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2006.03.23
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カテゴリ: メディア
▼富山の正力10(京成疑獄事件)


政治家はメディアを使って、大衆を都合よく誘導する傾向がある。そのメディアを所有すれば、鬼に金棒。自分の政策や業績を褒め称え、自分が決断した戦争を正当化・賛美することもできる。その政治家にとって都合の悪いことは報じなくなり、その政治家の美談や自慢話が多くなる。政治を糾弾すべき筆は錆び付いてしまう。その場合、新聞やテレビは権力者の応援団、プロパガンダ機関にすぎなくなる。読売新聞も正力の応援団であったことは否めない事実である。

そもそも正力にとって読売新聞は、ジャーナリズムの高邁な理想もなにもない、大衆支配の道具にしかすぎなかったのだろう。それを如実に示しているのが、1928年の京成疑獄事件だ。

かねてから政界に進出したがっていた正力は、元内務大臣の後藤新平の勧めもあり東京市長選に立候補することにした。このとき、当時民政党市議を束ねていた重鎮の三木武吉と密約を交わす。次の東京市長選で正力が当選した暁には、三木に読売新聞を譲るというのだ。

正力はこれで東京市長になれると高を括っていた。そのような折、正力が東京市長になりそうだとの話を聞きつけた、元読売新聞経済部長で京成電鉄専務になったばかりの後藤圀彦から、京成電鉄の市内乗り入れで便宜を図るよう持ちかけられる。後藤は読売新聞を乗っ取る際に世話になった人物でもあった。正力は頼まれたままに、三木ら重鎮に市内乗り入れを強引に認めさせる。三木ら関係者には謝礼金10万円が正力経由で渡ったのであった。

この裏工作と謝礼金がばれて、正力、三木らは検挙。正力は1928年8月16日、禁錮四カ月執行猶予2年の判決を受ける。正力は東京市長の座をあきらめなければならなくなった。だが正力にとって幸運なことに、評判が落ちたとはいえ、手元には読売新聞という道具がまだ残っていたのだ。
(続く)





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最終更新日  2006.03.23 10:04:10
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