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2024.04.14
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カテゴリ: 安楽伝 全39話



第22話

谷底に転落した任安楽(レンアンルー)と韓燁(ハンイェ)だったが、洞窟で寒さをしのぎ、体力を回復した。
韓燁は自ら魚を捕まえ振る舞ったが、安楽は一口食べただけで韓燁に料理の才能がないと気づく。
そこで今度は狩りに挑戦、しかしどんなに兵法や武術に通じていようと、韓燁はウサギも捕まえられなかった。
安楽は思わず鼻で笑ったが、自分を解放した韓燁はこれまでとは全く違う反応を見せる。
「任安楽、″兎も怒れば人を噛む″という…太子も同じだ」
意味ありげに笑う韓燁、そんな韓燁の姿に安楽はいつの間にか心を揺さぶられていた。
「韓燁、見て!梅の花よ!」


↓( ゚ェ゚)割れてんな〜@アンルー


翎湘楼(レイショウロウ)では洛銘西(ルォミンシー)が未だ消息不明の安楽を心配していた。
すると苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)が駆けつけ、川辺で飲みかけの果実酒を見つけたと酒瓶を渡す。
酒の匂いを嗅いだ洛銘西はついに″あの方″が姪孫(テッソン)を救いにやって来たと気づいた。
あの方とは天下を遊歴する帝家の主・帝盛天(ディセイテン)だった。

( ゚д゚)え?お祖父ちゃん生きてるの?!

その夜、安楽と韓燁は暖を取りながら美しい星空を眺めた。
韓燁は安楽にそれとなく安楽寨(サイ)での幼少期を尋ね、梓元の暮らしぶりを聞き出すことにする。
しかし予想外に海賊の暮らしは厳しいものだった。
安楽は幼い頃から武術の稽古と航海の毎日で、食事も湯浴みも早い者勝ちという生活だったという。
「寨主の娘だからと言って特別扱いは許されない、実力がものを言う世界よ」

「怒ることないわ、私は令嬢じゃない、海賊の娘よ?でも当時の苦労も殿下に会って報われたわ」
安楽はいつものごとく茶化して笑ったが、韓燁はこの機に自分の胸の内を明かすことにした。
「都に戻れば太子として帝承恩(ディチォンエン)を娶らねばならぬ」
安楽はついに決別の時が来たと覚悟した。
その時、流星群が現れる。

「私の願いは天でも叶えられない…そうでしょう?」
「任安楽…私は任安楽という女子に心を動かされた、だが帝梓元(ディヅユアン)を生涯、守り続ける
 この言葉を忘れないでくれ」
すると韓燁は安楽の額にそっと口づけした。
「そろそろ都に戻らねば…しかし最後の瞬間まで大切に過ごそう」
「…はお」

↓見事にピッタリはまった横顔ヲヲヲヲヲ…w


翌日、安楽と韓燁は谷を出ることにした。
しかし道すがら安楽がつまづいて足首を捻ってしまう。
一方、安寧(アンニン)や温朔(ウェンショウ)たちはこの数日、寝る間も惜しんで皇太子と安楽を探していた。
すると草むらの向こうから安楽を背負って歩って来る皇太子を見つける。
「殿下だ!殿下たちです!」
安寧や温朔が安堵する中、冷北(ランベイ)だけは複雑な面持ちで皇太子を見ていた。
…まさか本当に生きていたとは…
こうして幕を閉じた梓元と韓燁の夢のような時間。
「梓元、ここまでだ…」
韓燁は自分の背中で眠ってしまった安楽に思わずつぶやいた。

洛銘西は安楽が無事に見つかったと聞いた。
しかし安楽たちを襲ったのはやはり忠義(チュウギ)侯ではない別の者だという。
洛銘西は琳琅(リンロウ)に調査を命じると、ようやく身体の緊張が解けた。
机の上では大事に育てた長思花(チョウシカ)がつぼみを付けている。
一方、皇帝も安寧から届いた皇太子からの手紙を受け取っていた。
皇帝として冷静を装っていたが、やはり息子を思う父親に変わりはない。
韓仲遠(ハンチュウエン)は急に安心して立ちくらみを起こしたが、その顔には笑顔があった。

韓燁と安楽は同じ馬車で帰途に着いた。
韓燁は変わらず安楽を気遣っていたが、安楽は都を前にすでによそよそしい。
「これからは別々の道よ、それぞれの願いが叶うといいわね…」
一方、馬車を先導している安寧は兄の様子が変わったと気づいていた。
…たぶん梓元だと気づいたのね、いいえ、まだ分からない…

洛銘西は城門で安楽を出迎えた。
「太子殿下と任大人(ダーレン)のご無事をお喜び申し上げます」
ついに別れの時が来た。
「任安楽、谷に落ちてから今まで私は幸せだった
 私は帝承恩を娶らねばならないが、だが喜ばしいのは君が任安楽であることだ
 任安楽のまま生きてくれ、君が任安楽でいる限り私は安心だ」
「太子殿下、私には殿下を安心させることよりやるべきことがあるの」
安楽は馬車を降りることにしたが、その時、思わず韓燁は安楽の手をつかんで引き止めた。
「陛下が国を治める覚悟は君が想像する以上だ
 傍若無人な君を私が守れる日まで陛下を敵に回すな、無事に生きろ」
「誤解していない?陛下は名君で、私も大恩に感じ入っている、敵に回す必要はないわ」
すると安楽は手を振り解き、馬車を出た。

帝承恩は皇太子と任安楽が同じ馬車で帰ったと聞いて憤慨した。
もともと親しい2人が何日も人の通わぬ谷底にいたのなら、韓燁の心変わりも考えられる。
焦った帝承恩は太子府へ見舞いに行くと決め、化粧で憔悴を装うことにした。

韓燁は安楽が自分と偶然を装って出会い、求婚したのも策略だったと気づいた。
水軍まで差し出した目的が皇太子妃の座でも官職でもなければ一体、何なのか。
そこへ安寧が見舞いにやって来た。
すると兄が書いた安楽の絵姿に気づいて確信する。
「やはり気づいたのね、安楽と梓元が同一人物だと…
 私も気づかなかった、ずっとそばにいたのに…でも悲しいけれど嬉しくもある」
「私も同じ気持ちだ、気づくのが遅すぎた」
韓燁は梓元が自由の身だったと知って嬉しかったが、海賊稼業の厳しさを思うと胸が痛んだ。
梓元がこれからも安楽のままで生きてくれることを願う2人、どちらにしても韓燁は自分が必ず梓元を守ると誓った。

都は雪になった。
洛銘西は回廊で物思いにふけっている安楽を心配し、手あぶりを届ける。
「韓燁の態度が以前と変わっていたな…未練があるのか?」
「谷底での数日間だけよ」

吉利(キツリ)が皇太子の包帯を替えていると、いきなり帝承恩が戸を開けた。
驚いた韓燁は慌てて下衣を羽織ったが、帝承恩は皇太子の傷を見て驚愕する。
「侍衛が付いていながら太子殿下に怪我を?!不届きもの!」
吉利はひざまずいて罰を請うたが、韓燁は罪などないと許して吉利を下げた。

帝承恩は皇太子を牽制するため、自分のためにも御身を大切にして欲しいと諌めた。
「10年前に弟の燼言(ジンイェン)を失い、天涯孤独の身となった私にはもう殿下しかいません」
しかし韓燁は自分に負い目を感じさせるため弟の名を出した帝承恩に嫌悪感を抱き、早々に追い返してしまう。

つづく


( ๑≧ꇴ≦)シックスパックを見せつけるジュゴンw





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最終更新日  2024.04.14 23:10:13
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