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下北沢は若者の町である。活気に溢れている。
その昔、代々木上原、東北沢、下北沢は私のテリトリーだった。
隠れ家Barもチラホラある。隠れ家おでんやなどもある。
しかし、三線が交差しているためか、いつ行っても下北沢は方向が
分からなくなる。降りる方向で町の雰囲気が違うのだ。
久々に下北沢で飲んだ。
7時半。お店で集合。
ここの店は、凄い。あのざわざわした下北沢で、中に入ると別世界。
名前を明日香という。木の黒塀に緑の植え込み。大きな暖簾と小さな燈籠。
隠れ家割烹にふさわしいただ住まいだ。なにしろ雰囲気がある。
ガラガラと真っ黒の格子戸をあける。女将に名前を告げる。
個室に通される。
にじり戸を開ける。
そこは完全に茶室の世界。
天井の網代格子にふすまと和紙の壁。掘りごたつ。
依然来たときはカウンターであった。
なにしろ活きのいい魚介類がそれえてある。
料理は割烹懐石である。
基本はコース料理。
だが、アラカルトを頼むのも通だ。
まずはお通し。正方形の金の木の下敷きに楕円のお皿。
変わり豆腐の上にきのこと彩り野菜それにドカーンと雲丹が鎮座している。
とろとろのあんかけがかかっている。
白に賽の目の彩り野菜、そしてオレンジ色の雲丹。目で楽しめる。
口に運ぶと、温かい変わり豆腐に雲丹がとろけていく。
ビールをぐぐっと喉を潤す。
B級グルメが多い下北沢の喧騒の中で、ここは本当に静かだ。
値段はそこそこするが、味は銀座級である。
お次は、幅10センチ、長さ1メートルの細長いお皿に刻み氷が敷き詰めてある。
演出効果抜群である。
活きのいい赤貝、鰹のたたき、ミル貝、中トロ、アオリ烏賊、黒鯛・・・・・
ここは新鮮な黒鯛が売りである。
それに焼肉に出てくるように野菜にくるんで青ネギ、エシャロット、キュウリ
そして黒鯛を乗せ特製味噌だれをつけて巻く。
これがうまい。いくら食べても飽きない。
お酒を芋焼酎のお湯割りに変える。
本日のメインは、はものしゃぶしゃぶにした。
これから京都では、はもの季節である。
鴨川べりの床で食すはもは季節の風物詩である。
どかーんと錫の銀鍋が置かれる。
だし汁がぐつぐつ音を立てる。隠し包丁が入ったはもを放り込む。
すぐに白い花が開く。
これを梅酢かポン酢で食す。
おおたまらない美味しさだ。
お酒が進む。
おおおー、これだからやめられない。
食は、人を良くすると書く。
今宵も酔った。帰りは久々に茶沢通りを三茶まで歩いて帰ろう・・・・
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