3.Moon Blue 4.From The Bottom of My Heart 5.Please Don't Hurt My Baby 6.How Will I Know(feat.Aisha Morris) 7.My Love Is On Fire 8.Passionate Raindrops 9.Tell Your Heart I Love You 10.True Love 11.Shelter In The Rain 12.So What The Fuss 13.Can't Imagine Love Without You 14.Positivity(feat.Aisha Morris) 15.A Time To Love(feat.India.Arie)
1曲目の If Your Love Cannot Be Moved
はキム・バレルなる女性との共演となっているが、私はこの女性の経歴は知らない。ライナー・ノーツにはアリーシャ・キーズと共演と書いているが、どうやら違うようだ。キム・バレルはゴスペルシンガーとのことらしいが、彼女の名前は始めて聞いた。'70年代のスティービーの作風に見られた、重厚なストリングスを配したナンバー。2曲目の Sweetest Somebody I Know
3曲目の Moon Blue
は終始淡々とメロディが展開するナンバーで、「Ribbon In The Sky」を何処と無く感じさせる。ピアノの音色とコーラスが不思議な雰囲気を構成している。4曲目の From The Bottom Of The Broken Heart
はスティービーの持っているポップな味が前面に出ている。ハーモニカとコーラスが重なり合う様子は正にスティービーの世界である。 5曲目の Please Don't Hurt My Baby
はビートの効いたメロディーにホーンセクションが絡むブラック色の強いナンバー。6曲目の How Will I Know
は愛娘アイシャとのデュエット・ナンバーで、このアルバムの中でも話題性が強い一曲で、二人でしっとりと歌っている。 7曲目の My Love Is On Fire
も前曲に続いて落ち着いたナンバーで、ヒューバート・ローズがフルートで参加している。メディアム・スローな雰囲気の中でこのフルートがいい役目を果たしている。8曲目の Passionate Raindrops
は、'70年代に見られた作風にも通じる一曲だ。 9曲目の Tell Your Heart I Love You
はポップな中にもR&B色を感じる一曲で、ボニー・レイットがバックコーラスで参加している。ほぼ全ての楽器をスティービーが弾いていて、何とスライド・ギターにもスティービーの名前がある。10曲目の True Love
11曲目の Shelter In The Rain
は昨年ガンで死去した元妻のシリータ・ライトへ捧げた曲とのことだ。書かれたのは彼女が死ぬ前だったそうなので、死期が近いことを悟って書いたのだろうか?12曲目の So What The Fuss
はアルバム発売が噂された春頃に先行シングルとして発売されて、PVもネットで流れていた曲。このアルバム収録曲内でもっとも強烈なビートを持ち、R&B色が強く出ている。ギターにはプリンスが参加していて、スティービーが彼に声を掛けてギターを弾く様子が伝わってくる。バックヴォーカルには女性コーラス・グループのアン・ヴォーグが加わっている。 13曲目の Can't Imagine Love Without You
はスティービーらしいラヴ・ソングを力強く歌っている。アレンジが何処と無く映画音楽のようにも感じる。セッションマンのグレッグ・フィリンゲンズがピアノで、ネイザン・イーストがベースで参加している。14曲目の Positivity
ラストの A Time To Love
はこのアルバムの表題曲であり、インディア・アリーとの共作曲だ。重厚なストリングスに打楽器を用い、ウズベキスタンやナイジェリアやプエルトリコやインドのアーティストをバックに起用しているようだ。何処と無くそうしたワールド・ミュージックの雰囲気が最後まで漂っているのを感じることが出来る。 更に、ここでの話題はインディア・アリーとの共演もそうだが、ポール・マッカートニーがアコギとエレキ・ギターで「地味に」参加している点だ。アルバムのクレディットでは、ポールのパートはロンドンで録音されたことになっている。最後の感謝の言葉にも、ポールには「サー」の称号付で、「貴殿は快く私の申し出を受けてくれて有り難う」と記されている。 【このアルバムを聴いた感想】
世界中の多くのファンをやきもきさせたアルバムが10年ぶりに発売された。その間は単発的にサントラや共演曲が有ったものの10年は長かった。今回の作品は彼の長いキャリアを振り返るかのようなナンバーから構成されている上に、旬なアーティストとの共演や愛娘とのデュエットなど話題も提供している。 サウンド的には特に目新しいことは無いが、スティービー・ワンダーというミュージシャンが一つのジャンルなので彼が紡ぎだす音楽を我々は素直に受け入れたいと思う。 次は来年の早い時期の来日コンサートを明言しているので、その時期を楽しみにしたい。 【バック・ナンバー】
1.BOBBY CALDWELL「PERFECT ISLAND NIGHTS」 2.DAVID PACK「THE SECRET OF MOVIN' ON」 3.PAUL McCARTNEY「CHAOS AND CREATION IN THE BACKYARD」 4.JOHN LENNON「WORKING CLASS HERO-THE DEFINITIVE LENNON」 5.CREAM「ROYAL ALBERT HALL-LONDON MAY 2-3-5-6 2005」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
自己PRコーナー 紅葉には少し早いけど、深まり行く秋の景色をご覧下さい。 浮間公園の写真をみる