偐万葉・どち篇(その 13
)
久々の偐万葉シリーズ記事です。
いつ以来かと調てみると、直近のそれは、昨年の4月7日の記事で、同じく どち篇(その12)
でありましたが、ほぼ一年ぶりの偐万葉ということになります。
各篇について、20首以上に歌数が達したら遅滞なく記事アップするというのが、このシリーズの編集方針になっていますが、近ごろは歌を作ることも少なくなっていて、どの篇についてもなかなか歌数が増えないというようなことで、偐万葉記事も間遠になっているという次第。
今回のどち篇は、大学同期の友人二人、中学時代の級友二人の逝去の報に接するというようなことが続きましたので、何とも複雑な思いの記事内容と相成りました。
1.健人会関係
健人会の集ひに寄せて詠める歌 1 首
石山の 瀬田のほとりに 我らみな
つどひて今日も 楽しきを積め (偐家持)

(20250805健人会)
2.岬麻呂氏関係
岬麻呂に贈りて詠める歌13首
岬麻呂の旅に寄せて詠める歌 7 首
夜桜を つばらにも見む 鶴ヶ城
家なる妹が 待ち問はむため (
岬桜麻呂)
(本歌) 難波 潟 潮干 のなごり よく見てむ 家なる 妹 が 待ち問はむため
( 神社忌寸老麻呂
万葉集巻6-976
)
(20240418鶴ヶ城)
冬と春 ゆきつもどりつ 大雪 の 山の辺の道 わが桜旅 (北桜旅人)
これやこの 咲くも咲かぬも 花がまま 散るも散らぬも また桜旅 (同)
(20240517名寄市・弥生公園)
桜旅 一人し行けど 酒酌めば 日英親善 民間外交 (日英旅人)
(20240517湯の沢温泉の桜)
青島に 潮満ち来れば 潟を無み 洗濯板の 形もなくあり (海辺青鬼)
(本歌)若の浦に 潮満ち来れば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴鳴き渡る
(山部赤人 万葉集巻
6-919
)

(20240615青島)
空の青 海の青にも 負けじとや
今か咲くらむ ジャカランダの花 (ジャカ麻呂)
(20240615ジャカランダの森)
若き日の こと思い出す 宮崎の 旅にしあるか いもがらぼくと (芋家持)
岬麻呂氏のコメントに答へて詠める歌 1
首
その出自 いかにかあらむ 墓地西瓜
木にはならぬに 気になる西瓜 (南瓜麻呂)

(20241004墓地に西瓜byヤカモチ)
岬麻呂の旅に寄せて詠める歌 5
首
雁がねの 声聞くなへに 裏磐梯 五色の沼は かくぞもみてる (偐家持)
(本歌)
雁がねの 来鳴きしなへに 韓衣
立田の山は もみち 始
めたり (万葉集巻10-2194
)
(20241120毘沙門沼)
もみち葉の 影なす池の 底清み 沈 く石をも 玉とそ 我 が見る (偐家持)
(本歌) 藤波
の 影なす 海
の 底 清
み 沈
く石をも 玉とそ 我
が見る
(大伴家持 万葉集巻 19-4199
)
(20241120御薬園)
サガリバナ 咲きたる姿 つばらに見む
家なる妻が 待ち問はむため (西表猫持)
(本歌) 難波潟
潮干
のなごり つば
らに見む 家なる 妹
が 待ち問はむため
(神社忌寸老麻呂 万葉集巻 6-976
)
(訂正追記:2025.3.22.)
歌番号に誤記があったので訂正。
(誤)「巻6-967」→(正)「巻6-976」
本歌の旧訓は「つばらに見む」であるが、新訓は「よく見てむ」である。
原文は「委曲見」である。

(20241228サガリバナ)
夕照の 残波の浜に 寄す波の 音しめやかに うら悲しかり (夕家持)

(20250201夕照の残波ビーチ)
めぐりあひて みしや睡蓮 名を問へば これ初耳の 紫式部 (紫家持)
(本歌)めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな
(紫式部 小倉百人一首 57 、新古今集 1497 )
(注)新古今集では、第 5
句は「夜半の月かげ」
(20250201ムラサキシキブ)
3.油麻呂氏関係
油麻呂の逝去を傷み詠める歌 1 首
在りし日の 背子が笑まひや あれこれを
思へば心 痛しも悲し (偐家持)
4.丸郎女氏関係
丸郎女の逝去の報に接して詠める歌 1 首
若き日の 思ひ出ひとつ はがれゆく
ことでもあるか 友の死思ふ (偐家持)
5.嶌郎女氏関係
嶌郎女の逝去の報に接して詠める歌 4 首
妻逝きしは 去年 霜月の ことなりと 寒中見舞ひに 書かれてありき
悲しかも 妹やはいづち もみぢ葉の 散りのまがひに かくれにけるか
思ほえば 面影立ちて 悲しかり 春の佐保川 秋の大宇陀
在りし日の こと思ほえば 水仙の 花もかなしけ 心ぞ痛き

(20250120もみち葉)
6.朝麻呂氏関係
朝麻呂の逝去の報に接して詠める歌 2 首
君逝きて ひとり見つつの 白梅の
花は悲しも いたづらに咲く (偐家持)
朝麻呂を たづね行かめど 銀杏散る
泉のほとり どこと知らなく (偐家持)

(20250311ひとり見つつの白梅)
7.オガクニマン氏関係
クニ麻呂のコメントに答へて詠める歌1首
鉄人も わびさびならぬ 錆にして 酸化鉄なり 老いの細道 (末尾芭錆)
<参考>偐万葉・どち篇の過去記事は
コチラ
。
偐万葉・ひろみ篇(その18) 2025.10.03 コメント(6)
偐万葉・若草篇(その30) 2025.08.10 コメント(15)
偐万葉・龍の森篇(その6) 2025.07.15 コメント(4)
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