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2024年10月29日
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カテゴリ: 本にまあ
「日本語界隈(にほんごかいわい)」(川添愛、ふかわりょう著、ポプラ社)を読みました。



著者の川添さんは言語学者、ふかわさんはご存じ、芸人の方です。「ご存じ」と書きましたが、私自身は容貌は知っていますが、あまり芸については存じません。本屋の棚で見たこの本のタイトルに引かれ、無作為にめくって読んでみたページがあまりにも面白く、購入することにしました。衝動買いのようなものですが、通読してみて正解だと十分に思い知りました。

川添さんはもちろんですが、ふかわさんがこんなに日本語の表現に造詣が深い方とは。お見それしました。

本書は二人の対談形式で、さまざまな日本語にまつわる話題を語り進めていきます。読み始めは「川添さんにもっと解説して欲しいな、ふかわさん素人の割りに口を出しすぎて、うるさすぎじゃないか」と思っていたのですが、途中からは考えが変わりふかわさんの言葉に対する感覚の鋭さにすっかり魅了されてしまいました。

川添さんはあくまでも学術的な観点から言葉を語り、ふかわさんは感性の部分で言葉を捉え、どんどん話題を拡げていきます。

ふかわさんの疑問はみな現代に生きる一般の我々の疑問になっていて、思い当たることばかり。表紙の帯に書かれたいくつかの疑問はほんの一部、「そう言えばそうだな」という言葉に関する疑問がふかわさんの口から無限に溢れ出し、いかに彼が言葉に敏感なのかがよく分かります。

しかもそんな疑問を次々と、楽しそうに語ります。それは対談後の川添さんの言葉によく表れています。

「言葉について語るときのふかわさんの楽しそうなこと!お話ししていると、ふかわさんの「たのしい!」という思いが波のように押し寄せてきて(中略)私の頭のなかの堤防もいつしか「たのしい!」の波に呑み込まれ、気がついたらあっという間に時間が経っていました。」(同書234ページ)

この気持ち、よく分かります。私もどちらかというと川添さんの側の人間です。でもそんな「凝り固まった頭」(同書)はふかわさんにかかると軽~くほぐされてしまいます。よくこんなに次から次と話題が出てくるものだと感心しますが、ふかわさんはそれだけ言葉を愛し、言葉に敏感で、言葉と楽しく遊んでいる人だとよく分かりました。






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最終更新日  2024年10月29日 11時10分01秒
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