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阪神先発の秋山拓巳投手(30)が、7回4安打無失点の快投でハーラートップタイ9勝目を挙げた。
「連敗していたんで、僕が止めるという気持ちで、立ち上がりからしっかり投げようと思って投げました」。先発投手が先制を許して3連敗。負ければ首位陥落の可能性もあった試合で、悪い流れを完璧に断ち切った。
打席に立った中日小笠原が、思わず苦笑した。5回2死一塁。1ストライクから鋭いナックルカーブに、バットは大きく空を切った。「カーブをしっかり使いながらやれればと思っていた。勇気を持って投げることができましたし、カットボールがすごく有効に使えたので、うまく組み立てていくことができました」。
全ての球種が存在感を見せた。5回までの4三振は全てフォークで奪ったもの。打者が見送り始めると、今度はカウント球として使った。「僕の1つの武器なので、消さないようにというのは心掛けながら投げました」。最後まで的を絞らせず、反撃のチャンスを与えなかった。
その生命線のフォークを、前半戦で1度控えたことがある。「その1カ月ぐらいは、いろいろやろうとしすぎて、ちょっと苦しい時期はありました」。フォークを見切る相手に合わせて、自分のスタイルを変えてみたが悩むばかり。前半戦最後にもう1度、原点に立ち返った。「ストレートもしっかり投げて、フォークボールもどんどん使っていって、また自分らしさが出てきたと思う」。試行錯誤で実感した「長所を消さないこと」。大切な気づきを胸に後半戦は腕を振る。
安定感抜群で後半連勝発進の“サンデー秋山”に矢野監督も最大級の賛辞だ。「いやあ、申し分ないよ。アキのピッチングが、きょうの試合のほぼすべてというか、そんな内容だった」。このまま先発ローテを回れば、9月は日曜日の巨人戦に3度当たる日程になる。秋山はかねて「巨人に当ててもらえるような投球を」と話しており、望み通りのマッチアップ。眼下のライバルを一気に突き放す意気込みだ。「今日いい勝ち方ができたので、火曜日、青柳頑張ってくれると思う」。まずは同じく9勝の青柳へ、最高のバトンを渡した。
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