偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2020.04.19
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 そんなことで、時間に余裕ができてしまった所為か、気が付くと毎日のようにブログ記事をアップしているのでした。こんなことは、かつてないことである。
 外出自粛でブログ記事ネタも不足をきたすから、花の写真でも撮り溜めして置かないと、と考えたのはとんだ考え違いで、今や記事ネタの花たちが「あっしの出番はまだですかい?」などとPCのピクチャ・ファイルを開くごとに話しかけてくる(笑)有様なのであります。
 たしかに、大伴家持卿も「やちぐさの花は移ろふ・・」と仰る通り、花は季節季節のものにて、その時期を外すと、興ざめの「ときじくの」花となって、せっかくの色香も徒になってしまうというもの。
 桜も、ソメイヨシノは散り、敷島の大和心の山桜も、今は敷島の大和の国の姥桜となり果てています。
 しかし、そんな中、兼好さんが異様のものなりと切って捨てた八重の桜ではありますが、サトザクラは丁度満開になっています。

(花園中央公園のサトザクラ)
 写真が少し左に傾いていると撮りなおしたら、今度は右に傾いた。
 歩きながらの花見とはこのようなもの。
 筵を敷いて花見をする人は居ない。公園にもそれを禁止する旨の表示板が掲示されているなど、新型コロナ禍のこの春は何もかもが異常となっています。
 今年は、人が花見をするのではなく、花が人を見ている、そんな感じでしょうか。主体ではなく客体となってしまった人というものは軸が定まらないというのが相場。右に左におぼつかなく・・。

(同上)
 そして、足元ではツツジが咲き出している。
 さかえをとめのサクラとにほへをとめのツツジとの競演である。

(ヒラドツツジ)
 しかし、大伴家持卿が「・・常磐なる松のさ枝をわれは結ばな」と言ったのとは別の意味で、ヤカモチさんは、サクラ・ツツジを差し置いて、人が余り関心を向けない足元の小さな花たちの方にむしろ目が行くのである。
 昨日記事アップしたハルジオンもその一つであるが、その周囲に繁茂していたスギナなんかにも目が行く。

(ハルジオンとスギナ)
 スギナとなるともうこれは花ではないのだが、成り行き上アップするのほか是無く候、なのであります。

(スギナの森)
 スギナに混じってオランダミミナグサなども見えますが、ここでは花はさて置きスギナが主役。虫の目になってスギナの森の奥深くへと足を踏み入れて行くのが作法。

(同上)
 はい、接近しても、オランダミミナグサと散って来たサクラの花びらが見えるだけ。目ざとい人は手前にスイバの穂を見つけるでしょうか。
 スギナの森の斜面を下りきったところに金色に輝く花がありました。

(キツネノボタン)
 キツネノボタンです。

(同上)
 この花も何か懐かしい気がする植物である。
 子どもの頃に、この花やその実で何かの遊びをしたという記憶はないのだが、ずっと身近にあった花のような気がするのは何故であるか。
 キツネとかネズミとかイヌとかネコとか、或いはカラスとかスズメとか、動物の名が付いているとそれだけでその草花に親近感を覚えてしまうという心理作用の所為か。

(同上)
 さて、ここは何処かと言うと、既にサトザクラの写真で場所はばれていましたか、そうです、花園中央公園。
 最近は、この公園に立ち寄ることが多くなりました。目的地を定めずに銀輪散歩に出た場合は、先ずこの公園に立ち寄って、それから行く先を考えるというのが習慣のようになっている。
 ここは遊水池公園にもなっていて、恩智川が増水した場合に、下流での溢水や堤防決壊を予防するため、水門を開き、ここに水を引き入れて一時的に水を滞留させるという機能を担わされている公園である。
 その恩智川に近接する場所に、葦が生え水鳥なども飛来する池がある。
 その池で釣りを楽しむ人の姿も絶えない。

(花園中央公園の池)
 恩智川からの水を引き受けた時は、釣り人たちがいる部分も水没して巨大な池が現出するのであるが、平時はこのような小さな池である。と言っても写真に写っているのはこの池の三分の一くらいで画面が切れた左側に細長く広がっているのではある。

(ネズミムギ)
 キツネが来たからという訳ではないが、次はネズミである。
 ネズミムギ。
 ホソムギかと思ったがネズミムギである。
 どこが違うかと言うと、ホソムギには小穂に芒
(ノギ) ​がないのに対して、ネズミムギにはノギがあるという点。
(注)ノギ=稲や麦などの実の殻にある針状の毛のこと。
 オギにノギなし、でススキにはノギがあるのに対してオギにはノギがないことで両者を区別するというのと似ている。ススキにノギがあるのは当然で、ススキの漢字表記は「薄」または「芒」である。
 と言ってもノギをご存じない方には?かもしれないので、もう少し大きいサイズの写真で小穂を見ていただくことにしましょう。

(同上)
 小穂から花、雄蕊の一部にあたる葯
(花粉の入った袋) ​が伸びて来ていますが、それと一緒に籾殻の先に針状の細い突起が見えると思いますが、それがノギです。
 もっと大きい写真にすると。

(同上)
 こういう写真は、オートフォーカスのコンパクトデジカメで撮るのはピントを合わせるのが結構大変です。まあ、何とか写っていますから、ノギはご確認いただけたかと。
 このように、ノギがあるので、ネズミムギと判定した次第。
 ところが、ホソムギとネズミムギは結構交雑しているようで、両者の雑種、よく言えばハイブリット種があるようです。ネズミホソムギだったかホソネズミムギだったか忘れたがそんな名の品種もあるとか。両者の見分けはだんだんと難しくなって​行くのではと思います。
 まあ、普通にはそんなもの見分ける必要もないのであるから、どうでもいいと言えば、どうでもいいことです。
​​​​​​​​​​​​​ 小さい花と言えば、ムラサキサギゴケも目にするようになりました。この花を見た最初は香具山の山裾の水田の畦でのことでありましたが、名前を覚えた所為か、この公園でも見かけるようになった。

(ムラサキサギゴケ)
 遠目から見て、これに似ているのは、ツタバウンランやカキドオシであるが、花の形、模様や葉の形などから、最近ようやくヤカモチもその区別ができるようになったかと思う。

(同上)
 友人の小万知さんはメールで「最近は人を避けて花とばかり話しをしている。」と仰っていましたが、当ブログもこのところ花とばかり話しをしている感があります(笑)。
 どうぞ、皆さまも新型コロナ対策や健康管理に十分ご留意され、お元気にお過ごしになられますように。
<追記・参考>
花関連の過去記事は下記をクリックしてご覧ください。
花(1)2007~2011
花(2)2012~2016
花(3)2017~2020.3.
花(4)2020.4.~






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最終更新日  2020.04.19 11:47:55
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