私の根幹を支えて頂いた11人の恩人 0
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 的を得た質問は相手をクリエイティブにする 実践ビジネス力 (4) <Renewal UP>大多「唐知さん、色々とありがとうございます。 反省も含めて考えさせられるお話しばかりです (^_^;)」唐知「まぁまぁ大多さん、いつもの独断節ですから………。 ところで大多さん……。 先程、私、良い問題提起は質の高い解を導き出す、 といった意味の事を話しましたけど、 先輩、上司との付き合いの中でも、良く体験する事じゃ ありませんか……?」大多「えっ、どういう事でしょう…………?」唐知「あのね……、 何故だか理由は分からないけどけど、 その人と話をしていると……自分の頭の中がすっきりと 整理されてきて、様々な新しい発想が浮かんで来るという 経験はありませんか」 大多「……………………」唐知「上司の方との間ではもちろんですが、 ユーザーとの間でも十分起こり得る事ですよね」大多「相手の方の言葉に、触発されるといったような事 ですかねぇ………………?」唐知「ええ、もちろん、そういった事もあるでしょうね。 ……また、不思議な事に、相手の質問に次々と、 ただ無心に答えているだけで、 自分の中の未だ未整理の混沌としたものに、 ある種の秩序が生まれてきて、 知らず知らずのうちに頭がすっきりしてくる…………、 そうすると、次のステップの思考に移れると いうような事ですよ。 ……まぁこのぅ、 自分がですね、創造的になれるという訳です。 ねっ、経験あるでしょう?」大多「…………!!」唐知「………無ければ……大多さん、 相当に人間関係が貧困と言わざるをえませんよ……」 大多「アリマス、アリマス、あ・り・ま・す………。(^_^;) まいったなぁ。 こりゃ、なんだか、脅迫されたみたいですね…………。 確かに、ありますよ。 私の場合、心の中で、そういった方を、 師と仰いでいるようです……」唐知「なるほど……師とねぇ……。 先生ですか……。 良く分かります……。 素晴らしく聡明な人というものは、 実に効果的な質問をしてくれますよね。 まさに、言葉の中にキーワードが溢れている訳です。 本当に良い先生に巡り合った気分ですよね……」大多「時には、同僚や後輩との間でも、 こんな経験をした事があります……」唐知「なるほど、そうですか……。 大多さんは、相当に頭が柔らかいですね……」 備前「僕は、固いですか?」唐知「いえいえ、そんなこと言ってません。 書物や、雑誌や、ラジオ・テレビ等の中にも、 人が棲んでいるわけですから、そういう人達との間でも 同じ様なことが起こりますね。 結構、日常の事として、身近にそんなチャンスが ありますから、目を皿にしたり……、 耳をラッパにしておきませんとね……」備前「うーん………………、なるほど」大多「備前!えらく神妙やなぁ。珍しいこっちゃ………」備前「もぅ………馬鹿にしないで下さいよ。 我々SEにとっても興味深い話だなぁと思ってる ところですから…………」唐知「そうですねぇ…………。 考えて見れば、システムエンジニアも、 エンドユーザーに対して極めて的を得た問題提起が 出来るようになっていったら、もっと質の高い、 良い仕事が創造出来るのかもしれませんね。 又、本人もすごく成長するのかもしれません。 そして仕事が、もっと、もっと面白くなるのかも しれませんね…………(^。^)」大多「全くです。的を得た質問が出来るようになっても……、 それだけでも素晴らしい事です……」 <新章に続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/26
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 上司との議論に……負けてはならない [3] 実践ビジネス力 (3) <Renewal UP>備前「……それと、逆なんですが…………、 相手を尊敬するとなかなか本音の意見が言えませんねぇ。 全部自分の考えの方が劣ってる様に感じますからね……」大多「……なるほど……」備前「でも、一般的に考えたら、 誰だって素晴らしい先輩や上司のこと、 尊敬しますよねぇ……」唐知「うーん………、きわどい問題提起ですねぇ。 上の方を尊敬するということは、健全な職場では普通に 見られる状況ですもの……ネ。 ただうまく言えませんが……、『尊敬』の気持ちは、 同一の組織に所属していて、且つ、同じ目的に向かって いる場合には『両刃の剣』といえるかもしれません……」備前「…………両刃の剣……?」唐知「ハイそうです。良い面と悪い面が存在するという事です。 考え様によってはあの『オーム真理教事件』も、 教祖に対する尊敬の念の異常な昂揚が生み出した悲劇かも しれませんものね。 ……いえ、誤解しないでくださいよ、尊敬する事が悪いと 言っているのでは決してありませんから……」 大多「それはわかっています。でも唐知さん、 いつになく今日は表現が柔らかいですねぇ……。 いつもは、ほとんど断定的にものを言われるのに……、 今日は『感じる』とか……『しれない』とかが 目立ちます……」唐知「うーん、かもしれません……。 あっ、また言いましたね。(^。^) はははっ……かなり深くて、そして大切な問題について 話をしているからかなぁ…………(-_-)」備前「唐知さん自身は、 『尊敬の問題』をどう処理されているんですか? 」唐知「……そうですねぇ…………。 共通の目的に走っているとか、共通の利害があるとかの 関係の方は、絶対に尊敬しない様に心がけています……。 私自身の、コンサルという仕事柄もありますが、 自分の任務を全うする為でもあります」 備前「そんな事が、実際に可能なんでしょうか……?」唐知「いやいや……どうして……、 極めて難しいですよ……。 感性の範疇の事ですからね……。 うーん……と唸って尊敬しちゃうわけですからね……」備前「…………ですよねぇ……」唐知「……まぁ、その様に一生懸命努力しているという程度に 解釈して下さい。 言い換えれば、知性の力で自分の感性をチェックする クセをつけているというような事です。 うん……、そう言った方が正確でしょうかねぇ………」 備前「相手の方の欠点とかも……真剣に見るんでしょうね……」唐知「……素晴らしい方だ……と、ピリピリッときたら……、 できるだけ、その方の短所・欠点を探す様にしています」大多「逆にですよ……。 尊敬できないような人とは真剣に付合いたくない、 といった感覚もあるわけですから、 こりゃー大変なことですよ……」唐知「まぁ、そういった微妙な関係の方に対しては…………、 好きになってしまうことですよ……」大多「……好きになる……?似たようなものですね」 唐知「……似て非なるものがあります……。 好きな者同志なら喧嘩だってしますよね。 自分の我を張る場合も、もちろんあるでしょうが、 相手のことを思うあまりに、してしまう喧嘩もあります。 喧嘩が出来ればチェック機能は働くんですよね……」備前「……一応、戦いですからね…………」唐知「上の人が、万が一間違った道を選ぼうとしている場合など 敢然と突っかかっていけますからね。 その事が、たとえ決定打にはならないとしても、 抑止力としては働くでしょうからね……………。 まぁ、なんですねぇ。 尊敬している人とは喧嘩できませんものね…………」 大多「…………フム……」唐知「…………そうか……そう言えば…………私は、相手と 喧嘩出来るかどうかで『尊敬』と『好き』を区分している ようだなぁ………。 確かに……。 今、わかった…………。 うーん……良い質問をありがとうございます」大多「なるほど……好きになれ…………か」備前「面白いですね。なんとなくわかりますよ……」唐知「私が、こんな風に難しく言って、こだわっているのも、 下の者が上の人と対等感のある議論をして、 テーマの曖昧さを正す必要があるからです。 実際に、あちこちで見られる現象です。 さて、この話は、この位にしましょうか……(^。^)」 <新章に続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/22
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 上司との議論に……負けてはならない [2] 実践ビジネス力 (3) <Renewal UP>大多「唐知さん、下の者がトップから話を聞く時に、 先入観があるんではないかと思います」唐知「フム……先入観ですか?」大多「はい、つまりトップの言う事に対して最初から 『どうせこういうことだろう』と決めてかかっていると いう面があるような……。 私は現在トップではありませんから類推ですが……、 トップもその辺りやりにくいんじゃないかと 思う事があるんですよ……」唐知「……確かにありますね。 これも部下の持つ、いわゆる警戒心のなせる技でしょう。 親子の間でも似たような事ありますね。 ……厳しいようですが、上の方が対策すべき課題ですね。 下の者の持つ遠慮や恐怖心をどのように取り除くか……」 大多「部下にも問題ありますね。 結局のところ曖昧に聞いて、持ち返ってから、 ああじゃないこうじゃないって類推して、 結果……外れて、パー……。 そして怒られる……。てなこと…………。 まったく、骨折り損のくたびれ儲けってヤツ……」唐知「あのね……、これは大事なことですから……、 あだや…おろそかに…聞かないようにして下さいよ。 ふふふふっ…………(^.^)」大多「……さて、何でしょう?」唐知「あのね、上という字には下に一棒『床』があるでしょう。 だから、下が良く見えないわけですよ。 一方、下とゆう字は上に一棒『天井』があるから、 上がほとんど見えない訳。 上と下とが話す時は、『中』の気持ちになって 話さなきゃね。 中という字は、棒が上下に突き通っているから、 よく上下の意志が疎通するという話…………」 大多「ははははっ……これはなかなか(中々)面白い……」備前「はははは……、これは使えますね。 今度係長に報告する時は、先にこの話をしてから 報告する事にしよう……。 はははっ……」唐知「まぁそういった事ですから、色々難しい状況の中で、 まず担当スタッフが、しっかり踏ん張らなくては いけません……」大多「上位の方の権威や権力に対し、遠慮したり……、 理不尽に負けたりしないように……ですね」唐知「そうです、そうです。 そういう負け方をしたんじゃ意味がありませんからね。 ……課題が具体的になるどころか、……不正確になって しまったり、客観性の乏しいものになって しまいかねません」 大多「唐知さん、その為にも、普段からのTOPとの コミュニケーションがとても大切なんですよ……。 仕事と割り切って、ちゃんと意見具申ができるような 関係を、作っておかなくちゃなりませんから……。 言い換えれば本物の信頼関係を持っておく必要が あるわけです…………」唐知「ほうー……、大多さん、なかなか深い所を突きますねぇ。 ………さすがだ……。 今、言われたことはとても大切な事です。 コミュニケーション作りという目で見たら 酒の席なんか決して馬鹿にはできないんですよ……」大多「……全く、そうですね……」唐知「一般的にもいえることですが……この課題は、 なるべく感情を交えず……相互に虚心坦懐にクールな 議論がやれるかどうかが、ポイントですよね。 それが結果の良し悪しの分かれ道でもあります」備前「ちょっと、耳が痛いですねぇ……」唐知「うん……?……どうしました?」備前「いえね……『言いたい時に言いたい事がきちんと言えて、 なお且つ決して角が立たない』と言われる様になれって、 しょっちゅう大多先輩に言われているんですけど………」大多「はははっ……、結構言いたい事言ってる方じゃないか? ええっ!!備前……(゜_゜)」唐知「……って事は、角が立つわけだ…………。 ねっ……。(^。^)」 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/20
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 上司との議論に……負けてはならない [1] 実践ビジネス力 (3) <Renewal UP>唐知「まぁ、昔から私の話は独断と偏見ですから、何事も、 そういうケースが多いという位に、 理解しておいて下さいな……。 しかし、大多さん、貴方が先程指摘された様に、 企業内の評論家タイプの人達に対して、 色々と教えると言ったって空しい事かもしれませんね。 元々、人の生まれ持つセンスの問題かもしれませんしね」大多「さわさりながら……、 会社としては、あらゆる要員を戦力化する事も、 大切な事のひとつですから…………」唐知「まさに、その通りですね!!(^。^) 提起された問題の中身を、能力のある人達がよく吟味して より正確な表現にする。……そうする事によって、 実効性のある答えが出て来やすい様な……、 そんな仕事の場面にセッティングしていく事が、 非常に大切なんでしょうね…………。 ……ねぇ……備前さん、いかがですか?」 備前「えっ。(゜_゜>) はい……確かに……言われる通りだと思いますよ。 そういったリーダーシップをとりたいですね。 会社の中の評論家人口は、数的にはそんなに多くは無いの かもしれませんが、何といっても彼らは 論客を自認している場合が多いですから、 周りが振り回されてしまいがちです。 何ともまぁ、みっともない話ではありますがね……。 今、唐知さんが言われた事には……含蓄があります」唐知「しかしねご両人さん……。 この事は『言うは易く行うは難し』で、 別の面で相当の労力と知恵と勇気を必要とされる事が 多いと思っています」大多「えっ?『テーマの具体化』がですか?…えー? それは、また、何故?…………デスカ?」 唐知「特にですねえ、特に問題や課題の提起者がTOPである 場合には顕著です。 大体においてそういう立場の人は、大まかな言い方を するのが常ですよね。 方向だけを示すといった…………」備前「…………!」唐知「……この作業は、かなり突っ込んだ議論が要求される 仕事ですが、その突っ込んでいく過程で、 TOPのプライドや『面倒くさい』と思う気持ちと 戦わなければならなくなるケースがあります。 はっきりいって、やや、感情的になり易いキライが あるわけです……」大多「それでなくても、TOPクラスの方には 質問がしにくいですからね…………」備前「あんまり、聞き返しますとね、こちらの理解力を 疑われるんじゃないかと……、 警戒したりするんですよね。上からは常に能力を 判定されていると考えますからねぇ……」 唐知「そういう気持ちが働くのが通常でしょうね。 特に、優秀な上司だと、まるで見透かされるような気が すると言う人もいます。 しかし優れた上司ほど部下の持ち味を見出して、 適材適所に生かしていきたいと思っているものです。 善し悪しを云々というよりも、 部下の持つ特徴や色合いを見てるんですけどね。 ……まぁ、下とすれば錯覚しますよね」大多「蛇に睨まれたカエルの様なケースだってありますよ……」唐知「ははははっ……。(^。^) 私のコンサルとしての経験から言いますとね、 面白いことにですね……上の者の説明の仕方が悪いから、 聞いている下の者が分からないというケースが、 実際には結構多いんですよ……」大多「……!!」唐知「特に、その上司特有の言葉と、非常にユニークな 言い回しで話す人に、顕著にあらわれます……。 また、やたら話の中にカタカナが多い人もわかりにくい ですね……。概念を共有しにくいですからね。 例えば、『プレッシャー』という言葉。 話している局面、局面で、日本語で表すと 『緊張~恐れ~ヒビリ』など、多種多彩になります……。 大和言葉で喋って欲しいと迄は、言いませんが、 ……せめて漢字かひらがなで喋って欲しいですよね……」 備前「ヤマトコトバ…………? 」唐知「ああ……聞き慣れないですか? ……万葉集等で使っている言葉とでもいいますかね……。 分かり易く言えば………。 漢字の音読みを除いた訓読みの世界に近いかなぁ……。 備前さんは若いから違和感があるかもしれませんね」備前「ええ、初めて聞きました…………」唐知「学校(ガッコウ)と言わずに、……マナビヤ。 道路(ドウロ)と言わずに、……ミチ。 生活(セイカツ)と言わずに、……ナリワイ。 結局(ケッキョク)の代わりに……ツマルトコロ。 武士(ブシ)の代わりに、……モノノフ。 微笑(ビショウ)の代わりに、……ホホエミ。 これはちょっと違ったかな……。ははははっ……。 まぁ、こんな感じですよ。ここまでは要求しません…」備前「………………なるほど………………」 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/19
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 正しい答えより……実行できる答え [4] 実践ビジネス力 (2) <Renewal UP>備前「うーん……ただですね……大多先輩! 我々のような技術系の仕事の分野では、 今言われている様な責任の曖昧さは、 ほとんど見受けないですよ。 仕事の性格上の違いなのかな……。 まぁ、管理系の仕事の分野にそういう人が多い様に 感じます…………」大多「うーん。そうかなぁ………………。 うーん…………、まぁ、確かにその感はあるかな。 しかし唐知さん、彼らの抽象的解決策の模索という やり方は間違いなんですかね?」唐知「いえ、全部が全部、そうとは言い切れない面もあります。 例えば、参謀本部的な部門ですね。 一般的には戦略企画部門とでも言いますかね。 そういった部門でのビジョン形成のプロセスだとか……、 構想計画を立てるプロセスなんかでは、 十分に存在するアプローチ方法ですから、 あながち間違った行動とは言えません」大多「フム……計画業務向きの手法なのかな……」唐知「……ただ、企業のラインの第一線の部門であれば、 ちょっと困りますねぇ。 きっと、良い結果に結びつかず、 問題は解決しないんじゃないですかね。 当然、良い評価もされないでしょう……」 大多「只、そういう連中を見ていると、 仕事の進め方うんぬんの問題というよりは、 何かこう本人達の性格というか、長年の考え方の癖の様な 気がしますがネェ。 それも、かなり頑固な…………」唐知「うーん……。 先程から話してますように、これは問題提起の仕方にも、 おおいに原因がある訳です。 提起する方の罪と……、このままでは抽象的で駄目だと 見破れない罪とでも言いますかね……。 しかし、一方でですよ。一方で個々人の問題解決への、 取り組み方という面から見ると、多くの場合、彼らは 実業の世界を生き物として動態的に捉えていない、 むしろ統計手法をベースにした静態的分析論を好む きらいがありますね……」備前「しかし唐知さん……、 それは、どちらも大切なんじゃないですかね……」唐知「…………」 備前「……話が少しずれてません……? 流れや動きを読んでから答えを出すにしても……、 ある時点とかあるエリヤとかに絞って、分析するにしても ……大切なのは、対応策の具体性とおっしゃりたいんじゃ ないんですか……?」唐知「その通りです…………。(^。^) 大多さん、あなたは、なかなか油断ならない後輩を お持ちですね……。 今、備前さんが言われた具体性という言葉をですね……、 もう少し、唐知流に噛み砕くとしたら、 再三言ってますように『素早く実行に移せる策』と いう事でしょうね」備前「……(^-^)」唐知「社内にしても、市中にせよ、現場は刻々動いて いますよね。そして、その動きの一番底のベースの ところで人の持つ意志の力が大きな力を振るっています」大多「……意志の……チカラ……デスカ?」唐知「そう……。 俗に言う『5W2H』ってありますよね。 『Who』『Where』『What』『When』『Why』 『How』『Heart』なんですが…………」備前「ええっ!!『Heart』……? 『How much』じゃないんですか?」唐知「ふふふふっ……、唐知流です(^-^) この『Who』と『Heart』なんて、 結果の良し悪しに対して、実に大きな影響力を 発揮しますよね。 つまり、『誰が』やるのかという事、 どんな『決意』でやるのかという事、 これらは問題を解決するのに極めて大きな 要件となります」大多「!!……なるほど」 唐知「例えば、営業や研究開発といった分野の課題では、 特に誰にやらせるかがポイントになる事が多いですね。 適正な要員を選び出す事が勝負になりますね。 こういった、数字やデータに出てきにくい要素を、 よく折り込んで考えなければならないケースも、 多いんですよね……」大多「確かに評論家的なタイプの人達は、 その辺が弱いという面はありますが、 例外もありますよ…………」唐知「例外は当然です……。ただ言える事は、 企業の第一線の運営に関する問題解決というのは 『実行可能な道順を提示する』という事であって、 論理的に正しい答えを並べ立てても遠回りにしかならん、 ……という事を教えてやらなければいけませんね。 そしてその道順は、誰でもない自らが 設計すべきものだという事もですね……。 ……設計ですよ。 設計です。……描くのとは違います」大多「うーん……。 唐知さんが言いたい趣旨は、分かるような気がします」 <完> <新章に続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/14
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 正しい答えより……実行できる答え [3] 実践ビジネス力 (2) <Renewal UP>大多「うん……、確かに唐知さんの言われる通りです。 しかしですねぇ……それは組織の運営をきちんと厳密に やっている場合の話のようですよ。 実態は………といえばですね、組織はごくおおまかに 運営されていますからね。(^u^)」唐知「……!!」大多「『組織運営のコツは、 四角い重箱に丸いフタをする様なものが良い』 等と言う人もいる位です……(^-^) 隙間があるのが……うまくいく……という考えです。 解決策の質を問う前に、放ったらかしにされている 課題が、多いようですよ……」唐知「…………うーん……大多さん。その言い方……、 局面によっては一理あるなぁ……。 確かに…………。 しかし通常は企業では『信賞必罰』が大切な事ですから、 おおまかな運営ではなく、きちんと責任を全うするように しなければ……健全経営にならないと思います」 大多「責任……ですか。 うーん、唐知さん、けっこう曖昧ですよ。(^-^)」唐知「困ったことに…………、 そうかもしれませんね。 問題解決の在り方を云々する前に、 問題が放置されることを防がなければなりませんね」大多「ハイ……多分……」唐知「徹底して責任を追及しないのは、企業でいえば全て 上層部の怠慢と言って良いでしょうね」大多「……全て……ですか?」 唐知「そう完全に……上の責任問題です。 考えてみて下さい。 賞も罰も上層部の権限で決めて、 それを実行に移すのですからね……」大多「……それはそうですが……」唐知「……実際に徹底した信賞必罰政策を実行しますとね……、 社員の士気が低下するといった副作用が起こったり、 人間関係のもつれ現象等が発生してくる場合があります」大多「……確かに。 『賞』に媚びたり、『罰』に怯えたり……」唐知「これらを、じょうずに処理していく自信を持てない人達が 上層部に多い結果……徹底しないわけです。 ……逃げる上層部が多くなっています……」大多「………………」 唐知「俗っぽい言い方をするなら、 『法律にゃー滅法強いが、喧嘩の仲裁は苦手』なんていう 人達が、結構上層部に座っている企業が多いですからね。 …………困ったことです……」大多「……うーーん」唐知「まぁ、堅苦しい組織論は横に置いて考えてもですね……、 身近で発生している問題に気付かない人がいるのは、 その種の能力がその人に不足しているわけですから、 それはある程度仕方ないでしょう。 そして、その人達は、多分その能力に見合った報酬しか 貰っていないはずです」備前「…………!!」唐知「しかし……気付くレベルの人達は、上の方に居て、 当然その解決を期待されているはずだし、ちゃんと、 それに見合う報酬を受けているはずです。 だから『放置の罪』で糾弾されねばなりません! 問題の解決策等という以前の……課題です」 大多「ひゃー……、厳しいなぁ唐知さん。……いつもながら」唐知「いやいや、どうも。 お褒めにあずかり光栄です……。 そして私が言いたいのは、その事が組織の責任であると 同時に、人災でもあるという事です。 いや、むしろ、人災のケースの方が多いかもしれないと いう事です……」大多「仕組みの問題というより……人災……ですか?」 唐知「そう、人災です……。 適当に振舞って……課題を見て見ぬ振りをする人等は、 もちろん論外ですがね。 『テーマの曖昧さ』にこそメスを入れるべき局面で、 その『曖昧な舞台』が大好きで『抽象』という名の 扇をかざして、やたら華麗に踊りたがるクセの人が いませんか……? そういう人には十分に気をつけなくてはいけませんよ」大多「『華やぎ流』の踊りですか。ははははっ……。(^。^) 今言われたように、解決策を実施に移すプロセスが、 全然見えない答えを、いつも出してきて、 平然としている連中は確かに存在しますよ。 大体において、心構えとか方向性とか、あるべき論が、 とうとうと謳ってありましてね、 俺は素晴らしい答えを出したんだから、 後は実行できない連中が頭が悪い……なんていう顔を してますよ。 逃げ回っている人よりは少しはましなんでしょうが……」 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/12
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 正しい答えより……実行できる答え [2] 実践ビジネス力 (2) <Renewal UP>唐知「いやいや……。 まぁ、こんな風に冷静に考えれば、変だと気付く訳です。 しかしですねえ…………、問題は…………、 それなりの地位やキャリアの人が、それなりの顔をして、 毅然とした口調で胸を張って言いますとね、 なんか、凄い見識のように錯覚するから、 ……不思議ですよ」大多「……一種の暗示ですかね?」唐知「うーん……『売上高を伸ばすには』って、言われて、 『近在の経済圏の中で大手優良の顧客を絞り込み、 社が保有する技術との整合性を取りながら、長期型の 大規模案件を受注するようにしたら良い……』 等と応えるのと同類ですね」備前「…………!!!」唐知「まぁ、言ってみれば諸悪の根源は、 問題の出し方そのものが曖昧なところにある訳ですから、 まずそこに気付くのが重要だと思います」 大多「……考えてみれば『売上高を伸ばすには』 というテーマに汎用的で実効性のある答があれば、 どこの会社もとうの昔に実行して成績を上げてますよね」唐知「ええ、そういう事でしょうね……。 取扱っている製品、保有している技術、 営業マンの実力、その市場での競争力、 その時点の景気動向……その他、どの要素をとっても、 ひとつひとつが大変な重要項目だし、 それぞれの事情によって、問題の色合いは大きく違う はずですよね。 色合いの違う物を沢山含んだ課題をゴチャゴチャにして、 抽象化しては解決は遅れる訳です…………」大多「これは、よく分かるなあ……。 何年たっても、ちっとも前に進まない様な問題なんかは、 この範疇のものなんだな。 ……結構ありますねぇ。いつまでたっても、 問題だ、問題だって騒いでるヤツが……」備前「要員不足の問題なんか、まさに顕著ですね。 人の数の面にしても、具備すべき専門性の面についても、 ちっとも前に進まない……。 人が欲しい、欲しいと言い続けるだけ………」 唐知「同じ問題をですね、半年も叫んでいたらこれは大変です。 その問題が存在する事も勿論大きな問題でしょうが、 もっと大変なことは周辺の人間が無能という事でしょう。 気付いていて直さないというのは、気付かないより 罪だと思いますね」備前「これは厳しい。職務怠慢ですか……」唐知「そう『咎めてそれに倣うは、罪また甚だし』です。 それに、組織上解決する事を仕事として与えられている 人が必ず存在するはずです」大多「うーん、しかし唐知さん、組織上で解決の役割が、 はっきりしているような問題は、解決が比較的前に 進んでますよ。任務を全うしないと叱られるという事が 分かっていますから……ね。 むしろ、問題が複数の部門の間にまたがっていたり……、 異なった部署相互に関係の深いもので、責任の所在が はっきりしないようなケースが、延び延びになって、 なかなか解決しないようですね……」唐知「大多さん、その認識は甘いですよ。 普通の組織ならそういう範囲も、ちゃんとカバーする 職位を作っているはずです。 ほら、総括とか調整とかいった、上長を補佐する 職位をね……。 あるいは、筆頭課長に位置づけるといった具合にね。 それも無い場合は、ひとつ上の共通の部門長の責任に なっているはずです」 <続>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ================================================
2016/12/09
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 正しい答えより……実行できる答え [1] 実践ビジネス力 (2) <Renewal UP>大多「備前お前、青いなぁ……。<`ヘ´>」備前「……(-.-)」大多「抽象的な問題提起と、それに対する抽象的な解決策の間で いわば評論家的に腕を振るおうとする人達が、 上層部から便利に利用されているのかもしれないと いう話…………唐知さん、感覚的には分かります……。 鋭いですよ。 さすがに……唐知さん……」唐知「やっ……どうも……ありがとうございます。 大規模で安定している企業に多い現象ですね……。 全体的に『抽象的歓迎ムード』みたいな…………」備前「……(ー_ー)」大多「……ところでさっき言われた……簡単なものは 問題と呼ばないというのは、 どういう意味ですか……?」 唐知「……だって大多さん、 それは日常の仕事そのものだからですよ……」大多「仕事そのもの…………と、申しますと……?」唐知「考えてみても下さい。 特にスタッフの日常業務ってのは、小さな問題解決の 連続なんですよね。 とりたてて、それを問題とは言わないだけでしてね……」大多「あっ……なるほど……」唐知「一方で、本当にしっかり取り組んで解決を図るべき 大きな問題がありますね」大多「はい」唐知「言い換えれば、明らかにそれなりの規模の被害や損失に つながっているか……、又は……、 そうなる事が予測される様な問題です……。 これらの対応の仕方を勘違いしている人達が多いのには 本当に困ります……」 大多「……勘違いですか……?」唐知「そうです。 だって、そういう人達はほとんどの場合に 『正しい答』を出せば良いんだと考えてるんだから 困るわけですよ……」備前「なっ、何言ってるんですか……。<`ヘ´> 『正しい答』で上等でしょうが? 間違った答でも出せって言うんですか?」唐知「(^u^)……勿論そうは言いません…………。 まぁ『正しい答』という言い方は言葉の上では、 もっともなように感じられますが…………、 これが実に紛らわしい表現なんですよね……」備前「一体どこが、紛らわしいんですか。 ……えっ?」 唐知「備前さん……実業の……世界では………ですね。 『素早く実行に移せる答』を出しうるかどうかが 勝負じゃないですか? まぁ一歩譲って、素早くとは言わないにしても、 実行に移せる答が勝負です。 実業ですから……まぁ、当たり前の事ですけどね……」備前「……」唐知「理論的に正しいだけでは答えとして未熟なんですよ。 また、抽象的で実行に移すイメージが湧いてこないもの、 それは答でも何でもないんですよ……。 小説家にでも任せる世界の話でしょう……」備前「………未熟?」 唐知「そう…………例えば『コストを下げるには』という、 極めて抽象的な問題提起があるとしますね……、 『要員の業務の生産性をもっと上げて、小数精鋭に 持って行き、且つ、諸経費を切り詰められる迄 切り詰めると同時に、コンピュータ機器等の資材は、 可能な限り安い物を調達する様にすればコストは 下がる』 等という答えは……全く困る訳です」備前「ええっ……?どうしてですか? まさに、その通りじゃないですか。 ……どうも…………良く分からん……」 唐知「これのどこが『答』ですか!! これは、答えでも何でもない。 ただ、問題を細分化しただけじゃないですか。 業務の生産性を上げるって……? そんな事当たり前ですよ。 部門長は日常的に取り組んでる事です。 実はどの業務のどこの生産性を、どうやって上げるかが、 一番難しい問題なんでしょう? ……まぁ、ことほど左様に呆れたことなんですよ……」大多「なるほど。野球でピッチングのコツをと問われて……、 バッターの打ちにくい所に、相手の苦手な球を投げれば 良い、なんて答えるようなもんだ。 ……答えでも何でもない。 政治家や、評論家の論法には……多いですね」唐知「大多さん乗ってきましたね。……面白い例えです」備前「……僕は、乗りが悪くてすみませんねぇ……(ー_ー)」 <続>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/08
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 『問題提起』という名の落とし穴 [4] 実践ビジネス力 (1) <Renewal UP>唐知「テーマは『K政令指定都市の道路の混雑緩和』の問題 でしたが……。これも先程話した踏切の話と 似たようなもんで……答は簡単です」備前「……簡単ですかぁ?」唐知「ええ、簡単です。(^-^) 混雑を解決すれば良いのであれば、 東西南北、市街地区に入って来る方の信号機の、 青の点灯時間を短く、赤を長くして…………、 一方、出て行く方の信号機は、その逆で、 青の点灯時間を長く、赤を短くすりゃ……その内に、 自然と市街地の車の台数は確実に減りますよ」備前「…………(ー_ー)!!」唐知「………勿論、入って来る方の道路には、延々と車の列が 出来るのは当然ですがね。ははははっ……。(^。^) 混雑させたくないという事だけを命題にするんなら、 車を減らせば良いんです。 ……極めて明快です(^-^)」大多「おもしろい発想ですね……。 上りと下りと別々に信号表示する訳だ……」 唐知「これは、ひとつの正しい答である訳です。 しかし、とてもじゃないが採用は出来ません。 なぜか? 人や物資の輸送という、重要な課題との絡みが あるからです。 ……車は、輸送機器ですからね」備前「輸送機器…………ナルホド」唐知「近年は車がレジャー用品だったり、装飾用品だったり、 またスポーツ用品だったり、生活のステイタス主張の 手段だったりと、面白いほど様々ですが……、 車の基本は輸送機器ですよ。 ……ねっ」備前「それに恋人ハントの道具だったり、 交際部屋だったりと多種多彩ですよ……(^-^)」唐知「ははははっ…………。(^。^) でも、基本は輸送機器ですね。 だったらこの問題も当然の事ですが『混雑緩和』のみの 問題ではなくなる訳です…………」大多「……確かにそうです」 唐知「市街地に車を大量に呼び込む物が色々とありますね。 つまり、人や物資が大量に集まる施設やエリアの場所を 移動させるといった事も考える必要が出てきます。 しかし、これは市民の利便性と深く関わっていますね。 また公共輸送と一般車両との関係、道路政策との絡み等、 総合的に解決を図らなければならないわけでしょう……」大多「…………確かに……」唐知「取組みの方法、そして検討メンバーの構成は、 全然違ってきますね……」大多「つまり道路混雑は『現象』であって『問題』ではなく、 本当の問題は道路混雑によって発生してくる、 不都合の方にあるというわけか。 ……考えてみりゃ当たり前だ」備前「逆に混雑を生み出している違法駐車の問題等もあります。 これは市民が利便性だけ追いかけるから、 起こっている現象といえます……」唐知「そう、そう、ご明察。……不都合については、 そういった市民の便利な生活という側面も大きいかも しれませんが、消防車や救急車、パトカーなどの 緊急出動の際の問題なども見逃せませんね……」 備前「大問題ですよ!!」唐知「こんな例はいくらでもあります。 ここで私が言いたいのは問題解決に取り組む時に、 提起されている問題そのものを解析する事が 非常に重要になる場合が多いという事です。 解決すべきテーマの具体化……とでも言いましょうかね」大多「……………具体化。……フム」唐知「ところがですよ、ところが…………。 えーと……………………、 ちょっと人の話に移っていって良いですか?」大多「どうぞ、どうぞ。 今日は色々な角度からのお話を、聞かせて頂きましょう」備前「……人の話って?」 唐知「さっきから私が指摘している 『抽象的なテーマは具体化しなければならない』といった 大切な事に気付こうとしない人たちがいます。 彼らは、逆に、抽象的問題提起と抽象的解決策の間で、 いわば評論家的に腕を振るおうとします。 そういう人達が、企業内に存在するのも事実です………。 心当たりありますね?」 大多「ウッ……(>_<)」唐知「いえいえ、あなたの事を言ってるんじゃありませんよ。 ……大多さん……(^。^)」備前「それじゃー、僕のことですか?」唐知「はははははっ……。 どうですかね。自分で決めて下さい。 どうでしょう……、問題解決なんて簡単な事と 考えてる人達が身近にいませんか。 ……実は簡単なものは通常『問題』とは 呼ばないんですけどね…………」大多「やや、耳の痛い面もありますなぁ……。 会社でも、よく見掛けますね。 しかし、そういう人達は大体において、 上層部からの評価は良い様なんだな……」唐知「さぁー、本当に良いんでしょうかね。 便利に利用されているだけかもしれませんよ」備前「便利に? 利用? 何ですか……? それは?」 <完> <新章に続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/06
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 『問題提起』という名の落とし穴 [3] 実践ビジネス力 (1) <Renewal UP>唐知「仮に神業的な絶妙の組み合わせにしたとしても……、 設備を故障させない為の、完璧な保全体制をとることは 至難の技ではありませんか……」大多「………!」唐知「特に、おびただしい数の踏切全部について完璧に実施する 事など……、まず不可能でしょう……。 又、運転技術等の人的な面についても……、 『人には過失の可能性がある』といった事を、 完全に否定出来ない限りゼロにするなんて、 元々できる相談じゃないでしょう? 論理的には、踏切が存在する限り……そこに事故の可能性 は存在し続けるのです……」 備前「ちょっ、ちょっと待って下さい。 宇宙ロケットの場合、特に人を搭乗させるロケットの 打ち上げについては、今、貴方が言われた事をクリア しているじゃないですか。 『ZD運動』は最初アメリカの航空宇宙研究所から始まった と聞いた事があります。 正に『ゼロ・ディフェクト』ですよ!!」唐知「フム……備前さん、よく知っていますね。(^。^) 航空宇宙研究所だったかどうかは覚えていませんが、 大体そんな所でしょう……。 それじゃ備前さん、当然、あの気の遠くなる様な膨大な 予算の事も知っていますよね……? ……アメリカの例で良いですけど……」備前「いえ……。あのぅ……。多額とは認識していますが……」唐知「あっ、そうですか…………知らない……。(ー_ー) かって世界の大国が競って宇宙開発を国策として推進し、 膨大な予算を注ぎ込みましたが……、 幾度となく故障が発生した事……、 事故になって国民の税から拠出した天文学的に高価な 機材類と……、……なによりも貴重な人命が 損なわれた事も忘れてはならないと思います……。 決して、ZDは達成されたとは言えせん……」 備前「…………」大多「それじゃ……唐知さんが先ほどから言われているところの 『問題提起』のおかしさというのは……?」唐知「だから『全国事故ゼロ』等と、 できもしない理想論を掲げるのではなく、 例えば費用をある一定額準備して、その金を有効に使って 踏切事故を『減らす』というような現実的な、 テーマの出し方に変えれば、 少しは良かったのかもしれませんね……」大多「うーん……。 人の命は地球より重い……といいますから……、 目指すとしたら、やっぱり『0』なんでは…………」唐知「あくまでもこれは『例えば……』の話ですよ。 このテーマはそんなに単純ではありません……」大多「……テーマの設定が変わる事によって、 検討内容がどういう風に変わってくると、 言われるんですか……? 唐知さん……」唐知「大多さん……『目指すは事故ゼロだ!』と言った途端、 論議は進みませんよ。……だって、そうでしょう? つまり踏切そのものを無くしてしまう案以外の、 何がしかの案を提起する……その度にですよ……、 さほど結論に対する責任も感じていないリーダー達から、 『完全に事故は防げますねっ!』って念を押されたら、 引っ込めるしかしょうがないでしょう……。 だって『完全』は、元々無理なんだから…………」 大多「それは……そうですね。 絶対!!と……、言われても……ですねぇ……」唐知「……ここでテーマを、只『減らす』と変える事によって、 それでは一体事故をどの位まで減らすのか……、 これから先、全国で何件迄は『無念だが…仕方ない』と 判断するのか。 …………といった観点から……、これはもう喧喧諤諤の 論議を生みます。 テーマそのものを、ちょこっと変えただけでですよ。 ……人命に関わる事ですから、人の命の重さに変わりは 無いし……『仕方ない』という言葉は禁句である筈です。 しかし、現実論としてはどこまで救えるかを真剣に具体的 に詰めていく必要があります。 ……理想論だけでなく…………」大多「都市圏と郊外区、又、中央と地方では見解が違い、 全国一律の考え方に馴染まないという事になるかも しれませんね…………」唐知「ええ、なるかもしれない…………、 ……ならないかもしれませんが……。 いずれにせよ、テーマそのものが、段々と具体的に なっていくにつれて、より具現性のある答えしか 考えようが無い様になってくるわけですね………。 実は、それが極めて大切な事なんですよ」 大多「………実行可能ということか…………」唐知「………何か、思い出すままに話しているので、 まとまった話になって無いかもしれませんが 勘弁して下さい。……これが唐知流です……」大多「うーん。何となくおっしゃりたい事が分かるような。 ……分からない様な…………。 『問題提起』そのものに疑問を持てってことですかね? うーん、……分かる様な……分からない様な……」備前「もう、はっきり言って私には分かりませんよ。大多さん! 今日は一体何なんですか? ……良い話が聞けるから来いと言われたんで、 飛んで来たんですけど……」大多「備前、子供みたいな事を言うな! 確かに俺は誘った。 しかしだな……、君だって、それなりに意味を考えて 来たんじゃないのか?」備前「冗談じゃないですよ。 先輩から来いと言われたから来たんですよ。 色々と仕事もあったんだけど……、空けて……」大多「そうか……、じゃー、戻っていいよ。 ついでに会社も辞めたらどうだ……?」 備前「そんなぁ……先輩。 ……なんで、僕が会社を辞めなきゃいかんのですか?」 大多「ほうー、今度は俺の言う通りにはしない訳だ。 何でも、言う通りかと思ったが……、 ……ということは少しは自分で考えてる訳だ……」備前「そりゃーバカじゃないんですから……、 考えて行動してますよ。 あっ………………(^_^;) …………すみません。 どうも…………、 ………そういう事でした m(__)m」大多「ふぅぅ~…………」備前「……先輩のお誘いは、いつも為になりますから……。 ………ただ今日は、さき程からあんまりにも 突拍子もない話だったんで、つい………。 ……すみません <m(__)m>」大多「大体、お前はいつも戦闘的すぎるから……」備前「この平和な時代に……、 戦闘的なんて人聞きの悪い事言わないで下さいよ。 まぁ、言うなら厳しい生き方くらいにしてください」大多「わかった、わかった。厳しさか………。 ふぅぅぅ…………。 優れるという字は『優しい』と書くんだけどな……」備前「………?」大多「唐知さん、どうもすみませんねぇ。 雑音ばかりで……」唐知「いやいや、……まぁ、 私の話は、いつもそんなもんでしょう。 独断と偏見ですからね。ははははっ……。 ……じゃー、話のついでに、 もう一つ例を出して話しておきましょうかね……」大多「はい……よろしくお願いします。(^-^)」 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/05
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 『問題提起』という名の落とし穴 [2] 実践ビジネス力 (1) <Renewal UP>唐知「海があって、 人が海に出て行くから海難事故が発生し、 空があって……、 人が空に飛び立つから航空機事故が存在する……。 江戸時代の日本に航空機事故はありません…………」大多「…………」唐知「……というわけで、ゼスチャーではなく本気で、 完全に事故ゼロにしたいのであれば、 これは完璧に正しい答えである訳でしょう……。 踏み切りをゼロにすれば踏切事故はゼロになります。 異論ありますか……?」備前「ゼスチャー……ですって? こんな大切なプロジェクトがゼスチャーである訳 ないでしょう。暴言ですよ! <`ヘ´>」唐知「じゃー、一体何だったんでしょうかねぇ……。 備前さん、 ご存知ですか?……説明出来ますか? ……今、出来るんだったらやって下さい (`´)」 備前「……それは、それは私はその場に 居たわけじゃないから説明できません。 しかし……著名な方々の活動をゼスチャー等というのは、 言い過ぎではないかと………」唐知「…………。(ー_ー) ゼスチャーという表現は少しオーバーとしても、 似たようなものだったと言わざるを得ない、 という事について、今からお話しをします……」備前「……(`ヘ~)……」唐知「……そこで……大多さんに聞きます。 ……私の出した答は、正しくないですか?」大多「いえ、そのう……正しいと言えば正しいでしょうが、 論理的には……デスネ。 しかし、どうも……しかし………」 唐知「そう…………『しかし』ですよね……。 『し・か・し』この答は、まず採用されませんね。 当然の事ですが莫大な費用の問題、土木技術上の課題、 その他、諸々の条件が絡みますからね……」備前「いやっ、そうじゃなくてメチャクチャだからですよ!!」大多「ちょっと待て!備前! 失礼だぞ!! 少し黙って聞けよ。 ……もう……すみません唐知さん……」唐知「いやいや大多さん、かまいません、かまいません。 話に弾みが付いて、けっこうけっこう……ははははっ」大多「……どうも……。 ……ところで、唐知さん、 今言われた土木技術上の課題ってのは……?」 唐知「ええ……、つまりですね……。 全国にたくさん在る鉄道の踏切には、その地形とか 道路の形状とか、周辺の状況……つまり、 民家とか川とか、池・山とかといった地物との関連で、 立体交差にする工事自体が、物理的・技術的に 極めて困難な箇所もあるでしょう?」大多「そうか……、なるほど、そうすると、 線路そのものまで動かさなきゃならなくなる……」唐知「そう、そう…………。 しかし、このテーマはとてもじゃないが、 そこまでは視野に入れてないでしょうからね……」大多「なるほど、…………そうか」唐知「そうするとですよ……。いいですか……? 私が、先程言った、明快で唯一完璧な『答』が適用 できないという事になる訳です……」 大多「……ですね」唐知「……ということはですよ……大多さん。 これは最初から事故をゼロにするなんていう 『問題提起』そのものが、おかしいんじゃないかと 言わざるをえない訳ですよ」大多「…………!!」唐知「気持ちとしては分かりますよ。しかしこれは精神論です。 解決策を具体的に導き出すテーマ設定としては、 おかしいと言わざるをえません。 ねっ、そうでしょう……? 実は、世の中、問題提起そのものが不適切という例が 多いんです。 問題提起そのもののおかしさ……そこに目をつけると、 少しは対応が前に進みます…………」大多「ゼロには出来ない……という事ですか?」唐知「そうです。無理です。 自動車や踏切関連に使用されている機械部品の 故障の確率を完全にゼロにする事が 本当に可能でしょうか……?」大多「…………」 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/12/01
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 『問題提起』という名の落とし穴 [1] 実践ビジネス力 (1) <Renewal UP>唐知「えっ?大多さん!私の話を聞きたいんですか? 大多さん! ……マジで……?」大多「大変失礼ながら『毒舌唐知』の異名を持つ唐知さんの、 独断と偏見に満ちた話に興味があるんです……(゜-゜)」唐知「ウッ!!(>_<) ……そこまでおっしゃる!! それって誉めて貰ってるんですよね……ふふふっ」大多「辛口中の、辛口で……お願いします(^-^)」唐知「ははははっ……。はい、分かりました。 それじゃー、そのつもりで聞いて頂きましょう。 ……気合を入れてね。(^v^) 大多さん、今日の話は相当に理屈っぽいですよ!」大多「もちろん全て、承知の上の話です!!」唐知「……さて、では、グチャグチャに絡み付いてしまって、 どうにもこうにもならなくなった糸を解きほぐす……。 そんな話から始めましょう……かね」 備前「ええっ!どういう事ですか……? 大多先輩!……」大多「えぇ! なんだ……?」備前「話が違うじゃないですか……?」大多「違いはせん! <`~´> 備前!! まぁ……、いいから、いいから……。 なっ!備前…………。黙って話を聞け!!」備前「……( 一一)」唐知「…………? ……? ?」大多「……唐知さん、どっ…どうぞ、……続けて下さい」唐知「………? ……? ……では…………。 まず、例え話から始めましょうか。 かなり昔の話になりますが私が実際に聞いた話です。 『列車の踏切事故をゼロにしたい』という問題提起が、 当時の運輸省や警察庁や国鉄その他、私鉄各社からあった そうです……」大多「ほう……列車の踏切事故………ですか?」 唐知「そうです…………。 当時の国鉄が幹事役をする事になりましてね。 運輸業界、関連官庁、学会、民間代表、その他、 様々な分野から著名な識者が集められ、 それはそれは大きな検討チームが 作られたといいます……」大多「ふーん……大々的ですね。さすがに……」唐知「検討会発足以来、長い期間をかけて、 あれこれと様々な論議が重ねられましてねぇ………。 ………しかし、結局は官庁スタイルの、いかにも、 スローガンレポートの様な物が作られて、 検討は打ち切られてしまいました。 完了~~です」大多「………?」唐知「我々ビジネスマンは、日々具体的で、 且つ実効性のある施策を追求していますね。 生々しい現場で毎日実務に苦労していますから、 そういう眼で見ると、ちょっと理解し難い報告内容 でしたがね……」大多「ほう……それは又、何故そんな事になったんでしょう?」唐知「大多さん、良い質問です。(^-^) ズバリ一言で言いますとね、 ……結論が出なかったという事でしょう…………」 備前「えっえーー!! そんな筈は無いんじゃないですか? メンバーがどんな方々だったかは知りませんけど……、 国内のそれ相応の方々が集結された訳でしよう……?」唐知「はい確かに……肩書きはね……。(^-^) しかし、残念ながらと言いますか……、 私に言わせれば当然というか……、 結論を出しきれなかった事だけは事実のようです……」備前「…………当然?…………?」唐知「……そう、当然です。 考えてみてもご覧なさいよ。 ……彼らは、本気で、真面目に答を出すつもり だったんでしょうかね……?」備前「そんな事、当たり前じゃないですか! 失礼ですよ!!」唐知「当たり前…………?……ほぅーー……(^-^)」備前「だって、答を出す為に任命されたんでしょう?」唐知「いやいや、そここそが極めて疑問なんですよ……。 そして、そこが今日の話の第一のポイントになります。 もつれ糸の様にゴチャゴチャになった頭のとき解しです。 いいですか? このテーマは答を出すだけなら極めて簡単でしょう?」 備前「…………?」唐知「……だから委員長は即座に答を言い放って、 その上でテーマを返上するか、こんなテーマの答は 出せないと突っぱねるべきだったと思います」備前「……??」唐知「いいですか?……答は、こうです。 ……要するに、 『全国の踏切という踏切を全て立体交差にすれば良い』 という訳ですよ。……………ねっ。 簡単にして明瞭です……」備前「そ、そんな、極端な……」唐知「反論がありますか? あったらどうぞ…備前さん。 ……但し、理にかなった反論をネ……」大多「ふーーーむ、唐知さん。 ………とは言っても………ですねぇ」唐知「違いますか……? 踏切そのものを完全に無くしてしまえば……、 踏切事故は確実にゼロになります。 だって踏切が無いんですからね。 誰が考えても当たり前の話です……」大多「うーん……それは、確かにそうなんですが……どうも」 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =================================================
2016/11/30
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^-^◆上司との議論に ……負けてはならない[下] 【実践ビジネス力 7】 <Renewal UP>備前「いえね……、 『言いたい時に言いたい事が きちんと言えて、なお且つ 決して角が立たない』と 言われる様になれって、しょっちゅう大多先輩に言われて いるんですけど………」大多「はははっ……、結構言いたい事言ってる方じゃないか? ええっ!!備前……(゜_゜)」唐知「……って事は、角が立つわけだ…………。 ねっ……」備前「……それと、逆なんですが……相手を尊敬すると……、 なかなか本音の意見が言えませんねぇ。第一、全部自分の 考えの方が劣ってる様に感じますからね……。 でも、一般的には誰だって素晴らしい先輩や上司のこと、 尊敬しますよねぇ……」 唐知「うーん…………、きわどい問題提起ですねぇ。 上の方を尊敬するということは、健全な職場では普通に 見られる状況ですものね……ネ。 ……ただうまく言えませんが……『尊敬』の気持ちは、 同一の組織に所属していて、且つ同じ目的に向かっている 場合は『両刃の剣』といえるかもしれません……」備前「…………両刃の剣……?」唐知「ハイそうです。良い面と悪い面が存在するという事です。 考え様によってはあの『オーム真理教』も教祖に対する 尊敬の念の異常な昂揚が生み出した悲劇かもしれません ものね。……いえ、誤解しないでくださいよ、尊敬する 事が悪いと言っているのでは決してありませんから……」大多「それは、わかっています。でも、唐知さん、いつになく 今日は表現が柔らかいですねぇ……。 いつもは、ほとんど断定的にものを言われるのに……、 今日は『感じる』とか、『……しれない』とかが 目立ちます……」 唐知「うーん、かもしれません……。 あっ、また言いましたね。 はははっ……かなり深くて、そして大切な問題について 話をしているからかなぁ…………(-_-)」備前「唐知さん自身は『尊敬の問題』をどう処理されているん ですか? 」唐知「……そうですねぇ……、共通の目的に走っているとか、 共通の利害があるとかの関係の方は、絶対に尊敬しない ように心がけています……。 私自身の、コンサルという仕事柄もありますが………、 自分の任務を全うする為でもあります……」備前「そんな事が、実際に可能なんでしょうか……?」唐知「いやいや……どうして……、極めて難しいですよ。 感性の範疇の事ですからね……。うーんと唸って 尊敬しちゃうわけですからね……」備前「…………ですよねぇ……」 唐知「……まぁ、その様に一生懸命努力しているという程度に 解釈して下さい。言い換えれば、知性の力で自分の感性 をチェックするクセをつけているというような事です。 うん……、そう言った方が正確でしょうかねぇ………」備前「相手の方の欠点とかも……真剣に見るんでしょうね……」唐知「……素晴らしい方だ……と、ピリピリッときたら……、 できるだけ、その方の短所・欠点を探す様にしています」大多「逆にですよ……。尊敬できないような人とは真剣に 付合いたくない、といった感覚もあるわけですから、 こりゃー大変なことですよ……」唐知「まぁ、そういった微妙な関係の方に対しては…………、 好きになってしまうことですよ……」 大多「……好きになる……?似たようなものですね」唐知「……似て非なるものがあります……。 好きな者同志なら喧嘩だってしますよね。 自分の我を張る場合も、もちろんあるでしょうが、 相手のことを思うあまりに、してしまう喧嘩もあります。 喧嘩が出来れば……チェック機能は働くんですよね」備前「……一応、戦いですからね…………」唐知「上の人が、万が一間違った道を選ぼうとしている場合など 敢然と突っかかっていけますからね。 その事が、たとえ決定打にはならないとしても、 抑止力としては働くでしょうからね……………。 まぁ、なんですねぇ。尊敬している人とは喧嘩できません ものね…………」 大多「…………フム……」唐知「…………そうか……そう言えば…………私は、相手と 喧嘩出来るかどうかで『尊敬』と『好き』を区分している ようだなぁ………。 確かに……。 今、わかった…………。 うーん……良い質問をありがとうございます」大多「なるほど……好きになれ…………か」備前「面白いですね。なんとなくわかりますよ……」唐知「私が、こんな風に難しく言って、こだわっているのも、 下の者が上の人と対等感のある議論をして、テーマの、 曖昧さを正す必要があるからです。 実際に、あちこちで、見られる現象です。 さて、この話は、この位にしましょうか……(^。^)」 <完> 【実践ビジネス力 1】『問題提起』という名の落とし穴 [上] 【実践ビジネス力 2】『問題提起』という名の落とし穴 [中] 【実践ビジネス力 3】『問題提起』という名の落とし穴 [下] 【実践ビジネス力 4】正しい答えより……実行できる答え[上] 【実践ビジネス力 5】正しい答えより……実行できる答え[下] 【実践ビジネス力 6】上司との議論に……負けてはならない[上] ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/04/21
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^-^◆上司との議論に ……負けてはならない[上] 【実践ビジネス力 6】 <Renewal UP>唐知「まぁ、そういうケースが多い という位に、理解しておいて 下さいな。しかし、大多さん 貴方が先程指摘された様に 企業内の評論家タイプの人達に、色々と教えると 言ったって、空しい事かもしれませんね。元々、人の 生まれ持つセンスの問題かもしれませんし…………ねぇ」大多「さわさりながら、会社として、あらゆる要員を戦力化する 事も大切な事のひとつですから…………」唐知「まさに、その通りですね!! 能力のある人達が、提起された問題の中身をよく吟味して より正確な表現にする事によって、実効性のある答えが 出て来やすい様な、そんな仕事の場面にセッティングして いく事が、非常に大切なんでしょうね…………。 ……ねぇ……備前さん、いかがですか?」 備前「えっ。はい……確かに……言われる通りだと思いますよ。 そういったリーダーシップをとりたいですね。 会社の中の評論家人口は、数的にはそんなに多くは無い のでしょうが……、何といっても、彼らは論客を自認 している場合が多いですから、周りが振り回されて しまいがちです。 何ともまぁ……、みっともない話ではありますがね。 今、唐知さんが言われた事は……含蓄があります」唐知「しかしねご両人さん……。 この事は言うは易く行うは難しで、別の面で相当の労力と 知恵と勇気を必要とされる事が多いと思っています」大多「えっ?『テーマの具体化』がですか?…えー? それは、また、何故?…………デスカ?」唐知「特にですねえ、特に問題や課題の提起者がTOPである 場合には顕著です。大体においてそういう立場の人は、 大まかな言い方をするのが常ですよね。 方向だけを示すといった…………。 この作業は、かなり突っ込んだ議論が要求される仕事 ですが、その突っ込んでいく過程でTOPのプライドや 『面倒くさい』と思う気持ちと戦わなければならなくなる ケースがあります。はっきりいって、やや、感情的に なり易いキライがあるわけです……」 大多「それでなくても、TOPクラスには質問がしにくいです からね…………」備前「あんまり、聞き返すと、こちらの理解力を疑われるんじゃ ないかと……、警戒したりするんですよね。上からは常に 能力を判定されていると考えますからねぇ……」唐知「そういう気持ちが働くのが通常でしょうね。 特に、優秀な上司の場合、見透かされるような気がする と言う人もいます。 しかし優れた上司ほど部下の持ち味を見出して、 適材適所に生かしていきたいと思っているものです。 善し悪しよりも特徴や色合いを見てるんですけどね。 ……まぁ、下とすれば錯覚しますよね」大多「蛇に睨まれたカエルの様なケースだってありますよ」唐知「ははははっ……。面白いことにですね……上の者の説明 の仕方が悪いから、聞いてる下の者が分からないという ケースが、実際には結構多いんですよ……。 特に、その人特有の言葉と、非常にユニークな言い回しで 話す人に、顕著にあらわれます。 また、やたら話の中にカタカナが多い人もわかりにくい ですね……。概念を共有しにくいですからね。 大和言葉で喋って欲しいと迄は、言いませんが……せめて 漢字かひらがなで喋って欲しいですよね……」 備前「ヤマトコトバ…………? 」唐知「ああ……聞き慣れないですか?……万葉集等で使っている 言葉とでもいいますかね……。分かり易く言えば………。 漢字の音読みを除いた訓読みの世界に近いかなぁ……。 備前さんは若いから違和感があるかもしれませんね」備前「ええ、初めて聞きました…………」唐知「学校(ガッコウ)と言わずに、……マナビヤ。 道路(ドウロ)と言わずに、……ミチ。 生活(セイカツ)と言わずに、……ナリワイ。 結局(ケッキョク)の代わりに……ツマルトコロ。 武士(ブシ)の代わりに、……モノノフ。 微笑(ビショウ)の代わりに、……ホホエミ。 これはちょっと違ったかな……。ははははっ……。 まぁ、こんな感じですよ。ここまでは要求しません…」備前「………………なるほど………………」 大多「聞く方も聞く方で、結局のところ曖昧に聞いて持ち返って から、ああじゃないこうじゃないって類推して、 結果……外れて、パー……。 そして怒られる……。てなこと…………。 まったく、骨折り損のくたびれ儲けってヤツ……」唐知「あのね……、これは大事なことですから……、あだや… おろそかに…聞かないようにして下さいよ。 ふふふふっ…………(^.^)」大多「……さて、何でしょう?」唐知「あのね、上という字には下に一棒『床』があるでしょう。 だから、下が良く見えないわけですよ。 一方、下とゆう字は上に一棒『天井』があるから、 上がほとんど見えない訳。上と下とが話す時は、 『中』の気持ちになって話さなきゃね。中という字は、 棒が上下に突き通っているから、よく上下の意志が 疎通するという話…………」 大多「ははははっ……これはなかなか(中々)面白い……」備前「はははは……、これは使えますね。今度係長に報告する 時は、先にこの話をしてから報告する事にしよう……。 はははっ……」唐知「まぁそういった事ですから、色々難しい状況の中で、 まず担当スタッフが、しっかり踏ん張らなくては いけません……」大多「上位の方の権威や権力に対し、遠慮したり……、 理不尽に負けたりしないように……ですね」唐知「そうです、そうです。そういう負け方をしたんじゃ意味が ありませんからね。……課題が具体的になるどころか、 ……不正確になってしまったり、客観性の乏しいものに なってしまいかねません」大多「唐知さん、その為にも、普段からのTOPとの コミュニケーションがとても大切なんですよ……。 仕事と割り切って、ちゃんと意見具申ができるような 関係を、作っておかなくちゃなりませんから……。 言い換えれば本物の信頼関係を持っておく必要が あるわけです…………」唐知「ほうー……、大多さん、なかなか深い所を突きますねぇ。 ………さすがだ……。今、言われたことはとても大切な 事です。コミュニケーション作りという目で見たら 酒の席なんか決して馬鹿にはできないんですよ……」大多「……全く、そうですね……」唐知「一般的にもいえることですが……この課題は、なるべく 感情を交えず……相互に虚心坦懐にクールな議論が やれるかどうかが、ポイントですよね。 結果の良し悪しの分かれ道でもあります」備前「ちょっと、耳が痛いですねぇ……」唐知「うん……?……どうしました?」 <続> 【実践ビジネス力 1】『問題提起』という名の落とし穴 [上] 【実践ビジネス力 2】『問題提起』という名の落とし穴 [中] 【実践ビジネス力 3】『問題提起』という名の落とし穴 [下] 【実践ビジネス力 4】正しい答えより……実行できる答え[上] 【実践ビジネス力 5】正しい答えより……実行できる答え[下] ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/04/20
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^-^◆魂のこもる仕事を……期待「総務部長は居ますか……!!」「ハイ!!社長!ここにおります」 「前庭に、紙くずが散らかって ましたよ……!」 「えっ……、……と、 申しますと……?」「前庭です、前庭……。 植え込みの中です!ティッシュみたいなのが散らかって ましたよ……」「……申し訳ありません。気が付きませんで……」「何を言ってるんです!……部長にいちいちそんな事を管理して 欲しいなんて思ってません……」 「……ハァ……?」「丁度、お客様をお連れした時だったから、恥ずかしい思いを しましたよ……。……誰に、清掃させてるんですか……?」「はっ……、土元清掃(株)に、請け負わせています」「……ああ、土元清掃(株)ね。どんな契約ですか……?」「えっ?……契約?」「お金の支払い方法です。……まさか、作業費で払っては ないでしょうね……?」「ハイ……、確か、一日6回清掃で、一回がいくら……と」「ダメです……。人間を機械みたいに使っては……!!」「えっ?……お言葉ですが……こういうものは普通……」「普通も、何もありません。いつどんなお客様が来られるか 分からないんだから…………」 「ははっ!……では、一日、6回を10回に増やします」「………そんな事、言ってません。一括請負契約にしなさい」「…………一括……と、言いますと……?」「1ヶ月、きれいにして、いくらっていう払い方です……」「……」「10回に増やす財源を勘案して、契約方式を変えなさい」「……」「清掃会社には、清掃という作業をこなして貰うのではなく、 前庭をきれいに維持する事に全神経を使って欲しい……」「あのう……同じ事……かと……」「冗談じゃない!意識が違います……意識が……ね」「そんなもんでしょうか……?」「一日何回、清掃箇所はこことここ……等という習慣を 繰り返していると人間が駄目になります。ロボットみたいに なって『掃除』という単純作業を淡々と繰り返すようになる。 きれいにする目標意識も薄れ、まして担当している箇所以外 には気持ちも向かなくなる……」 「はぁ…………そんなものですかねぇ……?」「……君、人間をそんな風に使っちゃいけませんよ……。 一括請負にして、やり方は全部相手の会社に任せなさい。 但し、常にきれいにすることが条件です…………。 何度、清掃するもよし、アルバイトを使うもよし」「………………」「そうすれば、仕事に魂もこもるし、他の任務でウロウロ している、土元清掃の他の社員だって、気を付けてゴミを 拾ってくれるようになるでしょう。土元社長だって……ね」「………はい、承知しました。処置いたします」 ===========================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/04/13
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^-^◆正しい答えより ……実行できる答え[下] 【実践ビジネス力 5】 <Renewal UP>備前「確かに唐知さんの言われる 通りです。但しそれは組織を 厳密に運営している場合の話 です…………。実態は……、 ……といえばですね、ごくおおまかな運営になっています からね……『組織運営のコツは、四角い重箱に丸いフタを する様なものが良い』等と言う人もいる位です……」唐知「…………うーん……大多さん。 その言い方……、局面によっては、一理あるなぁ……。 しかし通常は企業では『信賞必罰』がとても大切な事 なんです。それがなかなか徹底しないのは、企業でいえば すべて上層部の責任と言って良いでしょうね」大多「……全て……ですか?」 唐知「そう全てです。賞も罰も上層部の権限で決めて、実行する ことですからね。……徹底した信賞必罰政策をとる事に よって、副作用的に起こってくる、社員の士気の低下の 問題や、人間関係のもつれ現象等に対して、うまく解決 していく自信を持っていない人が、上層部に多い 結果ですね……。……逃げる人が多くなっています」大多「………………」唐知「俗っぽい言い方をするなら、『法律にゃー滅法強いが、 喧嘩の仲裁は苦手』なんていう人達が、結構上層部に 座っている企業が多いですからね。 …………困ったことです。 まぁ、組織論は横に置いておいて考えてもですね……、 問題に気付かないというのは、その種の能力が不足して いるわけだから、それはある程度仕方ないでしょう。 そして、その人達は、多分その能力に見合った報酬しか 貰ってないはずです。しかし……気付くレベルの人達は、 当然その解決を期待されているはずだし、ちゃんと、 それに見合う報酬を受けているはずです。 だから『放置の罪』で糾弾されねばなりません」 大多「ひゃー……、厳しいなぁ唐知さん。……いつもながら」唐知「いやいや、どうも。お褒めにあずかり光栄です……。 そして私が言いたいのは、その事が組織の責任であると 同時に、人災でもあるという事です。 いや、むしろ、人災のケースの方が多いかもしれないと いう事です」大多「……人災……ですか?」唐知「そう、人災です。テーマの曖昧さにこそメスを入れる べきであるにも拘わらず、その曖昧な方の舞台が好きで 『抽象』という名の扇をかざして、やたら華麗に 踊りたがるクセの人がいませんか……? そういう人には十分に気をつけなくてはいけませんよ」大多「『華やぎ流』の踊りですか。ハッハッハ……。 今言われたように、解決策を実施に移すプロセスが、 全然見えない答えを、いつも出してきて、 平然としている連中は確かに存在しますよ。 俺は素晴らしい答えを出したんだから、後は、 実行できない連中が頭が悪い……なんていう、 顔してますよ」 備前「うーん……ただ大多先輩!我々のような技術系の仕事の 分野では、ほとんど見受けないですよ。 仕事の性格上の違いなのかな……。まぁ、管理系の仕事の 分野にそういう人が多い様に感じます…………」大多「うーん。そうかなぁ………………。うーん…………、 まぁ、確かにその感はあるかな。しかし唐知さん、 彼らはやはり間違っている訳ですか?」唐知「いえいえ、あながち、そうとばかりは言い切れません。 例えば、参謀本部的な部門ですね、一般的には戦略企画 部門とでも言いますかね。そういった部門でのビジョン 形成のプロセスだとか……、構想計画を立てるプロセス なんかでは、十分に存在するアプローチ方法ですから、 あながち間違った行動とは言えません。 ……言えませんが、企業のラインの第一線の部門で あれば、ちょっと困りますねぇ。きっと、良い結果に 結びつかず良い評価もされないんじゃないですかね」大多「只、そういう連中を見ていると、仕事の進め方云々の 問題というよりは、何かこう本人達の性格というか、 長年の考え方の癖の様な気がしますがネェ。それも、 かなり頑固な…………」 唐知「うーん……。先程から話してますように、 これは問題提起の仕方にも、おおいに原因がある訳です。 提起する方の罪と……、このままでは抽象的で駄目だと 見破れない罪とでも言いますかね。 しかし、一方でですよ。一方で個々人の問題解決への、 取り組み方という面から見ると多くの場合、彼らは 実業の世界を生き物として動態的に捉えていない、 むしろ統計手法をベースにした静態的分析論を好む きらいがありますね」備前「しかし唐知さん……、それは、どちらも大切なんじゃ ないですかね」唐知「…………」備前「……話が少しずれてません……? 流れや動きを読んでから答えを出すにしても……、 ある時点とかあるエリヤとかに絞って、分析するにしても ……大切なのは、対応策の具体性とおっしゃりたいんじゃ ないんですか……?」 唐知「その通りです…………。 大多さん、あなたは、なかなか油断ならない後輩を お持ちですね……。 今、備前さんが言われた具体性という言葉をですね……、 もう少し、唐知流に噛み砕くとしたら、 再三言ってますように『素早く実行に移せる策』と いう事でしょうね。社内にしても、市中にせよ、現場は 刻々動いていますよね。そして、その動きの一番底の ベースのところで人の持つ意志の力が大きな力を 振るっています」大多「……意志の……チカラ……デスカ?」唐知「そう……。俗に言う『5W2H』の『Who』と 『Heart』なんて、結果の良し悪しに対して、 実に大きな影響力を発揮しますよね。 誰がやるのかという事、どんな決意でやるのかという事、 これらは問題を解決する為の極めて大きな要件に なります。 特に、営業や研究開発の分野のように、適正な要員を 選び出す事が、極めて重要な課題では顕著な様です。 こういった、数字やデータに出てきにくい要素を、 よく折り込んで考えているかということは重要な事に なるでしょう」大多「確かに評論家的なタイプの人達は、その辺が弱いという 面はありますが、例外もありますよ…………」 唐知「例外は当然です……。 ただ言えることは、企業の第一線の運営に関する問題解決 というのは『実行可能な道順を提示する』という事で あって、論理的に正しい答えを並べ立てても遠回りにしか ならん……という事を教えてやらなければいけませんね。 そしてその道順は、誰でもない自らが設計すべきものだと いう事もですね……。 ……設計ですよ。 設計です。……描くのとは違います」備前「うーん、ちょっと、こんがらがってきたなあ。現場を、 動態的に捉えるかどうかという事と、実行可能な案が 提示出来るか、どうかという事は別の論点のように 思いますよ」大多「うーん。でも、唐知さんが言いたい趣旨は、分かる ような気がします。経験的に相互の絡みが深いという 判断なんでしょうねぇ」 <完> 【実践ビジネス力 1】『問題提起』という名の落とし穴 [上] 【実践ビジネス力 2】『問題提起』という名の落とし穴 [中] 【実践ビジネス力 3】『問題提起』という名の落とし穴 [下] 【実践ビジネス力 4】正しい答えより……実行できる答え[上] ===========================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/04/10
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^-^◆正しい答えより ……実行できる答え[上] 【実践ビジネス力 4】 <Renewal UP>大多「備前お前、青いなぁ……。 唐知さん、感覚的には 分かります…………。 鋭いですよ……唐知さん」唐知「やっ……どうも……」備前「……」大多「……ところでさっき言われた簡単なものは問題と 呼ばないというのは、どういう意味です……?」唐知「……だって大多さん、それは日常の仕事そのものだから ですよ……」大多「仕事そのもの…………と、申しますと……?」 唐知「考えてみても下さい。特にスタッフの日常業務ってのは、 小さな問題解決の連続なんですよ。とりたてて、それを 問題とは言わないだけでね……」大多「あっ……なるほど……」唐知「一方で、本当にしっかり取り組んで解決を図るべき大きな 問題がありますね。言い換えれば、明らかに、それなりの 規模の被害や損失につながっているか……、又は……、 そうなる事が予測される様な問題です。 これらの対応の仕方を勘違いしている人達が多いのには 本当に困ります……」大多「……勘違いですか……?」唐知「そうです。だって、そういう人達はほとんどの場合に 『正しい答』を出せば良いんだと考えてるんだから 困るわけですよ……」 備前「なっ、何言ってるんですか……。 『正しい答』で上等でしょうが? 間違った答でも出せって言うんですか?」唐知「勿論そうは言いません…………。 まぁ『正しい答』という言い方は、言葉の上では、 もっともなように感じられますが…………、 これが実に紛らわしい表現なんですよね……」備前「一体どこが、紛らわしいんですか。 ……えっ?」唐知「備前さん……実業の……世界では………ですね、 『素早く実行できる答』を出しうるかどうかが勝負じゃ ないですか? まぁ一歩譲って、素早くとは言わないにしても、 実行に移せる答が勝負です。 まぁ……当たり前の事ですけどね……」備前「……」 唐知「理論的に正しいだけでは答えとして未熟なんですよ。 また、抽象的で実行に移すイメージが湧いてこないもの、 それは答でも何でもないんですよ……。 小説家にでも任せる世界の話でしょう……」備前「………………未熟?」唐知「そう…………例えば『コストを下げるには』という、 極めて抽象的な問題提起があるとしますね……、 『要員の業務の生産性をもっと上げて、小数精鋭に 持って行き、且つ、諸経費を切り詰められる迄 切り詰めると同時に、コンピュータ機器等の資材は、 可能な限り安い物を調達する様にすればコストは 下がる』 等という答えは……全く困る訳です」備前「ええっ……?どうしてですか? まさに、その通りじゃないですか。 ……どうも…………良く分からん……」 唐知「これのどこが答ですか!! これは、答えでも何でもない。 ただ、問題を細分化しただけじゃないですか。 業務の生産性を上げるって……? そんな事当たり前ですよ。 部門長は日常的に取り組んでる事です。 実はどの業務のどこを、どうやって上げるかが、 一番難しい問題なんでしょう? ……まぁ、ことほど左様に呆れたことなんですよ……」大多「なるほど。野球でピッチングのコツをと問われて……、 バッターの打ちにくい所に、相手の苦手な球を投げれば 良い、なんて答えるようなもんだ。 ……答えでも何でもない」唐知「大多さん乗ってきましたね。……面白い例えです」備前「……僕は、乗りが悪くてすみませんねぇ……」 唐知「いやいや……。まぁ、こんな風に冷静に考えれば、 おかしいと気付く訳です。しかしですねえ、それなりの 地位やキャリアの人が、それなりの顔をして、 それなりの口調で胸を張って言いますとね、なんか、 凄い見識のように錯覚するから……不思議ですよ」大多「……一種の暗示ですかね?」唐知「うーん……『売上高を伸ばすには』って、言われて、 『近在の経済圏の中で大手優良の顧客を絞り込み、 社が保有する技術との整合性を取りながら、長期型の 大規模案件を受注するようにしたら良い……』 等と応えるのと同類ですね。 まぁ、言ってみれば諸悪の根源は、問題の出し方そのもの が曖昧なところにある訳ですから、まずそこに気付くのが 重要だと思います」大多「……考えてみれば『売上高を伸ばすには』というテーマ に汎用的で実効性のある答があれば、どこの会社も、 とうの昔に実行して成績を上げてますよね……」 唐知「そういう事でしょうね……。 取扱っている製品、保有している技術、営業マンの実力、 その市場での競争力、その時点の景気動向……その他、 どの要素をとっても、ひとつひとつが大変な重要項目だし それぞれの事情によって、問題の色合いは大きく違う はずですよね。 色合いの違う物を沢山含んだ課題をゴチャゴチャにして、 抽象化しては解決は遅れる訳です…………」大多「これは、よく分かるなあ……。 何年たっても、ちっとも前に進まない様な問題なんかは、 この範疇のものなんだな。 ……結構ありますねぇ。いつまでたっても、 問題だ、問題だって騒いでるヤツが……」備前「要員不足の問題なんか、まさに顕著ですね。 人の数の面にしても、具備すべき専門性の面についても、 ちっとも前に進まない……。 人が欲しい、欲しいと言い続けるだけ………」唐知「同じ問題をですね、半年も叫んでいたらこれは大変です。 その問題が存在する事も勿論大きな問題でしょうが、 もっと大変なことは周辺の人間が無能という事でしょう。 気付いていて直さないというのは、気付かないより 罪だと思いますね」 備前「これは厳しい。職務怠慢ですか……」唐知「そう『咎めてそれに倣うは、罪また甚だし』です。 それに、組織上解決する事を任務として与えられている 人が必ず存在するはずです」大多「うーん、しかし唐知さん、組織上で解決の役割が、 はっきりしているような問題は、解決が比較的前に 進んでますよ。 任務を全うしないと叱られるという事が 分かってますから……ね。 むしろ、問題が複数の部門の間にまたがっていたり……、 異なった部署相互に関係の深いもので、責任の所在が はっきりしないようなケースが、延び延びになって、 なかなか解決しないようですね……」唐知「大多さん、その認識は甘いですよ。 普通の組織ならそういう範囲も、ちゃんとカバーする 職位を作っているはずです。 ほら、総括とか調整とかいった、上長を補佐する 職位をね……。あるいは、筆頭課長に位置づけるといった 具合にね。 それも無い場合は、ひとつ上の共通の部門長の責任に なっているはずです」 <続> 【実践ビジネス力 1】『問題提起』という名の落とし穴 [上] 【実践ビジネス力 2】『問題提起』という名の落とし穴 [中] 【実践ビジネス力 3】『問題提起』という名の落とし穴 [下] ===========================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/04/09
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^-^◆『問題提起』という名の 落とし穴[下] 【実践ビジネス力 3】 <Renewal UP> 唐知「『北九州市街区域の 道路混雑緩和』の問題。 これも先程話した踏切の話と 似たようなもんで答は簡単です」備前「……簡単ですかぁ?」唐知「ええ、簡単です。混雑を解決すれば良いのであれば、 東西南北、市街地区に入って来る方の信号機の、 青の点灯時間を短く、赤を長くして…………、 一方、出て行く方の信号機は、その逆で、 青の点灯時間を長く、赤を短くすりゃ、その内に 自然と市街地の車の台数は確実に減りますよ。 ………勿論、入って来る方の道路には、延々と 車の列が出来るのは当然ですがね。ははははっ……。 混雑させたくないという事だけを命題にするんなら 車を減らせば良いんです。……極めて明快です」大多「おもしろい発想ですね。上りと下りと別々に 信号表示する訳だ……」 唐知「これは、ひとつの正しい答である訳です。 しかし、とてもじゃないが採用は出来ません。 なぜか? ……人や物資の輸送という課題との絡みがあるからです。 ……車は、輸送機器ですからね」備前「輸送機器…………ナルホド」唐知「近年は車がレジャー用品だったり、装飾用品だったり、 またスポーツ用品だったり、生活のステイタス主張の 手段だったりと、面白いほど様々ですが……、 車の基本は輸送機器ですよ。 ……ねっ」備前「それに恋人ハントの道具だったり、 交際部屋だったりと多種多彩ですよ……」唐知「でも、基本は輸送機器ですね。だったらこの問題も 当然の事ですが『混雑緩和』のみの問題ではなくなる 訳です…………」大多「……確かにそうです」 唐知「車を市街地に沢山呼び込む物、つまり、人や物資が 大量に集まる施設やエリアの場所を動かすといった、 市民の利便性と深く関わってくる問題や、 公共輸送と一般車両との関係、道路政策との絡み等、 総合的な解決をしなきゃならないわけでしょう。 取組みの方法、検討メンバーの構成は全然違って きますよ……」大多「つまり道路混雑は『現象』であって『問題』ではなく、 本当の問題は道路混雑によって発生してくる、不都合の 方にあるというわけか。……考えてみりゃ当たり前だ」備前「逆に混雑を生み出している違法駐車の問題等も ありますよ。これは市民が利便性だけ追いかけるから、 起こっている現象です」唐知「そう、そう、ご明察。不都合については、そういった 市民の便利な生活という側面も大きいかもしれませんが、 消防車や救急車、パトカーなどの緊急出動の際の問題 なども見逃せませんね」 備前「大問題ですよ……」唐知「こんな例はいくらでもあります。ここで私が 言いたいのは、問題解決に取り組む時に、 提起されている問題そのものを、解析する事が非常に 重要になる場合が多いという事です。 解決すべきテーマの具体化……とでも言いましょうかね」大多「……………具体化。……フム」唐知「ところがですよ、ところが…………。 えーと……………………、 ちょっと人の話に移っていって良いですか?」大多「どうぞ、どうぞ。今日は色々な角度からの、 お話を聞かせて頂きましょう」 備前「……人の話って?」 唐知「さっきから言っております抽象的なテーマは具体化 しなければならないといった、大切な事に気付かずに、 逆に、抽象的問題提起と抽象的解決策の間で、 いわば評論家的に腕を振るおうとする人達が、 企業内に存在するのも事実です…………。 心当たりありますね?」 大多「ウッ……」唐知「いえいえ、あなたの事を言ってるんじゃありませんよ。 ……大多さん」備前「それじゃー、僕のことですか?」唐知「はははははっ……。どうですかね。自分で決めて下さい。 どうですか……、身近に問題解決なんて簡単な事と 考えてる人達がいませんか。……実は簡単なものは、 通常『問題』とは呼ばないんですけどね…………」大多「やや、耳の痛い面もありますなぁ。会社でも、よく、 見掛けますね。しかし、そういう人達は大体において、 上層部からの評価は良い様なんだな」唐知「さぁー、本当に良いんでしょうかね。便利に利用されて いるだけかもしれませんよ」備前「便利に? 利用? 何ですか……? それは」 <完> 【実践ビジネス力】『問題提起』という名の落とし穴 [上] 【実践ビジネス力】『問題提起』という名の落とし穴 [中] ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/04/06
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^-^◆『問題提起』という名の 落とし穴[上] 【実践ビジネス力 1】 <Renewal UP>唐知「えっ?大多さん!私の話を 聞きたいんですか……? 大多さん!……マジで?」大多「ハイ……真剣であります」唐知「ホントに聞いてくれるの?私で良いのかなぁ~……」大多「失礼ながら『毒舌唐知』の異名を持つ唐知さんの、 独断と偏見に興味があるんです……」唐知「ウッ!!……そこまでおっしゃる!!」大多「辛口中の辛口で……お願いします」唐知「ははははっ……。よおし、分かりました。それじゃー、 そのつもりで聞いて頂きましょう。……気合入れてね」大多「もちろんです!!」唐知「……さて、では、グチャグチャに絡み付いてしまって、 どうにもこうにもならなくなった糸を解きほぐす話から 始めましょう……『解き解し』……で」 備前「ええっ!どういう事ですか……?大多先輩!……」大多「なんだ……?」備前「話が違うじゃないですか……?」大多「違いはせん! 備前!! まぁ……、いいから、いいから……。 なっ!備前…………。話を聞け……」備前「……( 一一)」唐知「……?」大多「……唐知さん、どっ…どうぞ、……続けて下さい」唐知「…………………? ……では……、 まず、例え話から始めましょう。 相当昔の話になりますが、私が実際に聞いた話です。 『列車の踏切事故をゼロにしたい』という問題提起が、 当時の運輸省や警察庁や国鉄その他、私鉄各社から あったそうです……」大多「ほう……列車の踏切事故………ですか?」 唐知「そうです…………。当時の国鉄が幹事役をする事に なりましてね。運輸業界、関連官庁、学会、民間代表、 その他、様々な分野から著名な識者が集められ、 それはそれは大きな検討チームが作られたといいます」大多「ふーん……大々的ですね。さすがに……」唐知「検討会発足以来長い期間をかけて、あれこれと様々な 論議が重ねられましてねぇ…………。 ………しかし、結局は官庁スタイルの、いかにも、 スローガンレポートの様な物が作られて、検討は、 打ち切られてしまいました…………」大多「………?」唐知「我々のように、具体的で実効性のある施策を追求し、 生々しい現場で毎日実務に苦労している人間には、 ちょっと理解し難い報告内容でしたがね……」大多「ほう……それは又、何故そんな事になったんで しょう?」唐知「はい、一言で言いますとね、……結論が出なかったという 事ですよ…………」 備前「えっえーー!!そんな筈は無いんじゃないですか? メンバーがどんな方々だったかは知りませんけど……、 国内のそれ相応の方々が集結された訳でしよう……?」唐知「はい確かに……肩書きはね……。しかし、残念ながらと 言いますか……、私に言わせれば当然というか……、 結論を出しきれなかった事だけは事実のようです……」備前「…………当然?…………?」唐知「……そう、当然です。考えてみてもご覧なさいよ。 ……彼らは、本気で、真面目に答を出すつもりだった んでしょうかね……?」備前「そんな事、当たり前じゃないですか!」唐知「当たり前…………?……ほぅーー……」備前「だって、答を出す為に任命されたんでしょう?」唐知「いやいや……そこが極めて疑問なんです……。 いいですか?……このテーマは答を出すだけなら、 極めて簡単でしょう?」 備前「……?」唐知「……だから、委員長は即座に答を言って、テーマを 返上するか、こんなテーマの答は出せないと、 突っぱねるべきだったと思います」備前「……??」唐知「いいですか?……答は、こうです。 ……要するに、 『全国の踏切という踏切を全て立体交差にすれば良い』 という訳ですよ。……………ねっ。 簡単にして明瞭です……」備前「そ、そんな、極端な……」唐知「反論がありますか?あったらどうぞ…備前さん。 ……但し、理にかなった反論をネ……」大多「いえ、いえ。………とは言っても………ですね」唐知「違いますか……? 踏切そのものを無くせば、 踏切事故は確実にゼロになります。誰が考えても 当たり前の話です……」大多「うーん……それは、確かにそうですが……どうも」 唐知「海があって、人が海に出て行くから海難事故が発生し、 空があって……、人が空に飛び立つから航空機事故が 存在する……。江戸時代、日本に航空機事故は ありません…………」大多「……」唐知「……というわけで、ゼスチャーでなく本気で、完全に 事故ゼロにしたいのであれば、これは完璧に正しい答え である訳でしょう……。 踏み切りをゼロにすれば踏切事故はゼロになります。 異論ありますか……?」備前「ゼスチャー……?こんな大切なプロジェクトが ゼスチャーである訳ないでしょう。暴言ですよ!」唐知「じゃー、一体何だったんでしょうかねぇ。 備前さん、ご存知ですか?……説明出来ますか? ……今、出来るんだったらやって頂きましょう」備前「……それは、それは私はその場に居たわけじゃないから 説明できませんが……、著名な方々の活動をゼスチャー 等というのは、言い過ぎではないかと………」 唐知「…………。 ゼスチャーという表現は、少しオーバーとしても、 似たようなものだったと言わざるを得ないという事に ついて、今からお話しをします……」備前「……(`ヘ´)……」唐知「……そこで……大多さんに聞きます。 ……私の出した答は、正しくないですか?」大多「いえ、そのう……正しいと言えば正しいでしょうが、 論理的には……デスネ。 しかし、どうも……しかし………」唐知「そう…………『しかし』ですよね……。 『し・か・し』この答は、まず採用されませんね。 当然の事ですが莫大な費用の問題、土木技術上の課題、 その他、諸々の条件が絡みますからね……」備前「いやっ、そうじゃなくて、メチャクチャだからですよ」 大多「ちょっと待て!備前! 失礼だぞ!! 少し黙って聞けよ。 ……もう……。 すみません唐知さん……」唐知「いやいや大多さん、かまいません、かまいません。 話に弾みが付いて、けっこうけっこう……ははははっ」大多「……どうも……。 ……ところで、唐知さん、 今言われた土木技術の課題ってのは……?」唐知「ええ……、つまりですね……、全国にたくさん在る 鉄道の踏切には、その地形とか道路の形状とか、周辺の 状況……つまり、民家とか川とか、池・山とかといった 地物との関連で、立体交差にする工事自体が、 物理的・技術的に極めて困難な箇所もあるでしょう?」大多「そうか……、なるほど、そうすると、線路そのものまで 動かさなきゃならなくなる……」 唐知「そう、そう…………。 しかし、このテーマはとてもじゃないが、 そこまでは視野に入れてないでしょうからね……」大多「なるほど、…………そうか」唐知「そうするとですよ……。いいですか……? 私が、先程言った、明快で唯一完璧な『答』が適用 できないという事になる訳です……」大多「……ですね」唐知「……ということはですよ……大多さん、これは最初から 事故をゼロにするなんていう『問題提起』そのものが、 おかしいんじゃないかと言わざるをえない訳ですよ」大多「…………!!」唐知「気持ちとしては分かりますよ。しかし、精神論です。 解決策を具体的に導き出すテーマ設定としては、 おかしいと言わざるをえません。 ねっ、そうでしょう……? 問題提起そのもののおかしさ……そこに目をつけると 少しは対応が前に進みますよね…………」大多「ゼロには出来ない……という事ですか?」唐知「そうです。無理です。 車や踏切関連に使用されている機械部品の故障の確率を 完全にゼロにする事が本当に可能でしょうか……?」 <続> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/04/03
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^-^◆ 仕事屋の……極意1.言うべき事が分からない ………… 深海 2.言うべき事を持っているが、 言うべき時が分からない ………… 水面下 3.言うべき事が分かっていて、 言うべき時も分かるが、 その時に言えない ………………… 三流 4.言うべき時に言うべき事を 言えるが……、 いつもトラブルになる …………… 二流 5.言うべき時に、 言うべき事がきちんと言えて、 決して角が立たない ……………… 一流 ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2008/12/16
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^-^◆ ……説 得……マネジメント能力と言えばそれは色々あるだろうし、マネジメントの階層によっても違うのだろう……。企業で人材や資金を注ぎ込み何かを企てる時に、提案者は自分の案を上層部に通さなきゃならない……。中間管理層にとって、この仕事は実に骨の折れる仕事だ……。 「上司を説得する能力」ーーーーこれが極めて重要となるからだ。当然と言えば当然だ。社内の説得作業に時間を割くのは無駄な事だと言う人もいる。これは……一面正しい。……確かにそうだ。 しかし、ある種……恐怖心に耐えながら上司を説得できてこそ、その提案は骨のある物だということもできるのだ……。有能な人材は、この過程を経て鍛えられていった側面もある。大げさにいえば、下が上を説得しコントロールしてこそ、真の、「リーダーシップ」だろう。その逆は、一般に「指示命令」と表現する…………。 提案の段階において斬新的な企画案ほど……、なかなか理解されないのは当然だ。……と、いうことは、センスに溢れた、進取の気概を持つ若者の方が苦労が多くなる。おまけに、上司の階層が何段階にもなっているとなれば、気が遠くなるほど……説得作業は困難を極める……。……そういう意味では、大企業ほど若い者は苦労が多いかもしれない。 上司の数が少ないほど楽なもんだから、つい飛び越して、話の分かる上長の方に行きたくなるのも人情だろう。 上司の数や階層は、上にいくほど少なくなる。専務取締役などは、上司と言えば社長一人だ。会長がいて、二人になる。そのような、一般に上司の数が少ない上層管理者層にとっては何が重要となるのか……?………同じく、やっぱり…………、「上司を説得する能力」が重要であると言わねばならない。まさに、そこで重要案件の「決定」が行われるからだ。自分の信ずる決定に誘導しなければ満足は得られない。 そして、意外な事だが、次に「部下を説得する能力」も……要求される。説得せず、命令だけで部下に接し、使っている輩がいるが、……時と共に……、物事の実現性が怪しくなってくる。部下が、真からついて来なくなり無責任になりがちだからだ。 まぁ、何にしても、自分の思いを遂げようとすれば、言葉と行動を駆使した「説得作業」が極めて重要というわけだ。考えてみれば、惚れた相手に対するアプローチも……、…………似たようなもんじゃないかい?……………なーーんちゃって。 (^。^) < 阿 蘇 白 川 水 源 湧 水 >============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2008/07/28
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^-^◆分からない・理解できない「分からない」という事は恥じる事でも無ければ、能力が無いという事でもない。こんな事は、どんなレベルの人間にもあることだ……。「理解できない」という事は悪い事でも無ければ、能力が無いという事でもない。こんな事も、どんなレベルの人間にもあることだ。分からない、理解できないという意識すら持てない人が世の中には存在する。本人は幸せかもしれないが、ビジネスの現場では周りはかなり迷惑する。 「分からない」「理解できない」のに、聞かない、尋ねない、調べない……人がいる。これが、良くない。折角、脳が新しい知識吸収のサインを出してくれているのに、もったいない事この上ない。この、逆の人……分からない事を放置できない人達の中から、稀有の発見や発明をした人達が誕生した。 下の者が「分からない」「理解できない」レベルに居るのに、気付かない管理者が居る。……そろそろ、管理能力の限界だろう。下の者が「分からない」「理解できない」レベルに居るのに、気付いていて、放置する管理者が居る。これは、ビジネスの場では、罪に値する。……厄介だ。 下の者に「分からせる」「理解させる」能力は、管理者にとって重要な能力である。これが、出来ていない管理者は、客とも誤解によるトラブルをよく発生させる。子供の大切な質問を無視したり、「大人になったら分かる」等と言って、逃げて来た人種にこの傾向が強い。 理解できない事を恥じるな! 調べない事を恥じ、 偽りの知識をこそ恥じよ!! ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2008/06/16
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大多 「しかし、まぁ……負けん気の強い備前にしては、 えらく神妙だな………………」備前 「ヘッヘッヘッ。自慢じゃ無いけど『負けん気』じゃ 誰にもヒケはとりませんからね……………………」唐知 「ヘェー、備前さんは、負けん気が強いんですか?………」備前 「あっ、いやーな予感………………」唐知 「大多さん、負けん気の強い人と一緒に仕事をする時は、 気をつけた方が良いですよ」備前 「ほらっ、来た、来た…………」大多 「じゃー、まさか、負けたいと思う人の方が良いと いうことですか?」唐知 「いえいえ、とんでもない……そうじゃありません。 ……しかし、どちらかといえば、攻めるときは、 『勝ち気』な人を起用した方が良いかもしれませんね」備前 「えっ……?『勝ち気』……? 『負けん気が強い』のと 一緒じゃないですか。………………また、またぁ……」唐知 「それがね、微妙に違うんですよ。備前さん、あなた 負けたくないんでしょう……?」備前 「そうです。どんなことがあっても負けたくありません」唐知 「じゃあね……。勝負しなけりゃいいんですよ…………。 勝負しなけりゃ、勝ちも無いかもしれないけど、負けも 絶対にありません。…………絶対負けません」備前 「……………………………………!」唐知 「勝ち気な人は、勝ちたいから、ほとんど勝負を避ける ことはありません。勝負しないと勝てないからね」備前 「………………?」唐知 「備前さん、あなた、9勝1敗と、10勝15敗の どちらに高い価値を見出しますか……?」備前 「そうですねぇ……。やはり、9勝1敗の方ですねぇ。 勝率が、抜群に良いですから…………」唐知 「そうでしょうね。負けたくないんだからそのはずです。 でもね、勝ち気な人は勝ち星の多い方に価値観を見出す 例が多いんですよ………………。 小さい子供と相撲をとったことがありますか? 負けても、負けても、何十回負けても仕掛かって来る、 それも泣きそうな顔してね、それで、可哀相になって、 一回だけ負けてやると、勝った勝ったといって、 まるで、全ての勝負に勝ったかのように喜んで、 自慢する子がいるでしょう?あれは勝ち気な子ですよ。 とにかく、何回負けたかよりも、勝ち星に興味が 集中するわけです……」大多 「でも、一般的にはその二つのタイプは見分けがつきにくい ですねぇ……」唐知 「ええ、そうです。ただ、勝ち気な人は、負け過ぎる キライがありますから、その辺を注意して、勝負の開始 そのものにブレーキをかけなくてはいけない場合が あります」備前 「負けん気の強い方は?」唐知 「事前に『危ない、負けそうだ』と予知した勝負に関して は、やらない傾向があるようですね……。やらなければ、 負けずに済むわけですから……。案外、優秀と言われて いる人に、このタイプが多いので注意する必要が あります。『この勝負は、やらないことに必然性がある』 といった、理論武装にその優秀な頭脳を使い込む傾向が あります。そんな時は、後ろからポーンと押して勝負に 向かわせる必要があります。もちろん、やるべき勝負の 場合ですがね………」大多 「……どうだね。備前君」備前 「うーん…………………。自分のことは分かりませんね。 でも確かにそういう連中はいますねぇ…………………」大多 「……ひとつの人間の特徴だから『持ち場、持ち場で、 持ち味を…………』ってことかな」備前 「…………でしょうね……」大多 「話を戻しますが、先程唐知さんが言われた、SEへの 応援歌は、まさにその通りですね」唐知 「えっ?……ああ、そうですねぇ……、 繰り返しになりますが……、 システムエンジニアもエンドユーザーに対して、 極めて的を得た、本質を突いた問題提起が出来るように なっていったら、より質の高い良い仕事が 創造出来るのでしょうね。 …………又、本人もすごく成長するでしょう……。 そして仕事が、もっと、もっと面白くなるのかも しれませんね…………」大多 「……そうなると素晴らしいと思います。 我々も心して進まねば…………。 今日は長時間、どうもありがとうございました」唐知 「いや、いや。どうせ、毒舌唐知の独断と偏見ですから 聞き流して下さい。モヤモヤのときほぐしに、少しでも 役に立てば幸いです…………。 じゃー、又、お目にかかりましょう」 <完>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/08/21
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備前 「やっぱり先輩達は違うなぁ……。 こりゃー、何年たっても叶わないや…………」大多 「そんな事はないよ、備前……。 若い方が、年長者より優れているに 決まってるじゃないか……」唐知 「大多さん!!! いやはや、いやはや………」大多 「何ですか?大声で……びっくりするじゃありませんか」唐知 「いゃー、あなたは素晴らしい。 実に良い事を言いますねぇ…………」大多 「………………?」備前 「もう、後輩に向かってお世辞はやめてください……。 そんなありもしないことは言って頂かなくて 結構ですよ……。 ほんとに……………。 ……何を言われるやら……。 我々はいつも、職場でも、飲み屋でも、先輩、上司に、 やられっ放しというのが、厳しい現実ですから……。 まぁ…………若い奴は、とうてい勝てません」大多 「そうーか……。じゃ、やっぱり年長者の方が 優れているか…………。なーるほどな。しかし、まぁ、 考えてみりゃー変な話やなぁ……」唐知 「大多さん何が変だと言われるんですかな……。 ふふふふふふふふっ…………」備前 「………………?」大多 「備前が言ってるのは、逆さに考えりゃ若い方が劣っている という事でしょう。ということは、総合的に見て人間の 歴史は、年を重ねるほど悪い方向に向いていくという事に なりますよね……。ところが、それがそうなっている ようには見えないんだよなぁ。けっこう、発展してきて るんだよなぁ……。人類は……。昔から……」唐知 「ふふふっ……以前は若い人が優れていたんでしょう。 備前さん達の代から、どんどん、どんどん悪くなって いくという事じゃないですか……。 ねぇ……。はっはっはっは…………」大多 「どんどん、どんどん悪くなって、果ては滅亡すると いうことか……。案外、そうかもしれませんねぇ。 いや、ほんとに……。ふふふっ……。 …………うーん、ほんとにそうかもしれんなぁ」備前 「わかりました。わかりましたよ。もう勘弁して下さいよ。 もう……ご両人共きついですねぇ…………」唐知 「まぁ、年長者は年の差で勝つことが出来たり, 勝った様に見せることも出来ますからね……。 年の差というのは主に経験の差ですから、 経験をベースにしたテーマなんかでは圧勝ですかな」大多 「いえいえ、確実に知的能力で勝つ場合も結構多いですよ。 ケースバイケースといったところでしょう。 ……また、人にもよりけりですね。 あっ、すみません。 これは当たり前の前提でしたね。どうも……。 ………………スミマセン」唐知 「いや、分かってらっしゃれば良いですよ………」大多 「若い人と話している時に、時々ふぅ~と思うんですが、 自分が彼くらいの年齢の時よりも、 断然しっかりしているなぁと感ずる時がありますよ。 ……でも、わざわざそんな事口に出すわけでもないし、 黙ってりゃ現時点の蓄積差で、何とか出来ますからね。 備前には、そこんとこが分かってないということか……」備前 「ふぅー………。まぁ、はっきり言って謙遜もあるんです けど…………。 よーーーーく、分かりました」唐知 「我々は言葉や文字を使って経験を蓄積して、後世に つないできたのが凄いですね。今の日本人は、 この世に誕生してから、17~8年で、微分積分の 概念を理解し習得することが出来ますね」備前 「…………?」唐知 「ところがこれを経験則だけでいくと、たとえば、 神武天皇から数えても、2500年以上……、 ……西暦でいったって2000年以上かかってるんです からね…………」大多 「…………!」唐知 「現代は、蓄積されてきた財産を使って、たった17年 ですよ……。ことほど左様に新しい人類の方が過去の 経験の蓄積を使って、どんどん優れていかなきゃ嘘って もんですよ」大多 「知識は一つの情報ですが、その情報の質、量、 伝達スピードと、どれをとったって、過去と現在とでは 比べようが無いくらい進んでますよね……」唐知 「脳の進化も全体的には、早いんでしょうなぁ」大多 「今の若い人にそういう認識がありますかねぇ。 ……なぁ、備前くんよ……」備前 「眼からウロコ…………でありまーす。ヘヘッ……」 <完>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/08/20
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大多 「唐知さん、色々とありがとうございます。反省も含めて 考えさせられるお話しばかりです…………」唐知 「まぁまぁ、いつもの独断ですから………。 ところで大多さん……。先程、私、良い問題提起は 質の高い解を導き出す、といった意味の事を話しました けど、先輩、上司との付き合いの中でも、良く体験する 事じゃありませんか……?」大多 「えっ、どういう事…………?」唐知 「あのね……、 何故だか理由は分からないけどけど、その人と話を していると……、自分の頭の中がすっきりと整理されて きて、様々な新しい発想が浮かんで来るという経験は ありませんか……」大多 「……………………」唐知 「上司の方との間ではもちろんですが、ユーザーとの間 でも十分有り得る事ですよね」大多 「相手の方の言葉に、触発されるといったような事 ですかねぇ………………?」唐知 「ええ、もちろん、そういった事もあるでしょうね。 ……また、不思議な事に、相手の質問に次々と、 ただ無心に答えているだけで、自分の中の未だ未整理の 混沌としたものに、ある種の秩序が生まれてきて、 知らず知らずのうちに頭がすっきりしてくる…………、 そうすると、次のステップの思考に移れるというような 事ですよ。……まぁこのぅ、自分がですね、創造的に なれるという訳です。ねっ、経験あるでしょう? ………無ければ……大多さん、相当に人間関係が貧困と 言わざるをえませんよ……」大多 「アリマス、アリマス、あ・り・ま・す………。 まいったなぁ。こりゃ、なんだか、脅迫されたみたい ですね…………。確かに、ありますよ。私の場合、 心の中で、そういった方を、師と仰いでいるようです」唐知 「なるほど……師とねぇ……。先生ですか……。 良く分かります……。素晴らしく聡明な人というものは、 実に効果的な質問をしてくれますよね。まさに、言葉の 中にキーワードが溢れている訳です。 本当に良い先生に巡り合った気分ですよね……」大多 「時には、同僚や後輩との間でも、こんな経験をした事が あります……」唐知 「なるほど、そうですか……。大多さんは、相当に頭が 柔らかいですね……」備前 「僕は、固いですか?」唐知 「いえいえ、そんなこと言ってません。書物や、雑誌や、 ラジオ・テレビ等の中にも、人が棲んでいるわけです から……、そういう人達との間でも同じ様なことが 起こりますね。結構、日常のこととして、身近にそんな チャンスがありますから、目を皿にしたり……、 耳をラッパにしておきませんとね……」備前 「うーん………………、なるほど」大多 「備前!えらく神妙やなぁ。珍しいこっちゃ………」備前 「もぅ…………、馬鹿にしないで下さいよ。我々SEに とつても、興味深い話だなぁと思ってる ところですから…………」唐知 「そうですねぇ……、考えて見ればシステムエンジニアも エンドユーザーに対して極めて的を得た問題提起が 出来るようになっていったら、もっと質の高い、 良い仕事が創造出来るのかもしれませんね。 又、本人もすごく成長するのかもしれません。 そして仕事が、もっと、もっと面白くなるのかも しれませんね…………」大多 「全くです。的を得た質問が出来るようになっても……、 それだけでも素晴らしい事です……」 <完>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/08/19
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備前 「いえね……『言いたい時に言いたい事がきちんと言えて なお且つ決して角が立たない』と言われる様になれって、 しょっちゅう先輩に言われているんですけど………」大多 「ハハハッ……、結構言いたい事言ってる方じゃないか? ええっ!!備前……」唐知 「……って事は、角が立つわけだ…………。ねっ……」備前 「……それと、逆ですが……、尊敬するとなかなか意見が 言えませんねぇ。第一、全部自分の考えの方が劣ってる 様に感じますからね……。でも、一般的には誰だって 素晴らしい先輩や上司のこと、尊敬しますよねぇ……」唐知 「うーん…………、きわどい問題提起ですねぇ。上の方を 尊敬するというのは、健全な職場で普通に見られる状況 ですものね……ネ。……ただうまく言えませんが『尊敬』 の気持ちは、同一の組織に所属していて、且つ同じ目的 に向かっている場合は『両刃の剣』といえる かもしれません……」備前 「…………両刃の剣……?」唐知 「そうです。良い面と悪い面が存在するという事です。 考え様によってはあの『オーム真理教』も教祖に対する 尊敬の念の異常な昂揚が生み出した悲劇かもしれません ものね。……いえ、誤解しないでくださいよ、尊敬する 事が悪いと言っているのでは決してありませんから……」大多 「それは、わかっています。でも、唐知さん、いつになく 今日は表現が柔らかいですねぇ……。いつもは、ほとんど 断定的にものを言われるのに、今日は、感じるとか、 ……しれないとかが目立ちます……」唐知 「うーん、かもしれません。あっ、また言いましたね。 ハハハッ………かなり、深くそして大切な問題について 話をしているからかなぁ…………」備前 「唐知さん自身は『尊敬の問題』をどう処理されているん ですか? 」唐知 「……そうですねぇ……、共通の目的に走っているとか、 共通の利害があるとかの関係の方は、絶対に尊敬しない ように心がけています……。私自身の、コンサルという 仕事柄もありますが………、自分の任務を全うする為 でもあります」備前 「そんな事が可能なんでしょうか……?」唐知 「いやいや……どうして、、極めて難しいですよ。 感性の範疇の事ですからね……。うーんと唸って 尊敬しちゃうわけですからね……」備前 「…………ですよねぇ……」唐知 「……まぁ、その様に一生懸命努力しているという程度に 解釈して下さい。言い換えれば、知性の力で自分の感性 をチェックするクセをつけているというような事です。 うん……、そう言った方が正確でしょうかねぇ………」備前 「相手の方の欠点とかも真剣に見るんでしょうね……」唐知 「……素晴らしい方だ……と、ピリピリッときたら、 できるだけ、その方の短所・欠点を探す様にしています」大多 「逆にですよ……。尊敬できないような人とは真剣に 付合いたくない、といった感覚もあるわけですから、 こりゃー大変なことですよ……」唐知 「まぁ、そういった微妙な関係の方に対しては…………、 好きになってしまうことですよ……」大多 「……好きになる……?似たようなものですね」唐知 「……似て非なるものがあります……。好きな者同志なら 喧嘩だってしますよね。自分の我を張る場合も、 もちろんあるでしょうが、相手のことを思うあまりに、 してしまう喧嘩もあります。喧嘩が出来ればチェック 機能は働くんですよね」備前 「……一応、戦いですからね…………」唐知 「上の人が、万が一間違った道を選ぼうとしている場合など 敢然と突っかかっていけますからね。その事が、たとえ 決定打にはならないとしても、抑止力としては働く でしょうからね……………。 まぁ、なんですねぇ。尊敬している人とは喧嘩できません ものね…………」大多 「…………フム……」唐知 「…………そうか……そう言えば…………私は、相手と 喧嘩出来るかどうかで『尊敬』と『好き』を区分している ようだなぁ………。確かに……。今、わかった…………。 うーん……良い質問をありがとうございます」大多「なるほど……好きになれ…………か」備前「面白いですね。なんとなくわかりますよ……」唐知「私が、こんな風に難しく言って、こだわっているのも、 下の者が上の人と対等間のある議論をして、テーマの、 曖昧さを正す必要があるからです。実際に、あちこちで、 見られる現象です。 さて、この話は、この位にしましょうか」 <完>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/08/13
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------------------------------------唐知 「当然です。ただ言えることは、企業の第一線の運営に 関する問題解決というのは『実行可能な道順を提示する』 という事であって、論理的に正しい答えを並べ立てても 遠回りにしかならん。ということを教えてやらなければ いけませんね。そしてその道順は、誰でもない自らが 設計すべきものだという事もですね。……設計ですよ。 設計です。……描くのとは違います」備前 「うーん、ちょっと、こんがらがってきたなあ。現場を、 動態的に捉えるかどうかという事と、実行可能な案が 提示出来るか、どうかという事は、別の論点のように 思いますよ」大多 「うーん。でも、唐知さんが、言いたい趣旨は、分かる ような気がします。経験的に相互の絡みが深いという 判断なんでしょうね」------------------------------------唐知 「まぁ、そういうケースが多いという位に、理解して おいて下さいな。しかしねえ、貴方が先程指摘された 様に彼らに色々と教えると言ったって、空しい事かも しれませんね。元々、人の生まれ持つセンスの問題かも しれませんし…………ねぇ」大多 「さわさりながら、あらゆる要員を戦力化する事も大切な 事のひとつですから…………」唐知 「まさに、その通りですね。能力のある人達が提起された 問題の中身をよく吟味して、より正確な表現にする事 によって、実効性のある答えが出て来やすい様な……、 そんな仕事の場面にセッティングしていく事が、非常に 大切なんでしょうね…………。 ねぇ……備前さん、いかがですか?」備前 「えっ。はい……。確かに…………言われる通りだと思い ますよ。そういったリーダーシップをとりたいですね。 会社の中の評論家人口は、数的にはそんなに多くは無い のでしょうが……、何といっても、彼らは論客を自認 している場合が多いですから、周りが振り回されて しまいがちです。 何ともまぁ……、みっともない話ではありますがね。 今、唐知さんが言われた事は……含蓄があります」唐知 「しかしねご両人さん……。この事は言うは易く行うは 難しで、別の面で相当の労力と知恵と勇気を必要と される事が多いと思っています」大多 「えっ?『テーマの具体化』がですか?…えー? それは、また、何故?…………デスカ?」唐知 「特にですねえ、特に問題や課題の提起者がTOPである 場合には顕著です。大体においてそういう立場の人は、 大まかな言い方をするのが常ですよね。 方向だけを示すといった…………。 この作業は、かなり突っ込んだ議論が要求される仕事 ですが、その突っ込んでいく過程でTOPのプライドや 『面倒くさい』と思う気持ちと戦わなければならなくなる ケースがあります。はっきりいってやや、感情的に なり易いキライがあるわけです……」大多 「それでなくても、TOPクラスには質問がしにくいです からね」備前 「あんまり、聞くと、こちらの理解力を疑われるんじゃ ないかと、警戒したりするんですよね。上からは常に 能力を判定されていると考えますからねぇ……」唐知 「そういう気持ちが働くのが通常でしょうね。 特に、優秀な上司の場合、見透かされるような気がする と言う人もいます。しかし優れた上司程部下の持ち味を 見出して、適材適所に生かしていきたいと思っている ものです。善し悪しよりも特徴や色合いを見てるんです けどね。……まぁ、下とすれば錯覚しますよね」大多 「蛇に睨まれたカエルの様なケースだってありますよ」唐知 「ハハハハッ……。面白いことにですね……上の者の説明 の仕方が悪いから、聞いてる下の者が分からないという ケースが、実際には結構多いんですよ……。特に、 その人特有の言葉と、非常にユニークな言い回しで話す 人に、顕著にあらわれます。また、やたら話の中に カタカナが多い人もわかりにくいですね。概念を共有 しにくいですからね。大和言葉で喋って欲しいと迄は、 言いませんが……せめて漢字かひらがなで喋って欲しい ですよね」備前 「ヤマトコトバ…………? 」唐知 「ああ……聞き慣れないですか?……万葉集等で使っている 言葉とでもいいますかね……。分かり易く言えば………。 漢字の音読みを除いた訓読みの世界に近いかなぁ。 備前さんは若いから違和感があるかもしれませんね」備前 「ええ、初めて聞きました…………」唐知 「学校(ガッコウ)と言わずに、……マナビヤ。 道路(ドウロ)と言わずに、……ミチ。 生活(セイカツ)と言わずに、……ナリワイ。 結局(ケッキョク)の代わりに……ツマルトコロ。 武士(ブシ)の代わりに、……モノノフ。 微笑(ビショウ)の代わりに、……ホホエミ。 これはちょっと違ったかな……。 まぁ、こんな感じですよ。ここまでは要求しません…」備前 「………………なるほど………………」大多 「聞く方も聞く方で、結局のところ曖昧に聞いて 持ち返ってから、ああじゃないこうじゃないって 類推して、結果……外れて、パー。 そして怒られる……。てなこと…………。 まったく、骨折り損のくたびれ儲けってヤツ……」唐知 「あのね……、これは大事なことですから……、あだや… おろそかに…聞かないようにして下さいよ。 フッフッフ…………」大多 「……さて、何でしょう?」唐知 「あのね、上という字には下に一棒『床』があるでしょう。 だから、下が良く見えないわけですよ。 一方、下とゆう字は上に一棒『天井』があるから、 上がほとんど見えない訳。上と下とが話す時は、 『中』の気持ちになって話さなきゃね。中という字は、 棒が上下に突き通っているから、よく上下の意志が 疎通するという話…………」大多 「ハッハッハッハ……これはなかなか(中々)面白い……」備前 「ハッハッハ、これは使えますね。今度係長に報告する 時は、先にこの話をしてから報告する事にしよう……。 ハハハッ……」唐知 「まぁそういった事ですから、色々難しい状況の中で、 まず担当スタッフが、しっかり踏ん張らなくては いけません」大多 「上位の方の権威や権力に対し、遠慮したり……、 理不尽に負けたりしないように……ですね」唐知 「そうです。そうです。そういう負け方をしたんじゃ意味が ありませんからね。……課題が具体的になるどころか、 ……不正確になってしまったり、客観性の乏しいものに なってしまいかねません」大多 「唐知さん、その為にも、普段からのTOPとの コミュニケーションがとても大切なんですよ……。 仕事と割り切って、ちゃんと意見具申ができるような 関係を、作っておかなくちゃなりませんから……。 言い換えれば本物の信頼関係を持っておく必要が あるわけです…………」唐知 「ほうー……、大多さん、なかなか深い所を突きますねぇ。 ………さすがだ……。今、言われたことはとても大切な 事です。コミュニケーション作りという目で見たら 酒の席なんか決して馬鹿にはできないんですよ……」大多 「……全く、そうですね……」唐知 「一般的にもいえることですが……この課題は、なるべく 感情を交えず……相互に虚心坦懐にクールな議論が やれるかどうかが、ポイントですよね。 結果の良し悪しの分かれ道でもあります」備前 「ちょっと、耳が痛いですねぇ……」唐知 「うん……?……どうしました?」 <続>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/08/12
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備前 「唐知さんの言われる通りです。但し、それは組織を 厳密に運営している場合の話です…………。 実態は、……といえばですね、ごくおおまかな運営に なっていますから……ね。 『組織運営のコツは四角い重箱に丸いフタをする様な ものが良い』等と言う人もいる位です」唐知 「…………うーん。その言い方……、局面によっては、 一理あるなぁ……。しかし通常は企業では『信賞必罰』 がとても大切な事なんです。 それがなかなか徹底しないのは、企業でいえば、すべて 上層部の責任と言って良いでしょうね。 徹底させる事によって、副作用的に起こってくる、 社員の士気の低下の問題や、人間関係のもつれ現象等に 対して、うまく解決していく自信を持っていない 人が上層部に多いですね」大多 「………………」唐知 「俗っぽい言い方をするなら、『法律にゃー滅法強いが、 喧嘩の仲裁は苦手』なんていう人達が、結構上層部に 座っている企業が多いですからね。 …………困ったことです。 まぁ、組織論は横に置いておいて考えてもですね……、 問題に気付かないというのは、その種の能力が不足して いるわけだから、それはある程度仕方ないでしょう。 そして、その人達は、多分その能力に見合った報酬しか 貰ってないはずです。しかし……気付くレベルの人達は、 当然その解決を期待されているはずだし、ちゃんと、 それに見合う報酬を受けているはずです。 だから『放置の罪』で糾弾されねばなりません」大多 「ひゃー……、厳しいなぁ唐知さん。……いつもながら」唐知 「いやいや、どうも。お褒めにあずかり光栄です……。 そして私が言いたいのは、その事が組織の責任であると 同時に、人災でもあるという事です。 いや、むしろ、人災のケースの方が多いかもしれないと いう事です」大多 「……人災……ですか?」唐知 「そう、人災です。テーマの曖昧さにこそメスを入れる べきであるにも拘わらず、その曖昧な方の舞台が好きで 『抽象』という名の扇をかざして、やたら華麗に 踊りたがるクセの人がいませんか……? そういう人には十分に気をつけなくてはいけませんよ」大多 「『華やぎ流』の踊りですか。ハッハッハ……。 今言われたように、解決策を実施に移すプロセスが、 全然見えない答えを、いつも出してきて、 平然としている連中は確かに存在しますよ。 俺は素晴らしい答えを出したんだから、後は、 実行できない連中が頭が悪い……なんていう、 顔してますよ」備前 「うーん……ただ大多先輩!我々のような技術系の仕事の 分野では、ほとんど見受けないですよ。 仕事の性格上の違いなのかな……。まぁ、管理系の仕事の 分野にそういう人が多い様に感じます…………」大多 「うーん。そうかなぁ………………。うーん…………、 まぁ、確かにその感はあるかな。しかし唐知さん、 彼らはやはり間違っている訳ですか?」唐知 「いえいえ、あながち、そうとばかりは言い切れません。 例えば、参謀本部的な部門ですね、一般的には戦略企画 部門とでも言いますかね。そういった部門でのビジョン 形成のプロセスだとか……、構想計画を立てるプロセス なんかでは、十分に存在するアプローチ方法ですから、 あながち間違った行動とは言えません。 ……言えませんが、企業のラインの第一線の部門で あれば、ちょっと困りますねぇ。きっと、良い結果に 結びつかず良い評価もされないんじゃないですかね」大多 「只、そういう連中を見ていると、仕事の進め方云々の 問題というよりは、何かこう本人達の性格というか、 長年の考え方の癖の様な気がしますがネェ。それも、 かなり頑固な…………」唐知 「うーん……。先程から話してますように、 これは問題提起の仕方にも、おおいに原因がある訳です。 提起する方の罪と、このままでは抽象的で駄目だと 見破れない罪とでも言いますかね。 しかし、一方でですよ。一方で個々人の問題解決への、 取り組み方という面から見ると多くの場合、彼らは 実業の世界を生き物として動態的に捉えていない、 むしろ統計手法をベースにした静態的分析論を好む きらいがありますね」備前 「しかし唐知さん……、それは、どちらも大切なんじゃ ないですかね」唐知 「…………」備前 「……話が少しずれてません……?流れや動きを読んでから 答えを出すにしても、ある時点とかあるエリヤとかに 絞って、分析するにしても……大切なのは、対応策の 具体性とおっしゃりたいんじゃないんですか?」唐知 「その通りです…………。大多さん、あなたは、 なかなか油断ならない後輩をお持ちですね……。 今、備前さんが言われた具体性という言葉をですね……、 もう少し、唐知流に噛み砕くとしたら、 再三言ってますように、素早く実行に移せる策と いう事でしょうね。社内にしても、市中にせよ、現場は 刻々動いていますよね。そして、その動きの一番底の ベースのところで人の持つ意志の力が大きな力を 振るっています」大多 「……意志の……チカラ……デスカ?」唐知 「そう……。俗に言う『5W2H』の『Who』と 『Heart』なんて、結果の良し悪しに対して、 実に大きな影響力を発揮しますよね。 誰がやるのかという事、どんな決意でやるのかという事、 これらは問題を解決する為の極めて大きな要件に なります。 特に、営業や研究開発の分野のように、適正な要員を 選び出す事が、極めて重要な課題では顕著な様です。 こういった、数字やデータに出てきにくい要素を、 よく折り込んで考えているかということは重要な事に なるでしょう」大多 「確かに評論家的なタイプの人達は、その辺が弱いという 面はありますが、例外もありますよ…………」唐知 「例外は当然です……。ただ言えることは、企業の第一線 の運営に関する問題解決というのは『実行可能な道順を 提示する』という事であって、論理的に正しい答えを 並べ立てても遠回りにしかならん。ということを 教えてやらなければいけませんね。そしてその道順は、 誰でもない自らが設計すべきものだという事もですね。 ……設計ですよ。設計です。……描くのとは違います」備前 「うーん、ちょっと、こんがらがってきたなあ。現場を、 動態的に捉えるかどうかという事と、実行可能な案が 提示出来るか、どうかという事は別の論点のように 思いますよ」大多 「うーん。でも、唐知さんが言いたい趣旨は、分かる ような気がします。経験的に相互の絡みが深いという 判断なんでしょうねぇ」 <完>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/08/05
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-----------------------------唐知 「ハッハッハッハ。どうですかね。自分で決めて下さい。 ……どうですか……、身近に問題解決なんて簡単な事と 考えてる人達がいませんか。……実は簡単なものは、 通常『問題』とは呼ばないんですけどね…………」大多 「やや、耳の痛い面もありますなぁ。会社でも、よく、 見掛けますね。しかし、そういう人達は大体において、 上層部からの評価は良い様なんだな」唐知 「さぁー、本当に良いんでしょうかね。便利に利用されて いるだけかもしれませんよ」備前 「便利に? 利用? 何ですか? それは」------------------------------- 大多 「備前……青いなぁ……。唐知さん、感覚的には 分かります。……唐知さん鋭いですよ…………。 ……ところで、さっき言われた、簡単なものは問題と 呼ばないってのは、どういう意味です……?」唐知 「だってそれは、日常の仕事そのものだからですよ」大多 「仕事そのもの…………と、言いますと?」唐知 「考えてみて下さい。特にスタッフの日常業務ってのは、 小さな問題解決の連続なんですよ。とりたてて、それを 問題とは言わないだけでね」大多 「あ……なるほど」唐知 「一方、本当にしっかり取り組んで解決を図るべき大きな 問題がありますね。……言い換えれば、明らかに、 それなりの規模の被害や損失につながっているか……、 又は、そうなる事が予測される様な問題です。これらの 対応の仕方を勘違いしている人達が多いのには本当に 困ります……」大多 「……勘違いですか?」唐知 「そうです。だって、そういう人達はほとんどの場合 『正しい答』を出せば良いんだと考えてるんだから 困るわけですよ……」備前 「なっ、何言ってるんですか……。『正しい答』で上等 でしょうが?間違った答でも出せって言うんですか?」唐知 「勿論そうは言いません。まぁ『正しい答』という言い方 は、言葉の上では、もっともなように感じられますが、 これが実に紛らわしい表現なんですよね」備前 「一体どこが、紛らわしいんですか。……えっ?」唐知 「備前さん……実業の……世界では………ですね、 『素早く実行できる答』を出しうるかどうかが勝負じゃ ないですか?まぁ一歩譲って、素早くとは言わないに しても、実行に移せる答が勝負です。 まぁ……当たり前の事ですけどね……」備前 「……」唐知 「理論的に正しいだけでは答えとして未熟なんですよ。 また、抽象的で実行に移すイメージが湧いてこない もの、それは答でも何でもないんですよ。 小説家にでも任せる世界でしょう」備前 「………………未熟?」唐知 「そう…………例えば『コストを下げるには』という、 極めて抽象的な問題提起があるとしますね……、 『要員の業務の生産性をもっと上げて、小数精鋭に 持って行き、且つ、諸経費を切り詰められる迄 切り詰めると同時に、コンピュータ機器等の資材は、 可能な限り安い物を調達する様にすればコストは 下がる』 等という答えは……全く困る訳です」備前 「えっ……?どうしてですか?まさに、その通りじゃ ないですか。……どうも良く分からん」唐知 「これのどこが答ですか。これは、答えでも何でもない。 ただ、問題を細分化しただけじゃないですか。業務の 生産性を上げるって……?そんな事当たり前ですよ。 部門長は日常的に取り組んでる事です。 実はどうやって上げるかが、一番難しい問題 なんでしょう? ……まぁ、ことほど左様に呆れたことなんですよ……」大多 「なるほど。野球でピッチングのコツをと問われて……、 バッターの打ちにくい所に、相手の苦手な球を投げれば 良い、なんて答えるようなもんだ。 ……答えでも何でもない」唐知 「大多さん乗ってきましたね。面白い例えです」備前 「僕は、乗りが悪くてすみませんねぇ」唐知 「いやいや……。まぁ、こんな風に冷静に考えれば、 おかしいと気付く訳です。しかしですねえ、それなりの 地位やキャリアの人が、それなりの顔をして、 それなりの口調で胸を張って言いますとね、なんか、 凄い見識のように錯覚するから……不思議ですよ」大多 「一種の暗示ですかね?」唐知 「うーん……『売上高を伸ばすには』って、言われて、 『近在の経済圏の中で大手優良の顧客を絞り込み、 社が保有する技術との整合性を取りながら、長期型の 大規模案件を受注するようにしたら良い』 等と応えるのと同類ですね。まぁ、言ってみれば諸悪の 根源は、問題の出し方そのものが、曖昧なところにある 訳ですから、まずそこに気付くのが重要だと思います」大多 「……考えてみれば『売上高を伸ばすには』というテーマ に実効性のある答があれば、どこの会社も、とうの昔に 実行して成績を上げてますよね……」唐知 「そういう事でしょうね。取扱っている製品、 保有している技術、その市場での競争力、営業マンの 実力、その時点の景気動向その他、どの要素を とっても、ひとつひとつが大変な重要項目だし、 それぞれの事情によって、問題の色合いは大きく違う はずですよね。色合いの違う物を沢山含んだ課題を ゴチャゴチャにして、抽象化しては解決は遅れる 訳です…………」大多 「これは、よく分かるなあ……。何年たっても、ちっとも 前に進まない様な問題なんかは、この範疇のもの なんだな。……結構ありますねぇ。いつまでたっても、 問題だ、問題だって騒いでるヤツが……」備前 「要員不足の問題なんか、まさに顕著ですね。人の数の 面にしても、具備すべき専門性の面についても、 ちっとも前に進まない……。人が欲しい、欲しいと 言い続けるだけ………」唐知 「同じ問題をですね、半年も叫んでいたらこれは大変です。 その問題が存在する事も勿論大きな問題でしょうが、 もっと大変なことは周辺の人間が無能という事でしょう。 気付いていて直さないというのは、気付かないより 罪だと思いますね」備前 「これは厳しい。職務怠慢ですか……」唐知 「そう『咎めてそれに倣うは、罪また甚だし』です。 それに、組織上解決する事を任務として与えられている 人が必ず存在するはずです」大多 「うーん、しかし唐知さん、組織上で解決の役割が、 はっきりしているような問題は、解決が比較的前に 進んでますよ。任務を全うしないと叱られるという事が 分かってますから……ね。 むしろ、問題が複数の部門の間にまたがって いたり……、異なった部署相互に関係の深いもので、 責任の所在がはっきりしないようなケースが、 延び延びになって、なかなか解決しないようですね……」唐知 「大多さん、その認識は甘いですよ。普通の組織なら そういう範囲も、ちゃんとカバーする職位を作っている はずです。ほら、総括とか調整とかいった、上長を 補佐する職位をね……。あるいは、筆頭課長に位置 づけるといった具合にね。それも無い場合は、 ひとつ上の共通の部門長の責任になっているはずです」 <続>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/08/04
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改◆『問題提起』という名の落とし穴[下]唐知 「フム……、備前さん、 よく知ってますね。 航空宇宙研究所 だったかどうかは 覚えていませんが 大体そんな所でしょう。 それじゃ備前さん、当然、あの気の遠くなるような、 膨大な予算の事も知っていますね……。 ……アメリカの例で良いですけど……」備前 「いえ……。あのぅ……。多額とは認識していますが…」唐知 「かって世界の大国が競って宇宙開発を国策として、 膨大な予算を注ぎ込みましたが、幾度となく故障が 発生した事、事故になって国民の税から拠出した 天文学的に高価な機材類と……、 ……なによりも貴重な人命が損なわれた事も忘れては いけないと思います……。 決して、ZDは達成されていません」備前 「……」大多 「それじゃ……、唐知さんが先ほどから言われている 『問題提起』のおかしさというのは……?」唐知 「だから『全国事故ゼロ』等と、できもしない理想論を 掲げるのではなく、例えば費用をある一定額準備して、 その金を有効に使って踏切事故を『減らす』と いうような現実的な、テーマの出し方に変えれば、 少しは良かったのかもしれませんね……」大多 「うーん……」唐知 「あくまでもこれは『例えば……』の話ですよ。 このテーマはそんなに単純ではありません」大多 「……テーマの設定が変わる事によって、検討内容が どういう風に変わってくると言われるんですか……? 唐知さん……」唐知 「大多さん…『目指すは事故ゼロだ!』と言ったら論議は 進みませんよ。……だって、そうでしょう? つまり踏切そのものを無くしてしまう案以外の、 何がしかの案を提起する度にですよ……、 さほど責任も感じていないリーダー達から、 『完全に事故は防げますねっ!』って念を押されたら、 引っ込めるしかしょうがないでしょう……。 だって『完全』は無理だから…………」大多 「それは……そうですね。絶対!!と言われても ……ですねぇ」唐知 「……ここでテーマを『減らす』と変える事によって、 それでは一体、事故をどの位まで減らすのか……。 これから先、全国で何件までは『無念だが…仕方ない』 と判断するのか。…………といった観点から……、 これはもう喧喧諤諤の論議を生みます。 ……人命に関わる事ですから、人の命の重さに変わりは 無いし…『仕方ない』という言葉は禁句である筈です。 しかし、現実論としてはどこまで救えるかを真剣に 具体的に、詰めていく必要があります。 ……理想論だけでなく…………」大多 「都市圏と郊外区、又、中央と地方では見解が違い、 全国一律の考え方に馴染まないという事になるかも しれませんね…………」唐知 「ええ、なるかもしれない…………、 ……ならないかもしれませんが……。 いずれにせよ、テーマそのものが、段々と具体的に なっていくにつれて、より具現性のある答えしか 考えようが無い様になってくるわけですね………。 実は、それが極めて大切な事なんですよ」大多 「………実行可能ということか…………」唐知 「………何か、思い出すままに話しているので、 まとまった話になって無いかもしれませんが 勘弁して下さい。……これが唐知流です……」大多 「うーん。何となくおっしゃりたい事が分かるような。 ……分からない様な…………」備前 「もう……、はっきり言って私には分かりませんよ。 大多さん…!今日は一体何なんですか? ……良い話が聞けるから来いと言われたんで、 飛んで来たんですけど……」大多 「備前、子供みたいな事を言うな! 確かに俺は誘った……。しかしだな、君だって、 それなりに意味を考えて来たんじゃないのか?」備前 「冗談じゃないですよ。先輩から来いと言われたから 来たんですよ。色々と仕事もあったんだけど……、 空けて……」大多 「そうか……、じゃー、戻っていいよ。ついでに会社も 辞めたらどうだ……」 備前 「そんなぁ……、なんで、僕が会社辞めなきゃ いかんのですか……?」大多 「ほうー、今度は俺の言う通りにはしない訳だ。 何でも、言う通りかと思ったが……、 ……ということは少しは自分で考えてる訳だ……」備前 「そりゃーバカじゃないんですから……考えて 行動してますよ。 あっ………………、 …………すみません。 ………そういう事でした」大多 「ふぅぅ~…………」備前 「……先輩のお誘いは、いつも為になりますから……。 …………ただ今日は、さき程からあんまりにも 突拍子もない話だったんで、つい………。 ……すみません」大多 「大体、お前はいつも戦闘的すぎるから……」備前 「この平和な時代に……戦闘的なんて人聞きの悪い事 言わないで下さいよ。まぁ、言うなら厳しい生き方 くらいにしてください……」大多 「わかった、わかった。厳しさか………。 ふぅぅぅ…………。 優れるという字は、優しいと書くんだけどな……」備前 「………?」大多 「唐知さん、どうもすみませんねぇ。雑音ばかりで……」唐知 「いやいや、……まぁ、私の話は、いつもそんなもん でしょう。独断と偏見ですからね。……じゃー、 話のついでに、もう一つ例を出して話して おきましょうかね」大多 「……よろしくお願いします」唐知 「『北九州市街区域の道路混雑緩和』の問題。 これも先程話した踏切の話と似たようなもんで 答は簡単です」備前 「……簡単ですかぁ?」唐知 「ええ、簡単です。混雑を解決すれば良いのであれば、 東西南北、市街地区に入って来る方の信号機の、 青の点灯時間を短く、赤を長くして…………、 一方、出て行く方の信号機は、その逆で、 青の点灯時間を長く、赤を短くすりゃ、その内に 自然と市街地の車の台数は確実に減りますよ。 ………勿論、入って来る方の道路には、延々と 車の列が出来るのは当然ですがね。ハッハッハ。 混雑させたくないという事だけを命題にするんなら 車を減らせば良いんです。……極めて明快です」大多 「おもしろい発想ですね。上りと下りと別々に 信号表示する訳だ……」唐知 「これは、ひとつの正しい答である訳です。 しかし、とてもじゃないが採用は出来ません。 なぜか?……人や、物資の輸送という課題との 絡みがあるからです。……車は、輸送機器ですからね」備前 「輸送機器…………ナルホド」唐知 「近年は車がレジャー用品だったり、装飾用品だったり、 またスポーツ用品だったり、生活のステイタス主張の 手段だったりと、面白いほど様々ですが……、 車の基本は輸送機器ですよ。 ……ねっ」備前 「それに恋人ハントの道具だったり、 交際部屋だったりと多種多彩ですよ」唐知 「でも、基本は輸送機器ですね。だったらこの問題も 当然の事ですが『混雑緩和』のみの問題ではなくなる 訳です…………」大多 「……確かにそうです」唐知 「車を市街地に沢山呼び込む物、つまり、人や物資が 大量に集まる施設やエリアの場所を動かすといった、 市民の利便性と深く関わってくる問題や、 公共輸送と一般車両との関係、道路政策との絡み等、 総合的な解決をしなきゃならないわけでしょう。 取組みの方法、検討メンバーの構成は全然違って きますよ」大多 「つまり道路混雑は『現象』であって『問題』ではなく、 本当の問題は道路混雑によって発生してくる、不都合の 方にあるというわけか。……考えてみりゃ当たり前だ」備前 「逆に混雑を生み出している違法駐車の問題等も ありますよ。これは市民が利便性だけ追いかけるから、 起こっている現象です」唐知 「そう、そう、ご明察。不都合については、そういった 市民の便利な生活という側面も大きいかもしれませんが、 消防車や救急車、パトカーなどの緊急出動の際の問題 なども見逃せませんね」備前 「大問題ですよ……」唐知 「こんな例はいくらでもあります。ここで私が 言いたいのは、問題解決に取り組む時に、 提起されている問題そのものを、解析する事が非常に 重要になる場合が多いという事です。 解決すべきテーマの具体化…とでも言いましょうかね」大多 「……………具体化。……フム」唐知 「ところがですよ、ところが…………。 えーと……………………、 ちょっと人の話に移っていって良いですか?」大多 「どうぞ、どうぞ。今日は色々な角度からの、 お話を聞かせて頂きましょう」 備前 「……人の話って?」 唐知 「さっきから言っております抽象的なテーマは具体化 しなければならないといった、大切な事に気付かずに、 逆に、抽象的問題提起と抽象的解決策の間で、 いわば評論家的に腕を振るおうとする人達が、 企業内に存在するのも事実です…………。 心当たりありますね?」大多 「ウッ……」唐知 「いえいえ、あなたの事を言ってるんじゃありませんよ。 ……大多さん」備前 「それじゃー、僕のことですか?」唐知 「ハッハッハッハ。どうですかね。自分で決めて下さい。 どうですか……、身近に問題解決なんて簡単な事と 考えてる人達がいませんか。……実は簡単なものは、 通常『問題』とは呼ばないんですけどね…………」大多 「やや、耳の痛い面もありますなぁ。会社でも、よく、 見掛けますね。しかし、そういう人達は大体において、 上層部からの評価は良い様なんだな」唐知 「さぁー、本当に良いんでしょうかね。便利に利用されて いるだけかもしれませんよ」備前 「便利に? 利用? 何ですか? それは」 <完>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/07/27
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改◆『問題提起』という名の落とし穴[上]唐知 「大多さん! 私の話、聞きたい? えっ?……マジで?」大多 「……真剣です……」唐知 「ホン…トに聞いて くれるの……? 私で良いのかなぁ……」大多 「失礼ながら『毒舌唐知』の 異名を持つ唐知さんの、 独断と偏見に興味があるんです」唐知 「ウッ!!……そこまでおっしゃる!!」大多 「辛口中の辛口で……お願いします」唐知 「よおし……分かりました。それじゃー、そのつもりで 聞いて頂きましょう。……気合入れてね」大多 「もちろんです!!」唐知 「……さて、では、グチャグチャに絡み付いてしまって、 どうにもこうにもならなくなった糸を解きほぐす話から 始めましょう……」備前 「ええっ!どういう事ですか……?大多先輩!……」大多 「なんだ……?」備前 「話が違うじゃないですか……?」大多 「違いはせん! 備前!! まぁ……、いいから、いいから……。 なっ!備前…………」唐知 「……?」大多 「……唐知さん、どっ…どうぞ、……続けて下さい」唐知 「…………………?……では、 まず、例え話から始めましょう。 相当昔の話になりますが、私が実際に聞いた話です。 『列車の踏切事故をゼロにしたい』という問題提起が、 当時の運輸省や警察庁や国鉄その他、私鉄各社から あった訳です……」大多 「ほう……列車の踏切事故………ですか?」唐知 「そうです…………。当時の国鉄が幹事役をする事に なりましてね。運輸業界、関連官庁、学会、民間代表、 その他、様々な分野から著名な識者が集められ、 それはそれは大きな検討チームが 作られたといいます……」大多 「ふーん……大々的ですね。さすがに……」唐知 「検討会発足以来長い期間をかけて、あれこれと様々な 論議が重ねられましてねぇ…………。 ………しかし、結局は官庁スタイルの、いかにも、 スローガンレポートの様な物が作られて、検討は、 打ち切られてしまいました…………」大多 「………?」唐知 「我々のように、具体的で実効性のある施策を追求し、 生々しい現場で毎日苦労している人間には、ちょっと、 理解し難い報告内容でしたがね……」大多 「ほう……それは又、何故そんな事になったんで しょう?」唐知 「はい、一言で言いますとね、……結論が出なかった という事ですよ…………」備前 「ええーー!そんな筈は無いんじゃないですか? メンバーがどんな方々だったかは知りませんけど、 それ相応の方々が集結した訳でしよう……?」唐知 「はい確かに……肩書きはね……。しかし、残念ながらと 言いますか……、私に言わせれば当然というか……、 結論を出しきれなかった事だけは事実のようです……」備前 「…………当然?…………?」唐知 「……そう、当然です。考えてみてもご覧なさいよ。 ……彼らは、本気で、真面目に答を出すつもりだった んでしょうかね……?」備前 「そんな事、当たり前じゃないですか!」唐知 「当たり前…………?……ほぅーー……」備前 「だって、答を出す為に任命されたんでしょう?」唐知 「いやいや……そこが極めて疑問なんです……。 いいですか?……このテーマは答を出すだけなら、 極めて簡単でしょう?」備前 「……?」唐知 「……だから、委員長は即座に答を言って、テーマを 返上するか、こんなテーマの答は出せないと、 突っぱねるべきだったと思います」備前 「……??」唐知 「いいですか?……答は、こうです。 ……要するに、 『全国の踏切という踏切を全て立体交差にすれば良い』 という訳ですよ。……………ねっ。 簡単にして明瞭です……」備前 「そ、そんな、極端な……」唐知 「反論がありますか?あったらどうぞ…備前さん。 ……但し、理にかなった反論をネ……」大多 「いえ、いえ。………とは言っても………ですね」唐知 「違いますか……? 踏切そのものを無くせば、 踏切事故は確実にゼロになります。誰が考えても 当たり前の話です……」大多 「うーん……それは、確かにそうですが……どうも」唐知 「海があって、人が海に出て行くから海難事故が発生し、 空があって……、人が空に飛び立つから航空機事故が 存在する……。江戸時代、日本に航空機事故は ありません…………」大多 「……」唐知 「……というわけで、ゼスチャーでなく本気で、完全に 事故ゼロにしたいのであれば、これは完璧に正しい答え である訳でしょう……。踏み切りをゼロにすれば、 踏切事故はゼロになります。異論ありますか?」備前 「ゼスチャー……?こんな大切なプロジェクトが ゼスチャーである訳ないでしょう。暴言ですよ!」唐知 「じゃー、一体何だったんでしょうかねぇ。 備前さん、ご存知ですか?……説明出来ますか? ……今、出来るんだったらやって頂きましょう」備前 「……それは、それは私はその場に居たわけじゃないから 説明できませんが……、著名な方々の活動をゼスチャー 等というのは、言い過ぎではないかと………」唐知 「…………。ゼスチャーという表現は、少しオーバーと しても、似たようなものだったと言わざるを得ないと いう事について、今からお話しをします……」備前 「……(`ヘ´)……」唐知 「……そこで……大多さんに聞きます。 ……私の出した答は、正しくないですか?」大多 「いえ、そのう……正しいと言えば正しいでしょうが、 論理的には……デスネ。 しかし、どうも……しかし………」唐知 「そう…………『しかし』ですよね……。 『し・か・し』この答は、まず採用されませんね。 当然の事ですが莫大な費用の問題、土木技術上の課題、 その他、諸々の条件が絡みますからね……」備前 「いやっ、そうじゃなくて、メチャクチャだからですよ」大多 「ちょっと待て!備前! 失礼だぞ!! 少し黙って聞けよ。 ……もう……。 すみません唐知さん……」唐知 「いやいや大多さん、かまいません、かまいません。 話に弾みが付いて、けっこうけっこう……ははははっ」多田 「……どうも……。……ところで、唐知さん、 今言われた土木技術の課題ってのは……?」唐知 「ええ……、つまりですね……、全国にたくさん在る 鉄道の踏切には、その地形とか道路の形状とか、周辺の 状況……つまり、民家とか川とか、池・山とかといった 地物との関連で、立体交差にする工事自体が、 物理的・技術的に極めて困難な箇所もあるでしょう?」大多 「そうか……、なるほど、そうすると、線路そのものまで 動かさなきゃならなくなる……」唐知 「そう、そう…………。 しかし、このテーマはとてもじゃないが、 そこまでは視野に入れてないでしょうからね……」大多 「なるほど、…………そうか」唐知 「そうするとですよ……。いいですか……? 私が、先程言った、明快で唯一完璧な『答』が適用 できないという事になる訳です……」大多 「……ですね」唐知 「……ということはですよ……大多さん、これは最初から 事故をゼロにするなんていう『問題提起』そのものが、 おかしいんじゃないかと言わざるをえない訳ですよ」大多 「…………」唐知 「気持ちとしては分かりますよ。しかし、精神論です。 解決策を具体的に導き出すテーマ設定としては、 おかしいと言わざるをえません。 ねっ、そうでしょう……? 問題提起そのもののおかしさ……そこに目をつけると 少しは対応が前に進みますよね…………」大多 「ゼロには出来ない……という事ですか?」唐知 「そうです。無理です。 車や踏切関連に使用されている機械部品の故障の確率を 完全にゼロにする事が本当に可能でしょうか……?」大多 「…………」唐知 「仮に上手に組み合わせたとしても、設備の故障発生を 防止する為に、完璧な保全体制をとることは至難の技 ではありませんか」大多 「………!」唐知 「特に、おびただしい数の踏切全部について完璧に 実施する事など、まず不可能でしょう……。 又、運転技術等の人的な面についても…………、 人には過失の可能性があるといった事を、完全に 否定出来ない限りゼロにするなんて、元々できる相談 じゃないでしょう?踏切が存在する限り、そこに事故の 可能性は存在し続けるのです……」備前 「ちょっ、ちょっと待って下さい。宇宙ロケットの場合、 特に人を搭乗させるロケットの打ち上げについては、 今、貴方が言われた事をクリアしているじゃないですか。 『ZD運動』は最初アメリカの航空宇宙研究所から 始まったと聞いた事があります。 正に『ゼロ・ディフェクト』ですよ!!」 <続>========================================================================================◆◆ホームページランキングに参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2006/07/26
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