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2003年01月12日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 やかましい一日。市長及び市会議員選挙の公示日だったので候補者が一斉に選挙カーを街に繰り出したからである。選挙は一週間後、この間、名前の連呼に煩わされることになる。知りたいのは名前ではないのだがこんなに短い選挙期間に名前以上の何を知ることができるというのか。

「僕が僕自身についていったい何を知っているだろう? 僕が僕の意識を通して捉えている僕は本当の僕だろうか?」(講談社文庫、上、p.16)
 テープレコーダーに吹き込んだ声が自分の声のようには聞こえないのと同じで、僕が捉えている像は、歪んで認識され都合良く認識され都合良くつくりかえられた像なのではないだろうか、と「僕」はいう。
 録音した声が自分の声に聞こえないというたとえはよくわかる。講義や講演を録音して後で聴くようになってからはずいぶん自分の声に慣れたが、骨を通して聞こえる声こそ自分の声だと固く信じていたので初めて録音された声を聞いた時は驚いた。
 こんなふうに考えると昨日書いたことにもかかわるが、自分のことは自分ではなく他の人の方が知っていることになる。しかし本当にそうなのか…要熟考。
 つまらないのでめったに読まないのだが赤旗の日曜版(1月12日号)の記事がふと目に止まった。はしだのりひこのインタビュー記事である。フォーククルセーダーズで活躍していた頃のはしだのことはよく覚えている。その後、妻が病気で長期入院したことがきっかけになって主夫になった。その時の経験を講演で話し本も出版している。息子の通っていた保育園であったはしだの講演を聴いたことがある。特に主張があるわけでなく漫談でしかないと思ったが、僕も当時保育園の送り迎えをする身だったので共感するところもあった。後に僕も育児の講演をするようになるとはその頃は少しも思わなかった。
 はしだはインタビューに答えてこんなふうにいっている。
「ぼくらのようなアーティストという自由業は、明日の生活の保障は確かなものはありませんが、明日に夢を託すことができるし、希望をもつこともできます。きっと明日はよくなると思って生きる。そこを大事にしたいんですね」





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最終更新日  2003年01月12日 22時07分54秒
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