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生ごみ分別収集は、リサイクル(資源化)率を飛躍的に向上させます。リサイクル(資源化)率の増加、資源化されない燃やせるごみ・燃やせないごみの減少を目指すのならば、資源ごみの分別の徹底はもちろんですが、とりわけ生ごみの分別収集が、最も効果があるといえます。大崎町はリサイクル率約80%で全国1位、志布志市は約75%で全国2位(「市」としては1位)を十年近く維持し続けています。両自治体は、ごみ焼却場を持たず、リサイクル(資源化)できないごみは、すべて埋立処分場で埋め立てており、焼却処分をしない「大崎モデル」「志布志モデル」として、海外への指導(大崎町はインドネシア・バリ、志布志市は南太平洋のフィジーなど)もおこなっています。両自治体とも、ごみの分別、資源化に様々な工夫をしていますが、とりわけ大きいのが生ごみの分別収集です。志布志市は平成16年度から、大崎町は平成13年度(モデル地区回収)、14年度(全地区回収)から、生ごみの分別収集をはじめ、大幅に資源ごみを増やし、埋立ごみを減らしています。志布志市のごみの推移志布志市ウェブサイト(http://www.city.shibushi.lg.jp/docs/2013091100168/)より大崎町の埋立ごみ(資源化されないごみはすべて埋立ごみ)の推移全国町村会ウェブサイト「誇りあるまちづくり~スーパーエコタウンへの挑戦~」より(http://www.zck.or.jp/forum/forum/2667/2667.htm)また、鹿児島県の他の市町村を見ても、生ごみの分別収集をおこなっている市町村がリサイクル率上位を占めています。緑色で示したランキング上位の大崎町、志布志市、垂水市、錦江町、南大隅町、屋久島町、十島村(一部=平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島)、南種子町(まだこの年はじめたばかり)が、生ごみを燃やせるごみと分別して収集しています。これらの自治体は指定袋制はとっていますが、有料化してはいません。鹿児島県でも、ごみ有料化をはじめている市町村もありますが、ごみ有料化した市町村はみな生ごみ分別収集している市町村よりもランクが下です。日本☆地域番付ウェブサイト(http://area-info.jpn.org/H5614460001.html)より筆者加筆生ごみの分別収集は、ごみの有料化と比較しても、ごみの減量化とリサイクル(資源化)率の向上に、はるかに効果があるといえるでしょう。鹿児島市がごみ減量を目指して、ごみの有料化をはじめることを検討していますが、目指すべきは、生ごみ分別収集、資源化にあることは明らかでしょう。
2015.11.29
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前回の記事に続いて、震災がれきの問題を論じます。まず、自民党の中で、震災がれきについて、もっともまともな意見を表明されている河野太郎氏のブログを紹介します。----------------------------------------------------続 震災がれき 2012年03月23日 20:43|自民党役職停止中|震災がれき 宮古市に震災がれきの視察に伺う。 震災がれきの二次仮置き場では、従事している約200人のうち地元の雇用は約170人。罹災証明書を持っているのは約20%。 主な業務は重機のオペレータと選別工だが、重機のオペレータは資格も必要なので、もともと建設業界などにいた人がほとんど。がれきを選別する業務は、建設業界などを経験したことがない人が多く、ほとんどが一年契約。がれきの選別は、コンベヤに載ってくるがれきを毎日八時間、選別する。なかなか雇用しても続かないそうだ。 広域処理するがれきも、選別までは地元で行うので、ここまでの雇用には広域処理も地元処理も影響はない。 広域処理をやめて地元で処理することにして増える雇用は理論的には、焼却炉の運用と破砕オペレータで数名ずつ。 理論的にはというのは、がれきは時間が経つと劣化するので、そうはならないからだ。 可燃物は、水分や塩分を含むようになったり、腐敗、発酵が進むと焼却には適さなくなり、コストはかかるが重油を足して燃やすか、さらにひどければ埋めるしかなくなる。しかし、処理をしていないヘドロのようになったがれきを埋めれば汚染のおそれがあるし、処理場の容量は限られているので、そう簡単に埋めるわけにはいかない。 再利用できる角材なども二、三年以上経過するとリサイクルには適さなくなる。さらに、発酵熱による自然発火が昨年、数週間も続き、また、害虫の発生や悪臭もある。 宮古をはじめ今回の被災地は、山が海に迫っているところが多い。がれきの仮置き場になっているところは貴重な場所だ。宮古では、港湾施設と運動公園、野球場ががれきの仮置き場になっている。 処理が終わらなければ、こうした場所を利用することができない。がれきは仮置き場に集められ、もう街中にはないのだから、がれきが復興を妨げているということはないなどと、したり顔して言う人はぜひ、被災地で復興にあたっている行政マンと直接、話をすることをお勧めする。だから、地元で十年でも二十年でも時間をかけて処理すればいい、地元処理ならば雇用が増えるというのは、机上の空論だ。 放射能はもとより、粉塵、アスベスト、有毒ガス、水質汚濁などの検査は地元できちんと行われているが、規制値を大きく下回っている。 震災がれきを受け入れるとアスベストをはじめ有害物質がついてくると言う人がいるが、がれきは手で選別までしているので、言われなくとも現場ではきちんと調査して、安全を確認をしている、と現場の管理者の語気が強くなった。ちなみに秋田県が昨日、県議会で報告した受け入れのための試験焼却のデータでは、宮古市のがれきの放射性物質の濃度は、キロあたり6ベクレル。アスベストは、仮置き場は基準値以下、排ガスでは不検出。 広域処理に加わるかどうかは、自治体に選択権がある。自分で処理できるなら、自分で処理すればよい。自分ではとても処理しきれないという時には、県にがれき処理を委託すれば、県が広域処理を行う。たとえば岩手県では、大船渡などは地元の太平洋セメントの炉で燃やせるので、広域処理の必要がない。 陸前高田は、水産系の廃棄物を燃やすために仮設焼却炉の建設を当初考えたが、建設しているよりも大船渡の太平洋セメントの炉で燃やす方がはやいので、2011年6月から太平洋セメントで燃やしている。 岩泉町は、県にがれきの広域処理を委託し、宮古市、岩泉町、田野畑村などで一緒に処理している。がれきの処理については、被災地の希望を聞いて支援が必要ならば支援するべきだ。地元で処理すれば雇用が生まれるなどと、よそで勝手に言ってみても、地元には迷惑だ。 良いアイデアがあるならば、被災地に提案して、受け入れられれば被災地から直接、要望としてあげてもらえばよいのではないか。がれきを広域処理するか地元処理にするか、被災地抜きに東京で議論しても意味はない。----------------------------------------------------続 震災がれきの引用は以上です。現在の問題は、処理場が足りないという問題よりも、そもそも選別が追いつかないという問題のように思われます。選別の態勢を整えること、角材のリサイクル先を探すことなどのところを支援しないといけないのではないでしょうか。河野氏は、その前の2012年03月14日のブログの震災がれき Q&A その3において、 ----------------------------------------------------Q 被災地に設置される焼却炉の能力はどのぐらいですか。 A 宮城県の震災がれきは、宮城県内の被災地を、 気仙沼ブロック石巻ブロック宮城東部ブロック亘理名取ブロック仙台市に五分割し、まず、ブロック内で処理する、それができない分は県内処理、そして県内で処理できない分を県外にお願いするということになっています。 宮城県が受託した震災がれきの量は、量が確定していない気仙沼ブロックを除いて932万トン。ブロック内処理量は471万トン、県内処理は117万トン、そして、県外処理量344万トン。ブロック内処理をするために、焼却炉が設置されます。 石巻ブロックは5基、1500トン/日。 亘理名取ブロックは名取に2基、190トン/日 岩沼に3基、195トン/日 亘理に5基、525トン/日 山元に2基、200トン/日 宮城東部ブロックは仙台市に場所を借りて、一ヵ所設置予定。 気仙沼ブロックは気仙沼市に二ヵ所、南三陸町に一ヵ所設置予定。 仙台市は、宮城東部ブロック用以外に、仙台市用に三ヵ所480トン/日。この新設される焼却炉の処理能力は、相当に大きなものです。たとえば私の地元と比べてみると、 人口 焼却処理能力 茅ヶ崎市 23万6千人 360トン/日 平塚市 26万人 294トン/日これだけの焼却炉を被災地に新設して、それでも足りないものを県外処理しようということです。----------------------------------------------------と、宮城県では地元で相当に大きな処理能力を持つ焼却炉も新設し、各ブロック、そして県内でできる限りの処理をして、それでも足りない344万トンを県外処理にお願いするのだと書いています。この河野氏のブログの記事(3月14日)の後、3月18日に細野環境・原発担当相が村井宮城県知事と会談して、「海岸防災林の盛り土に…震災がれき再利用で合意」したことが明らかにされています。----------------------------------------------------海岸防災林の盛り土に…震災がれき再利用で合意細野環境相は18日、宮城県庁で村井嘉浩知事と会談し、津波から住民を守る海岸防災林を同県の太平洋沿岸部に整備するため、東日本大震災で発生した同県内のがれきを盛り土として埋め立て、再利用することで合意した。 震災のがれき処理に関し、政府が被災地での具体的な再利用策をまとめたのは初めて。 政府の計画では、仙台市から南側の仙台平野沿岸部の約50~60キロに防災林を整備する。その際、防災林を植えるための数メートルの高台をがれきを埋め立てて建設する。利用するがれきは、東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の汚染の問題がないかどうか、環境省が安全性を確認する。事業は国直轄で行い、6月までに着手する。 (2012年3月19日 読売新聞)----------------------------------------------------遅きに失したとはいえ、政府も当然の策を検討せざるを得なくなったということがいえます。しかし、ということは、これだけでも県内で処理できるがれきの量がそれまで計算していた量と比べて相当変わってくる、ということがいえます。さらに、「仙台市から南側の仙台平野沿岸部の約50~60キロ」だけではなく、宮脇昭先生が提唱するように、東北の太平洋沿岸約300キロにわたって、幅50~100メートル以上に防災林を築くとすれば、がれきは足りないくらいではないかと思われます。河野氏の議論は、そのことについてはまったく触れられていません。そこからいきなり「県外処理=日本全国での広域処理」になっています。南相馬市の市長の考える復興計画などもあるわけですから、なぜ、まず現地、そして福島も含めた隣県、近県からその処理の可能性を探っていかないのか、いきなり九州・沖縄まで含めた日本全国にお願いするのか、その一番重要な点がまったく触れられていません。「がれきの処理については、被災地の希望を聞いて支援が必要ならば支援するべきだ。」はわかりますが、地元で防災林という非常に有効な活用の仕方があるわけですから、はっきりいってやはりおかしいといわざるをえないのです。
2012.03.30
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震災がれきの広域処理で、自民党等も含めた強い要請の下、野田首相、枝野経産相、細野環境・原発担当相らが「絆」を強調して、国が資金を出すから、ということで、各地方自治体に受け入れを要請しています。放射能汚染の問題だけがクローズアップされていますが、もちろん放射能汚染があれば放射性廃棄物として厳重な管理が必要ですから広域処理など論外なのですが、たとえそうでなくても広域処理には反対です。ごみ処理の基本を忘れていませんか。その第一の基本は、3R(リデュース・リユース・リサイクルあるいはリフューズを加えて4R)をできる限り追求し、それができない場合は適正処理をするというものです。まず、廃棄物をただ焼却したり、そのまま埋め立てるのではなく、まずは再使用したり、資源として利用することを考えなくてはなりません。南相馬市の桜井市長は、海岸線に防潮堤を築き、さらにその防潮堤の後ろに防災林をつくって、人が住む街を津波や高潮、強風などから防ぎたい、ということを復興計画の一つにしているようです。その防災林の地面をマウンドのように高くするためにがれきと土を混ぜて埋めたい、自分のところのガレキだけでは足りないので、近くの地域のがれきも活用したいということです。いい計画じゃないですか。がれきの分別の徹底や土と混ぜて埋め立てるときの細心の注意が必要ですが、それをきちんとすれば、大量のがれきも邪魔者・厄介者ではなく、資源・宝として活用できます。この構想は、宮脇昭先生の防災林はできるだけ多くの種類の樹木を組み合わせて植える、その際に高潮、高波にも、より一層対処できるようにがれきを土に混ぜて資源として使うという構想の実践ということになりますね。同様の趣旨を展開するサイトがいくつかみつかりましたし、とくにYouTubeの以下の映像は分かりやすいですね。いのちを守る森づくり ~東日本大震災復興~それからもう一つの原則は、自区域内処理、現地処理です。もちろん、様々な事情により、自分の自治体や広域組合の中ではできないところもあるでしょうが、その場合でもできるだけ近い地域で処理するのが望ましいわけです。フード・マイレージとか、ウッド・マイレージ、あるいはエネルギー・マイレージなどという言葉が近年語られるようになってきましたが、ガベージ・マイレージ(あるいはウェイスト・マイレージ)という言葉を提唱したいと思います。とにかく遠くに運ぶのは、エネルギー消費のムダであり、できるだけ避けて、エネルギーの浪費と汚染の拡散を防ぐのが持続可能な循環型社会のあるべき姿です。広域処理で遠くまで持っていくより、エネルギー的にも環境的にも、そして経済的にも、近くで処理するのがいいはずです。現地できちんと処理するというこの基本は、そもそも有害廃棄物の国際移動を禁じたバーゼル条約を国内でも徹底するということですし、環境省も分かっているはずですが、何か訳があって知らないふりをしているのでしょう。このことはこちらでも語られていました。がれき広域処理の本質的問題(要約版)今回の騒動を見ると、ごみ焼却場でのダイオキシン騒動を契機とした1997年頃からのダイオキシン特需、大型ごみ処理施設の建設ラッシュを思い出します。あのときも日本でのダイオキシン汚染という問題を、本来の解決策であるごみ減量、分別の徹底などを後景に退かせ、とにかく高温で焼却する大型の全連続炉をつくれば、ダイオキシン問題はすべて解決という方向にもっていかれてしまいました。そして、逆にごみをもっとたくさん集めて100トン以上の大型処理施設を作らないと補助金出さないよ、小さな市町村はいっしょになって広域事務組合をつくって1日100トン以上のごみを集めなさい、という形で国(当時は厚生省)が、自治体を脅し、業界を先導してました。結局、物事の本質、本来の目的が歪められて、経済的利益(社会的コストを最小にという本来の経済性ではなく、関連産業、特定企業の利潤増大)ですべてが動いていたわけですが、それと同じ構図が見えてきますね。
2012.03.25
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鹿児島市では、一般廃棄物として、焼却処分する「もやせるごみ」(可燃ごみ)、そのまま埋め立てる「もやせないごみ」(不燃ごみ)、資源物として、「紙類」(新聞・チラシ/段ボール/紙箱・包装紙等/雑誌類/紙パック)それに「衣類」、「電球・蛍光灯/乾電池/スプレー缶類」、さらに「缶・びん・ペットボトル」、「プラスチック容器類」、「粗大ごみ」などに分別して収集しています。わが家では、もやせるごみとして収集されるもののうち、生ごみを分別して、コンポストボックスで処理しています。下の表は、わが家の2009年(2009年1月にデータ不備があったので、2010年1月分を加えて、1年間の統計としてあります)のごみ排出量の統計をとったものです。コンポストボックスで処理する「生ごみ」、もやせるごみに出す「可燃ごみ」、もやせないごみとして出す「不燃ごみ」、資源物として収集される「プラスチック容器類」、同じく資源物として収集される「紙」と、主なごみを5種類に分けて統計をとりました。もちろん、ほかに缶・びん・ペットボトルなどの資源物が出ていますが、重量を計測できていないので、ここでは無視します。さて、生ごみは可燃ごみの約2倍出ています。家庭で出る一般廃棄物(資源物を除く可燃ごみと不燃ごみの合計)は、1人1日あたり平均で750g程度ですが、わが家の年間のごみの量を1日あたりにすると約330g、さらに家族の人数4人として、1人1日あたりわずか80gということになります。もし生ごみを市の回収に出していたとしても、240gで日本の平均の約3分の1でしたが、生ごみを堆肥化したために、なんと平均の10分の1強という少なさとなっています。生ごみは水分を多く含んでおり、焼却の際に燃焼温度を下げる役割を果たします。焼却の際のダイオキシン発生を防ぐためにごみ焼却場では850℃以上で焼却されていますが、そのために多くの重油が必要となってくることになります。また、ごみ収集車で運ぶエネルギー消費量やCO2排出ということも含めると、やはりごみは少ない方がよいでしょう。鹿児島市では、もやせるごみを週2回収集していますが、生ごみを入れなければ、質(腐敗臭など)の点でも、量の点でも、収集は週1回で十分でしょう。生ごみコンポスト化は、生ごみを堆肥、すなわち資源物としてうまく活用するとともに、ごみ問題の解決にとっても大きいわけです。さらに、プラスチックや紙などをしっかりと分別し、リユースしたり、資源物としてリサイクルしたりしたおかげで、もやせるごみ、もやせないごみを合わせた一般廃棄物は、ごみの総量の2割を割っています。つまり、逆に言えば、リサイクル率80%を超えているということになります。かごしま環境未来館に、鹿児島市とドイツ・フライブルク市のごみ総量やリサイクル率を比較した表が展示してありました。鹿児島市とフライブルク市は、市民一人当たりのごみ総量はほとんど変わらないのに、それに占める資源物の量が全然違い、そのためリサイクル率もまったく違っています。鹿児島市はリサイクル率が15%もいかないのに対して、フライブルク市は65%を超えています。その要因の分析は改めて行おうと思っていますが、とにかくわが家はそのフライブルク市も超えるリサイクル率を誇っていることになります。
2012.03.24
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私の参加(ROMばかりですが)しているバイオマスML経由で伝わってきた生ごみ資源化・ごみ減量の情報です。以下、神奈川新聞のサイト「カナロコ」の2010年1月12日の記事「ごみゼロへ手応え、資源化や分別体験の反応上々/葉山町」からの引用をまじえた要約です。http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1001120004/「ごみの資源化や減量化を進めて2029年に焼却や埋め立てごみの排出をゼロにする「ゼロ・ウェイスト宣言」を目指す神奈川県葉山町」で、「手動式生ごみ処理機を使った資源化体験」と「家族構成に合った容量のごみ袋を使った分別体験」の二つのモニター事業を、昨年8月下旬から約2カ月間実施したそうです。「微生物を活用して生ごみを分解するため、庭を持たない家庭でも手軽に使用できるのが強み」の「手動式生ごみ処理機を使った資源化体験」には、公募で選ばれた町内の200世帯が参加して実施されました。「使用状況については「順調」「おおむね順調」を合わせると80%と高く、65%が「継続できそう」と回答。庭がないという制約がある集合住宅層への普及にも弾みがつく結果となった。「継続が難しい」とした理由の中には「ハンドルが重い」「においや虫が嫌」などが挙げられた」そうです。葉山町の手動式生ごみ処理機の情報はこちらです。 http://www.town.hayama.lg.jp/topics2/pdf/090615_info02.pdfもうひとつ、「全国的にも例がないユニークな取り組み」(同町環境課)の「家族構成に合った容量のごみ袋を使った分別体験」は、「06年度のごみ排出量を半減することを目標」に家族構成別の排出量を算出して細分化した新規分別案で101世帯が取り組んだそうです。「週2回の回収を原則に、16枚ずつ配った可燃ごみの半減サイズの指定袋で「すべて入った」と回答したのは92%で、ほぼ全世帯が“ごみ半減”に成功した。「1回だけ入らなかった」「3回以上入らなかった」は、いずれも4%だった」という結果が出ました。「今回の結果について、同町環境課は、生ごみの資源化にはよりきめ細かい情報提供やサポートが必要とした一方で、指定袋の導入を軸に家庭系ごみの半減は十分実現可能な水準と分析している」と記事は結んでいます。生ごみ資源化(コンポスト=たい肥化)は、私の体験(そろそろデータをきちんとまとめて出す必要がありますが)からも、ごみ減量の決定打ではないかと考えています。もちろん他のごみもしっかり分別する必要がありますが、そのうえで生ごみ処理機で生ごみを処理すれば、もやせるごみは半分以上というか、7~8割は減らすことができるのではないかと思います。生ごみを処理できれば、においの問題が解決されるので、もやせるごみの回収が週1回でも家庭が困ることはないはずです。全国で葉山町のような動きが広がるといいなと思います。(追記)「手動式生ごみ処理機を使った資源化体験」と「家族構成に合った容量のごみ袋を使った分別体験」の二つのモニター事業は、別々のモニターでしょうね。二つあわせて同じモニターの方にしていただくと、さらに有益な事業・結果を得られたかも。次は、そうした取り組みをしてほしいですね。というか、そろそろ本格的に、私もそうした事業を協力して行うなり、提案するなり、していきたいと思います。
2010.02.14
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先日、南日本新聞の記者さんが取材に来たことをこのブログでも述べましたが、その記事が本日4月20日(月)付けの9面の文化欄に掲載されました。「かごしま 知の最前線」などというタイトルで、これに載った私としては、恥ずかしいこと極まりありませんが。私がこの間、「鹿児島市の廃棄物・リサイクル行政と市民意識」という論文を研究紀要に連載しているということで、廃棄物・リサイクルの問題をインタビューに来られたわけですが、日本の廃棄物・リサイクルの現状がどうなっているのか、どうすればよいかについては、ドイツなどの環境先進国と比較すると、何が課題かよくわかります。ドイツのことは、『グローバル化とドイツ経済・社会システムの新展開』(文理閣)の「第10章 ドイツの廃棄物・リサイクル政策」に書いてあります。などと説明したら、こんな感じの記事になりました。この記事をブログで紹介するにあたって、内容だけを掲載するか、経歴と写真も加えるが顔だけ隠すか、顔写真も含め全部掲載するか、どうしようか迷いました。インターネット上における自由な発言は、表現の自由にとって非常に大切なことである一方で、匿名性を隠れ蓑にして他人への誹謗中傷やストーカー行為を繰り返すなどの犯罪的行為の温床になっていることに対してどうすればよいか、ふだんから考えていたことでした。みずから実名あるいは世間で通用している通称などを名乗れば、その人が行ったインターネット上の行為について少なくとも責任をとることができるし、またとらなくてはならないことになります。そのことにより、発言は責任を持てる範囲にとどまることになります。自由が制限されるともいえますが、そのバランスが今後のインターネットの健全な発展のカギになってくるでしょう。私に関しては、経歴も顔写真も公開したくないのが本音ですが、新聞で公開したのにブログでは隠すのも変だなと思い、公開することにしました。本名以外の住所や電話番号はもちろん公開しません。犯罪も含め、様々な個人情報流出の危険性の問題などもありますので。ストーカーに追われることはないでしょうけど。また私の顔写真を見て、気分が悪くなる方がいるかもしれませんが、そういう方はすぐに目をそらせてください。内容については、短く凝縮せざるをえなかったので、いろいろと抜けてるなあと、あとから自分で読んでみて思いました。まだまだいいたりないところについては、このブログで今後フォローしていきたいと思います。
2009.04.20
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この間「鹿児島市の廃棄物処理・リサイクル行政と市民意識」という論文を、(1)(2)と紀要に連載しているのですが、4月6日午後、南日本新聞の記者さんが私の研究を紹介してくれるということで、自宅(エコハウス)に取材に来てくれました。廃棄物処理やリサイクル行政のあり方の日独比較などを紹介しつつ、家庭でもわが家のように生ごみのたい肥化や資源ごみの分別に取り組めば、市町村が処理する可燃ごみの量は激減することを強調しました。そこで、わが家の生ごみ処理・たい肥化についてかんたんに紹介します。先日、近所の方にたくさんタケノコをわけていただきました。そこで、今日はタケノコの皮が生ごみとしてたくさん出ました。生ごみを入れたボウルをのせたヘルスメーターの数値は0.8kgとなっています。ボウル本体の重さが0.2kgなので、生ゴミの重さは0.6kgです。これを庭においてあるコンポストボックス(ボックスといっても、フタはありますが、底はありません)に持って行って入れます。そして、それに土をかぶせます。最初のボックスがいっぱいになったら、次に真ん中のボックス、それもいっぱいになったら三番目のボックスと移していき、そのうちに生ごみは消え、栄養豊かな土に完全に変わっていきます。生ごみのたい肥化で注意することは、土をかぶせて虫の襲来を防ぐとともに生ゴミを発酵・分解する菌がつくようにすること、切り返しをしっかり行って、酸素がいきわたるようにし、好気性菌が働けるようにすること、水分を切って、一定の乾燥度を保つことなどです。釣り鐘型だと切り返しがうまくいかなかったりするのですが、このコンポストボックスだと、順番に切り返しを行えるのでお勧めです。わが家のコンポストボックスは、ひきちガーデンサービスさんの販売するひきち式ガーデン・コンポストボックスです。資材を送ってもらって、その日のうちに数時間で組み立てました。ちょっと高いと思うかもしれませんが、コンポストボックスに対しては、ほとんどの市町村が補助金を出しています。もっと安いものも含め、他にもさまざまなコンポストボックスがありますので、ぜひご検討ください。また、庭のない家庭には、ダンボールコンポストという方法もあります。それについては、また別の機会に紹介するとして、今日はこの辺で。
2009.04.08
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「不都合な真実」のDVDがさっそくメール便で届きました。しかし、それを手にとってみると、すごく薄いもので、厚紙メール封筒の中身が本当に入っているのか、疑わしい代物でした。恐る恐るあけてみると、たしかに薄いDVDのパッケージが入っていました。しかし薄いだけでなく、普通のDVDパッケージと何か質感が違う。どういうことなのだろうと、パッケージをあけてみると、すぐにわかりました。このパッケージは、紙でできていたのです。「ああ、そういうことだったのか」とうなずきつつ、パッケージに印刷してある、これに関連するメッセージを読んでみました。そこにはこう書いてありました。「不都合な真実」スペシャル“エコ”パッケージはすべて紙で作られています。さらにその下に小さな字で、こう書いてありました。このパッケージはグリーンプリンティング認定工場で生産されています。グリーンプリンティング工場とは印刷製品の資材と工程の環境配慮総合制度をクリアした工場です(社団法人日本印刷産業連合会)。特に、用紙・インキ・表面加工はVOC(揮発性有機化合物)発生を抑制するものを厳選し、使用しています。その文章の左側には、グリーンプリンティングのマークが表示され、右側下には、R70のマーク(実際のDVDパッケージのマークの色は黒)がついていて、マークの下には、「古紙パルプ配合率70%再生紙を使用」と添え書きされています。 そして、外装フィルムにも、「外装フィルムも生分解性のものを使用しており環境に優しい包装をしています。」と書いてあり、識別マークがついていました。「ポリ乳酸」そう、ポリ乳酸とは、原料となる乳酸が、トウモロコシやジャガイモ等からとれるでんぷんやサトウキビからとれるしょ糖から得られる、植物由来の原料、すなわちバイオマスです。でんぷんを抽出し、糖化を経て、乳酸発酵により生成した乳酸を化学重合させて製造されます。基礎物性の高さと透明性の高い外観から, 汎用樹脂代替可能な材料の一つとして期待されるとともに、微生物によって無機物に変える=生分解性を特徴として持っています。 ポリ乳酸は、高温・高湿度の環境下で、微生物の栄養源となって分解されます。分解時に放出される二酸化炭素の量は、自分自身の重さの約2倍といわれています。通常のプラスチックでは、燃焼すると自分自身の重さの3倍の二酸化炭素を放出するので、それよりも少なくなっています。また、植物由来の原材料を使用しているため、分解して放出される二酸化炭素は元々大気中に存在した二酸化炭素が植物により取り込まれたものであり、元々大気中にあった二酸化炭素を大気中に返すだけなので、さらに環境にかける負荷は少なくなると考えられます。(http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/200607/index.htmなどより)また、熱分解などにより原料モノマー(基質)にもどる性質があり、これをケミカルリサイクルといいます。つまり、ポリ乳酸を回収すれば、ケミカルリサイクルによって何度でも元のポリ乳酸に戻すことができるのです。しかもこの方法だと、リサイクルするごとに品質アップグレードが可能なのです。(http://kitaq-eco.net/home.htmなどより)九州工業大学の白井義人教授は、生ゴミからこのポリ乳酸のプラスチックを作っています。そして、このポリ乳酸でできたプラスチックを回収し続けることができれば、完全循環システムができます。その試みの一つとして、2005年に開かれた坂本龍一JapanTour 2005 in association with Artist PowerやJリーグ・ヴァンフォーレ甲府のホームゲームで、リユース食器レンタルを展開するNPO法人「スペースふう」による「小瀬エコスタジアムプロジェクト」などで、すでにその実験が進められています。こうした試みがさらに進んでいき、生ゴミリサイクル→リユース(何回も)→回収→ケミカルリサイクル→リユース(何回も)→回収→ケミカルリサイクル→リユース(何回も)=循環というバイオマスプラスチックの流れができるよう、協力していきたいですね。今回は、「不都合な真実」のDVDパッケージの話になりましたが、次は中身の話もしていきたいと思います。※追記。この記事を書いた後、はじめて次のサイトがあるのに気づきました。DVDだけでなく、環境にやさしいスペシャル”エコ”パッケージについても紹介されていました。このページもリンクしておきます。http://www.paramount.jp/futsugou/
2007.07.07
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長いタイトルになってしまいましたが、ごみ・資源物の分別が変わることに伴い、開催された地域説明会に行ってきました。校区ごとにそれぞれ2回ずつ開催されるもので、わが校区2回目の説明会開催でしたが、参加者はわずか4名。100名をこえる参加者の説明会もあったそうですから、みんなそうだとはいえないけれど、市の広報の仕方が悪いのか、市民に関心がなさすぎるのか(おそらくその両方でしょう)、盛況とはいいがたい状況です。さて、その中身ですが、鹿児島市の説明によるとこの地域説明会は、「現在建設中の新北部清掃工場が稼動すると、現状では埋立て処分しているゴム類、皮革類、リサイクルできないプラスチック類などを焼却処理できるようになります。これに伴い、平成19年1月から分別の内容と収集曜日が変更となりますので、小学校区ごとに説明会を開催します。」(「鹿児島市ホームページ>環境リサイクル>>ごみとリサイクル>ごみ・資源物の分別が変わります~地域説明会の開催~」より)ということです。この変更は、新北部清掃工場の建設、稼動により可能となったもので、担当者の説明によると、その狙いは、(1)横井埋立処分場をできるだけ長持ちさせること。このままいくと、20年で満杯になる見込みで、今回の措置(プラスチック製品、皮革製品、ゴム製品などをもやせないごみからもやせるごみに変更)で、これを10年延長させることができる。(2)ごみ処理経費を低くすることができる。(現在総額49億円、一人当たり8100円)→どんな措置でどの程度低くできるのか聞きそびれましたが、焼却処理の増加により運転コストを低くできるということだと思います。(3)資源エネルギーの有効活用ということで、これまで南部清掃工場には設置されていましたが、北部清掃工場ではおこなわれていなかったごみ焼却発電を新たにおこなう。などです。 鹿児島市のホームページでも、「現北部清掃工場は、昭和53年に稼働開始し、老朽化が進んできていることから、それに替わる新北部清掃工場を建設するものです。 新北部清掃工場は、最新の技術を導入し、ダイオキシン類をはじめとする公害防止対策に万全を期すとともに、ごみ焼却により発生する熱エネルギーは可能な限り有効利用を図ります。 また、焼却に伴って発生する焼却灰の資源化や、粗大ごみから資源物の回収を行うなど、地球環境にやさしく循環型社会に則した清掃工場を目指しています。」と説明されています。新北部清掃工場(鹿児島市犬迫町11877番ほか)は、平成19年3月竣工予定、敷地面積約51,600平方メートルで、そのプラントの主要施設はごみ焼却施設と粗大ごみ処理施設とからなり、ごみ焼却施設は、焼却炉(連続運転式(ストーカ式燃焼装置),処理能力530t/日(265t/日×2炉))、灰溶融炉(プラズマ式溶融炉(黒鉛電極式),処理能力90t/日(45t/日×2炉))、発電設備(蒸気タービン発電機8,700KW))を備え、また粗大ごみ処理施設は、破砕・選別式(鉄・アルミ・可燃物・不燃物の4種選別),処理能力30t/5時間となっています。特に注目は、焼却灰をプラズマ式溶融炉で無害化し、資源化するというものです。川辺町では、ダイオキシンとナトリウムを化学反応させ、塩素を除去して分解して、焼却灰を無害化し、川辺エコレンガとして製品化していますが、鹿児島市では無害化した焼却灰の資源化をどのようにするのか、注目したいと思います。また、粗大ごみも資源物を選別、可燃ごみも燃やして、埋立に回る最終廃棄物を極力減らそうという意図が見えます。(今後も、この話題を掘り下げていきたいと思います。)
2006.10.23
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