PR
Comments
Freepage List
Keyword Search
迷宮美術館で、また、大昔の記憶の底の絵に出会いました。
アルノルド・ベックリンの「死の島」です。
これは、ものすごく有名な絵なのでそうで、ドイツでは誰もが知っているとか。
そして、誰もが、この暗い絵に、言いようのない安らぎを覚えているのだそうです。
たとえば、第一次世界大戦の時は、この絵のついた、膨大な数の絵ハガキが、戦場と家族を行き来し、お互いの無事を祈りあったそうな。
この絵に何故、人は惹かれるのか。番組は、そういう分析をしてくれました。
私がこの絵に出合ったのは、小学校4年生の時。
家を建て替えるとのことで、両親が子供部屋に掛ける絵を選んでいいと、古い複製の画集を渡してくれたのでした。
その中には、モナリザやドガのエトワールなど、有名な絵の複製がたくさんあって、それぞれA4くらいのサイズの、台紙からはずせるタイプの、
それは、もう、とても古い画集で、ところどころ虫食いがあったり、実際に、小さな虫が押しつぶされてはさまっていたり、
ちょっと気味の悪い本なのでした。
その中に、この絵がありました。
題名は、横文字だったので読めなくて、しかも、画家を長い間、ギュスターヴ・モローだと思っていました。
たぶん、ドクターモローの島と混ざっちゃったんですね。
この絵を見ていると、絵の中の島に上陸し、森の奥まで入って行かれそうでした。
そこに何があるのか、わからないけど、そこは、懐かしい場所で、落ち着けそうでした。
番組の解説を聞くまで、この「死の島」が、死者を葬るための島で、真ん中の船に乗った人は棺桶を運んでいるのだと知りませんでしたが、この島が、最後の場所であることは、よくわかっていました。
ギリシャ神話の、オデュセウスの探検した島だと、勝手に思っていましたっけ。
解説によると、この絵の包み込むような島の形が、胎児となって包まれる幻想を抱かせる。とかなんとか言ってましたけど、確かに、そう言われてみれば、そんな気もします。
画家の自画像は、髑髏と仲良しみたい。
いつか死の床にある時、許されるなら、幼子のように安心して眠りたいものです。
そんな安らかな自分を、想像します。
「死の島」の絵を見ると、そんな、思いが沸いてきます。
許されて 眠れる我は 幼きに 死の島となり 抱きしめんかな
なんだか、よくわからない歌だわ。 無理かも........
割れたもの壊れたものの景色ゆえ 繕う心… July 1, 2013
置き去りの吾子住む国を覆う雲 地震(な… June 16, 2013 コメント(4)
古稀寒夜ひとごとのやふなり想定外気づけ… January 5, 2013 コメント(2)