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葛飾応為「吉原格子先之図」をメインに、浮世絵で光と影がどのように表現されているかを取り上げた展覧会。やはり、応為のこの絵がピカイチ。すでに何度か眺めているが、いったい何枚、現存しているのだろう。地面に映る格子の影。提灯の光の当たらない影。室内を除く人々のシルエット。なぜか、手前の花魁の姿までシルエットになっている面白さ。応為は光と影の魔術師だ。☆☆☆
2014年02月24日
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当初は、以前、府中市美術館で「かわいい江戸絵画」という展覧会の二番煎じではないかという印象が強く、出かけようかどうか悩んでいたのだが、後期は、若冲の「樹下鳥獣図屏風」が静岡からやってくるということで出かけてみた。「樹下鳥獣図屏風」を眺めるのは、2度目であるが、獣や鳥の幸せいっぱいの姿にうっとりする。子ども、動物、そのほか、かわいさをテーマにした展示。古径の「童女」の正確な確かな線の美しさに見とれてしまう。関山御鳥の「琉球子女図」の赤い背景と紅型着物も心に沁みた。かわいいというテーマであるので、それぞれの絵に愛着を感じ、見応えのある展覧会だった。☆☆☆☆
2014年02月18日
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院展、日展などの違いもよく分からない。東山魁夷とか高山辰雄、加山又造などの作品がないということは、彼らは院展の画家ではなかったということなのか。それでも、ただただ展示されている日本画を楽しんだ。出だしは狩野芳崖の「不動明王」から。筋骨隆々としているようで、よくみるとそうではない、脱力系。あとは、近代美術館や東博でなじみの作品も多い。小茂田青樹の虫魚画巻は大好き。御舟の京の舞妓の究極の写実は、いつ見ても背筋が寒くなるほどの細密さ。洛北修学院村のブルーも素敵だ。最後は小倉遊亀の径でいい気分になって、会場を後にした。☆☆☆
2014年02月16日
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会場で流れていたTDKのVHSビデオテープのCM。懐かしさいっぱい。確かにこのCMを見た記憶がある。今思えば、岡本太郎のマクセルのCMと二大双璧をなしていたのだろうね。モンローや花の絵はよく知っているし、ユニクロのTシャツも持っていて、アンディは、とても身近に感じるのだが、どんなにひっくり返っても、キャンベルスープ缶の絵が美しいとは思えない。デッサンや写真等も多数、展示されていたが、特に感動もなく、通り過ぎただけ。それでも、彼のアーティストとしてのパワーは充分に伝わった。大量生産、大量消費。そんな時代だったのだろうね。☆☆
2014年02月14日
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木島櫻谷という画家を知ったのは、ここ泉屋博古分館が初めてだった。今回も展示されている桜と柳の描かれた華麗な屏風に参ってしまったのだ。今回も第2室で四季を彩る櫻谷の豪華絢爛な屏風に頭がくらくらするような幸福感に包まれた。もうひとつ素晴らしかったのは、「寒月」である。月明かりの中、雪に覆われた竹林の中を歩く一匹のキツネ。一瞬、水墨画とも思えるような錆びた光景。まるで映画のワンシーンを見ているような臨場感にあふれた絵。夏目漱石が酷評したという話が残っているそうだが、私の心には染み入った。またひとついい絵に出会った。☆☆☆☆☆
2014年02月13日
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以前、ブンカムラのミレイ展で見た作品と いくつかだぶっていた。それでも、流されて行くオフェーリアは、いつ見ても、その美しさに目を奪われる。厳密に言うと、ラファエロ前派が活躍したのは、わずか4年程度であり、あとは皆それぞれの道を歩いたとのこと。フランス印象派が大活躍していた頃、イギリスでも美術界の大きな革新があったということを理解しなければならない。ただ、ロセッティの描く女性像は、あまりにも典型的な欧米美人といった感じで、あまり好みではない。ラファエロの描く万人向け美しさのある女性像の方が好みではある。☆☆☆
2014年02月13日
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江戸東京博物館の大浮世絵展は、教科書のように浮世絵通史の展示だが、こちらは浮世絵に描かれたテーマ別の展示。大混雑している両国に比べれば、こちらの方がずっと見やすい。遊女、庶民の江戸娘、役者、子ども、花々、富士山などのテーマに合わせての浮世絵三昧。浮世絵とは何ぞや?という質問の回答が、この展覧会。江戸風俗の勉強にもなる。町娘もバイト感覚で芸者になっていたなんて、今も昔も変わらず。春信、歌麿、清長、栄之の美人画はいつ見ても素敵だ。さぞ江戸の人々も心ときめいたことだろう。役者絵だけは、どうも苦手。だが、団十郎の死絵は興味深い。ラストは、小林清親の光線画。去ってしまった江戸時代を懐かしむ心憎い終わり方。☆☆☆☆
2014年02月11日
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日本の人間国宝の作品を網羅した展覧会。すばらしい工芸品がこれほどまで一堂に会することは滅多にないことだろう。陶芸作家以外の作家はほとんど知らない人ばかりだったが、それぞれの分野の匠の技の美しさに見とれてしまった。こちらだけでもじっくり見たら半日はかかってしまうだろう。時間がないので、後半、飛ばしてしまったのが残念。今回は、刀剣の怪しい輝きに魅了された。平田郷陽の母子の人形には、どうしてこんな愛しい表現ができるのだろうと思ったほどだった。☆☆☆☆☆
2014年02月02日
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いい展覧会だった。仏画から始まり、絵巻物、花鳥風月画、山水画など日本美術の名品を堪能した。ピカソやルソーなどのフランス絵画もおまけに見ることができたのもうれしい。日本美術の谷間のワンポイント、リラックスタイムとなった。岩佐又兵衛の琴棋書画図。伝とあるが特色ある又兵衛の豊頬長頤の人物像が楽しい。河鍋暁斎の地獄太夫図の豪華絢爛な着物。絵柄のどこが地獄の様子かと眺めたが、よく分からなかった。曽我蕭白の蘭亭曲水図は実に見事。カチカチっとした固い筆跡で描くこの画風は、緻密に計算された世界観を伝えてくるようで、心にずしんと響いてくる。一番の好み。☆☆☆☆☆
2014年02月02日
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2014年1月の読書メーター読んだ本の数:6冊読んだページ数:2267ページナイス数:276ナイス奇譚を売る店の感想2重3重の入れ子構造の物語。読み進むうちに、「文字通り」怪しげな世界に取り込まれる。この世界観は大好き。読了日:1月30日 著者:芦辺拓カッコウの卵は誰のものの感想うーん、さすが東野圭吾。よく練られてはいるが、かえってつじつま合わせが強引で、リアリティに欠ける内容となっており、心に迫らない。白夜行のような本に出会いたい。最近、本当の親子関係かどうかで話題になってる芸能人がいるなぁと思いながら読んでいた。読了日:1月25日 著者:東野圭吾限界捜査の感想前半は、なかなか話の展開が進まず、じっと我慢だったのだが、後半はスピーディーな展開であっという間にクライマックス。ただ警察内の人間関係の描き方が少々中途半端であまり意味がないエピソードが多かったようだ。読了日:1月19日 著者:安東能明新検察捜査の感想ジェットコースターのように突っ走る息をも切らせぬ展開。主人公岩崎検事の超人的な活躍は出来過ぎだとは思いながらも、うまく読まされてしまった。落ちも快適で読後感よし。読了日:1月16日 著者:中嶋博行プラチナデータ (幻冬舎文庫)の感想さすが東野圭吾。よく練られていて楽しめたのだが、近未来の国民の超管理社会のテーマと多重人格者のテーマがクロスするってのが、欲張り過ぎだと思った。東野であれば超管理社会の怖さなんて、あえて多重人格をテーマにしなくても十分に描けると思う。編集者に「次のプロットはこういう作品なんだよ」と話す作家と「それは先生素晴らしいです」とゴマをする編集者の姿が思い浮かんでしまった。白鳥さんの絡みに期待したのだが、あっけなかったなぁ。読了日:1月13日 著者:東野圭吾震える牛 (小学館文庫)の感想相場英雄は初読。読み応え十分の社会派ミステリー。こういう作品に出会えるので、読書はやめられない。犯人を追っていく過程もスリリング。勧善懲悪のスカッとした終わり方ではないのもうなずける。企業も官僚の世界もある意味伏魔殿、どこまで信じていいのかと思い悩んでしまう。ジャーナリストと刑事の絡みがもう少しあれば、より面白かったのにと感じた。読了日:1月3日 著者:相場英雄読書メーター
2014年02月01日
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先週、東博へ行く際、前を通りかかって、これは見なければと思った。全く知らない作家だったのだが、チラシに載っている「鍵」のミケランジェロの最後の審判を彷彿させる群像表現に心ひかれたのだ。結論からいうと久々の大ヒット。この画家の世界観に圧倒させられた。最初の街シリーズは、建物に線路や道や広場が複雑に入り組んだゆがんだ空間。エッシャーのだまし絵を見ているような気がする。不思議な空間だがどこか懐かしく、自分が絵の中の住人となり囚われてしまうような感覚に陥る。諸星大二郎の描く世界にも似ているように感じ、すっかりいい気持になったところで、次の部屋に行って、もう言葉を失った。1000号という巨大な作品。これはもう壁画と同じ。新作の四季を描いた作品は、蜘蛛や蛸や桜の花に絡み取られてもがく人々の群像。思わず言葉を失う。すっかり、この画家のファンになってしまった。たまにこういう新しい発見があるから美術館巡りはやめられない。 ☆☆☆☆☆
2014年02月01日
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