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2006.02.01
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カテゴリ: メディア
▼初任地は富山

入社式の直後から始まった研修で、最初に聞いたのはこの言葉であった。
入社式の様子など、今となってはほとんど覚えていない。だが、この言葉だけは覚えている。
「そうか新聞記者になったのか」と、漠然と思う。しかし、その職業がどれだけ重いものであるか、そのときはまったく気づかなかった。その向こうには、一つの言葉によって奪われる世界と与える世界、喜ぶ世界と苦しむ世界が広がっていたのだ。

東京の本社で一ヶ月間、写真の撮り方や原稿の書き方などの記者研修を受けた後、私が最初に赴任した地は富山支局であった。新聞記者は、最初は「どさ回り(地方支局勤務)」だ。新聞社によってその期間は異なるが、私が入った共同通信社の場合は、6~10年間は地方支局勤務で、本社に戻るころには30代になっていた。

朝日や読売、毎日の記者は大体6年ほどで本社勤務になるようだった。ただし、朝毎読の記者は東京本社採用か大阪本社採用かなどによって、戻る本社の場所が異なっていた。つまり大阪本社採用の記者は、よほどのことがないかぎり東京本社で働くことはない。地方採用の記者職というのもあって、基本的にずっと地方勤務という記者もいるようだった。
地方勤務が嫌で東京にある民放の報道局を希望する人もいるが、必ずしも報道局に入れるとはかぎらない。

悲惨なのはNHKの記者である。「なんだかんだ言っても、共同通信はいいよな。地方滞留が長いと言っても、必ず本社に帰れるんだから」とぼやく。事情を聴くと、NHKには「人工衛星」という人事用語があるのだという。東京本社に帰らず、永久に本社という“母なる惑星”の周りにある地方支局をぐるぐる回るからだ。仕事に優れ、かつ上司に恵まれないとなかなか、本社にもどれないとのことだった。富山支局で同期だったNHK記者は無事に本社に帰還、最近まで官邸キャップをやっていた荻原記者である。

さて「陸の孤島」とも呼ばれる富山に放り出された私は、本社で研修を受けたとはいえ、まったくの新米記者。右も左もわからない記者の世界にとまどうばかりだった。







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最終更新日  2006.02.01 09:26:27
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Re:新聞記者の日常と憂鬱2(02/01)  
おはようございます

>一つの言葉によって奪われる世界と与える世界、喜ぶ世界と苦しむ世界が広がっていたのだ。

この一文を読んですぐに「恐いな。」と思い、次に「ありがたいな。」ともおもいました
言霊を扱う責任を実体験として負ってこられた方の言葉が胸のあたりに重みとして感じました

どうりで・・・取材で知り合った若い記者さんたちが
用もないのにお茶しにくるわけだ・・・ (2006.02.01 10:40:14)

Re[1]:新聞記者の日常と憂鬱2(02/01)  
白山菊理姫  さん
かめちゃん☆さん
こんにちは。

>>一つの言葉によって奪われる世界と与える世界、喜ぶ世界と苦しむ世界が広がっていたのだ。
>
>この一文を読んですぐに「恐いな。」と思い、次に「ありがたいな。」ともおもいました

世の中が変な方向に進むと、やはりメディアの責任は重いなと思います。メディアは第四の権力と呼ばれますが、権力者に悪用されると恐ろしい武器になってしまいますね。

>言霊を扱う責任を実体験として負ってこられた方の言葉が胸のあたりに重みとして感じました
>
>どうりで・・・取材で知り合った若い記者さんたちが
>用もないのにお茶しにくるわけだ・・・

光に群がる虫のように、情報があるところに記者は集まる性質があります。本音を語ってくれる人のところには、本当に多くの記者が集まりますよ。おいしいお茶を出してくれるところにも集まるかもしれません。 (2006.02.01 17:18:43)

Re:新聞記者の日常と憂鬱2(02/01)  
入社式のお言葉を覚えてらっしゃるなんて~、すごい記憶力。わたし、すっきりと忘れています。

鳥取、島根、富山といえば、3大田舎、なんて聞いたことがあります。自分が住んでますが、たしかにそうだよなあ。マイナーだし、地味だわ。

まったく知らない土地に飛ばされる方の気持ち、察してみようとしますが、なかなかイメージできませんでした。
(2006.02.01 18:39:52)

Re[1]:新聞記者の日常と憂鬱2(02/01)  
白山菊理姫  さん
きときとさん☆☆☆さん
こんばんは。

>入社式のお言葉を覚えてらっしゃるなんて~、すごい記憶力。わたし、すっきりと忘れています。

私もほとんど忘れています。この言葉だけ印象に残っていたんですね。

>鳥取、島根、富山といえば、3大田舎、なんて聞いたことがあります。自分が住んでますが、たしかにそうだよなあ。マイナーだし、地味だわ。

当時は上越新幹線もなく、富山空港もプロペラ機しか飛んでいませんでした。青森と並ぶ陸の孤島と呼ばれていましたよ。

>まったく知らない土地に飛ばされる方の気持ち、察してみようとしますが、なかなかイメージできませんでした。

島流しの心情? というのはウソで、どんな土地だろうと、わくわくしていました。学生時代までに日本中を旅していましたが、北陸だけは行ったことがありませんでしたから。富山での3年間は面白かったですよ。 (2006.02.01 21:53:07)

Re[2]:新聞記者の日常と憂鬱2(02/01)  
白山菊理姫さん
>世の中が変な方向に進むと、やはりメディアの責任は重いなと思います。メディアは第四の権力と呼ばれますが、権力者に悪用されると恐ろしい武器になってしまいますね。

☆ネットの普及で憶測情報も含め個人が自由に書いていることを考えると
各社新聞がいっせいに同じ事を書いていることが
奇異に思える瞬間がごくたまにですがありますね
政治経済には疎いのですが、妙なタイミングの事件記事を読むと嫌な気配を感じますね
国民はそれを鵜呑みにしていくのですよね・・・


>光に群がる虫のように、情報があるところに記者は集まる性質があります。本音を語ってくれる人のところには、本当に多くの記者が集まりますよ。おいしいお茶を出してくれるところにも集まるかもしれません。
-----
私は情報をいただくばかりでした あまりお役にはたっていませんが・・・
帰る頃になってぽろりと取材現場でのつらさをこぼされ
それを振り払うかのようにポジティブな言葉でまとめられると
何もいえなくなってしまいます

昨日の白山さんの新シリーズ初回ブログを読んでから
ずっと記者さんたちの言葉を振り返っているところです

折りしも、今夜『新聞誕生、ジョセフ彦』を放映していました

(2006.02.01 22:50:52)

Re:新聞記者の日常と憂鬱2(02/01)  
ほわいと さん
白山菊理姫さん、こんばんは。

メディアの影響力はたいへん大きいですね。昨今では、社会を動かしているようにさえ感じてしまいます。

「富山に転居した者は、二度泣く」と言われているそうです。一度目は、「旅の人」故、二度目は、転出の際の「離れがたい気持ち」、私もご多分に漏れずどちらもしっかり経験しました。富山は第二のふるさとになりました。
(2006.02.02 00:07:32)

Re[3]:新聞記者の日常と憂鬱2(02/01)  
白山菊理姫  さん
かめちゃん☆さん
こんばんは。

>☆ネットの普及で憶測情報も含め個人が自由に書いていることを考えると
>各社新聞がいっせいに同じ事を書いていることが
>奇異に思える瞬間がごくたまにですがありますね
>政治経済には疎いのですが、妙なタイミングの事件記事を読むと嫌な気配を感じますね
>国民はそれを鵜呑みにしていくのですよね・・・

そうですね。この問題の背景には記者クラブという横並び奨励制度があります。便利な反面、取材先に操作されやすいという欠点もあるようです。しかし、記者クラブ制度がなくても、アメリカのように簡単に操作されてしまう場合もありますから、制度の問題というより、権力者がメディアを操作するのがいかに巧みで意欲的であるか、というほうが本質的な問題のようです。小泉なんかが、その最たるものですね。

>私は情報をいただくばかりでした あまりお役にはたっていませんが・・・
>帰る頃になってぽろりと取材現場でのつらさをこぼされ
>それを振り払うかのようにポジティブな言葉でまとめられると
>何もいえなくなってしまいます
>昨日の白山さんの新シリーズ初回ブログを読んでから
>ずっと記者さんたちの言葉を振り返っているところです

新聞記者もいろいろですから、情にもろい人もいれば、ずうずうしい人もいます。一般的に言うと、新聞記者はずけずけ質問しなければなりませんので、私を含めて厚かましい人が多いようです。まあ、記者の人をよく観察してみてください。

>折りしも、今夜『新聞誕生、ジョセフ彦』を放映していました

幕末の日本ですか。見逃しましたが、面白そうな番組ですね。 (2006.02.02 00:17:02)

Re[1]:新聞記者の日常と憂鬱2(02/01)  
白山菊理姫  さん
ほわいとさん
こんばんは。

>メディアの影響力はたいへん大きいですね。昨今では、社会を動かしているようにさえ感じてしまいます。

そのメディアを都合よく操作している存在が気になります。メディアの独立性が問われています。

>「富山に転居した者は、二度泣く」と言われているそうです。一度目は、「旅の人」故、二度目は、転出の際の「離れがたい気持ち」、私もご多分に漏れずどちらもしっかり経験しました。富山は第二のふるさとになりました。

富山は情の深い方が多いように感じました。記者として赴任してきて、地元の人と結婚し、そのまま居ついた記者の人もいました。水も魚もおいしい、いいところですよね。問題は冬の天気でしょうか。でもスキーシーズンが到来したと思えば、そんなに苦になりませんでした。 (2006.02.02 00:25:27)

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