偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2020.07.18
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​​ ​​  クマ ゼミが盛んに鳴いている。
 クマゼミは午前中に鳴き、午後から夕刻にかけてはアブラゼミが鳴く、というのがセミ時計というものであるが、今年は長引く梅雨の所為で、セミの体内時計にも狂いが生じたか、午後、夕刻近くになっても鳴いているクマゼミが目立つ。目で見ている訳ではなく、耳で聞いている訳だから「目立つ」のではなく「耳立つ」と言うべきでしょうか。しかし、「耳立つ」というと「耳ざわりになる」という否定的なニュアンスになるので、ちょっと違うか。
 まあ、クマゼミの、あの騒がしい鳴き声に限って言えば、「耳立つ」のではあるが(笑)。
 その耳立つクマゼミの声を聞くにつけて、午後遅くになっても、アブラゼミの声が一向に聞こえて来ないことに気が付き、アブラゼミがクマゼミの隆盛に押されて、どんどん減少しているのではないかと危惧している次第。
 温暖化によって、南方系のセミであるクマゼミは勢いを増し、どんどん北上しているようだが、現時点ではどの辺りが北限となっているのだろう。
 それはさて置き、今日はセミの話ではなく、蛾の話である。

​​ ​​​​​​  日(15日)、接着剤を買い求めるため石切のコーナン(ホームセンター)まで出かけたついでに、喫茶・ペリカンの家に立ち寄りましたが、その折にまたしてもスズメガの仲間、セスジスズメと出会いました。
 この蛾とは余程に​
​ご縁があるのか、それとも発生数が増えているのか、このところよく出くわす。
 最初は、6月5日の墓参の帰り道で、この時は蛾になる前の幼虫の姿。
 次が、6月20日の銀輪散歩の途中で、この時は成虫の蛾の姿。
 そして、今回が7月15日で、成虫の姿での再会。40日の間に3回も出会っている計算であるから、かなりの高頻度である。
 セスジスズメは特徴のある模様の蛾であるから、ひと目でそれとわかる。

(セスジスズメ)
 6月20日に出会ったセスジスズメは腹部の真ん中辺りの鱗粉が一部剥がれていて、背筋と名付けられた白い1本の「スジ」が途中で切れていたが、今回のセスジスズメは完全な姿。頭部から尾部まで白い一本の「スジ」が通っていました。

(同上)
 一枚目の写真では左翅の下部が枯葉の陰に隠れていたので、その枯葉を少し動かして翅全体が写るようにして撮ったのが上の写真。
 そして、さらに接近して撮ったのが下の写真。

(同上)
 ついつい見惚れてしまう美しい模様、見事なデザイン。
 頭部付近の豊かな鱗粉は犬猫などの毛並みを思わせ、撫でてみたい衝動に駆られる姿である。

(同上)
 撮影の角度を変えて行き、横から複眼が写る角度で撮ろうとカメラを近づけた瞬間、やっと目が覚めたか、カメラの接近に気づいたか、飛び立ってしまった。
 次の写真は蓑虫。
 これは、喫茶・ペリカンの家と道路を挟んで向かい側にある病院の庭の入り口にあるカエデの木の枝先にぶら下がっていたもの。
 この木にはいつも蓑虫がいることを承知しているので、上のセスジスズメと違って、偶然ではなく、それと意図し、探し当てての撮影である。

(ミノムシ)
 ミノムシという名前であるが、正しくはミノガという蛾である。
 ミノガ科の蛾は、例外もあるが、雌は成虫になっても羽化せず、翅も脚も持たず、生涯を蓑の中で過ごす。蓑の中で産卵した雌は、やがて蓑から出て地上に落下して死ぬ。
 オオミノガ、チャミノガなど日本には20以上の種が存在するとのことであるが、最近は余り見かけなくなっている。
​​​​​
​​ <参考> ミノムシ ​・Wikipedia

(同上)
 オオミノガはヤマトミノガとも言い、日本産の最も大きいミノムシであるが、1990年代後半から激減しているという。
 外来のオオミノガヤドリバエというハエは、オオミノガの終齢幼虫を見つけると、彼が摂食中の葉に産卵するらしい。幼虫が葉とともにそのハエの卵を食べる。噛み砕かれることなく無傷で幼虫の体内に入った卵はそこで孵化して、幼虫を餌にして育つのであろう。
 オオミノガは、このオオミノガヤドリバエの寄生の所為で激減し、各地で絶滅危惧種に指定されているとのことである。
 寄生も共生も仕組みは同じ、紙一重。我々の体の中にも無数の菌が寄生している。悪さをするのが悪玉菌、有益なことをしてくれるのが善玉菌と名付けられているのだろうが、益虫・害虫と同じことで、それは一つの価値観、一つの切り口で評価しての区分に過ぎない。生物全体、生態系から眺めれば、善も悪もなく、益も害もない。それぞれが「種」として生き残るための営みの中で相互に影響し合い、作用し合っているに過ぎないことになる。
 そういう中で「種」として生き残るための適応・進化を遂げたものだけが、新しい環境の中での生存が許されるというのが、生物というものの基本原則、掟である。してみれば、世界中で猛威をふるっている只今の新型コロナウイルスも、そういった現象の一つに過ぎないですな。
​​





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最終更新日  2020.07.18 12:51:49
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