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明治中期。居留地育ちの西洋菓子職人、元旗本の若様の巡査、成金の一人娘の女学生とキャラ設定はおもしろい。… 時代背景・キャラクター設定ともに二重丸。なのにさらっと薄い印象なのは惜しい。シリーズ物として少しずつ掘り下げて、描きこまれていくことを希望。主役より園山さんと小泉社主の方が個性が際立ってたりするよね。(でももっと書き込んで欲しいけど)せっかく菓子職人を主人公にして章題もお菓子で統一しているのに、ミステリの謎に菓子がかかわっていないのでちょっと残念な感じ。ほかの人の感想を見ていてもそうなんだけど、ミステリか恋愛か西洋菓子か群像劇か、どれかに絞ったらよかったのかも。巻末にでもレシピ(当時の)なんかまとめてあると面白いかも。でも大変かな。アイスクリン強し
2009.06.30
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才女二人の往復書簡的エッセイ。お二人とも食べることが好きなので、グルメエッセイ的な面も(特に巻末の対談はおいしそう!)グルメ以外で面白かったのは「指輪物語」二人の他に登場するのはどちらも大女優、名取裕子&萬田久子。女優3人と女流作家が食事をする(豪華だ!)で、「この年になったら指輪は自分で買うの」派VS「こういうモノって自分で買うモノじゃないもんね。普通、オトコの人に贈られるものでしょ?」派、あるいは「忘れ物をしたのでたったと駆け戻る」VS[普通、誰かオトコの人が拾いに行ってくれるでしょ?」派。女優さんっていっても色々なんだよね。誰が誰だか、わかりそうですね(笑)太ったんでないのッ!?
2009.06.29
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奇書である。「猿だらけ」「シュール」「グロ、いやエロ」「不条理」と聞いていたが前評判通りたしかにシュールで不条理でグロせつない!「猿駅」は猿が猿と思えないほど無機質で、「初恋」は意識のタイムトラベル?グロで。「ハイマール祭」結構好きだ。ベストを選べば「猿はあけぼの」がせつなくていい。ちょっとグロの方向が違うけど、乙一好きな人は結構いけるんじゃないかと思った。以下自分メモ的詳細感想。グロ描写注意!猿駅☆「猿駅」意味も無く猿だらけな世界。「そこはもう一面の猿」猿、といって日本猿を思い浮かべたんだけど猿が猿でなくなにか無機質な「モノ」であるような感じさえ受ける。ぐちゃぐちゃなわりにグロテスクさをあまり感じない(私がマヒしてるのかも)☆「初恋」筒井康隆っぽいところもあり、時間軸がぶれているある意味SF。グロというかカニバリズム。☆「遠き鼻血の果て」無理だろそりゃ、っていう感じだが妙に世界にはまる。文体が一時期の筒井康隆っぽい。☆「ユカ」4ページの超短編。切な哀しいホラー、かな。☆「か」妹愛は何をも超越する(違)☆「雨」パラレルワールドもののSF、と言ってもいいかも。グロなし。そこはかとなくぞわっとする。☆「ハイマール祭」民俗学的風味エロ。エロ、というほどのもんでもないかな。☆「げろめさん」最初から最後までグロ汚い。ちょっとひく。☆「羊山羊」狼男ほど変化が無く羊が山羊に変るくらいの変化なので羊山羊(笑)この病、完治する例ってあるんだろうか?微エロかな?☆「猿はあけぼの」切ない系SF。シュウちゃんの天然ボケっぷりがかわいい。
2009.06.28
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読書メーターでお気に入りに入れている方が何人も読んでらっっしゃったので読んだ本。作者の松尾スズキ氏は「大人計画」主宰で役者で脚本家で演出家で…というような方らしい。らしい、というのは私はそっち方面がうとくて、TVなどで見ていてもさっぱり覚えていないからで…舞台の方は見たことが無いのでさっぱりわからないし、小説単独として読んで理解できているのかどうか不明だが私には面白かった。生まれてとたん母親が死んでしまったり、なんだかぼうっとしているうちに家を出なければならなかったりと流されているだけに見える主人公、個性的というには個性がありすぎる登場人物(どこか実在の人物を思わせる)ストーリーはエログロなのになぜかあっさりサクサクと進み、唖然とする読者を翻弄する。読み返すのは疲れるけど、読めてよかった宗教が往く読書メーターがなかったら借りてなかっただろうな…
2009.06.27
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読んでからCDを聞いたが、八天師匠の声が想像していたのと違ってちょっと違和感。思っていたより声が高い方なんだなぁ。「寄席の怪談」はいい。関東に住んでいると上方落語はあまり聴く機会がないので懐かしかった。関西だと、地方局のTVやラジオ番組に落語家の方が出てらっしゃることも多いし、昔はよく落語もTVでもやっていたものなんだけど。古典落語のパロディのような点もあり楽しめる。「動物記」「正直課長」が好き。「七度狐」と「寄席の怪談」のCDつき。「真説・七度狐」田中啓文古典落語・七度狐のパロディ。CDの方とちょこっと内容が違っているが、CDの方が面白いかな「寄席の怪談」北野勇作普通に怪談としても楽しめるが、それこそ地方の古~~い舞台にかけたらおもしろそう。CDは効果音(お囃子)がつくのでコレは効果的だと思う「病の果て」田中哲弥落語というよりちょっと不条理モノのような感じ「時たまご」田中啓文時そば(上方なら時うどんか)のパロ、と思わせてオチが駄洒落。ま、いいか。「貧乏花見殺人事件」我孫子武丸貧乏花見(東京落語では長屋の花見)のパロ。ダイイングメッセージとか、ミステリの要素もうまく使ってい面白い。「動物記」浅暮三文ショートショートといった感じ。ポン吉君が落語の「与太郎」みたいなキャラでのんきそうでいい。オチも良かった。「百物語」牧野修怪談と思わせて…実はぞくっとするタイプかな。「戯作者の恋」飯野文彦落語のジャンルで言えば人情ものかも。微妙に不条理。「正直課長」森奈津子単純に笑える感じ。面白い。ハナシをノベル!!(花見の巻)
2009.06.26
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うちの市の図書館、意外にラノベが多い。でも購入するのはいいけどティーンズコーナーに並べておく場所がない!…ので、今流行りのものでないもの(少し前に購入したもの)とかは「荷解室」に置かれていて、リクエストして出してもらうことになるわけだ。この三冊も荷解室のもの。一冊は先日の続き、柳生十兵衛もの。☆ Fire in the shadow―爛熟の媚獣 前作より同行者が減った分新しく仲間っぽい立場の人が増えるのかと思ったが仲間となるのはキツネだったし…歌舞伎(狐忠信)やらあちこちの妖狐などの伝承(葛の葉やら)やらを混ぜ合わせまたもや金地院崇伝などの有名人をちりばめた感じ。知っていると面白いかもだが知らなくてもサクサク読めます。まだまだ続きそうな終わりかたなんだけど、ここで終わりだと思う。後書き、天海 祐希引退の頃書かれたのね、と。☆ 蒼白の城XXX(トリプルエックス) 父の仇を討つために刑事になった青年が、悪の首領を探り出すために脱出不可能な監獄へ潜入する…というとハリウッド映画にできそうな波乱万丈のアクションモノのよう。さらにスペオペ要素もあり、謎の美女、妙に魅力の在る悪役…となるともう萌え要素てんこもり、なのだけれど。…主人公がアホだアホすぎる!なんだこいつ!表紙絵を見てさわやか好青年&美少女の活躍するアクションもの、と思って買ったらひっくり返りますね。あと田中啓文なのでグロ必須。ぐちゃぐちゃありスプラッタあり、ご注意を。☆ 慟哭の城XXX(トリプルエックス) 下巻になって主人公が活躍するのかと思ったが相変わらずアホでへたれだ。それも愛すべきアホではなく単にバカ!ヒロインもなんかひどいし。悪の首領と内通者の正体は確かに意表をつかれたが、どんでん返しすりゃいいってもんでもなし(笑)ぐちゃぐちゃ、グロに加えてラストも暗いという、ジュブナイル・ラノベにあるまじき怪作。(褒めてる…かも)たぶん現在では入手困難な三冊。(十兵衛のシリーズは全三冊)もし古本屋で見かけたらちょこっと見るのもよいかも。(でもグロ注意ですから!)Fireintheshadow
2009.06.25
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正月は駅伝。元日の実業団ニューイヤー駅伝に続き、大学生の箱根駅伝が三が日のハイライトである(他のスポーツもあるとは思うけどまぁ)三浦しをん「風が強く吹いている」も箱根の話で、それを思い出しながらTV観戦していたわけだけど、この本は学連選抜チームの話である。そもそも箱根駅伝の場合、上位10チームはシードとなって翌年の出場権を得る。で、シードを取れなかったチームは予選会に出て、選手全員のタイムと、インカレのポイントを加算されたもので審査される。そこで選ばれなかった大学から、有力な選手を集めて一つのチームとして「学連選抜」というチームが結成される訳だ。選抜されたある意味ベストメンバーで走るはずの学連選抜よりも大学のチームの方が勝っていることが多いのは「チームワーク」のお陰なんだろうか?と思いながら読む。チームを形作ろうとしている前半が長く、後半は一気に本番となってしまうため、あっけない感じもする(大学チームでなく練習期間も短い選抜ならではのことかもだが)選手が個性的でとてもいい。怪我(古傷が…)など「風が…」とは同じ舞台ゆえに似たところもあるがこれはこれで楽しめる。エリート君の心変わりがちょっとお約束的な気もするけど、まぁ様式美ということでOK!次回の箱根が楽しみである。箱根駅伝公式サイト公式サイトの中で、駅伝を支える学生が書いているコーナー「駅伝ひろば」の中で学連選抜のことを書いた「関東学連選抜の軌跡」
2009.06.24
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タイトルが長い…借りてみたら二巻目だった…が、前巻を読まなくても大丈夫な感じのラノベ(作中にちょこっと説明めいたものがあったりするので)剣豪のジャンルでは超有名人の柳生十兵衛を主人公にちょこっと伝奇っぽいものをプラスしてみました、といった感じでサクサク読める。出てくる「伝奇っぽい部分」も超有名どころだし。描写がラノベにしては…なところもあるかもだが、普段の(?)田中氏からは考えられないくらい薄いのでグロ嫌いも大丈夫だと思う(笑)関係ないけど柳生十兵衛といえば千葉真一のイメージなので挿絵の美青年を見ながら「これは別人…」と(笑)
2009.06.23
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う~ん、下巻を読んでもどう見ても詰め込みすぎ。論文部分をもちょっとあっさりはめ込んでもらわないと物語に入り込めない。物語部分そのものは面白かっただけに、思考停止させられてしまった感がある。あと、ず~~っと「ミオ」「カワバタ」「ユキヒコ」だったのに途中ちょこっと漢字表記のところがあって(必要なんだろうけど)ある意味記号的仮名的な感じで読み進めていたのにいきなり「美緒」「幸彦」となるとイメージが狂うというか、文字から来る印象に引きずられる感じがする。せっかくカタカナ表記で無色な感じで読んでいたのに。「カワバタ」でも「川端」と「川畑」「河端」では印象が…なんとなくひっかかってしまった。そういう効果を期待してのものかもしれないけど…小説部分の読後感はいいんだけど、正直疲れた。当分読み返すことは無いと思う。301ページ「この胸に深々と突き刺さる時間という長く鋭い矢」、あと何度か出てくる「必然を生きる」という考え方はなかなか深い言葉だと思った。この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(下)
2009.06.22
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この作者のは初読み。経済小説なのかなと思っていたのだが、出版社の内幕サラリーマン出世モノ・哲学・経済・癌患者の性と生活、という盛り沢山な内容。ちょっと盛り込みすぎなきらいもあるのだが、内幕モノのところが面白いので下巻に期待。経済・哲学の部分には頷けるところもあるんだけど全体としてなんだか「う~ん」な気はする。(モノを作っている人よりも情報を動かしている人の方が高収入なのはおかしいとか、野球選手など何十億も稼ぐ人はそんなに使わないで寄付すれば貧困は無くなる、見たいな強引な論理)この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(上)この表紙絵、内容にあまり関係ないよね…
2009.06.21
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作者の処女作なのだそうだが、極上のサスペンス。犬の訓練士で、牧場(ではないか)の経営の返済に困るヒロインのもとへ音信不通だった父よりの便りが届く。両親が離婚して以来、父親に会っていないだけでなく母方の親族とも絶縁しているのはなぜ?という疑問からはじまり、彼女が動いてゆくごとに事件が、といった感じ。物語が進むにつれ新たな謎も生まれ、ヒロインは周囲の誰を信頼していいのか状態になる。(実際私はあの人は絶対アヤシイと踏んでいたのだが)いや~、うまいですよこれ。犬の訓練士、動物園と動物の描写が多く動物園の内幕なんかも良く描かれていてよい。反面動物嫌い、特に蛇嫌いの人にはお勧めできない。(怖いよ…)でも、一読の価値アリ!【古本】凍りつく骨/メアリW.ウォーカー
2009.06.20
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パスティーシュの名手、清水氏がついに源氏に手を出した!という感じ。源氏は「あさきゆめみし」かじった程度(笑)だが元ネタは大体わかる。わからなくても短編として読んでも面白いのはさすが。覚書的に。「夕顔殺人事件」(夕顔)うまい。力ずくで納得させられた気がするけど。「かの御方の日記」(葵の上)彼女サイドから書いたらこんな感じだよね。「プライド」(六条御息所)現代に置き換えたらずばりそう来たか!という感じ。「愛の魔窟」(朧月夜)題名大げさ…だけど。現代に置き換えると須磨支店に左遷で単身赴任、ってのはうまいよね。「ローズバッド」(末摘花)ついにアメリカを舞台に。「うぬぼれ老女」(源典侍)これも彼女サイドから。ちょっと怖いか?女の怖さ。「最も愚かで幸せな后の話」(藤壺)確かに流されてばっかし。「ムラサキ」(紫の上)ムラサキって実際栽培しにくいらしい。読み違え源氏物語
2009.06.19
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題名を見てパロディかと思ったんだけど、ファンタジー…というよりも、星新一のショートショートのような味わいの短編集。ナンセンス加減はちょっと筒井康隆気味かな?唐突に人が猫になったり魚になったり、床用タイルに変装してやってきたり。それをおかしい、と思わずにさらっと進められてしまうところがなんともナンセンス。こういうの好きだなぁ。お気に入りはバイクを愛する彼。人の嗜好はそれぞれだよね(いいのか?)彼の母も喜んでたし。(確かに嫁としてはいいかも。洗濯だけは得意な訳だし。…で、いいのか?)猫とともに去りぬ
2009.06.18
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昨日の、ジェノスシリーズ後編。神VS悪魔の、前編で広げた風呂敷をうまくたたんだ感じ。歌と演奏のシーンはよい。…まぁグロなんだけど。ラノベの域からはちょっとはみ出る感じのグロ(笑)唐突に京福がでてくるのはちとローカルでうれしい。
2009.06.17
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田中啓文氏の昔の…というかちょっと前の作品。集英社スーパーファンタジーX文庫、ということでまぁラノベな文庫なのだろうけれど、その中ではちょっと浮いていた感はある。普段の田中氏にしては抑え目だけど(どっちが普段か知らないけど)ファンタジー文庫にしてはグロだし。ジャズなんか絡めたり、武器がトロンボーンだったりと独自な道を進んで行ってるところはオリジナリティあふれていると言えなくもない。でもまぁある意味王道なファンタジーラノベ。神と悪魔、創造者というのはある種のラノベの典型だもんね。田中啓文がこういうタイプのを書いていたとは知らなかったのでちょっと新鮮。だが内容はベタだ。でもそういうの、キライじゃないよ。後書きが面白い。宝塚お好きなんですね。宝塚モノも書いて欲しかったりするが。神の子はみな踊る
2009.06.16
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己の剣の道を究めるために精進し、また余暇にご家老から所望されるほどの牡丹(深尾くれない)を育てる男、角馬。生涯その二点に打ち込むのみの男、というのはそれはそれで美しい生き方なのではあるが、周りのものとのすれ違いが悲しい。やっぱりコミニケーションって大切だよな、江戸時代でさえも。「男は黙って…」はなかなか通用しないと思うな。内容的にしかたないのかもしれないがいつもの宇江佐氏の人情味が感じられず不満が残る読後感である。すっきりしないよね。
2009.06.15
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新書版なので写真も無く、地味な本だが目新しい料理法も載っていてなかなかよかった。例・ピーマンは丸ごと焼いて種ごと食べちゃう、肉じゃがにみりんの代わりに林檎のすりおろしでカロリーオフ、玉ねぎは水にさらさずに切って30分広げれば辛味が和らぐ、など。からだに効くおやじメシ
2009.06.14
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副題が「走ることから学んだ夢をかなえる方法」なんとなくハウツーものっぽい感じだけど、この本がちょっと小説っぽくないのはそのせいかなぁ。人生に絶望した男と病身をおして挑む少年の出会いというベタな設定。小説としては先が読める展開といい登場人物がみな「いいひと」なところといい、まだまだな気はするのだがこういうベタは好みだ。ちょっと先が読めてしまう展開なのと、病身の少年を使うのはズルイ気はするんだけど。谷口浩美や谷川真理、高橋尚子など実在のランナーたちの名言はさすがに心を打つ。ここだけでも読む価値はあるよね。そして、僕らは風になる
2009.06.13
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「家の光」に連載されていたものだそうだ。続編が毎日新聞連載中ということでこれも毎日かと思っていたんだけど。家の光は珍しいですよね。読者層がとても偏ってる(農業関係者以外読まないような気が)袋物屋の三島屋に川崎の宿屋から行儀見習いとして預かった娘、おちか。なぜか三島屋の主人は人を呼んで、姪のおちかに話を聞かせようとする。そのおちかにもなにやら謎があって…という形式。百物語といえば普通夜に何人かが集まって一室にこもり百本のろうそくを燈して一つ話が終わるごとに一つづつろうそくを消してゆく。最後の灯が消えた時…というものなのだが、この物語では舞台は三島屋の座敷「黒白の間」(普段主人が碁を打つところ)時間は昼間である。話をするものは毎回変り、聞き手はおちか。厳密には百物語ではないのだけれど…宮部みゆき本領発揮、とでもいうべき逸品。「百物語」という形でおちかの過去を含め人の語りで物語が進んでいく形式は時代物の場合特に物語世界に入っていきやすい。怪談話ではあり「心の闇」の分野になるのだろうが江戸の人情によって癒されている感じがする。連載中の続編にも期待。
2009.06.12
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大久保町三部作ラスト。後書きで作者が書いているが、「一般的に三部作、というものであって二部作とか九百部作(だったかな)というものはない。四冊目を書いたら新・三部作といわれて三冊書かされてしまう」ということなのでもしかすると続くかも?(めちゃくちゃ期待!)「子午線の町だから」「明石原人がいるから」(いや、いないから!)と某国の王女が大久保町にやってくる!今回も巻き込まれ型ではあるが、主人公が無力でない点、ヒロインが主人公に素直に好意的な点で一見普通のボーイミーツガール話に見える。…がさすが田中哲弥、脱力させてくれる。一作目の「毛利新蔵(相変わらず出てこない)」やアヤシイ双子、そして今回のゲストキャラに牧村真紀ちゃんがいたのでちょっとニヤリ。明石の地の利を生かした?蛸のエピなんかもう…!さらば愛しき大久保町
2009.06.11
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大久保町三部作の二作目。タイトルは「パリは燃えているか」だよね。「…決闘」と設定も全く違い、今回は大久保町は「イノウエ・ナチス」の支配下にあるという設定になっている。(井上ナチスも笑えるんだけど。井上総統の正体やいかに!)で、今回の巻き込まれ型主人公はナチスに反抗するレジスタンスにさせられてしまうわけだ。マドンナ役(?)はちょっとツンデレ系?な美少女で、これもまたボーイミーツガール話。…と、聞いただけではわくわくする冒険物、になるはずなんだけど…どうしてこうなっちゃうのかという脱力物のお笑いになっている。いや~好きだわこれ。設定は違うけれどこのシリーズ、田中哲弥の他の作品の登場人物が出てくる。寺尾って「やみなべ」の寺尾(武士)だよな、って気がついて、これっていわゆるスターシステムってやつだよね。って言う目で見ると河合茂平、西畑五郎なんかもレギュラー(笑)なんだよね。面白い。三作目も期待!大久保町は燃えているか
2009.06.10
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上巻を読んだのが二週間前なのでちょいと間が開いてしまったが、娘の学校図書館なので仕方ない(大会などで学校行ってなかったり中間テストだったり、ということもあるし。しかし町の図書館ではまだまだこの本は借りられまい)どうも宮部氏のファンタジーというものには相性が良くなくって(汗)ご本人がゲーム好きということもあるのかミステリや時代物ではあんなに「深い」物を描いてらっしゃるのにファンタジーではなんというか浅さが目に付く。「できの悪いロールプレイングゲームみたい」と感想を書かれている方もあったが、まさにそういう印象を受けた。もちろんストーリー的には面白くないワケではない。でもなんというか、風呂敷を無理やりたたんだ感がしてならない。読後感はすっきり、とはいかない。ファンタジー世界での決着としてはハッピーエンドを望むところがだが、設定からしてどうやってハッピーにすりゃいいんだよ?ってものだし、結末はこうするより他はないよね、というものにはなっている。ソラの正体も途中でわかったけどそれはそれで(ほのめかしている訳で)いい。主人公の成長物語として見るのもちょっと中途半端かもしれない。ユーリはあちらの世界でがんばったし成長したんだろうけど、こちらの世界での辛さは代役に押し付けたといえないことも無く、そこらあたりもなんだかなぁ。上巻の感想にも書いたけど、宮部さんにはリアル世界での話で描いて欲しかった。あちらの世界、英雄、の世界観は良いので、続編は期待する。続編を想像させるのは狼の牙のエピなんだけど、そこのところは蛇足かな。ユーリを他のオルキャストと区別して特別に扱う必要は逆に無いんだと思うんだけど。続編があるとすればユーリの物語ではなく、他のオルキャストと狼の物語、友里子の成長物語が読みたい。英雄の書(下)文句ばっかり言ってるけど、その実好きなんだよね、宮部氏。好きだからこそ期待しちゃう。二冊並べるとつながってる。英雄の書 上下巻セット著:宮部みゆき
2009.06.09
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もともと電撃文庫で出されていて、絶版により長い間入手困難だったらしい。ハヤカワで復刊してくれたので読むことができた。いわゆるイマドキのラノベの中にあったらちょっと「浮いた」感じだったろうなぁ。兵庫県明石市大久保町はガンマンの町である…最初、架空の町かと思っていたら実在の街だった(笑)ここらへんね実在の街はともかく、この話の大久保町は無法地帯で神父でさえ腰に銃を下げ、人口の割りにやたらに酒場があり、酒場のドアは西部劇風のスイングドア。で、「受験勉強をするために夏休みに」この街へやってきた主人公は、伝説の男の息子、と勝手に強いと思われてしまう。巻き込まれ型である。西部劇なので圧倒的な敵役がいて、「保安官」がいて(不在だが)あとなんかいい感じの女の子に出会ってなんとなくいい感じに活躍して…と、ある意味ボーイミーツガールの要素もあるかな?…しかし、そんなことよりももう馬鹿馬鹿しくって細かいところまで「楽しんでるなぁ」って感じ。面白かったです。大久保町の決闘地の文が「ノリ突っ込み」なのは関西人の仕様ですか?
2009.06.08
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ノスタルジックでどこか寂しげな雰囲気は前作通り。舞台は同じく昭和30年代。私の世代というよりはむしろ親の世代なんだけど、田舎の方へ行くとまぁこんなのが残っていないことも無く、雰囲気はわかる気もする。子供の頃は足踏みミシンだったしね。新登場の薔薇姫(吹雪)は登場こそ敵役だが、同調するところもあり結局は憎めないキャラになるんだろうな。薔薇姫の他にも神楽氏の兄など新登場人物も増え、父の謎も少しは話され(でもまだ謎)また、続編を期待させる終わりなので楽しみだ。わくらば追慕抄
2009.06.07
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「攫われた娘が戻ってきたら野生児」「村の青年が出世」「身分違いの恋(玉の輿)」「わがまま坊っちゃんと強気娘(これある意味定番かもね。「花より男子」とか)」とエピてんこ盛りだがうまく消化して美しい読後感の残るものとなっている。村の百姓の生活を描いたにしてはのどか過ぎる気もするが(年貢の辛さとか冷害とか何も無いし。きっと温暖で裕福な村なのだろうが)主題は「恋」。二人の夕陽のシーンは絵のように美しい。恋におぼれることも無く悲恋でもない、美しく昇華されたような(ちょっとナンだと思わないでもないけど)恋がいい。ぜひお勧めの一冊。雷桜
2009.06.06
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裏切られた男の復讐譚、となると男の味方になってうまく復讐できることを願うものなのだが、この男がヤナやつで。では、と復讐される側に立ってみても、裏切ったことには違いない訳で。と、考えているうちにも物語りはずんずん進んでいってしまうのだ。主人公・メイソンの下準備の周到さ、途中の中身の濃さに対して最後がちょっとあっけない気もするが、上質のサスペンスだろう。男たちに対して妻・アンをはじめ女達がしたたかだなという印象。まぁその方が面白いけど。殺人にうってつけの日でもまぁ、アメリカは広いから、州を越えて遠くへ引っ越せば人間関係なんかも断ち切って変名で過ごすことができ、証人保護プログラムが成り立つのであって、日本じゃそうはいかないよね。CIAとかFBIとかがない、ってだけじゃなくっても。日本人が海外へ逃げる、といっても言葉の壁はあるし。なかなかうまくいかないなぁ。あと、「バスケットで推薦を受けて大学へ進み、プロ入り」というのがアメリカンドリームなんだなぁ。野球じゃないんだ。日本なら「野球で特待生になりプロ入り」かなぁ?
2009.06.05
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「もやしもん」の樹先生のモデルか?と言われている小泉先生のレストラン本ということでもっと「臭い」発酵物ばかり出てくるマニアックな本だと覚悟していたら、思ったよりも一般的においしそうなグルメ本であった。一軒も行ったことはないが、食べてみたいなと思わせるメニューや写真が魅力的。滋賀県出身だけど「鮒寿司」はもう一つ苦手で、山羊のチーズはわりに好き、「くさや」は好物な私、結構いけると思うんだけどなぁ…発酵レストラン
2009.06.04
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「言葉」のせいで連れ去られ戻ってこない「おじいさん」、「文字」が読めない語り手、そして「言葉」を発することのできない娘アンナ。コミュニケーションの欠如(ちょっと違うか?)という点で問題を抱えた母子なのだが、二人だけで過ごしている時それはそれで繊細で美しい生活を送っていたのだ…(描写がまた美しい。小鳥屋の小鳥たち、海、かもめ、しゃぼん玉)娘の成長を受け入れられない母、という面で読むととんでもない話なのだけれど、母サイドから読むと哀しみと淋しさを感じる。語り手(母)の周囲に、もっと彼女のことを考えてくれる人はいなかったものか(時代的に難しいかもだが)頑なになってしまった彼女を、教え導こうとしてもなかなか素直には進んでいけないのだろうけれど。(アンナの父なる人がもうちょっと…なんとかならないものかとはちょっと思ったりするけれど)救いのある終わり方にひとすじの光を見出すのが救い。酒井駒子さんの表紙絵がとても印象的だった。小鳥はいつ歌をうたう
2009.06.03
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田中啓文の小説でぐしゃどろ小説でも駄洒落小説でもない、と聞いてまず驚き。そして読んでマジメなミステリだ!とまた驚く。テナーサックス奏者永見緋太郎を探偵役とする連作短編。探偵とワトソン役(バンマス唐島英治氏)がジャズ関係者ということもあり、音楽関係が舞台となることが多いが、専門用語が多くても戸惑うことなくその雰囲気に浸ることができる。作者によるお勧めジャズCDのコーナーを読んで、ちょっと聴いてみたいなぁなんて思ったけど、ツタヤにあるかしら?描写も豊かで、表題作は特に美しく、絵が浮かんでくるようだ。こっちの系統でもっと書いて欲しいなぁ。(続編はあるようですね。さがしてみよう)落下する緑
2009.06.02
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本屋大賞受賞作。章ごとに被害者・傍観者・加害者などの「告白」の形で話が進んでゆく。この形式はうまいと思う。一人称での語りは読みやすいし、視点が定まっているので読者がぐらぐらすることがない(時々読者を置いてきぼりに話が進んでいくような本もあるので)読みやすいし文章も構成もうまい。一つのことを多面的に見ているのはエゴを突きつけられるようで、自分の中のどす黒い部分を見せつけられるかのように、読後感は悪い。(ここは悪くっていいのだと思う。ざらり、とする読後感)本屋大賞にふさわしいかと言うとちと疑問だが。このミスとかなら納得。人に勧めるような類の本ではないような。あと欠点がいくつかあるのは後書きなどで一言書いておけば突っ込まれずにすむのになぁ。ネタばれ的欠点・HIVに関する偏見について「作者はこう思ってはいないけれど、森口はこれこれの理由からなになにである」的ないいわけ?するとか。血液を凝固させずに運ぶ方法・牛乳中から血液を検出する方法について。謎の携帯は誰のものだったのか。クラスメイトだとしたら、複数の携帯を所有した方法など。中学生がなにもないのにHIV検査を簡単に受けられるのか?あと、一章で「子供の父親」と「やんちゃ先生」が同一人物である、と表記された部分が無いように思うんだけど読み落としかな?行間からそのように思わせるのだけれど
2009.06.01
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