>自由奔放に生きるコンスエロとサン=テグジュペリとの間では喧嘩が絶えず、別居を繰り返していた

うわぁ、興味ありますね。夢二と元妻みたい!ちょうど今、夢二のことを考えていたので、タイムリーな感じです。

わたしの絵本は、内藤あろう氏訳の『星の王子さま』でした。たとえば、「あたくしのかぜ、たいしたかぜじゃありませんもの……夜のすずしい風に吹かれたら、さっぱりしますわ……花なんですもの」という訳。この口調の時代に、今しがたまでワープしていたところでしたので、薔薇シリーズに感謝です(~~)

『バラの回想』ぜひ読んでみますね。『薔薇ぐるい』も、今度、借りてみようと思います。 (2007.09.12 00:20:44)

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2007.09.11
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テーマ: いい言葉(573)
カテゴリ: 文学・芸術
星の王子と赤い薔薇1

赤い花

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『 星の王子さま 』にも、 薔薇 の花が登場します。王子の故郷の惑星に咲いた一輪の赤い薔薇。自惚れやで、怒りっぽくて、嘘つきで、棘があって、咳をする。

まずは、薔薇のわがままに嫌気が差した王子が、薔薇と別れる場面です。王子はもう帰って来るつもりはなかったので、薔薇に最後の別れを告げます。

- Adieu, dit-il à la fleur.
Mais elle ne lui répondit pas.
- Adieu, répéta-t-il.
La fleur toussa. Mais ce n'était pas à cause de son rhume.

adieuは決別のあいさつでしたね。dit-ilはsaid he(彼は言った)と同じです。この場合の彼は王子です。à la fleuはto the flower。Mais はbutと同じ。elleは彼女。この場合は薔薇の花のこと。ne~pasで否定形です。luiは彼の目的格ですが、フランス語の場合、動詞の前に来ます。réponditは「答える」の過去形。à cause deで「~の理由で」の意味で、rhumeは風邪です(以下は訳だけ記します)。


しかし、花は何も答えなかった。
「さようなら」と王子は繰り返した。
花は咳をした。だが、それは風邪をひいたからではなかった。

- J'ai été sotte, lui dit-elle enfin. Je te demande pardon. Tâche d'être heureux.
Il fut surpris par l'absence de reproches. Il restait là tout déconcerté, le globe en l'air. Il ne comprenait pas cette douceur calme.

「私が愚かでした」と、花はとうとう口を開いた。「私を許してくださいね。お幸せに」
バラが(いつものように)責めないので王子は驚いた。すっかり面食らって、風除けの覆いを持ったまま立ちすくんだ。王子にはどうしてバラが優しく穏やかなのかわからなかった。

- Mais oui, je t'aime, lui dit la fleur. Tu n'en as rien su, par ma faute. Cela n'a aucune importance.

「ええ、そうよ、私はあなたが好きです」と、花は王子に言った。「あなたはそれに気づきもしなかった。私のせいですけど。でもそんなことはもうどうでもいいわ」

Mais tu as été aussi sot que moi. Tâche d'être heureux... Laisse ce globe tranquille. Je n'en veux plus.

「でも、あなただって、私と同じぐらい愚かだったわ。お幸せに・・・。その覆いは結構です。もう必要ないわ」


- Je ne suis pas si enrhumée que ça... L'air frais de la nuit me fera du bien. Je suis une fleur.

「だけど、風が吹いたら・・・」
「私は風邪を引いたりなんかしない・・・。さわやかな夜風はとても気持ちがいいわ。私は花なんですもの」

- Mais les bêtes...
- Il faut bien que je supporte deux ou trois chenilles si je veux connaître les papillons. Il paraît que c'est tellement beau. Sinon qui me rendra visite ? Tu seras loin, toi. Quant aux grosses bêtes, je ne crains rien. J'ai mes griffes.


「チョウチョと仲良くなりたかったら、毛虫の二匹や三匹は我慢しなければなりませんわ。
チョウチョは本当にきれいだわ。チョウチョがいなければ、一体誰が私のところへ来てくれると言うの? あなたは遠くへ行ってしまう、でしょ。もっと大きな動物が来たって、へっちゃらよ。私にだって爪がありますもの」

Et elle montrait naïvement ses quatre épines. Puis elle ajouta:
- Ne traîne pas comme ça, c'est agaçant. Tu as décidé de partir. Va-t'en.
Car elle ne voulait pas qu'il la vît pleurer. C'était une fleur tellement orgueilleuse...

そして花は無邪気に、4つの棘を見せびらかして、こう付け加えた。
「何をぐずぐずしているの、イライラするわ。もう行くと決めたのだから、さっさと行きなさい」
花は涙を見られたくなかったのだ。それはとても気位の高い花であった・・・。

この気位の高い花とは、サン=テグジュペリの 妻コンスエロ のことだったのではないかとされていますね。中米エルサルバドル出身のコンスエロについて、あまり知られていませんが、自由奔放に生きるコンスエロとサン=テグジュペリとの間では喧嘩が絶えず、別居を繰り返していたことが知られています。ただ、『星の王子さま』を書いているときは仲直りしており、ニューヨーク郊外で一緒に暮らしているときに書き上げたとされています。
(続く)





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最終更新日  2007.09.11 12:35:03
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Re:薔薇シリーズ7  
furafuran  さん
子どものころに読んだ星の王子様・・・もうかなり古くなっていますが、その当時の何冊かの本といっしょに、大切に本棚に並んでいます。

薔薇がサン=テグジュペリの奥様だったことは何かで読んだように思いますが、『星の王子さま』を書いているときは、仲直りしていたということもご紹介していただいたので、今日はこのちょっぴり苦手だったシーンをいつもとは違う幸せな気持ちで読めそうです。

こうやって書かれた本の裏側を読み解くことで、サン=テグジュペリの優しさもさらに伝わってきます。

ご紹介いただいたことで、今日はこの本を違う目線でじっくり読んで見る時間ができました。
ありがとうございました。 (2007.09.11 15:08:11)

Re[1]:薔薇シリーズ7(09/11)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>子どものころに読んだ星の王子様・・・その当時の何冊かの本といっしょに、大切に本棚に並んでいます。

世界中で読まれている絵本ですね。日本では内藤さんの翻訳本が長らく読まれていましたが、最近は池澤夏樹さんの翻訳など別の翻訳本が多く出ています。

>星の王子さま』を書いているときは、仲直りしていたということもご紹介していただいたので、今日はこのちょっぴり苦手だったシーンをいつもとは違う幸せな気持ちで読めそうです。

バラがコンスエロだったとすると、何万本もの他のバラには目もくれず、命を賭して妻のもとへ戻っていったことになりますね。バラと王子のやりとりも、随分生々しい会話に思えてきます。

>こうやって書かれた本の裏側を読み解くことで、サン=テグジュペリの優しさもさらに伝わってきます。

コンスエロにとって「バラはお前のことだ」と言われれば、それは最高の贈り物になったことでしょう。でもその幸せの日々も、サン=テグジュペリの突然の死によって終わります。何とこれにより、コンスエロは三度目の未亡人となったわけです!

>ご紹介いただいたことで、今日はこの本を違う目線でじっくり読んで見る時間ができました。
>ありがとうございました。

いいえ、こちらこそご訪問と書き込みありがとうございました。

コンスエロについてもっとお知りになりたい場合は、安藤二葉さんの論文(http://mo19516428.hp.infoseek.co.jp/whatnew.htm)やル・モンドの記事(http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C394170269/E758208141/)をお読みください。

あるいは一番いい方法(時間がある場合ですが)は、コンスエロの『バラの回想』(文芸春秋)をお読みになることだと思います。 (2007.09.11 20:24:58)

Re:薔薇シリーズ7(09/11)  
heliotrope8543  さん
同じような花はたくさんあるけれど、この薔薇は特別な存在、というところがなんだか印象に残っていました。奥様のことだったのかもしれないのですね。ゲーテの野ばらとか、花を見つけて庭に植えたとかいう詩はどうも好きになれないのですが、この薔薇と王子様の場面はしみじみと心にしみます。 (2007.09.11 22:56:48)

Re[1]:薔薇シリーズ7(09/11)  
白山菊理姫  さん
heliotrope8543さん
こんばんは。

>同じような花はたくさんあるけれど、この薔薇は特別な存在、というところがなんだか印象に残っていました。奥様のことだったのかもしれないのですね。ゲーテの野ばらとか、花を見つけて庭に植えたとかいう詩はどうも好きになれないのですが、この薔薇と王子様の場面はしみじみと心にしみます。

星の王子さまのバラは、人間味あふれるバラですね。過度に美化されることもなく、ありのままの個性ある一輪のバラ。

コンスエロは悪女のように言われてきましたが、実はそうでもなかったように思われます。華麗なる男性遍歴には驚きますが、よほど魅力的な人だったのでしょうね。 (2007.09.11 23:28:55)

コンスエロ  

Re:コンスエロ(09/11)  
白山菊理姫  さん
ヤンチャリカ☆358さん
おはようございます。

>うわぁ、興味ありますね。夢二と元妻みたい!ちょうど今、夢二のことを考えていたので、タイムリーな感じです。

どちらも興味深い男女関係のあり方をおしえてくれていますね。安藤二葉さんの論文の中で、コンスエロがサン=テグジュペリを書斎に閉じ込めて、『星の王子さま』を書かせたようなくだりがあり、思わず笑ってしまいました。ヤンチャリカさんにとって、夢二はライフワークみたいですね。

>わたしの絵本は、内藤あろう氏訳の『星の王子さま』でした。たとえば、「あたくしのかぜ、たいしたかぜじゃありませんもの……夜のすずしい風に吹かれたら、さっぱりしますわ……花なんですもの」という訳。この口調の時代に、今しがたまでワープしていたところでしたので、薔薇シリーズに感謝です(~~)

『星の王子さま』といえば、内藤さんですね。紹介されている部分だけでも、既に私と解釈が違うので驚いています。内藤さん訳だと、バラは既に風邪を引いていることになっていますね。伏線は薔薇がした咳払いでしょうけど、薔薇がこの咳払いを風邪を引いたとわざと見せかけてしたのか、それともただ注意をむけさせるためにしたのかによって、訳が変わってきます。内藤さんは前者、私は後者の立場に立っています。

>『バラの回想』ぜひ読んでみますね。『薔薇ぐるい』も、今度、借りてみようと思います。

実は私もまだ読んでおりません。今度図書館で借りようと思っています。『薔薇ぐるい』はところどころを飛ばし読みしています。詩の解釈の部分が思い白いです。ご紹介されていた『セイムタイム、ネクストイヤー』も既に図書館から借りており、近く読む予定です。 (2007.09.12 10:14:29)

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