黒白斎「若、左に見えるのが種子島でございますよ」
鹿門 「俺の目には見えぬものが、 年寄の爺にみえるのか
?
」
黒白斎「 見えるのかとは何事
、爺は生まれついての船乗り、闇夜でも 3
里四方は真
昼も同然じゃ」
鹿門 「 暗闇で 3
里四方か
」
そういう鹿門に、黒白斎は笑い飛ばし、「何事も訓練、おいおい若にも見えるようになる」、先代の 丹後守様も初めはそうであった
といいます。鹿門の心にはまだわだかまりがあるようです。
そこへ、船底から駆けあがって来た伝馬達が「大変だッ」と騒ぎ、その様子に、黒白斎が「 出たか
?
」と、すると「船蔵の中に出た」と伝馬が、「船蔵に ?
」と黒白斎が念を押し聞いていると、鹿門が笑い出します。
鹿門は 大笑い
をすると、
鹿門「お前らほどの暴れ者が、 何をいいだす
のだ」
この場所を通るときには決まって幽霊がでるという黒白斎のいうことには「 迷信だ
」といい、黒白斎はじめ乗組員達が本当のこと信じてくれというと、
鹿門「そんな 馬鹿なことに自信をもつな
」
そういうと、「よーし、俺が行ってみる」という鹿門を、海の神様が怒って船が波にのまれてしまう沈んでしまうと、みんなで止めますと、鹿門は「 静かにしろッ
」とみんなを制すると、
鹿門 「この船が幽霊や海神に 呪われてたまるか
。あの 八幡大菩薩の旗は何のため
に背負ってるんだ
」
それを聞いて「その通り、八幡船に幽霊が出るわけはない。 八幡船に幽霊が出てたまるか
。八幡大菩薩の旗は 何のために背負っているのか
・・・しっかりしろ」と黒白斎がいい出したので、乗組員達は呆気にとられ、鹿門はその様子ににやりとしているのです。
船蔵を歩いていると鹿門が突如荷を崩します。すると奥の方に人が潜んでいたのです。「出ろッ」といいますが、なかなか出て来ないので、鹿門が 覆っているものを取ります
と、新蔵人を追って乗り込んでいた 謝花
でした。
続きます
。
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