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高校生男子2名が主人公の米澤穂信のミステリーを読んだ。〇ストーリー高校2年生で図書委員の堀川と松倉は,3年生の美女・浦上麻里に頼まれ,彼女の家に行く。浦上の祖父は金庫のダイアル錠の開錠情報を残さずに亡くなってしまったのだ。ヒントが残されてていたのは,祖父の書斎の本棚で,そこから2人は・・・ーーーーーーーーーーー米澤穂信は高校生を主人公にしたミステリーがいくつもある。中でも〈古典部シリーズ〉と〈小市民シリーズ〉は有名だろう。この作品が高校が舞台であると知った時は,てっきりどちらかのシリーズの新作だと思った。結果的にそのどちらでもなく,男子高校生2人が主人公で,2人とも推理力が高いというなかなか面白い展開の連作短編集だった。けれども終わり方が終わり方なので,この作品に続編が生まれて,シリーズ化されるかどうかは微妙なところだ。半分以上ない,というのが予測だ。残念だけれど。ーーーーーーーーーーー物事を正面から考える〈僕〉こと堀川次郎,常に冷静で裏まで考える松倉詩門は,ともに八王子の進学校の2年生だ。四月から図書委員になったことで2人は知り合い,不思議と気が合う。そして図書委員関連で,ある謎解きの依頼を請けた時,2人の探偵としての補完関係は明確となり,コンビとして機能するようになる。伝統的に探偵モノって,変人名探偵と常識的な助手というパターンが多いが,探偵コンビで楽しめる作品は少ないのでこれは収穫だ。若干,変人・松倉と常識的な堀川という部分は伝統的なパターンを踏襲しているが,と言っても2人は現実の高校生の枠に収まっている。ーーーーーーーーーーーさてこの連作短編集はビターな味わいで終わる。そうした意味では間違いなく米澤穂信の作品だ。ミステリー小説は間違いなくエンターテインメントで,いろいろな約束があり,いろいろと現実離れをしている。それに対して疑問を感じたと思われる米澤穂信が導入したのが〈日常ミステリー〉というジャンルだ。さらにこの作家が取り入れているのが,なんともやるせない無常観だ。と,言葉にすると大げさで昭和っぽいけれど,多くの作品がとても苦い味わいで終わる。それは事件が失敗したりとか,主人公に危害が加えられた理,ということではない。多くは,安定していた人間関係が終わる,あるいは決定的に変わる,ということが示唆される。ツライよね,こういうの。ーーーーーーーーーーー各編について簡単に感想を述べる。「913」:図書委員の堀川と松倉は,上級生の浦上麻里に頼まれて,彼女の祖父が遺した金庫を開けるための暗号を解くことになる。浦上の家に赴いた2人が目にしたのは,明らかに不自然な本棚の書籍だった。だがさらに・・・普通の日常ミステリーと思わせて,なかなかのツイストを見せる。堀川・松倉コンビが結成された瞬間だが,最初から冴えていて心強い。「ロックオンロッカー」:割引チケットを利用するために,堀川・松倉コンビが美容院に行く。だがそこで言われた一言がもとで・・・日常ミステリーのお手本のような短編だ。2人が求めているのは納得であって,犯人の特定やまして逮捕でもない。男子高校生としての等身大の松倉が見える貴重な短編でもある。「金曜に彼は何をしたのか」:堀川と松倉の図書委員の後輩・植田は,兄の潔白証明のために助力を求める。そこから見えてきたものとは・・・試験期間中という微妙なタイミングで主人公たちは事件解決の依頼を請ける。依頼者は学年でも素行が悪いと評判の植田,の弟だった。不良の兄の行動から見えてきたこととは?・・・またまた日常ミステリーとしての逸品だ。良いね。「ない本」:堀川と松倉の学校で3年生の男子生徒・香田が自殺をした。その直前に香田と会っていた男子が,香田が読んでいた本が何であるかの調査を依頼する。だが・・・日常ミステリー系のバディ探偵と思っていた連作短編集が,ここに来て違う色を見せ始める。2人とも男子生徒にきつくないか?「昔話を聞かせておくれよ」:松倉は〈僕〉堀川に昔起きた事件について話し始める。そこから先は,宝探しだと思われていたのだが,あまりにも都合が良く調査は進み・・・前の短編以上に一気に読者をドン引きさせる展開だ。過去の事件が生々し過ぎてキツイ。主人公2人の間に生まれつつあった友情はこれで・・・「友よ知るなかれ」:調査の翌日,〈僕〉堀川は図書館に行き,昔の新聞を調べる。そこから見えてきたこととは・・・堀川にしても松倉にしても,すっと手を差し伸べ合えないのがリアルなところだ。せっかくきれいな探偵コンビが発揮されていたのだから,この2人をもっと見ていたい。そんな気持ちでいっぱいだ。
2019.08.31
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来週の月曜日は9月2日で,もう夏,少なくとも一般的な夏休みは終わりだ。そうした事情もあるのだと思うけれど,職場の近くの”夢と魔法の国”に行く人は多くて,通勤電車にもけっこうその姿が見える。毎年8月の終わりに焦燥感に駆られてどこかに行くのだが,先週に茨城県に行ったので,その欲求は満たされている。8月の最終週である今週は,月曜日代休,火曜日は一日茨城,水曜日と木曜日はヤキソバ作り,と日中はほとんど仕事が出来なかった。そうするとどうなるか,5時から仕事を始め,終わるのが10時となる。ほぼ毎日寝るのが12時過ぎとなってしまった。眠い。
2019.08.30
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会社のイベントでスタッフに昼食をふるまった。拠点を変えて2日続けて焼きソバとかき氷を作った。2日とも11時前から3時過ぎまで半日を費やして,お祭りの屋台のようなことを続けた。スタッフ側は15人くらい,先方は毎日300人近く。おかわりが自由だし,夜勤用の作り置きもあるので,2日で作ったソバは1,500人分だ。交代制なので半分参加すれば良いのだけれど,3/4くらいは参加して,店先の呼び込みと手渡しを担当した。スタッフ側は汗だくになり,油のにおいが染みついていた。でも,やっているとなんだか楽しい。いつもみんな頑張っているので,ちょっとしたお礼だ。
2019.08.29
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いかにもリュック・ベッソンらしいハリウッドっぽいフランス映画を観た。〇ストーリーサラエボに赴任しているネイビーシールズの隊員たちは,近郊の湖の底にナチの金塊が沈んでいることを聞く。彼らは地元の女性・ララと共にそれを回収しようとするが,ララの兄,そして敵軍からも狙われてしまう。果たして・・・ーーーーーーーーーイラン・イラクに続いて,ついにサラエボもアクション映画の舞台となるのか,という不思議な感慨があったが,それと第二次世界大戦秘話をつなげたところが,この作品の良い所だと思う。西欧人としては,ボスニア紛争を見過ごしてしまったという負い目があるのだが,そろそろそれも時間のおかげで忘れられるようだ。今後もいろいろB級映画の舞台になりそうだ。ーーーーーーーーーつかみはB級映画のノリでなかなか楽しめた。「特攻野郎Aチーム」と「タクシー」を思い出させる。拉致した将軍がどうして溺れなかったのかは謎だけど。問題は後半の金塊奪還作戦だろう。舞台設定もストーリーも悪くないのだけれど,前半と比べて地味,ひじょうにスローテンポだ。思わず眠くなってしまった。なんか困ってるなあ,なんか戦っているなあ,という流れ。ーーーーーーーーー家でスマホからモニターにキャスティングして観ていたのだけれど,どこかでWifiから途切れてしまっていたらしく,2日後に「容量が足りません」と通知が来て”ギガ死”をしてしまった。それが先週の火曜日なので,容量が復活するまで10日どころか半月ある。うーん,映画に罪はないのだけれど,この作品で”ギガ死”って納得行かない・・・
2019.08.28
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朝は普通にオフィスに出勤をしたが,10時をめどに会社の車で関東の北にある拠点まで行った。カーナビがあるので,基本はそれに従って運転をする。首都高に乗り,高速に乗り換え,それを下りて途中のコンビニでお弁当を買って,拠点についてから食事。そこから現地のスタッフの車に乗り換え,何軒かの客先を回った。拠点に戻ってからは研修会を開催してから戻った。拠点を出たのが9時過ぎ,同僚を家まで送り届け,もうそのまま社用車で帰宅した。11時半だし。何年かぶりに自宅のカーポートに車庫入れした。ずっと車が無かったので,雑草が運転席側に生い茂っていて,それを避けつつ駐車した。降りてから反対側を確認したら3センチくらいしかあいていなくて,あやうく社用車をガリガリとこするところだった。あー,よかった。
2019.08.27
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仕事の関係でつくばに行った。僕は30年前,茨城県で仕事をしていた。土浦にアパートがあり,そこからつくばの職場に通っていた。当時はつくばエクスプレスなどはなく,週末は東京の家まで土浦から常磐線をとことこ乗って北千住まで行き,地下鉄に乗り継いでいた。社会人になったばかりで,会社の制服を着ていた僕は,つくばの大学生や研究所員にひどくコンプレックスを感じていたのを懐かしく思い出す。ーーーーーーーーーーー久々に来たつくばは,社宅や団地から大型マンションへの建て替えが進みつつあり,中心部から大通り沿いは風景が変わっていた。JAXAが中心にあるような変わった街だけれど,ゆっくりと変わって行くようだ。
2019.08.26
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時々地方の美術館で興味深い企画展が開催される。今回気持ちが動いたのがこの企画展だ。ーーーーーーーーーー大竹伸朗は様々なジャンルで地道に活動をしている現代芸術家だ。彼がずっと個人的なテーマとしていたビル,都会の風景を切り口に,大量の作品を年代記風に展示したものだ。確かにビルにとらわれているのだろうか?その数,600点あまり。とにかくバイタリティに驚かされた。またこの膨大な作品がきちんと管理されていることにも驚いた。ーーーーーーーーーー1980年代のペン画風の街の風景は,世界各地がテーマだ。書きなぐりではっきりはしないけれど,それでも少しずつ地方色があり楽しめる。とは言え「車窓からのビル街」シリーズなどは,もう何が描かれているのか分からない。作品なの?と疑うほど。オブジェの「時憶/Bldg.」はなかなかの迫力。それほど巨大ではないけれど,昭和の人間が考えるビル,都会,そしてその孤独,というところだろうか?2000年代の「ビルと飛行機、NY」シリーズは,911がテーマなんだろうか?不安にさせられた。同じく2000年代の「窓からの風景」などいくつかの作品は,シュレッドされた紙が複雑にコラージュされた作品で面白かった。バンクシーじゃないけどね。2000年にエプソン社と提携して描かれたミュー・クリスタプリントの作品群は,CGが利用されていてだいぶ雰囲気が異なっていた。どうした?最後の方の「遠景の赤いビル」はロシア・アヴァンギャルド風で好きだ。大竹にしてはロマンチックだけれど。ーーーーーーーーーー壁面に300作,そして机の上に300作という展示方法だった。作品には番号が付されているが,作品タイトルは手渡される作品リストを見ないと分からない。どうしても作品と手元のリストを交互に見るという落ち着けない状況になってしまった。誰が思いついたのかは知らないが,これは集中できない。せっかく丁寧な展示をしているのだから,観客の気持ちも考えてもらいたかった。でも地方の企画展としては抜群の内容だった。オススメだ。
2019.08.25
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水戸の宿を出て,まずは駅のロッカーに荷物を預けた。ーーーーーーーーー駅の北側に出て,51号線沿いに東へと進む。徐々に上りとなるが,城址通りに折れると谷筋を上る坂となる。尾根筋まで上ると,谷越えの橋の先が水戸一高だ。橋を越えると校門って,お城の本丸跡地が学校ってカッコいいなあ。一高を背に西へと折れると,江戸時代風の白い壁の道が整備されている。その一本道を歩くと,左手が水戸三高,右手が市立二中,さらに左手が大学付属小学校と,まるで学校銀座だ。夏休みだし,土曜日の朝なので,ほとんど学生の姿は無かったけれど,普通の平日はどんな風景なんだろう?ちょっと見てみたい。ーーーーーーーーー彰考館跡地を観た後に,さらに橋を渡り弘道館へとたどり着いた。ここは旧水戸藩の公的な学校教育の場で,水戸藩主・徳川斉昭に創立されている。幕末の内紛,第二次大戦で戦禍にあっているので,当時の建物そのままではないが,よく復元されている建物の中を靴を脱いで見学する。150年前にここに通った若者たちはどうな気持ちだったんだろう?ーーーーーーーーー旧県庁を抜けて,さらに西へと進む。市立博物館の可愛らしい展示と芸術館の企画展示を見てから,昼を食べようと大工町に出た。が,まるで昨晩の繰り返しのように,土曜日の昼間の大工町は営業している店が少ない。だいぶうろついたのだけれど,諦めてそのまま県立歴史館へと進んだ。広い敷地に水海道小学校と水戸農業高校の旧校舎が移築してある,そしてそのさらに奥に県立歴史館の建物があった。地方に行くたびに,こうした歴史博物館を訪ねることにしているが,どれもきちんと整備されていて,小学生向けのコーナーなどもあるし,地方の歴史も学ぶことも出来る。が,カフェは閉店されていて,ここでも食事は出来なかった。ーーーーーーーーー歴史館からほど近い〈ハナトコ〉というオーガニックカフェにたどり着き,ようやくランチにありついた。たぶんグルテンフリーのパンとか売っていて,新木場の〈kasika〉を思い出させるナチュラルな内装だった。ーーーーーーーーーその後は〈偕楽園〉を散策した。もちろん梅は咲いていない。だが資料を読んだら〈偕楽園〉の正しい楽しみ方は,竹と杉の〈陰〉の世界と,梅の〈陽〉の世界を巡り,その後に好文亭に至る,というものだったらしい。〈陽〉のピークではなかったが,夏真っ盛りなので良いとしよう。好文亭の2階からは千波湖を見渡せる大パノラマが見えた。まさに殿様気分だ。これが〈偕楽園〉だ。ーーーーーーーーー隣の常盤神社にお参りをして,〈義烈館〉を見てから水戸駅へと向かった。『大日本史』を何回も見せられた一日だった。ーーーーーーーーーさすが県庁所在地で水戸徳川家の拠点,見るべきものがいっぱいあって楽しめた。
2019.08.24
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仕事を終えてから東京駅へ出て,特急ひたちに乗って水戸へ向かった。本当は2時間ほど前に移動をしたかったのだけれど,仕事の状況を考えるとそうもいかなかった。ーーーーーーーーーーーホテルのチェックインに時間がかかったので,夕食に出かけたのが20時過ぎだった。ホテルがある水戸駅の南側は開けているので,古くからある北側に出てみた。銀杏坂を上ってみて,ネットで見つけておいた定食屋を探してみたが,なくなっていた。水戸の東照宮のある宮下坂周辺の飲み屋街に行って,何軒か覗いてみたが,もうラストオーダーということで入れなかった。せっかく東京を離れたのに,全国一律のサービスを提供するチェーン店には入りたくない・・・とか言っているうちに,結局食事をするチャンスを逃してしまった。ーーーーーーーーーーーたしか名古屋出張の時にも同じようなことがあったが,結局コンビニでつまみとお酒を買って,部屋で1人で酒盛りということになってしまった。まあ宿に大浴場はあったし,のんびりは出来た。
2019.08.23
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いろいろなテーマを扱ったミステリーがあるが,着物がテーマの作品は初めてかも。〇ストーリー仙台の女子高生・八重は,着流しの美青年・宝紀琥珀と出会う。2人は後日,篠笛教室で再会し,やがて着物を巡る様々なミステリーに巻き込まれて行く。それは徐々に八重の過去のある事件へとつながって行き・・・ーーーーーーーーー篠笛を習っている女子高生・八重,というだけで僕の日常とは違う世界だ。ひょっとして仙台とか金沢など歴史のある街では一般的なんだろうか?よく分からない。彼女が出会うのは,美青年の仕立屋・琥珀だ。彼は天才的な着物の仕立ての技術を持っているだけでなく,着物文化に対する深い造詣,そして鋭い推理力を持っている。・・・ちょっとモリモリ過ぎない?ーーーーーーーーー2人は反物に関する謎解きかは始まり,徐々に古い着物に関する過去の事件へと肉薄していく。その過程で怪しい人物も複数登場する。ここまで執念深い人びとがいるとは,古い着物の世界って恐ろしい。北森鴻の〈冬孤堂シリーズ〉の古美術を巡る騙し合いも恐ろしかったが,着物の世界の場合,最終的に身にまとうことが出来る,というのが一味違うなあ。ーーーーーーーーーでも一番のストーカー気質は琥珀青年かも知れない。でもイケメンなら赦されるよね。
2019.08.22
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ランチに新木場駅前のランチカフェをした。ーーーーーーーーーーお盆の最中にこの目立たない店に行ったのだが,ちゃんと人が入っていて驚いた。知る人ぞ知る空間なのだろう。場所の印象はとにかく”意識高い系”だ。新木場らしく,木材加工所を改修して作った空間らしく,天井も高く広々としており,元からレトロな空気もたっぷりだ。そこそこ改修をして,無印商品みたいな製品を並べている。うーん,オサレ。ーーーーーーーーーー同僚とオッサン2人で行ったが,家族連れ,カップルなどが目立った。ちょっと偏見かも知れないが,丸眼鏡率,帽子被っている率が高かった。意識高いね。ーーーーーーーーーー新木場で15年間も務めているし,その前からここを知っている僕からすると,狙い通りの企画で作られた店に,タイアップ記事を読んだ人が集まっているだけのような気がしてならない。ずっと新木場で頑張っている店なら,他にいくつもある。
2019.08.21
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今日の天気は,曇り一時雨というものだった。細かい予報では朝一番,夜明け頃と,午後3時頃に雨が時間1ミリ程度降るかも,というものだった。朝,出勤の時は少しだけ地面が濡れていたし,軽くパラついていたが,オフィスの最寄り駅ではもう雨は上がっていたので,傘を差さずに済んだ。そのまま昼となり,午後になると窓から見える空模様が不気味だった。遠くは雨雲らしい影にビルが覆われているのに,違う方向は日差しが強く差していた。それからほどなく,建物の屋根や窓をビシビシと叩くほどの雨が降り,その後晴れ,また豪雨となり,というのが何回か続いた。もうこうした激しい天候はゲリラ豪雨ではなく,よくある気候として認めるべきなのかも知れない。『天気の子』の世界はすぐそこにあるみたいだ。
2019.08.20
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ノスタルジックミステリーを書く朱川湊人の大正ホラーサスペンスへ挑戦した作品を読んだ。〇ストーリー〈私〉槇島風波は,画家になるために本郷の家を飛び出し,根津の下宿屋に住まう。そこには妖かしを鎮魂する能力を持った画家・雪華がいた。〈私〉と雪華が歩く大正の東京は・・・ーーーーーーーーーーーー昭和レトロ物語を得意としてきた朱川湊人だが,明治から大正に移ったばかりの東京を舞台にした作品にチャレンジした。上野,根津,浅草と,今の我々からしても馴染みのある風景が出てくるし,当時の風俗を良く調べて,それを作品の中に活かしていると思う。だが,残念だけれど,昭和レトロを描いている時の生々しさはどこにも感じられない。映画,小説,コミックなどで知ったことを二次創作的に再現している,そんな印象だ。ライブ感や生活感が感じられない。そのためか,どうも読むのに時間がかかった。ーーーーーーーーーーーー金持ちのボンボンなのに,家を出て画家を目指し,それでも実家から仕送りを受けている,という主人公・槇島風波も良くない。そんな中途半端な志の上,画家志望なのに体格が良くて柔術を扱う・・・設定がいろいろおかしいよね。彼が出会う,謎の青年・雪華,下宿の不思議な人々など,そのほとんどが思わせぶりなのに説明されないのもイライラする。次の巻ではある程度,決着をつけてもらいたいものだ。ーーーーーーーーーーーー各編について簡単に感想を述べる。「墓場の傘」:槇島功次郎は父親に反発して本郷の家を出て,画家を目指す。根津で彼が出会ったのは,墓場に発生する幽霊を,絵を描くことで成仏させる青年・雪華だった。・・・第1話から読むのに苦労した。主人公が繊細なのか,鈍感なのか,そういう感覚が伝わってこない。上野,根津,浅草と誰でも知っているような場所しか出てこないのも不満。「鏡の偽乙女」:雪華と同じ下宿に住むことになり,風波という雅号を名乗るようになった功次郎は,自分の部屋に現れる幽霊を成仏させるために鏡に幽霊の理想像を描く,という作業を行う。・・・それなりに印象が強いし,悪くない部分も多いのだけれど,とにかく物語が進まない。下宿の部屋を変えればいいんじゃないの?「畸談みれいじゃ」:もう1人の画家志望・平河惣多の下宿を訪ねた2人は,おフウという少女と知り合いになる。おフウには両親がいるのだが,薬の行商人をしていた父親が死体で発見される。間違いなく父親だった存在は?・・・第3話になって急に”みれいじゃ”という生霊の存在が明らかになり,1話完結の怪談のパターンとなる。これを目指していたのか?「壺中の稲妻」:風波は失踪をした年上の親戚・栄作を探し,浅草で発見する。悪い女に引っ掛かっていると思われた栄作が追い求めていたのは,14年前と同じ姿の美少年だった。栄作を救おうとする風波たちに意外な助太刀が現れ・・・さすが明治から大正への過渡期,新撰組の生き残りが登場した,って司馬遼太郎の短編へのオマージュだろこれ。「夜の夢こそまこと」:風波たちは,美人奇術師として有名な松旭斎天勝の舞台を観に行く。だが現れたのは松九斎天勝という偽物だった。ずっと偽物として生きてきた彼女の夢を叶えるために,風波たちは・・・奇術師・天勝というのは実物の人らしいので,そうした風俗をベースに作品を作り上げていることは評価したい。一方で,結局はその偽物しか登場せず,偽物の人生をとうとうと語られても,いろいろ困る。歴史サスペンスを目指すなら,もっと調べて虚実のギリギリを目指してもらいたい。事実をチラ見させておいて,そこから先はフィクションだけって,ちょっと納得が行かない。
2019.08.19
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三浦春馬主演のサスペンスドラマを観た。〇ストーリー結城大地はかつての婚約者・スミレから依頼され,血液検査をする。その結果,2人の子供で白血病を患っているハナの骨髄移植ドナーとして大地が適合したことを知る。移植手術は2週間後なのだが,大地は知人の柴崎によって殺人者に仕立て上げられて,逃亡することになる。手術までの2週間,そして過去の因縁から大地は逃げ切ることが出来るのだろうか?ーーーーーーーーーーー少し時期をずらして始まったドラマだが,驚くばかりの吸引力で,ぐいぐいと進んで行く。通常の日本のドラマで展開するスピードの3倍くらいの印象だ。日本の視聴者がアメリカのドラマ作品に慣れ親しんだということもあるだろうし,一般的なドラマが3ヶ月1クール11話程度で収まるので,そのお約束の流れを壊す展開を目指しているのだと思う。ーーーーーーーーーーー主人公が濡れ衣を着せられて逃亡をする,でも行く先々で敵側の手配が届いており,どんどんと窮地に陥る・・・この流れのテンションの高さは尋常じゃない。調べてみたら,同じようなテンションで展開されている『ヴォイス』と同じく,韓国ドラマの和製リメークだった。それによるセオリーの打破は歓迎するけれども,不自然過ぎる展開,過去の因縁,やたらと狭い人間関係,という流れはあまり歓迎出来ない。ーーーーーーーーーーー現状は,主演の三浦春馬と,娘役の稲垣来泉の演技で,いろいろなツジツマがチャラになっている気がする。それくらい2人の心の交流のシーンはぐっと気持ちを惹きつける。テレビ局が推し推しなのに視聴率は振るわないようだ。理由は分からないでもないけれど,個人的には親子の情がビビッときたので,観ることにする。
2019.08.18
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ロードショー館での上映は無くなってしまったので,専門館でこの映画を観た。〇ストーリー神奈川県に住む中学生・ルカは,父親が勤める水族館で,ジュゴンに育てられた少年・海に出会う。その後,海の双子の兄・空とも出会った彼女は,隕石落下などを通じて世界的に起こりつつある海洋生物の危機を体感する。ルカは海,空とともに,海洋生物の未来を変える大きな流れに巻き込まれる。だが・・・ーーーーーーーーーーーアニメーション映画なのに,原作のコミックである五十嵐大介のテイストを強く残していることに評価をしたい。あのペン画イラスト風のタッチを再現するのは大変だったと思う。アニメ化により色彩が付与され,原作と雰囲気が変わってしまうのではないかと心配したが,ペン画風の人物,細密な海生生物,CGによる幻想的なクジラ,トーンを抑えた背景と,実に絶妙なバランスで構成されている。ーーーーーーーーーーー原作でもそうなのだが,舞台は鎌倉なのに,時々沖縄のようにも見える。確かに湘南や逗子にもサーファーの人々はいるが,作品世界で描かれているほど南国ではないと思うし,材木座にざっぱーんとクジラは浮上して来ないと思う。ーーーーーーーーーーーストーリーは,スピリチュアル過ぎてワケが分からなかった。鎌倉沖にクジラは浮上するし,少年は魚より早く泳ぐし,その能力を少女に伝えるし,「時は来た」と告げる婆さんは出て来るし・・・ちょっと眠ってしまった。ーーーーーーーーーーーもう主人公の少女・ルカは日常には戻れないと思っていたが??まあ,良かった。
2019.08.17
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もう8月も後半で,このままだと何もしないまま夏が終わってしまう・・・という焦燥感に駆られ始めた。割と毎年この頃になるとこの気持ちになる。とは言え,スケジューラを確認してみたら,毎週土日のどちらかに映画を観たり,美術展に行ったりと,出かけてはいる。自分でも驚くけれど,けっこう活動的だ。けれども,もう1つ自分で計画して冒険するという夏休みらしいことをしていない気がする。ーーーーーーーーーーということで来週の金曜日に1泊で近くの街に旅行に行くことにした。ホテルに泊まって,近くの飲み屋に行き,大浴場につかり,地方の美術展と博物館を観て,城跡を訪ねて帰る。単純だけど,今からワクワクしている。
2019.08.16
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台風が3つ続けて日本に接近してきた。大型の台風10号,通称Krosa,は四国から関西を通り,日本海側へと抜けて行った。そのおかげで,東日本は直接の被害は受けなかったのだけれど,台風の影響で南東から次々と雨雲が上陸してきた。出勤していたのだけれど,通勤した時間帯は大丈夫だったが,その後は激しい雨降りと強い日差しが1時間くらいで交互に訪れていて,天気ってここまでくるくると変わり,しかも荒れるのかと驚くほどだった。幸いに,なのかは分からないけれど,溜まっていた仕事を片付けていたら,20時過ぎになったので行きだけでなく,帰りも傘をさす必要がなかった。じっとしていて台風をかわした,というところだろうか?
2019.08.15
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今シーズンのドラマの中で明らかに毒を吐きまくっている作品を観た。〇ストーリー大島凪は会社を辞め,住処を変え,ケータイを変え,人生をリセットする。都心のマンションから都下のアパートで暮らし始めた彼女の生活は,驚くほど刺激に満ちていた。そこに訪ねてきたのは・・・ーーーーーーーーーーーー主演・黒木華,助演・高橋一生&中村倫也という,ちょっとアンバランスだけれど,豪華なキャスティングだ。またそこで高橋一生がクズな男を演じると言うところがポイントが高い。クズなのに,毎回号泣しているというオチまでついているイケメンで凪の元カレの慎二がその役だ。それに対して中村倫也が演じるのは,凪が引っ越してきたアパートの隣人で,不思議キャラというところだ。たぶん演技としてははるかに楽だけれど,こいつもストーカーっぽくてキモイ部分もある。ーーーーーーーーーーーー男も女も素直じゃないし,というのがこの作品の根底にあるのだと思う。イケメン男の気持ちは僕には分かりようがないが,それなりに素直になれないこともあるのだろう。・・・イケメンなのに。ーーーーーーーーーーーー姉に薦められて観るうちに,全部観る気持ちになった。だってイタイ人ばかりが登場して,それがビンビンと自分に刺さるから。
2019.08.14
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藤崎翔という作家は知らなかったがデビュー作を読んでみた。〇ストーリー人格者で元教師の坪井誠造が68歳で死亡し,通夜が催され,多くの元教え子,元同僚,店子たちが押しかけ,人々の涙と悲嘆にあふれる。彼らが会話を重ねる中で,少しずつ違和感が生まれ始め,坪井誠造のイメージが反転してしまう。果たして,神様のような人物は悪魔だったのか?ーーーーーーーーーーー藤崎翔という作家のデビュー作らしい。別のジャンルからの参戦ということで,ミステリー系純粋培養の人々と比べて自由に作品を展開している空気がある。だが果たして藤崎翔が,劇作家出身の作家・木下半太を越えることが出来るだろうか?既存の枠を壊す破壊力については,まだまだ足りないという気がする。もっと頑張らないとね。ーーーーーーーーーーーさて,この作品だが,神のような人格者という人物を設定し,彼が行ったかも知れない悪事を並べて,一気に神様が悪魔かもしれない,という可能性を述べて一気に相対化を図る。やがて物語は,悪魔とされた坪井に対して,反証を語る段階になる。果たして悪魔は神に戻ることが出来るのだろうか?ーーーーーーーーーーー複数の語り手で展開されるミステリーなので,最初の設定さえ理解すれば分かりやすい。だが,語り手を引き継ぐ際に毎回重複があるので,ちょっと冗長だ。もっとドラスティックにカット出来るはずだ。批判的な視点に立てば,人格者の故人から明かされるのは,ダークな言動の人物だし,その後に予想されるのは,誤解を解いて再び人格者の位置に戻る故人の姿だ。早々にそうした展開が予想される作品ではあるのだけれど,ちょっとだけ付き合ってやるか,という気持ちになった。・・・上から目線で申し訳ないけれど。ーーーーーーーーーーーこの作家がどんな作品を展開するのかは分からないけれど,デビュー作は平均点よりはるかに上だった。この作品の引っ張られずに,自由に自分の作品世界を広げてもらいたいものだ。
2019.08.13
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1964年の東京オリンピックの影で動いていたかも知れない出来事を描いた月村了衛の長編小説を読んだ。〇ストーリー映画好きヤクザという変わりダネの人見稀郎は,黒澤明が降りた東京オリンピックの公式記録映画監督に中流クラスの監督・錦田を選定させるように申し付けられる。組織委員会を調べ上げ,3人の委員の弱みを握り一歩前進した人見だが,関西から来た芸能興行を仕切る組の組長に圧力をかけられる。だが,それは彼が経験する苦難のほんの始まりだった。オリンピックにまつわる闇を虚実取り混ぜて描き出す,驚異の長編だ。ーーーーーーーーーー前作「東京輪舞」の一部として調査した内容を,独立した長編として仕上げたということが類推される作品だ。現代の歴史,実在の事件,人物,を登場させ,その周辺で動いていたかも知れない事件に絡めて主人公たちを動かす。前回オリンピックを題材にしたサスペンスは,奥田英朗の「オリンピックの身代金」があった。それと比べると,どちらも戦時中の歪みが再現されているのに,あたかも戦後を払拭する新事業のような顔をしている東京オリンピック1964への批判が根底にある。大きな国家事業には良い面もあるが,闇の面もあるかも知れない,と常に問い続けるのが必要なんだと思う。ーーーーーーーーーー個人的にこの作品で興味深かったのが,いろいろな団体の中で組織化される組合に対する官,あるいは警察が認めた暴力組織についてだ。これまで港湾組合がそれであることは知識として保有していた。鉄道業界への組合の侵入に危惧した政府が,港湾に関しては沖中の連を通じて組合の浸透を阻止したのは知っていた。だがそれ以外の業種,今回で言えば撮影所という争議で有名だった場所に対しても,企業側とそれに同調した警察が,暴力組織を投入して封鎖ストライキなどの事態の解決を図ったというのは,納得だけれど知ることにより,なんとも重い気持ちになってしまう。決して僕が生まれた昭和という時代を否定するのではないけれど,いろいろな大きな思惑に引き摺られて・・・それがずっとそのままだった時代なんだと思う。ーーーーーーーーーーこの作品から僕らが学ぶべきことは何なんだろう?主人公たちのプロジェクトは歴史的に失敗することは自明だ。こうした国家規模の事業の中で,個人に近い夢を見て,それを実現しようとする実行力,そうした儚いけれど,大きな流れとは異なるアプローチを描くことで,大きな正しい,あるいは正しそうなテーゼへの反乱,それが大げさならばしっぺ返しを計画する。それこそ,ハードボイルドの主人公たちが夢見てきたことではないだろうか?人見稀郎,よく頑張った!
2019.08.12
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目黒区の駒場公園に行った。ーーーーーーーーーー暑かったので近代文学館の〈BUNDAN Cafe〉に行った。が,話題の店なので,名前を書いて10分ほど待つことになった。案内されるとそこは,古い図書館か,大学教授の研究所のようだった。あらゆる種類の本が,天井高くまでしつらえられた本棚にびっしりと,ただし雑然と詰まっていた。客は飲食をしながら,勝手に本棚から本を出して読んでいる。いくつかソファ席があり,大き目のテーブルもある。中には相席となっているらしい。4人連れだったが,2人が”ハードボイルド・ワンダーランド”,2人が”タングシチュウ”を頼んだ。あとはビールを飲む。僕が頼んだ”ハードボイルド・・”は,つまみとしてはピッタリでボリュームもあった。休日の贅沢な時間だ。ーーーーーーーーーー近代文学館では『森鴎外「舞姫」とその時代』という企画展が開催されていた。言わずと知れた森鴎外の自伝的作品「舞姫」のことであり,それを多角的に分析をした展示だ。第1部は森鴎外(森林太郎)の留学,帰国と,舞姫のモデル・エリーゼとの恋。そして第2部では,鴎外が日本文学に与えた影響を分析する。ーーーーーーーーーー続いて,公園を出て日本民藝館に向かった。本館で入場券を買い求め,道路を挟んで向かい側にある西館に行った。こちらが先に閉まってしまうからだ。日本民藝館は思想家・柳宗悦が提唱した,日本の民族による芸術の収集館だ。西館は,柳が住んでいた住宅で,旧前田家本館の後ではあまり感銘を受けない。早々に本館に戻り,民藝作品を観る。こちらはホールが吹き抜けになっている西洋建築だが,内装は和風で昔の旅館のような仕上げてある。で,残念なことに空調がごく一部にしか効いていない。中程度の部屋にガラスケースがあって,展示品が並んでいるが,なにしろ民藝なので,皿,土瓶などが多く,正直「これはそこらで売っているのでは?」というものが多々あった。まあ,でも素晴らしいものなんだろう。ーーーーーーーーーー思想家たちが芸術ムーブメントを作り,収集館まで残してしまったのだから,思想のチカラ恐るべし。夕方でまだ暑かったが,駒場公園周辺を後にした。
2019.08.11
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連休の初日,友人と待ち合わせをして駒場公園周辺の施設を巡った。ーーーーーーーーーー家から30分程度なのに,不覚にもこれまで来たことがなかったが,ここまで立派な公園があったとは!駒場東大前の駅を降りて,立派なお屋敷が並ぶ住宅街を抜ける。朝10時過ぎなのに猛暑だったので,公園の緑の中に入ることが出来た時はホッとした。東京のこうした古い公園でいつも思うが,1つ1つの木が大きくて歴史を感じる。ーーーーーーーーーー前田家洋館の正面玄関に回ると,大きな車寄せ,庇があり,学校か県庁かと思うほど本格的な屋敷だった。残念ながらツアーガイドはお休み期間なので,友人たちと説明パネルを読みながら回った。英国に赴任していた侯爵・前田利為公が帰国前から造家させた屋敷で,まさに英国からそのまま運んできたような仕上がりだ。1階は広間,応接室,客室,食堂など公的なスペース,そして従業員の裏方スペースがある。そして2階は中庭を中心に,侯爵家のプライベート空間があった。ーーーーーーーーーー内装は2年ほど前に大規模の原状回復工事が終わったということで,写真や設計図を元になるべく当時の状態に戻してあった。その努力たるや想像を絶する。東京都と目黒区よく頑張ったなあ。ただ残念ながら1階は家具がほとんどなく,がらんとしていた。2階の多くの部屋は調度も復元してあり,侯爵家族の生活がうっすらと見えた。ぜひ1階の部屋もゆっくりと調度をあつらえてもらいたいものだ。ーーーーーーーーーーそのまま前田家の和館も巡ったが,2階は上がれないし,空調も効いていない。40畳となる空間から鑑賞できる庭も良かったけれど,さすがにこの気候では長居は出来なかった。少し早かったが,近代文学館へと向かった。(つづく)
2019.08.10
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以前行った油そばの店に行った。ーーーーーーーーー湯島で飲んだ際に,そのシメで立ち寄ったのが〈浜そば〉だ。湯島で仕事があり時間があったので,その後にこの店に向かった。まず昼2時に営業しているか分からなかった。すぐ前に行っても不安なままだったが,他の客がいたので大丈夫だろうと,入店した。ーーーーーーーーーワンオペの店なので券売機で食券を買う。もっともその直後に隣で待っている店長にそれを手渡すのだけれど。しばらく待って出て来たそばは,中太麺に野菜,そして鶏の照り焼きの小さなブロックが入っている。そしてとにかく優しく沁みる味だ。街角の小さな店だけれど,見事な味だと思う。
2019.08.09
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複数のプロジェクトが同時に進行しているので,スケジュールにポツンポツンと打合せは入ってくる。普通は1日1,2個なんだけれど,時々3,4個が同じ日に重なると慌ただしくなる。木曜日も,午後から国内の搬送設備との打合せ,ゼネコンとの打合せ,そして海外の搬送設備との打合せ,と3つ続けてあった。メンバーも微妙に重なっていて,誰をどこに参加してもらうのかも混乱する。ーーーーーーーーーーー打合せが終わってから,ゆっくりと残業をしながら資料をまとめて送付。ギリギリなんとか仕事をこなしている状況で,ひょっとしたことで後手後手になるのではないかと怖くて仕方がない。
2019.08.08
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伊坂幸太郎の〈陽気なギャングシリーズ〉の第3作目を読んだ。〇ストーリーサイドビジネスで銀行強盗をしている4人組,成瀬・響野・久遠・雪子は,悪徳ジャーナリスト・火尻につけ狙われ,素性を知られてしまう。火尻は地下カジノを運営する組織に数千万の借金があり,それを返却しないと,4人組のサイドビジネスを雑誌に発表すると脅してきた。4人組は組織に様々な攻撃を仕掛けるのだが,頻繁に妨害が入り思うように行かない。彼らはさらに計画を仕掛けるが,とうとう火尻の設定した期限が来てしまい・・・ーーーーーーーーーー2015年刊行の伊坂幸太郎の長編だが,図書館で絶大な人気だったのでパスしておいたら,ついそのまま忘れてしまった。去年2018年の暮れに発表された作品は読んでいるのにね。言うまでもなくこの作品は「陽気なギャングが地球を回す」「陽気なギャングの日常と襲撃」に続く第3作だ。ーーーーーーーーーー2010年代前半の伊坂幸太郎は作風がブレていた時期があるが,最近はまたスッとチカラが抜けて,素直に楽しめる作風になっている。デビュー3作目であり,冒険とコメディの両立がされていた「地球を回す」の続編が観念的な作品では悲しい。幸いに,この3作目は,これまでのシリーズの空気をきちんと宿していた。初期伊坂幸太郎のスラップスティックでオシャレな作風が保たれていた。シリーズファンは何の心配もなく読むことが出来る。ーーーーーーーーーーあまりネタバレにならないように表現するが,この作品では4人組とその親族,悪徳ジャーナリスト・火尻,地下カジノの運営者,ある非合法組織,と複数の人々の思惑が複雑に交錯する。悪いと思っていた人が涙もろい面があったり,善人だと思っていたら暴力組織を結成していたり,と人の意外な面を描きつつ,それでも全体的にさらりとしているのは伊坂幸太郎作品ゆえだろう。それを甘いと言ってしまうのは簡単だけど,じゃあそれ以外を極めていくと,たぶんただのノワールなクライムノベルになるので,それは僕の求めるものではないと思う。ーーーーーーーーーー伊坂幸太郎ファンならばゼッタイ楽しめる。
2019.08.07
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昨日に引き続き,取引先を中心とした打合せだ。先方のメインはヨーロッパから出張してきたエンジニアで,要望は8時半から施設調査だった。8時半から近場の現場で調査を行い,調査の後に次々と議題をメンバーを変えつつ,20時半まで打合せだ。ずっと気を張り詰めて,英語で技術と設計仕様の議論をしているので,アタマがカラカラになってしまった。とは言え,打合せには優秀な現場を代表するメンバーたちが参加してくれていたので,スカスカになっていた僕の代わりに必要な質問と調整を現場に対して行ってくれた。ーーーーーーーーーー打合せも12時間となるとエネルギー切れになるので,みんなスナックに手を出すようになる。これに対しては我々は経験が豊富なのだけれど,なぜか外国からの方に人気なのがワサビ味の柿ピーだ。僕も嫌いじゃないけれど,飲むときのツマミとしては主張が強過ぎると思っている。会議で,ぼーっとしてきた時に,カリッと咬んで,ワサビでツーンとして,集中力を回復するのに向いているのかも知れない。・・・知らんけど。ーーーーーーーーーーさて映画に登場するテロリストにそっくりな取引先のエンジニアは,自分の国からお菓子を持ってきてくれた。ハチミツ味の厚いウェファースとハッカのキャンディーだ。容器もオシャレ,それぞれ味も上品だ。柿ピーでごめんなさい。
2019.08.06
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火曜日と水曜日に外部の取引先との打合せを予定していた。参加者は社内,隣の部署,シンガポール本社,先方の日本代理店,本国からのエンジニア,上海からの営業担当,となかなか調整も難しい。日本だけでなく,夏季のピークシーズンであるために出張を取りやめる人も出つつも,大筋まとまったと思った金曜日の19時,取引先から流れてきた会議予定表は月曜日と火曜日になっていた。がーん。ーーーーーーーーーー急いでスケジュール調整をしていた同僚と取引先に確認のメールを送ったけれど,返信なし。とりあえず月曜日も想定して準備をして,「会ったらイヤミを言ってやる」と思いつつ週末を過ごした。で,月曜日「今日は体調が悪いので休みます」というメールを受信。またか・・・前歴あるんだよねえ。ーーーーーーーーーーもう仕方がないので,得意の即興で全部切り抜けた。いつになったら同僚みたいに楽隠居的な行動が出来るんだろう?
2019.08.05
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今週は休日がこの日だけ,という貴重な日だったのだけれど,姉と目黒に出かけた。以前,目黒川の花見の後に歩いた道を,逆に目黒駅から辿って,目黒区の市民センターについた。ここはホール,テニス場,貸し会議室,美術館,そしてプールがある。猛暑日の今日,プールは人人人だった。ーーーーーーーーー目黒美術館に来るのは初めてだった。常設展が無く,今回の企画展だけのようだった。明るい日差しのプールの喧騒が聞こえる公園の一角にあり,扉をくぐると静かな別世界となっていた。ーーーーーーーーー今回の企画展は,画家・太田喜二郎と建築家・藤井厚二という,同時期に京大の教授を務め,親交のあった芸術家にフォーカスをしたものだ。2人とも関西,京都の出身で住んでいたのもそちらなので,もともとは京都文化博物館で企画された展示が,東京に巡回してきたものだ。ーーーーーーーーー〈第1章 太田喜二郎〉東京,そしてベルギーで学び,印象派の技法を学んで帰国した画家・太田喜二郎の軌跡をたどる。・・・かっちりした東京時代,一気に光と色にあふれるベルギー時代,そして日本の農村と洋画の融合を図った帰国後に分類される。個人的な印象は,生真面目というものだ。デッサン力も構成力もあるのだが,それゆえにある枠に収まっていて,ぐっと迫ってくるものが少ない。印象派タッチなのに,線が整い,きっちりと影を描いている,というのに驚いた。〈第2章 太田喜二郎と藤井厚二の交流〉藤井厚二は太田喜二郎の自宅を設計している。さらに2人は京都大学の教授としての同僚というだけでなく,茶の湯を通じて交流を深めていた。・・・ヨーロッパ帰りの太田と話が合うのが藤井だけだったのではないか,というのが姉の読みだ。〈第3章 藤井厚二〉藤井とい言えば,奇跡的なバランスで設計されている自宅〈聴竹居〉で再評価がされている。その図面や模型,そして彼が手掛けた作品が紹介されている。・・・細部まで設計するということの尊さを感じる。もちろんビルでそれをやられたら施工者側は迷惑だが,住宅には必要だろうなあ。ーーーーーーーーーいまだに,「なぜ目黒」という気持ちが残っているが,小さな企画展をきっちりと東京でも開催してくれて大変ありがたい。
2019.08.04
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ある社内イベントがあって,週末だけれど参加してきた。ーーーーーーーーーイベントは10時開始なのだけれど,例によって7時頃に出社をして,例によって仕事はせずに,食堂で本を読んでいた。一応9時くらいからはデスクに戻ってメールを処理していたが,休もうと思っていた月曜日に打合せを入れられていて・・・しかも3件・・・泣く泣く振替え休日を諦めた。ーーーーーーーーー打ち上げの飲み会は参加しなかったけれど,それでも帰宅は7時過ぎなので,丸一日十分使ってしまった。うーん,いろいろ出来ないことがあったなあ。
2019.08.03
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結城光考の長編「プラ・バロック」の主人公・クロハが登場する連作短編集を読んだ。〇ストーリー高速のパーキング・エリアで,人間のものと思われる指が発見され,自動車警邏隊のクロハはそこに臨場する。だが警察の各部署がこの”遺失物”に対して興味を失う中,クロハは地道に捜査を行い,指の持ち主につながる情報を拾い集める。そして・・・ーーーーーーーーー「プラ・バロック」がサイバーパンク風な味わいで,近未来のような世界観だった。今回の短編集も,題名からしたらそうだろう,と勝手に思っていて,大きく肩透かしをくらった。確かに衛星を使っているけれど,それを使っているに入れたら僕だって誰だって毎日衛星を使っている・・・あ,それはそれでサイバーパンクだなあ。ーーーーーーーーーまだ刑事になる前の,自動車警邏隊所属のクロハが描写されている。連作短編集で,多少時間は前後するものの,いくつかの事件が絡み合っているので,1つの長編と読むことも可能だ。いくつかの偶然で,クロハは捜査本部に召集される。いつもは冷静なクロハが,柄にもなく新人っぽいのがちょっとだけ可愛らしい。とは言え,全体はいつものぶっきらぼうなクロハだけれど。サイバー色がなく,通常の警察小説なのだが,クロハがラッキーカード引き過ぎだろう。ーーーーーーーーー長編以上に,人に愛されて,評価されているクロハ,ちょっと安心した。
2019.08.02
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朱川湊人の長編小説を読んだ。〇ストーリー小学5年生になろうとしているハヤトは,同じ団地に住むトンダじいさんからオルゴォルを預かり,これを鹿児島のある人に渡すように頼まれる。旅費として提示された金額に目がくらみ,ハヤトはそれを請けるのだが,間もなくトンダじいさんは死んでしまう。宙に浮いた約束を持ったまま春休みを迎えたハヤトは,母親と離婚した父親が住む大阪へと旅行する。だが,そこであることを見てしまった彼は・・・ーーーーーーーーーーこの作品の感想文は,感動をしたという肯定的なものが多く,一部で押し付けっぽいという批判的なものもある。いずれも朱川湊人という元ホラー作家が,なぜ急に優等生的な空気のある作品を書いたのか,という僕の疑問には答えてくれない。ーーーーーーーーーーまるで重松清のような設定で,主人公・ハヤトは母子家庭の少年で,母親は給食費を払っていない。ハヤトも大人しい方ではなく,時々いじめも行っている。その後も,ハヤトといじめられっ子のシンジロウの,ハヤトと母親の,といくつか絡み合った人間関係が語られ,ハヤトは大阪へと旅立つ。そこで彼を待っていたのは・・・うーん,なかなかキツイ。父親がとにかくいけないよな。ーーーーーーーーーーこの流れ,この後の意外な旅行を含め,だんだんと説教臭くなるのが困る。せっかくの自由な旅行なのだから,もっと自由でいいと思う。でもやたらと真面目なキャラが顔を出して,さくさくと進む。もうちょっとハプニングがあっても良かったよなあ。ーーーーーーーーーー個人的には劣化版・重松清で,いろいろ説得力が不足していると思った。
2019.08.01
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