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2007.09.11
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テーマ: いい言葉(573)
カテゴリ: 文学・芸術
星の王子と赤い薔薇1

赤い花

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『 星の王子さま 』にも、 薔薇 の花が登場します。王子の故郷の惑星に咲いた一輪の赤い薔薇。自惚れやで、怒りっぽくて、嘘つきで、棘があって、咳をする。

まずは、薔薇のわがままに嫌気が差した王子が、薔薇と別れる場面です。王子はもう帰って来るつもりはなかったので、薔薇に最後の別れを告げます。

- Adieu, dit-il à la fleur.
Mais elle ne lui répondit pas.
- Adieu, répéta-t-il.
La fleur toussa. Mais ce n'était pas à cause de son rhume.

adieuは決別のあいさつでしたね。dit-ilはsaid he(彼は言った)と同じです。この場合の彼は王子です。à la fleuはto the flower。Mais はbutと同じ。elleは彼女。この場合は薔薇の花のこと。ne~pasで否定形です。luiは彼の目的格ですが、フランス語の場合、動詞の前に来ます。réponditは「答える」の過去形。à cause deで「~の理由で」の意味で、rhumeは風邪です(以下は訳だけ記します)。


しかし、花は何も答えなかった。
「さようなら」と王子は繰り返した。
花は咳をした。だが、それは風邪をひいたからではなかった。

- J'ai été sotte, lui dit-elle enfin. Je te demande pardon. Tâche d'être heureux.
Il fut surpris par l'absence de reproches. Il restait là tout déconcerté, le globe en l'air. Il ne comprenait pas cette douceur calme.

「私が愚かでした」と、花はとうとう口を開いた。「私を許してくださいね。お幸せに」
バラが(いつものように)責めないので王子は驚いた。すっかり面食らって、風除けの覆いを持ったまま立ちすくんだ。王子にはどうしてバラが優しく穏やかなのかわからなかった。

- Mais oui, je t'aime, lui dit la fleur. Tu n'en as rien su, par ma faute. Cela n'a aucune importance.

「ええ、そうよ、私はあなたが好きです」と、花は王子に言った。「あなたはそれに気づきもしなかった。私のせいですけど。でもそんなことはもうどうでもいいわ」

Mais tu as été aussi sot que moi. Tâche d'être heureux... Laisse ce globe tranquille. Je n'en veux plus.

「でも、あなただって、私と同じぐらい愚かだったわ。お幸せに・・・。その覆いは結構です。もう必要ないわ」


- Je ne suis pas si enrhumée que ça... L'air frais de la nuit me fera du bien. Je suis une fleur.

「だけど、風が吹いたら・・・」
「私は風邪を引いたりなんかしない・・・。さわやかな夜風はとても気持ちがいいわ。私は花なんですもの」

- Mais les bêtes...
- Il faut bien que je supporte deux ou trois chenilles si je veux connaître les papillons. Il paraît que c'est tellement beau. Sinon qui me rendra visite ? Tu seras loin, toi. Quant aux grosses bêtes, je ne crains rien. J'ai mes griffes.


「チョウチョと仲良くなりたかったら、毛虫の二匹や三匹は我慢しなければなりませんわ。
チョウチョは本当にきれいだわ。チョウチョがいなければ、一体誰が私のところへ来てくれると言うの? あなたは遠くへ行ってしまう、でしょ。もっと大きな動物が来たって、へっちゃらよ。私にだって爪がありますもの」

Et elle montrait naïvement ses quatre épines. Puis elle ajouta:
- Ne traîne pas comme ça, c'est agaçant. Tu as décidé de partir. Va-t'en.
Car elle ne voulait pas qu'il la vît pleurer. C'était une fleur tellement orgueilleuse...

そして花は無邪気に、4つの棘を見せびらかして、こう付け加えた。
「何をぐずぐずしているの、イライラするわ。もう行くと決めたのだから、さっさと行きなさい」
花は涙を見られたくなかったのだ。それはとても気位の高い花であった・・・。

この気位の高い花とは、サン=テグジュペリの 妻コンスエロ のことだったのではないかとされていますね。中米エルサルバドル出身のコンスエロについて、あまり知られていませんが、自由奔放に生きるコンスエロとサン=テグジュペリとの間では喧嘩が絶えず、別居を繰り返していたことが知られています。ただ、『星の王子さま』を書いているときは仲直りしており、ニューヨーク郊外で一緒に暮らしているときに書き上げたとされています。
(続く)





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最終更新日  2007.09.11 12:35:03
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