窓辺でお茶を

窓辺でお茶を

October 14, 2006
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カテゴリ: 展覧会

夢の島に行くのは初めてでした。ソテツやユーカリ、その他の木々が大きく育っていて、木と草の匂い、排気ガスのにおい、海の匂いが混ざり合っただだっ広いところでした。焼却炉の煙突が3本ありますが、1本は休止中と書いてありました。展示館には、ウォーキングのコースを歩いていくようになっています。

 一歩入るとすぐ第5福龍丸があり、なにか生々しくて、厳粛な気分になりました。下から見上げると大きい、と最初は思いましたが、はるか遠くまで大海原を波にもまれて行くには小さいかもしれません。23人の乗組員がそこで家族と離れて生活しながら、漁をしていたのですね。年月もたっているし、長いこと放置されていたせいか、ペンキがはげていますが、出発した当時はきれいに塗ってあったのでしょう。

 横にベン・シャーンの絵(ラッキードラゴンのシリーズとその他少し)とアーサー・ビナード氏のことばから構成された絵本の展示あります。ベン・シャーンの原画の展示は15日までですが、絵本の展示は11月20日までです。入場無料

 ベン・シャーンは オルゴールの小さな博物館 で見て、その心の暖かさに惹かれたのでぜひ見たかったのです。会場で9月に出版された絵本「ここが家だ  ベン・シャーンの第5福龍丸」を買いました。
当時の新聞記事などの資料は常設だと思います。生徒たちが祈りをこめて折った千羽鶴がありました。
乗組員のかたの入院中の写真がありましたが、労働で鍛えられた肉体でした。強靭な肉体でも、放射能にはかなわなかった、と思うと悔しいです。体調に異常をきたしてから、航海中へたに助けを求めると、機密を目撃したとして攻撃される恐れがあるのではないかと、語らず日本に帰ってきたのだそうです。

 犠牲になった無線長だった久保山愛吉さんはなくなる前に「原爆被害者は私を最後にしてください」と言ったそうです。3人のお子さんを残して働き盛りで逝かれた無念はいかばかりだったでしょう。はたして私たちは「まかせてください、安心してお休みください」と言えるでしょうか。考えてみれば、ウラン型原爆、プルトニウム型原爆、水爆と、すべて日本人は実験台になったのです。この悲しい体験をやはり世界に伝え、核の廃絶のために努力すべきです。


けれど、わすれるのを じっと まっている ひとたちもいる」
遺影を掲げる子供とたくさんの鳩の絵のページに描かれたことばです。

 夢の島のほかに、福島県立美術館、丸の内ギャラリー、鎌倉ドゥローイング・ギャラリー、ギャルリー412、名古屋画廊でベン・シャーンの展覧会を開催中、またはこの後開催するそうです。

 熱帯植物園も見たかったのですが、入場時間を過ぎてしまいました。まわりにオレンジ色のコスモスと蕎麦の白い花が咲いていました。15日に蕎麦の収穫体験ができるそうです。

 広い芝生があるのですが、またヘンな看板を見つけてしまいました。
「犬のひとり歩きはいけません」えっ?誰に言っているのだろう?と見直してしまいました。そのあとに「散歩のときも、リード、引き綱でつないで歩きましょう」と続いていました。なるほど、そういうことだったのね。でも、なにか変ではないですか?





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最終更新日  October 14, 2006 11:38:23 PM コメント(5) | コメントを書く


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