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そう、唐突に聞かれても・・・でも、もしスーパーカーと暮すとなれば・・・人生がパッと明るくなるような賑わい、と同時にいろいろ出費もかかりそう・・・といった悩みも出る。そんなショミンの思いをのせて、ご覧ください。記事はMSN自動車からです。
スーパーカーと暮らせるか? そう聞いてきたのが派手なオレンジ色のランボルギーニ・アヴェンタドールのキーをチャラチャラいわせている奴だった場合、まともな感覚の持ち主なら即座に「もちろん」と答え、相手の頭を殴るのに何か手頃なものはないかと部屋を見回すはずだ。
ただし、スーパーカーを所有することと、それが日々の用事に使える唯一の交通手段だという状況とでは、天と地ほどの差がある。
ランボルギーニのフラッグシップモデルに25万ポンド(約3300万円)近く支払えるくらいお金の有り余っている人なら、他にも1台や2台クルマを持っていると考えていいだろう。
普通のクルマだと当たり前にできるちょっとしたことが、スーパーカーではなかなか大変だったりする。たとえば、クルマに乗り込むこととか。
上方に持ち上がるシザードアは、ただでさえ風変わりなアヴェンタドールの印象をますます強烈なものにしている。そこにはドラマがあり、驚きがあり、これが日常に属している乗り物ではないことを確認させてくれる(もし確認する必要があれば、だけれど)。しかし、乗り降りはお世辞にも楽だとは言えない。
ヨーガの達人でもなければ、上方に伸びるドアの下をくぐって狭い開口部から乗り降りするのは大変だ。おまけにそばにいた人たちがみなこちらを注視しているとあって、慣れない姿勢で身をよじりつつ、クルマから脱出するためのダンスを何食わぬ顔で試みるのは、なおのこと厳しい試練となる。
ランボルギーニ・アヴェンタドールを購入すれば、いつもみんなの視線を浴び続けることになる。用意されているボディカラーは、ロードコーンのメーカーでさえ鮮やかすぎると言って尻込みしそうな色だ。しかし、たとえ黒やグラファイトのような落ち着いたカラーを指定したとしても、フォルクスワーゲン・パサートと間違えられるはずもない。
アヴェンタドールを運転していると、絶え間なく見つめられる。まずは見られることに慣れること。そして、ズボンのチャックが閉まっているかいつも確認することだ。クルマを預かっている間、われわれは2つの注意点の片方はどうにか守り通したが、注目を浴びる方はちょっと......。
別の惑星から飛来したかのようなスタイルはもとより、アヴェンタドールは音だって並外れている。それは運転者の頭の後ろ数インチのところに配置された6.5リッターV12型エンジンの発する音だ。通行人はまだクルマの姿が見えないうちから並々ならぬ音に気づき、やがて視界に入ってきたアヴェンタドールの姿に驚嘆する。
排気システムは2本のマフラーとエンジン管理用コンピュータで制御するバルブの組み合わせだ。これによりアヴェンタドールの音は驚くほど多彩になった。解き放たれたくてうずうずしている低音の響きから、回転数のピークでの張り裂けんばかりの高音まで、いずれも大音量だが、さまざまな効果に満ちている。
サーボ作動式のメカニカル・ギアボックスが信じがたいほど攻撃的なギアチェンジを行うたびに、エンジンが唸り、咆哮する。到着するはるか前でさえ、接近しつつあるものの存在をあまねく知らしめずにはおかないといった類いのクルマなのだ。近所の住人がこんなクルマを手に入れたと聞いたなら、ただちに家の窓を二重ガラスにつけ換えた方がいい。
どうにかうまく乗り込み、あっけにとられた様子でこっちを見つめる視線にも耐え、半径1マイル以内にある温室のガラスをことごとく砕いてしまった後は、いよいよドライブだ。
スーパーカーの基準からすると、F1の機構にヒントを得たプッシュロッド式サスペンションを搭載するアヴェンタドールは、低速走行時の乗り心地もかなり快適だ。しかし、多くの人が日常的に使うファミリー向けのハッチバック、SUV、スーパーミニ・カテゴリーの基準で言えば、けっこうゴツゴツ感がある。
素早く方向を変え、強烈なコーナリングの力を引き出すために、スーパーカーは格段にリジッドなシャーシと強いサスペンションを必要とする。アヴェンタドールの場合、良好な路面なら、この種のクルマとしては快適に走行できる。しかし、路面が荒れてくるとなかなか厳しい。伸縮可能な継ぎ目の続く自動車道を走るとたちまち苦痛になるし、穴ぼこの多い2級道路では、空気ドリルにまたがった方がまだましという思いにかられる。
都会のジャングルでスーパーカーの敵となるのはスピード抑止帯だけじゃない。アヴェンタドールが駐車できる場所を見つけるのも一苦労で、神経を磨り減らしてしまうことにもなりかねない。アヴェンタドールは長さが4.78m、幅が2.03m(ウィングミラーを除く)もある。これはロールスロイス・ファントムよりも40mm広く、たいていの駐車スペースにはうまく収まらない大きさだとすぐに思い知らされる。
どうにかぎりぎり押し込めそうな場所が見つかったとしても、エンジンベイを覆う鎧戸状のカバー越しに限られた視界で後方を確認しつつ、とびきり重いステアリングを操作するのは辛い。
パーキングセンサーやリアビュー用CCDカメラをフル装備しているとはいえ、道路脇の余裕を甘く考えていてはどうにもならない。せっかくの美しいアロイホイールを歩道の縁石に擦りつける羽目になる。
コンクリート造りの窮屈な多層階の駐車場にアヴェンタドールを乗り入れるのは、肥満解消を目指す人たちのミーティングにチョコレートのかかったエクレアを持ち込むようなものだ。長くはもたない。唯一のメリットは車高が1.1mしかないことで、料金を投入しなくても出口のゲートをくぐり抜けられる可能性が高い。
アヴェンタドールと暮らすのは、他のクルマの場合と違って単純明快とはいかないかもしれない。しかし、ひとたび前方に遮るもののない道路が現れれば、あれやこれやのつまらないことなどたちまち忘れてしまう。6.5リッターのV12型エンジンは最大出力700hpを誇り、的確な切り換え操作とアクセルの踏み込みで508lb/ft(約689Nm)のトルクを自在に引き出せる。
たちまちにしてウィンドウの向こうの景色は、まるでムンクの「叫び」のように混沌とした色彩の渦と化す。
そう、アヴェンタドールはものすごく速い。しかし公道で走らせる場合、これは大変な自制心が必要だということを意味する。このクルマに乗っていると70mph(約113km/h)でさえバカみたいに遅く感じる。これが30mph(約48km/h)だったら、もしや後戻りしているんじゃないかと確かめたくなるほどだ。ゆっくり走っていると、少なくともV12型エンジンから伝わる熱は最小限になる。だが、回転計の上限あたりまでたびたび回していると、キャビンはすぐに耐えがたいほど暑くなる。
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