙)

  これは智麻呂邸のご近所さんの庭先に咲いていた喇叭水仙。ヤカモチが撮影してお持ちした写真から絵にされました。
  このタイプの水仙を見るとワーズワースの詩を思い出します。中学だったか高校だったかの英語の教科書に載っていた詩で、未だにその断片を記憶している。前半部分だけ書き出して置きます。

The Daffodils
William Wordsworth
   I wander'd lonely as a cloud
   That floats on high o'er vales and hills,
   When all at once I saw a crowd,
   A host of golden daffodils,
   Beside the lake, beneath the trees
   Fluttering and dancing in the breeze.

   Continuous as the stars that shine
   And twinkle on the milky way,
   They stretched in never-ending line
   Along the margin of a bay:
   Ten thousand saw I at a glance
   Tossing their heads in sprightly dance.

​(筍)

 筍の絵もこれまでに傑作が色々あります。
   <参考>
第55回展の筍.jpg第99回展の筍.jpg第117回展の筍.jpg
 ( 第55回展 )   ( 第99回展 )    ( 第117回展

コブシ (辛夷)

 この辛夷は4月2日の下記の記事に掲載の写真から絵にされました。
 コブシも絵画展初登場の花となります。
   <参考>「 囲碁例会・桜さくら咲くさくら 2014.4.2.

アケビ (木通)

 そして、締め括りはアケビの花です。これは、智麻呂さんと同じデイサービスに通って居られる坂◎さんが、智麻呂さんの絵の画材にとお持ち下さったものだそうです。
 智麻呂さんの絵を通して、デイサービスに通って居られる皆さまとの間にこのような交流が生まれるというのも素敵なことです。この絵画展がそういったことにも些かなりとも寄与しているのであれば、ヤカモチ館長も編集のやり甲斐があるというものです。
 アケビの花は過去にも一度描かれていますが、今回の絵も爽やかというか、スッキリしていてなかなかに素敵です。
  <参考>
第118回展のアケビの花.jpg 第118回展 のアケビの花)

 以上で第140回智麻呂絵画展は終了です。本日も、ご来場、ご覧下さり、どうも有難うございました。

​<追記>
​​ ​上の写真のうち、「喇叭水仙」と「筍」については、それを登録していたフォト蔵に於ける何らかのトラブルで2017年8月に消失。復旧もできなかったようで、これを貼り付けていたブログ記事も当該写真が非表示となってしまいました。智麻呂絵画については、智麻呂美術全集という形でプリントアウトしたものが残っていましたので、これを再撮影し、ブログに貼り付けることとしました。原画も元の写真も保存されていませんので、これが精一杯の復元措置です。そんな次第で両写真は些か画像が不鮮明ですが、無いよりはましと我慢するしかありません。<2018年8月2日追記>​






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最終更新日  2019.06.13 12:43:54
コメント(12) | コメントを書く


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Re:第140回智麻呂絵画展(04/14)  
英坊3 さん
第140回の展驚異なことです。そして両方様の作品の素晴らしさに拍手です。

筍の「絵」。。で。
・・旬の筍が出てきましたね。私が先日に訪れた「粟原集落」はタケノコを特産としており27戸の農家で13日には初集荷850キロ出荷。収穫は5月中旬までで収穫量は20トンを見込んでいる。(朝刊より。キロ値段不載でした)。田子地区も筍の産地です。

消費税UP。。で。
「消費税 タケノコ皮を 剥ぐごとく
        身の痩せること やるせないかな」 (2014.04.15 06:49:00)

Re:第140回智麻呂絵画展(04/14)  
ウーテイス  さん
竹の子 キノコ 木の子
漢字は、オモシロイ が、木耳 なんとなく判る、浮かびます

筍 今回のがリアルで 食欲!!!アハハ


桜切るバカ 梅切らぬバカ

なんて言う


芸大出の元大学教授、酒飲み友人だった
活花は、嫌いだ 活きているのを切るから・・・
という僕の意見に 同意して付け加えた意見
不快だと言う。



まぁ日本人の美意識には違いないし、とやかく言うことでも無い と、最近は木にしない?

植物 樹木を伐採しする人は不遇な死に方
事故が多い事実

手足が枝のように曲がってしまった人。元は健康体。
倒木に亡くなった人。
手を切断した人。
滝へ転落して死んだ人。

などなど 実際に知っていますし、
その実例を集めた人(文献、
深沢龍彦?氏が日本民話樹木の霊に纏わる話
思い出されます。

樵の話

樹木伐採途中一晩で傷を修復した話などなど

樹木伐採は仕事であっても良くない!
姻戚関係者も早死にしている。

枝であっても切るのは良くない!

と、
思いますよ!

教えてあげてください。
筍は問題無い!

人が取らなけりゃ イノシシが 食べます

伊豆では被害甚大

猪の里です

樹木 植物 共存が望ましいと、思いますね。。。。

余計な事ですが。。。

~~~~~~

できたら詩は原語で読みたいものですね

英語力は無いけれど・・・・


(2014.04.15 11:35:43)

英坊3さんへ  
けん家持  さん
智麻呂展へのご来場、コメント有難うございます。
 筍の季節ですね。智麻呂絵画展の絵はそういったことも教えてくれます(笑)。
 粟原はタケノコの産地でもありますか。田子地区と言えば、藤波神社のある辺りから高岡市にかけての地域ですね。懐かしいです。
>消費税 タケノコ皮を 剥ぐごとく 身の痩せること やるせないかな(英麻呂)
ぜいにくも ぜいにあるらし エネルギー 消費してこそ とれるとあれば(税込家持)
たけのこの 皮ははぐとも とらのこの 民のたつきは はぐものならじ(竹麻呂)
(2014.04.15 13:48:32)

ウーテイスさんへ  
けん家持  さん
ご来場、コメント有難うございます。
 タケノコ キノコ 竹の子、木の子ですか。日の子は天皇ですがヒノコは火の粉で火の子ではない。キナコは「黄な粉」。たしかに面白い(笑)。
 >樹木伐採は仕事であっても良くない!
 >枝であっても切るのは良くない!
 >筍は問題無い!
 筍はいいが、木や花は駄目。ちょっとご都合主義の論に思われますが、林業従事者や庭師、華道家、お花屋さんなどからはブーイングが出そうですね(笑)。まあ、八百屋さんからの異論はなさそうですが。

 確かに詩は原語で読まなければ、上のDaffodilsでも、cloudとcrowd、hillsと-dils、treesとbreezeの韻の面白さなどは分かりませんからね。とは言え偐万葉歌人、英語など外国語とは無縁であります。
(2014.04.15 14:21:13)

Re:第140回智麻呂絵画展(04/14)  
今回はタケノコ以外はみんな花
描き手も花がお好きなんでしょうね。

旬の花、どれも清楚な雰囲気が伝わります。
ありがとうございました。
(2014.04.15 16:56:09)

Re:第140回智麻呂絵画展(04/14)  
ひろろdec  さん
お買いものデーに唯一選ばれた花だけに、立ち姿に気品が感じられます☆。
タケノコもずっしり太っちょで迫力があり、描かれた後は炊き込みご飯かしら..いや田楽だったかしらと..。 *^^
創作された作品数にもあらためて感服しています。
(2014.04.15 20:09:04)

ビッグジョン7777さんへ  
けん家持  さん
ご来場、コメント有難うございます。
仰る通り、タケノコ以外はみんな花ですね。花の絵師・智麻呂ですから、これが普通の姿ですかね(笑)。貴兄のお花の写真も智麻呂さんの目に止まると絵になってしまいますから、花が根っから(?)お好きなんでしょう(笑)。
 現在、ムラサキハナナの写真を拡大印刷して欲しいとのご要望を頂戴して居りますので、また、絵になるかも知れません。
(2014.04.15 20:47:49)

ひろろdecさんへ  
けん家持  さん
ご来場・コメント有難うございます。
 そうです。気品、でした。仰る通り「気品」のある佇まいの薔薇でした。お買い物デーには決まって花をお買いになるようですが、多くは鉢植えの花なのが、この日は珍しく切り花を買って帰って来られたようです。薔薇の姿に魅せられて・・であったのでしょう。
 タケノコ、こちらはお買い物デーではなく恒郎女さんの日常のお買い物であったのでしょうが、やはり先ずは智麻呂さんの絵の餌食になってから、本来の用途に供されました。しかし、いかに料理されたかは偐家持美術館の職掌外のこと故、取材致して居りませぬ(笑)。
 本当にすごい作品数です。そのうちに、水仙展とか桜展とか菖蒲展とか、花別の絵画展も開けそうです。

(2014.04.15 21:04:30)

おはようございます  
今回の勝手に選びましょうは・・・

筍・・・、決定!! (2014.04.16 07:04:17)

Re:おはようございます(04/14)  
けん家持  さん
ふぁみり〜キャンパーさんへ
 今回も勝手に選んで戴いて有難うございます(笑)。
 何と言っても旬の竹、竹の子ですからね。

竹の子の 力を誰に たとふべき  (凡兆)
たけの子や 畠隣に 悪太郎    (去来)
たけのこや 稚き時の 絵のすさび (芭蕉)

タケノコは「たかうな」とか「たかんな」などとも呼ばれて歌や俳句にも登場していますが、「たけのこ」よりもやわらかい言葉となって「アク」の抜けた筍のような感じもしないではありませぬ。
たかうなや雫もよゝの篠の露 (芭蕉)
(2014.04.16 08:40:35)

Re:第140回智麻呂絵画展(04/14)  
小万知 さん
智麻呂様、恒郎女様とお二人の描かれた啓翁桜が寄り添って嬉しいですね。
恒郎女様が活けられた壺が素敵で桜の枝ぶりととても馴染んで素敵です。
ラッパズイセンが太陽からの溢れるばかりのお恵みをいただいて、「元気出せよ~!!」ってラッパを吹いているように見えます♪
コブシの白も五葉アケビの薄紫も青空に映え美しいですね。 (2014.04.16 13:14:11)

小万知さんへ  
けん家持  さん
ご来場・コメント有難うございました。
 智麻呂・恒郎女ご夫妻の桜の絵、これは二つ並べて展示してこそ味も出るというもので、ヤカモチ館長としては今回のイチオシであります(笑)。

 喇叭水仙はこれ以上は大きく描けない位にど~んと描かれていて明るく楽しい絵です。ワーズワースも真っ青の、いや真っ黄色の、大きな、大きな水仙です(笑)。
 ワーズワースは群れとしての水仙の見事さに感動しましたが、智麻呂さんは、ズームアップして個々の花の美しさへの感動を表現されました。
 今度は a crowd の見事さを描いていただきましょうかね(笑)。
谷くぐり 丘越え来れば 木の下の
      水沼のほとり 水仙咲きぬ(ワーズワーカモチ)
風わたる 花花花に また花の
      いづくや果てむ 水仙の原(ワーズワーカモチ)

 今回は、花の智麻呂の面目躍如といった感じの花、花、花の絵画展となりました。
(2014.04.16 18:35:56)

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