全41件 (41件中 1-41件目)
1
3月に行いましたベトナム料理とワインの会のワイン、続いてはやはりアジアンな料理には定番のロゼです。チャコリ・チョミン・エチャニス・ロサード2015。生産者チョミン・エチャニスはスペイン、バスク地方のワイナリーです。チャコリは、バスクなどスペイン北部の地域で造られている微発泡のワインで、地元の地酒といったものでしたが、近年はモダンな造りを志向するワイナリーも増えているようで、チョミン・エチャニスもそんなワイナリーの一つ。因みに、バスクは雨が多いそうで、ブドウ栽培も日本の様な棚栽培を行う所があるのだとか。セパージュは、オンダリビ・ズリというチャコリ定番の白ブドウと、その近縁種である黒ブドウのオンダリビ・ベルツァが半々。価格は3000円程度です。色は紫感のあるピンク。透明度は高いが薄い淡いとは違う感じ?香りはピンクグレープフルーツに、ラズベリやーストロベリーなどの赤いベリーなど、フレッシュなフルーツ感がありつつ、フルーツでも熟したチェリーやドライベリーっぽさなど濃い要素も。その他軽い洋梨?の様なニュアンスや、若干のスパイスやハーブ、それに赤い花といったものも感じられたでしょうか。味わいはフレッシュ。明るい酸がじわりと、しかし前に出つつ広がります。そこに、意外とトーンの低い果実味がすっと乗っかる感じ。ボディはライトで、パリッとしたハリがあり、かつ、微発泡していますのでその辺がフレッシュさにつながっているのかなと。また、ロゼですが、流石に渋味の印象は無し。会では、ゆで豚のタイミング位から飲み始めました。個人的に少し残していた青パパイヤのサラダとの相性はまずまずで、白ほど劇的ではありませんが、フレッシュさと食感の相性、それに、豚やエビを合わせてやることでそのコクとの相性の良さを感じることは出来ました。一方でゆで豚とはソース次第な感じでした。魚介系のソースとは、意外と魚の生臭みを引っ張るような感じがあり微妙。スイートチリ系のソースなら、その甘みやスパイシーな香り、それに豚の旨みに対し、ワインのフレッシュさや程々のコクがよく合いました。その他、牛肉のブドウの葉巻きとは牛肉のコク、ブドウの葉の香りが思いのほかよく合いましたし、鶏肉のヨーグルトラーチャン包み焼きの甘みと旨みにも良好。こちらも、食事にはよく合ってくれました。シンプルに泡のフレッシュさがビール的に合うのもありますが、やはり香りの赤いニュアンスやスパイシーさ、果実味と言ったものの存在の大きさはあったように思います。ワインとしては、意外な果実感の強さを見せてくれましたが、それでもやはり微発泡と言う事もあって爽やか、それこそ花見の席や夏場の夕暮れなどに楽しいワインではないかと思います。チャコリ・チョミン・エチャニス・ロサード 2015【スペイン】【ロゼワイン】【750ml】【ミディアムボディ寄りのライトボディ】【辛口】【微発泡】【バスク】【ピンチョス】【オンダラビ・ズリ】【オンダラビ・ベルツァ】楽天内では写真のお店で投稿時3002円。花見ワインとしては間違いないでしょうね。にほんブログ村
2019年04月03日
コメント(0)
先々月に行いましたちょっと熟成したワインの会のワイン、続いてはスペインです。ゴンザロ・デ・ベルセオ・グランレゼルヴァ2001。生産者ルイ・グルペギ・ムガは、1872年にリオハに設立されたワイナリーです。重力に逆らわないワインの移動を極めて早い段階から導入したようです。近年では早い段階からリリースするものも散見されますが、リオハでは伝統的に長く樽熟成させており、グランレゼルヴァでは最低60か月の熟成が義務付けられています。セパージュはテンプラニーリョ75%、グラシアーノ15%、マスエロ10%。価格は、楽天内で5292円です。色は黒さがありますが、ガーネット、レンガ的な雰囲気も見えます。エッジにはよりはっきり出ていました。香りはバルサミコっぽさや黒い土、ブラックオリーブ、乾燥タイム、茶色いスパイスといったものがよく出ており複雑さを感じます。ただ、赤ベリーやブルーベリーのジャムやドライフルーツ、ドライプルーンといったフルーティさもしっかり。その他、キノコっぽさやビターチョコ、微かな黒蜜などの要素も感じられました。味わいは、開けたては閉じ気味。徐々に開いてくると果実味のアタックをしっかり感じられました。今回のワインの中では一番あったかもしれません。そこに、しっとりとした、しかし明るい酸味がジワリと加わってきます。渋みはありますが割とおとなしく、果実味や酸と共にすっと広がるといった所。ボディはフル。まろやかさと膨らみを感じるものです。会では、ラザニアやキプロスの焼きチーズのところで飲みました。ラザニアには、これはもうバッチリ。ミートソースのコクや甘味、塩気にワインの果実香や果実味、仄かな渋味とスパイシーさがよく馴染みます。また、たっぷりなチーズのまろやかさにも果実味や酸がいいです。加えて、使われていた、旨みを吸ったナスにも合いますね。キプロスの焼きチーズは、まろやかさがありますが、非常にニュートラルな味わいで、マリアージュ、と言う感じではありませんがつまみには非常に良かったです。熟成の雰囲気もありつつ、それでも果実味の強さ等まだ若さも感じさせてくれ、バランスの良さとインパクト両方を楽しめるワインでした。思えば結構久々のリオハワインでしたが、やはりいいですね。特に、ラザニアなどトマト系との相性は間違いなしです。[2001]ゴンザロ・デ・ベルセオ グラン・レゼルヴァ / ルイ・グルペギ・ムガ / スペイン / 750ml / 赤【HLS_DU】楽天内にも扱いがあります。モダンな早飲みスタイルとクラシックな熟成リオハのいいとこどりなワインと言えるかもしれません。にほんブログ村
2018年08月02日
コメント(0)
今回はスペインのシラーです。パーヴュス・シラー2011。生産者アルタ・アレーリャはバルセロナからほど近いアレーリャという自然保護地区にあるワイナリーです。自然保護地区内の産地ながらスペインの原産地呼称を認められているという面白い場所となっています。創業は1991年と最近で、ベルモットやスプマンテでお馴染みのイタリアのマルティーニ・エ・ロッシのスパークリング部門の技術責任者をしていたホセ・マリアが、開墾・植樹からスタートしました。という訳で、やはりカヴァに力を入れています。また、栽培ではビオロジック、さらに、醸造ではカヴァながらアンセストラル方式で酵母・糖・酸化防止剤を添加しないものを作るなど、自然派な生産者でもあります。こちらは、そんなカヴァに力を入れている生産者の、シラーを用いたスティルワインになります。価格は、写真のお店で2689円。色は赤黒い感じですが透明度はあり、濃いルビーといったところでしょうか。香りはフルーティさが強くラズベリー、クランベリー、ストロベリーといった赤ベリーや、ブルーベリー、ブラックベリー、さらに、それらのジャムやコンポートといったものがよく出ていました。そこに、シナモンやクローヴっぽさといったオリエンタルスパイス感が加わります。血や肉の感じなどはあまりなく、フルーツ+スパイスの印象が殆どでした。味わいは香りに似合った果実味中心なもの。そこに、乳酸系のしっとりした酸とそこはやはりシラーらしいしっかりした酸が入ってきてバランスを取っています。果実味にゴツさはなく、加えて丸くまろやかな口当たりも相まって、ジューシー乍ら穏やかなワインという印象。ボディもミディアムフルといったところでしょうか。食事との相性では、先ずはローストビーフをつまんでみましたが、香りの面での相性は悪くないもののそこまで際立った感じは無かったものの、味わいの面ではやはり、存在感のある渋味と肉の旨み、脂の相性は良かったですね。また、鶏肉じゃがにトマトピューレを加えたトマト肉じゃがをしてみたところ、トマト+醤油+砂糖、さらに肉の旨みや脂、そしてタマネギの甘みがあいまった味わいに、ワインの果実味中心の味わいがよく馴染みました。香りでも、ベリー感とトマト中心のそれが中々いい感じ。あとは、バルサミコ酢を使ったブリ大根をも試してみましたが、こちらもブリのコクと甘辛い味わいにまずまずでした。フルーティで柔らかさのあるワインですので、赤身の肉などにももちろん悪くありませんが、色が黒くて甘辛い味わいとの相性はよさそうです。黒酢の酢豚とかもいいかも。スペイン、そして自然派という事でか、いわゆるシラーのイメージとはちょっと違ったものでしたが、ワイン自体はフルーティでとっつきやすいものではあります。にほんブログ村
2016年02月16日
コメント(0)
今回は熟成感も感じられるスペインの赤です。ヴィエホ・マルチャンテ・グラン・レゼルヴァ2007。生産者ボデガス・ナバロ・ロペスは1904年創業のボデガです。ラ・マンチャの南部、バルデペーニャスにあります。バルデペーニャスとは石の谷、という意味だそうで、その名の通り石の多い渓谷になるそうです。気候は大陸性で夏は暑く冬には寒い、寒暖差の大きいものとなっており、そのような環境でカベルネ・ソーヴィニヨンやアレイン、そしてセンシベル=テンプラニーリョ等を栽培しています。セパージュは、テンプラニーリョ100%。価格は、写真のお店で1479円。色はややレンガ感も見えるルビー。透明度は高くグラスの底がキッチリ見えます。香りは、ラズベリー、ストロベリー、ブルーベリーといったベリーフルーツ感がしっかり。そこに、焼きイモっぽさや金時人参のようなニュアンスが加わります。その他、黒い土や古木の雰囲気、それにバラ的な赤い花の要素も感じられたでしょうか。味わいは、色合いに似合った酸主体なもの。しっとり乳酸系のそれですが、もっともインパクトを与える要素です。そこに、旨みや割とシュッとした渋みが加わってきます。果実味は酸の後からじわじわ膨らんでくるような印象。ボディはミディアムでクリアーさを感じるタイプですが、タンニンは渋みの印象通りしっかりしており舌触りにもその印象を残します。食事との相性では、和牛のたたきをつまんでみたのですが、相性としては悪くないものの肉の脂にやや圧され気味だったでしょうか。タンニンのおかげで印象が完全に消されるようなことは無いのですが、引き立て役感は否めないかなあと。そこで、赤身の多いローストビーフを合わせてみましたところ、そちらとはいい感じ。肉の旨みと脂にワインの旨みや渋みがよく馴染んでくれますし、香りの面でもいい感じ。グレービーソースが付いていましたが、ソース有りでも無しでも行けますね。その他、お寿司を合わせてみますと、流石に白身などには合いませんが脂の乗ったブリやツメで頂くアナゴなどとは結構いけてしまいます。ブリの脂にワインの渋みがいいですし、肉よりボディは馴染む感じだったかも。アナゴとは、やはりツメの甘辛さとワインの果実味ですね。ただ、魚の味にワインの質感や旨みもいけてます。程々に熟成感が楽しめ、かつ、赤ワインらしい果実味や渋みのバランスもあり、これもまたコストパフォーマンスの高い1本だったなと。8年熟成した、こういったバランス感のあるワインが1500円で買えてしまうというのは、やはりイベリア半島の強みですね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年09月11日
コメント(0)
今回はスペインの赤です。なかなかの掘出し物でした。ヴェガヴァル・プラータ・レゼルヴァ2006。生産者ミゲル・カラタユドはスペイン、ラ・マンチャ州のバルデペーニャスのボデガです。1940年創業という新しい作り手で、センシベル=テンプラニーリョの他、カベルネ・ソーヴィニヨンやガルナッチャ、それにヴェルデホなどの品種を栽培しています。畑の土壌が、石灰を含むものの赤土メインというのは特徴的かもしれません。台木もアメリカ産、樽もアメリカンオークのみです。セパージュは、テンプラニーリョ100%。価格は、写真のお店で1728円。色は熟成感を感じるガーネットですが、透明度は低いです。ただ、エッジは赤さと透明感があり鮮やか。香りはダークチェリーやチェリージャムがよく出ており、そこにブラックベリーや赤ベリー、アセロラ、それに赤ベリーのジャムといったものが加わるフルーティなもの。その他、茶色いスパイスや胡椒っぽさ、赤い花、バニラ、それになめし革や少々のハムステーキっぽさといったものもあり中々に複雑さも感じました。味わいはバランス型。しっとり系の酸が主体ではあるものの、そこまで強いものでもなく、ぴったり寄り添う穏やかな果実味と共にやさしさがあります。一方、タンニンは中々に存在感があり、舌触りにも感じられますし、渋みは第一印象から後口までずっと存在感を見せます。ボディはミディアム。こなれた印象で、クリアーさやなめらかさがあります。食事と合わせてもいいですし、単独でも味のバランスの良さや香りの複雑味のおかげでちびちびと飲み続けられますね。そんな中、面白かったのがカルボナーラローマ風。全卵を使った濃厚な味わいとたっぷりの黒コショウの風味が、ワインの渋味、香りのスパイシーさや肉系のニュアンスによく合いました。また、玉ねぎのみじん切りを用いたため甘さも出ていましたが、その辺も果実味といい感じだったように思います。また、照り焼きチキンステーキも合わせてみましたが、鶏肉の旨みとの相性もいいですね。鉄っぽさを旨みに引っ張る赤ワインと鶏肉独特の相性の良さを感じられました。一方、和牛のたたきをつまみますと、ちょっと肉の脂に圧され気味な感じでした。バランスの良さ、香りの良さがあります。熟成の雰囲気も感じられますし、スペインのコストパフォーマンスの高さを改めて見せつけてくれる1本だったと思います。これは、コスパ会で是非使いたいワインです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年07月05日
コメント(0)
最近スペインが続いたので、今回もスペイン赤です。ティエラ・セレナ・テンプラニーリョ・レセルバ2004。生産者アルティガ・フュステルは2002年に、ニューヨークでソムリエをしていたマルティ・ケール氏がペネデスに設立したボデガです。ただ、ブドウはペネデス以外の産地のものも使用しているようで、実際、本ワインのブドウもラ・マンチャのものになるそうです。ニューワールド的なマーケティングを導入しつつ、ワイン作りや会社の運営におい、てサスティナブルを意識するなど、極めてモダンな作り手と言えるでしょう。セパージュはテンプラニーリョ85%、ガルナッチャ12%、カベルネ・ソーヴィニヨン3%。価格は、写真のお店で1026円。色はガーネット。流石に熟成を感じます。透明度もしっかりありますね。香りは、熟成を感じる土っぽさや、若干のカツオブシ感がありますが、それでも黒ベリーや赤ベリー、レーズンバター等フルーツのニュアンスもまだまだ元気。加えて、黒コショウや茶色いスパイス、それに少々の紅茶っぽさといったものも感じられました。味わいは、流石に酸味中心の落ち着いたものになっています。しっとり、しかし明るさのある乳酸系の酸がパッと広がり、そのあとから穏やかで繊細な果実味が滲むように出てくるといった印象。また、後口に掛けては旨みも。ボディはライト。クリアーで、丸さがあります。酒質は柔らかく、エキス分もあまりありません。食事との相性は、むしろ肉系より魚系の方が合わせやすいくらい。香りの印象から、カツオのたたきを合わせましたが、問題なく行けます。ワインのフルーツ感がソースっぽい感じで馴染みますし、魚の旨みとワインの旨み、クリアーさがこちらもしっくり。ただ、ポン酢がたっぷりついているとワインが負け気味ですね。塩カツオでちょうどいいかもしれません。また、同じ赤身ということでマグロもつまんでみましたが、トロにはちょっと弱いくらいかも。赤身で十分ですし、軽く漬けにして旨みを増やすとなお良さそうな印象でした。手頃な価格で、こなれたワインを楽しめるという1本でした。冷静に考えて、この価格帯のワインで10年熟成していてまだフルーティさを感じられるというのは結構すごい事ですよね。スペインには、こういうワインが時々あって面白いなと感じています。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年02月10日
コメント(0)
今回もスペインの赤です。やや値段は上目なものになります。フィンカ・モレニーリョ2010。生産者セリェール・ピニョルはカタルーニャ州で近年注目度が高まっているというDOテラ・アルタのボデガ。創業は1945年、元詰めを始めたのは現当主がワイン作りに参加した1995年からという新しい作り手です。ワインに使用する8割が自社ブドウで、現在有機栽培の面積を広げているそうです。国際品種も栽培していますがあくまでもブレンド用。メインは地場品種にこだわっています。セパージュはモレニーリョ100%。テラ・アルタの地ブドウでしたが、近年はあまり栽培されておらず、以前もバルクワインに使われていた程度のものだったそうですが、それを復活、さらに高級レンジとして仕上げました。価格は、写真のお店で5076円。色はガーネット。鮮やかで、透明度も高いです。香りはベリー感強めで、黒ベリー、青ベリー、赤ベリーどれも感じられます。また、干しブドウやマラスキーノっぽさといった加工されたフルーツのニュアンスも。その他、オリーブやキノコ、腐葉土、それに茶色いスパイスといった要素も感じられました。味わいは果実味の印象が拡がるも、それは落ち着いていて繊細なもの。そこに、これまた落ち着いた乳酸系の酸やシュッとした渋みが加わってきます。全体としてバランスがよく、穏やかなワインですね。後口にかけて旨みも感じますが、それも浮いたものではなくナチュラル。ボディはミディアム。エキス分も程々で、クリアーな質感ながら柔らかさがあります。スパイシーさはあるのですが、全体的にバランス型で綺麗なワインで、あまり濃いい肉料理などに合わせる感じではありません。ローストチキン、それも胡椒と塩だけのものをつまみますと、肉の旨みや脂感、胡椒の香りにワインの香りや味わいがよく馴染みました。恐らく、ニンニクの利いたものなどですとこうはいかないかなと。また、牛では厳しいかなと思いましたが、意外とよかったのがおでん。煮込まれ柔らかくなりつつも脂っこさが落ち、ダシの旨みが入った肉に、ワインの旨みや果実味が嵌る感じでした。ダシや昆布の要素の強い香りの面でも違和感なしです。その他、カツオのたたきにも無難に行けました。合わせ方としては、ちょっとスパイシーなピノ・ノワール、或は、オーストリーのブラウフレンキッシュのような感覚でいいのかなと。世界的に、赤ワインはエレガント系が人気となってきているようですが、このワインもその流れに乗っていますね。製法の部分もあるのでしょうが、ブドウ的にあまり濃厚な作りにはならないようです。最近作られなくなってきている地場品種ですが、これからの時代には面白い品種なのではないでしょうか。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年02月08日
コメント(0)
今回はスペインの赤。カタルーニャのワインになりますがセパージュは南仏っぽい感じ。レキリブリスタ・ティント2011。生産者カ・ネストラックはバルセロナの北西にあり、その歴史は1548年まで遡ると言います。もっとも、現在のワイナリーは1981年に創建。バルセロナの高級ワインショップのオーナー一族の手によるそうです。セパージュは、シラー45%、ガルナッチャ35%、カリニェナ20%。価格は、写真のお店で2187円。色はガーネット系ですが、赤黒さが強いなという感じ。香りは、クリームやココナッツ、レーズンバターといった濃いニュアンスがよく出ています。樽もしっかりかかっているのでしょうね。また、同じく濃いニュアンスでも、黒蜜系の雰囲気も感じられたでしょうか。その他、やはりフルーツ感は強いですが、ラズベリーやクランベリー、チェリーといった赤いそれが中心。また、赤ベリーのジャムっぽさも少々。味わいは、香りの印象程濃厚な感じではありません。確かに、果実味が各要素の中では中心的ですが、べったりしたものではありません。乳酸系の酸と、旨みがその果実味に続いてきます。渋みは十分に存在感があり、タニックです。この辺が味わいを引き締めている部分はありますね。ボディはミディアムフルといった程度。口当たりはやわらかで膨らみがあり、エキス分など収斂味は程々。しっかり系のワインですがゴツさは無いので、脂の乗ったお肉などにはよく合います。霜降り和牛のローストビーフをつまみましたが、肉の質感、赤身の滋味は勿論、柔らかく溶ける脂にも、ワインの渋味や香り、果実味がよくマッチしました。また、魚系でも、マグロのトロには、やはり赤身肉的な感じで合わせられましたし(より脂との相性にフォーカスしたものにはなりますが)、面白かったのが、脂の乗ったブリでブリ大根をしたのですが、ブリの脂感と醤油ベースの甘辛い味わいが、ワインの果実味や渋みによく合っていました。特に洋風に寄せてはいないのですが、バルサミコ等使ってみても面白かったかなと。よくまとまっており、濃さもあり、モダンスパニッシュらしいなという1本でした。2000円台前半という価格は、中々にコストパフォーマンスを感じさせてくれるのではないかなと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年02月04日
コメント(0)
今回はスペインの赤です。ローカル品種のワインになります。クラン・キンセメセス2007。生産者ボデガス・エステファニアはスペイン北西部、カスティーリャ・イ・レオン州のそのまた北西部、ポルトガルとの国境に近い地域にあるワイナリーです。ワイナリーとして設立されたのは1999年。ただ、それまでもブドウ栽培は長い間続けていたそうで、樹齢100年にもなる木のある畑が実に40ヘクタールもあるのだとか。スペインのスター醸造家、ラウル・ペレス氏のコンサルティングを受けており、地場品種から様々なワインを作っています。セパージュは、プリエト・ピクードというポルトガル近くの一部の地域のみで栽培されている品種100%。価格は、写真のお店では4320円です。色は濃いですが、赤みはあり、ルビーといって差し障りないくらいです。香りはベリーフルーツ感が強く、ラズベリーやクランベリーなどの赤ベリーに加え、ブラックベリーやブルーベリーなど色の濃いベリーも含まれています。その他、プラムっぽさやダークチェリーといったフルーツ、それに軽いトマトっぽさといったものも感じられましたし、土っぽさや茶色いスパイス、軽いホイップクリームといったものも。味わいは、香りの印象からすると驚くほどドライです。果実味も勿論ありますが極めて繊細で、旨みや乳酸系の酸、それに量は少ないものの存在感のある渋味といった要素が前に来ています。ボディはミディアムライトといったところで、丸さや柔らかさがありますが、質感は結構クリアーだったり。ピノ・ノワール的、というと言い過ぎかもしれませんが、そういう世界観のワインです。なので、食事には合わせやすいですね。試しに、マグロの赤身やカツオのたたきなどの赤身魚を合わせてみましたが、これは間違いないですね。赤身の滋味にワインの旨みが合いますし、質感同士も無理なく寄り添います。また、香りの赤ベリー感ってこの手の魚に結構いいんですよね。勿論、鶏肉にもバッチリ。超シンプルに塩コショウだけで鶏ももを焼いてみましたが、肉の滋味、繊維の質感にワインの旨みやボディのボリューム感が合います。今回はチキンでしたが、鴨あたりでも面白そうです。綺麗目なワインで、最近世界的にみられるエレガントさ重視の潮流にもキッチリ乗っています。それを、超ローカル品種でやってしまえているというのが、醸造家の実力の高さでもあり、この土地と品種の魅力という所なのかもしれません。熟成可能性もありそうで、何年かすると、香りの膨らみ方などまた変わって来そうです。今回は、スペインの中でもちょっと外れたエリアのワインでしたが、12月7日に開催いたします1日ワインバー・フランス編でも、メジャー産地であるボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュを除いた地域のワインをご用意させて頂きます。ワイン大国の懐の深さをお楽しみいただければと思います。宜しければ、お気軽に遊びに来てください!詳細は上記リンクの先にてお願いいたします。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年11月20日
コメント(0)
さて、先日の日本ワイン+会のワインもいよいよこれで最後です。今回はスペインの赤になります。クリアンサ2008。生産者はシエラ・カンタブリアです。ヌマンシアやエストラテゴ・レアルでお馴染みのエグレンファミリーのワイナリーです。多くのワイナリーを手がけるエグレンファミリーですが、このシエラ・カンタブリアが本拠になるそうです。所在はやはりリオハ。古典的な熟成スタイルではなく、かといって、濃厚パンチな新しいスタイルでもない、「新古典派」を標榜するスタイルのワインを作っています。セパージュはテンプラニーリョ100%。価格は2000円程度でしたが、楽天内には2008ヴィンテージはもうありません。写真のものは1980円ですがヴィンテージの記載はありません。色は濃く、黒いですがエッジに掛けてガーネットが見えますし、透明度もゼロというわけではありません。香りはフレンチ&アメリカンオークのバリックで14ヶ月熟成させているだけあってナッツ系のニュアンスがあります。胡桃やマカダミアナッツ的雰囲気です。また、それに繋がる感じで、レーズンバターのようなものも感じました。その他の要素としては、やはりフルーツ感が出ており、ブラックベリーやブルーベリー、それに赤ベリーやヤマモモも感じます。加えて、チョコっぽさや茶色いスパイス、バルサミコ的な雰囲気も。味わいは、果実味が中心的要素にはなっていますが、旨みや乳酸系で軽めながらもきっちり存在感を見せる酸といったものも感じられ、果実味が突出するようなバランスではありません。そもそも、果実味自体が熟成の影響か少し軽やかさのあるものになっています。渋味は穏やか。ボディは円やかなミディアムフル。会では、後半のマスカット・ベーリーAなどと同じようなタイミングで飲みました。鳥のモホソースとの相性は流石で、鳥の脂や旨みとワインの果実味やタンニンの相性がいいのは勿論、香りとモホソースのスパイシーさの相性もいけてました。一方、パエリャとの相性は、いいというようなものではありませんでしたが、思ったほど悪いというものでもありませんでした。確かに、貝などの魚介との相性はアレですが、米との相性は悪くなく、ワインの果実味中心の味わいに対し米の旨みや塩分がつまみになってくれました。まあ、このワインならやはり肉と合わせるべきでしょうね。牛肉もいいでしょうが、豚肉系との相性の期待値は高そうです。洋風の煮込みは勿論、チャーシューや山椒などを利かせた煮豚など、中華風のものなども面白そうです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年07月03日
コメント(0)
今回の日本ワイン+会のワインはスペインのアルバリーニョです。リアス・バイシャス・アルバリーニョ2010。生産者はパゾ・デ・バランテス。どうやらマルケス・デ・ムリエタを経営するセブリアン家のワイナリーのようです。リアス・バイシャスは降雨量が比較的多く(年間1500mlに達する事も)、また、アルバリーニョ種は樹勢が強い事から、欧州では珍しく棚栽培が実践されています。パゾ・デ・バランテスでは完全には除梗せず醸造する事で、ワインに構成力を持たせているのだとか。価格は、写真のお店で2680円です。色は薄い黄色で、やや青みがかった印象。香りはフローラル感の中にミネラルやライム、レモン、グレープフルーツといった柑橘、微かな洋ナシやリンゴ、花の密といったものを感じるパリッとした印象を受けるものでした。その他、ローリエやタイムといったハーブっぽさや微かなヨードっぽさも。味わいは、最初の印象は意外と果実味が来ます。リンゴ系の柔らかくも広がりのあるものが、明るくシャープな酸を伴って現われます。後口に掛けて、果実味の印象が薄れると共に酸、旨み、渋味といったようなものが感じられ、最終的には塩気のようなミネラル感が主役に。流石は海のワインといったところです。ボディはクリアーな印象のライト。会では、タパスから小エビアヒージョのタイミングで飲みました。タパスは、どれもいいつまみになりましたが劇的なマリアージュとまでは行かず。強いて言うなら、ケッパーが、その塩気やややオリーブに似た香りとワインのミネラル感やハーブ、ヨード的ニュアンスとの相性がなかなかでした。一方、小エビアヒージョとの相性は流石。エビの旨みとワインの旨みが嵌る他、香りも、エビ独特のそれとワインのミネラルや柑橘の要素が合います。また、アヒージョのオイルとも、ワインの香りや渋味が、脂っこさを抑えつつ爽やかな旨さを引き出す組み合わせになりました。小エビとの相性はさすがでした。他にも、貝類や魚などシーフードとは色々試してみたいところです。特に、やはり牡蠣は面白そうだなと思いました。ただ、このワイン、時間が経ち、また、温度が上がってきますと、やや果実味が弱まり、渋味が目立つようになってしまいましたので、飲むときの温度は低めで、食事と一緒に楽しむのが無難な感じはします。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年06月25日
コメント(0)
今回は、先日牡蠣祭りへいく動機になったワインです。スペインの白。ソヴェリバス・デ・ナンクラレス・アルバリーニョ2008。生産者ボデガ・ナンクラレスはスペイン北西部ガリシア地方のリアス・バイシャス地区のワイナリー。アルベルト・ナンクラレス氏が葡萄栽培から醸造、瓶詰め、果てはラベル貼りまで一人でやっているという小さなつくり手だそうです。この地の代表的品種アルバリーニョを中心に、1haの畑で葡萄を作っています。セパージュはアルバリーニョ100%。価格は、写真のお店で1869円。このお店の独自輸入のようです。色は樽熟成、5年弱の瓶熟を経ているというだけあってツヤのある黄色です。ただ、黄金とかその辺までは行きません。香りは複雑で変化もあります。開けて直ぐはリンゴや洋梨、フローラル、花の蜜、それに南国フルーツっぽさといったものが感じられますが、時間と共にヨードっぽさやミネラル、ダージリンティー、白コショウ、ローリエなどのハーブといった複雑なニュアンスが現われます。また、更なる時間経過でグレープフルーツや蜜柑などの柑橘、金木犀、ビワやその葉っぱ、或いは軽い蓬のような雰囲気などが前に出始め、その後またパイナップルや柑橘などのフルーツが台頭する、といった感じで、4日ほど楽しみました。味わいはフルーティ。ドライフルーツ的な割としっかりした果実味がありますが、青い柑橘的な明るく強さのある酸が、旨みやミネラル感を伴いグッと前に出てきて辛口な印象が残ります。口当りは滑らかで、結構優しさもありますが、それでもハリのある質感でただ穏やかなだけではありません。ミネラリーなライトボディといったところ。さて、リアス・バイシャスといえばリアス式海岸の名前の由来にもなった地で、魚介を良く食べる土地柄です。そんなわけで、牡蠣との相性も気になっており、先日日生の牡蠣祭りで焼き牡蠣などを調達して来たのでした。相性は…かなりいいです。焼き牡蠣、牡蠣飯、カキフライとあわせてみましたが、特によかったのは焼き牡蠣。下記の旨みとワインの旨みが良く引き合う他、甘みと果実味も一体感を見せます。生臭みなど全く無く、マリアージュといっていいレベルの相性でした。レモンを絞っても良しです。牡蠣飯、カキフライとも悪くないですが、焼き牡蠣ほどのインパクトは無し。カキフライは時間が経っていたので、油に負けている感じでした。揚げたてならまた話が違うのかもしれません。その他、サーモンの刺身や、お寿司ならアナゴ、タイ、やっぱりサーモンといったものと良く合い、さらに、驚きだったのがシメサバともいけてしまうこと。生臭みなど全く出ず、脂の旨さを鮮明にしてくれる印象です。流石は海のワイン、シーフードとの相性は抜群です。ワイン単体でも、酸味や果実味のバランスが良くついつい杯が進んでしまいます。そんなに飲んだ経験の多い品種ではありませんが、漠然と若くて樽のかかっていないものを楽しむイメージがありましたが、こういったやや瓶熟した樽熟成のものも面白いですね。にほんブログ村
2013年02月27日
コメント(0)
今回はスペインの白です。お手ごろタパス系ワインながら味わいは結構しっかりした1本。オルキデア・シュール・リー2011。生産者ボデガス・イヌリエータはスペイン・ナバラ地方のワイナリーです。元々イヌリエタの地で100年前から葡萄作りをしていた家系だそうですが、現当主は別の土地でスーパーマーケットを経営していたそうです。その後、スーパーが大きくなると売却、共同オーナーだった人物と共に縁ある地で再びワイナリーを始めたのだとか。セパージュはソーヴィニヨン・ブラン100%。ナバラでは難しい品種だそうで、イヌリエータでしかやっていないそうです。色はやはりお手ごろソーヴィニヨン・ブランらしく非常に薄く、青みを少々感じる黄色。香りはやはりこの品種らしくグースベリーっぽさが良く出ています。その他、レモンやグレープフルーツといった柑橘、軽い花の蜜、微かなハーブといったこれまた定番な要素も感じます。ただ、他の産地のものとちょっと雰囲気の違うものもあり、アンズや青梅っぽさ、フローラル、リンゴ的ニュアンスといったようなものを感じました。また、ミネラル感はやや土っぽいタイプです。味わいはフルーティでとっつきやすいです。果実味中心で、結構しっかり目のものです。そこに、明るくフレッシュで、果実味に匹敵する酸が加わりジューシーな印象。また、ミネラル感やエキス分も程ほどあり、ボディはライトですが口当り、質感の存在感は結構あります。食事との相性は当然広め。エビのボイルとあわせるとエビの甘みと食感が果実味やワインの質感に良くマッチ。マヨネーズつけたりしてみましたが、塩だけで頂くのが一番よかったように思います。その他、魚介との相性としては、イカも、これまた甘みや質感の相性がよかったですし、カニ・ウニ・イクラのちらしとあわせますと、カニとは甘みが、ウニとは意外と香りが、イクラとは旨みがそれぞれ引き合うような感じでした。また、やはり手堅いのが豚肉&鳥肉。豚は、焼き豚とあわせたところ、脂に対しても果実味のボリュームで対抗できましたし、甘辛い味付けと肉の部分の旨みはやっぱりバッチリです。鳥に関しては、塩から揚げをつまみましたが、旨み同士の引き合いは勿論、塩気と果実味がいいバランスになりました。イヌリエータのワインはコストパフォーマンスの高いものが多いですが、こちらも多分に漏れない感じです。スペインのコスパワインといえば、エグレンのエストラテゴ・レアルは非常に有名ですが、このイヌリエータはいいライバルになりそうです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年01月16日
コメント(0)
さて、ここからは先日のピノ・ノワール飲み比べ会のワインです。1本目はピノではなくスペインの白ですが…。バレル・フェルメンタード2009。生産者ヴィニャ・メインはリアス・バイシャスの東隣にあるリベイロという地域のワイナリーです。リベイロでは非常に古株で、修道士たちによるこの地の最初の入植地になったそうです。特に、ワイン作りに関しては、リベイロにおける発祥の地となっています。セパージュは、トレサドゥーラ、ゴデジョ、アルバニーリョ、ロウレイロ、トロンテス、ラドー、アルビジャという地元品種オンリーです。ポルトガルで見かけるものもあります。価格は、写真のお店で1699円。色はややつやのある黄色。バレル・フェルメンタードというだけあって樽を感じる色合いです。香りは、開けてすぐはナッツや金木犀の花、木、少々の焼き芋っぽさといったものが感じられます。その後、時間経過とともにりんごやグレープフルーツ、マンゴーや少々のパッションフルーツといった南国系フルーツのニュアンス、マスカット的なブドウっぽさ、白胡椒的な軽いスパイスといったような要素が感じられました。味わいは果実味主体で、南国的な厚みのある果実味となっています。一方、酸も弱くはなく、しっとりした乳酸系のそれが全体の背景として広がり、果実味の印象が弱まるとともにやや前に出ます。後口にかけては軽い渋みのようなものも。ボディは質量を感じるフルボディといってもいいでしょう。旨みもあります。会では、持ち寄りでいろいろなつまみが集まりましたが、よく熟したブリーチーズとあわせますと、ワインの渋みや樽の強さが円やかになり、一方でフルーティさは強調されるといういい関係でした。また、キャロットドレッシングの野菜サラダと合わせると、ドレッシングの酸味がワインの厚みに明るさをあたえてくれるほか、レタスの香りとワインの香りが妙にマッチしていい相性でした。樽がしっかりで、まだ若いということで、香りが開くまでちょっと時間がかかりました。今の段階で飲むなら、ブルゴーニュ系の大きなグラスを用いるのがいいでしょう。熟成に関しても、さすがに10年だとどうなるかわかりませんが、3年から5年くらい置いたものをぜひ試してみたいという印象でした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年07月18日
コメント(0)
今回は久々にスペインワイン。モダンなメルローです。メルロー2010。ジャン・レオンは、バルセロナを州都とするカタルーニャのワイナリー。1964年に、アメリカの人気レストラン「ラ・スカラ」のオーナーだったジャン・レオン氏がレストランで使うためのワインを作る為に始めたそうです。ワイナリーのスタート時からカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネといったフランス品種の栽培を始めており、スペインにおけるこの手の品種の先駆者としても知られています。セパージュはメルロー100%とやはりフランス系です。価格は、写真のお店で1599円です。色はガーネット系ですが透明度も感じるものです。香りはモダンなスペインワインらしくブルーベリーやブルーベリーヨーグルトを思わせるニュアンスが感じられます。さらに、プラムやラズベリー、ラズベリージャムといったフルーティさがたっぷり。その他、黒い土や少々のヨードっぽさといったものも感じられました。味わいは柔らかな印象の果実味が中心で、色に似合った明るい印象の酸が加わってきます。また、後口にかけては旨みや全体を引き締めるアクセントとしての渋味が感じられ、バランスの良さを感じさせます。ボディも柔らかな印象で、軽やかさも感じるミディアムといったところ。単体でもバランスがいいため結構呑めますが、やはりレストラン用というだけあって食事にも合います。肉類とは全般いいですが、豚肉との相性は良好。ローストポークやポークソテーといったものから、トンカツ(脂も合いますが肉の旨み自体もいいです)、それに角煮や煮豚にもいい具合でした。ハモンイベリコなどイベリコ豚の料理とあわせてみたかったですね^^また、牛肉にもいいですが、ヨーロッパ的な赤身肉ではなく、日本的なサシの入った柔らかな味わいの肉の方が好相性。和牛のたたきやロースト、というか焼肉といったものとは脂と柔らかな果実味と渋味がよくマッチしました。お手ごろながら非常にまとまったワインで、しかも要素の多さや強さが程々なので食事にも合わせやすく、流石は人気レストランのオーナーが手がけたワイナリーのワインだなという印象です。また、強い個性や面白みという部分ではそれほどでもないかもしれませんが、それでもスペインらしさもちゃんと感じられたように思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年06月02日
コメント(0)
今回はスペインの赤。全日空のヨーロッパ線のビジネスクラスでも使われたという銘柄です。マイリット・ティント・バリッカ2008。生産者であるゴサルベス・オルティは元国際線のパイロット。イベリア航空などで活躍された後、ご自身の体調にあったお酒がワインだったこと、航空機内でのケータリングサービスの重要性を強く感じたこと等があって、マドリード近郊で1980年から有機・無農薬で葡萄栽培を開始、その後2000年にボデガを設立したそうです。セパージュは、テンプラニーリョ50%、カベルネ・ソーヴィニョン20%、メルロー15%、シラー15%。価格は、写真のお店で1650円。色はガーネット。透明度もそこそこあります。香りはバリッカというだけあって木やカラメルといったニュアンスを感じます。そこに、ストロベリーやラズベリーといった赤系ベリーや軽いブルーベリーなどフルーティさが加わります。その他、黒い土やココナッツやアンコっぽいニュアンスなども感じられました。味わいはハツラツとした明るい酸が最初の印象に来て、その後果実味が広がるといった感じ。果実味も、あまり重いものではなくベリーな香りに似合った軽さのあるものですね。後口には旨みも結構残ります。ただ、渋味は色合いの印象とは違って結構感じますね。ボディはこの手のスパニッシュにありがちな軽快さのあるミディアム。食事との相性はいいタイプで、赤身肉、鳥肉、豚肉、それに脂強めの魚と幅広くいけますね。食べ方も、肉類なら煮込み(赤ワイン煮でもいいでしょうが、やはりトマト煮は鉄板でした)、ソテーと簡単に出来るもので十分。凝ったソースなどは必要なさそうです。もちろんあってもいいですが。魚類もソテーなり煮込みなりでもいいでしょうが、生系でも、脂の乗ったブリの刺身には問題なかったですし、戻り鰹のたたきなんかも結構いけました。渋味はあるものの、食べ物との相性が幅広く、普段の食卓に使いやすいワインでした。ワインそのものも、軽快さとフルーティさ両方あり、モダンなカジュアルスペインらしいバランスの良さがありました。にほんブログ村
2011年06月30日
コメント(0)
今回も、パレス・バルタのワイン、こちらは赤です。マス・ペティット08。カヴァで有名な生産者ですが、流石にこちらはカヴァ品種ではありません^^;セパージュは、ガルナッチャ(フランスで言うグルナッシュ)79%、カベルネ・ソーヴィニヨン21%。モダンなスペインワインによくある、地場品種と国産品種の混醸です。価格は、写真のお店では1701円ですが、ヴィンテージが一つ前の07になります。文字リンクのお店では1659円で、ヴィンテージも同じです。色は濃いですね。ガーネット系ですが、黒さや紫の方が印象としては強いです。香りは、この手のスペイン赤にありがちなナッツやクリーム、バナナっぽさといったニュアンスを感じます。それに加えて、色合いにぴったりなプラムや干し葡萄、黒ベリーや赤ベリーのジャムっぽさといったものがあります。その他、ココアや茶系のスパイスといった要素も。味わいも、色合いに似合ったもので果実味が主体。酸は下支え役ですね。また、タンニンもしっかりで、果実味+渋味を酸がまとめているというバランス感です。ただ、舌にタンニンの触感があるかといえばそうでもなく、口当たりは至って滑らか&柔らか。しかし、ボディはあくまでフルボディですね。まさに肉料理に合わせるワインでしょうね。牛肉の赤ワイン煮やトマト煮、ビーフシチュー、それに欧風のカレーなんかでも良さそうですし、ラム肉のソテーや煮込みでも良さそうです。もちろん、定番の生ハムもいいつまみになるでしょうが、ピンチョスより串焼きの方がよりしっくり来そうなタイプですね。フルーティで香りも華やかととっつきやすさ、親しみやすさのあるワインだと思います。ピザやらお惣菜やらと一緒に、気軽に楽しみたいところです。にほんブログ村
2010年10月07日
コメント(0)
今回はしばらくぶりのスペインワインです。カヴァで有名な生産者の白ワインになります。ブラン・デ・パックス09。生産者はパレス・バルタ。1790年の設立以来、ずっと完全有機無農薬で葡萄を造り続けている、カヴァを得意とするボデガです。家族経営を貫いてきており、スペインではまだ珍しいそうですが、女性醸造家が活躍している蔵でもあります。セパージュはパレリャーダ47%、チャレッロ30.5%、マカベオ22.5%というカヴァブレンドですが、本ワインはあくまでスティルワインです。価格は、写真のお店で1480円。色は薄い黄色。青みがかったタイプですね。香りはライチやマスカットを思わせる華やかなニュアンスを感じますが、ムスカテラーやゲヴュルツに比べれば大人しめ。それらの要素に比肩するレベルでハーブっぽさがしっかりあり、乾燥タイムやローズマリー等のニュアンスを感じました。その他、微かな蜜やフローラル、リンゴっぽさといったものがあります。柑橘っぽさはあまりなし。味わいは果実味しっかりで主役。リンゴ系でしょうか。酸はしっとりと下支え。といいましても果実と比べて完全に負けるというほどではなく、最低限のバランスは取れています。加えて、旨みや軽い苦味もあってだれる印象は無し。ボディは柔らかライト。食事との相性は、やはりシーフードや鳥肉ですね。シーフードグリルや焼き鳥(塩)にオリーブオイルでもつければ十分楽しいです。勿論、魚介なら鮮魚系でもOK。柑橘を使ったカルパッチョでもスーパーのパック寿司でも(やはり白いネタがいいですね)何でもいけちゃいます。また、鰆のバジルソースソテーなるものがあったのであわせてみましたが、これもいいです。バジルなどの香草との相性はやはり良さそうなので、ジェノベーゼのパスタとかも面白そうです。夏場に冷やして、というのも勿論いいですが、意外にしっとり感があるのでこの時期に冷え気味から常温手前くらいで楽しんでも良さそうです。パーティの席なんかでは活躍してくれそうです。また、ワインとしても、カヴァセパージュのスティルワインということで話題性もありますし、このセパージュの香りをじっくり楽しめるというのも面白いですね。にほんブログ村
2010年10月05日
コメント(0)
今回は熟成感のあるスペインの赤です。意外にすっきりしているので夏場にもいけるかもしれません。モナステリオ・デ・ラス・ヴィニャス・グラン・レゼルヴァ99。生産者はグランド・ヴィノス・ヴィネドス。スペイン北東部のカリニェナの協同組合で、加盟する栽培農家はなんと500名にものぼります。最新の醸造技術の導入で延びている産地ですが、こちらも多分に漏れず新しい技術を導入しているそうです。ただ、その技術によって実現しようとしているのは、あくまで土地の個性を表現するワインです。セパージュはガルナッチャ、テンプラニーニョ、マズエロの伝統3品種。99ヴィンテージは既に売り切れで、写真のものは03。価格は1680円です。色あは鮮やかなガーネット。透明度もあります。香りは、樽がこなれてきている印象。木っぽさもありますが、クリームやレーズンバターのようなまろやかさを感じさせる甘いニュアンスになってきています。その他、チェリーや赤ベリーのジャム、熟した黒ベリーなどのフルーティーさ、キノコ、土、甘草や黒コショウなどのスパイス、肉に合いそうなハーブっぽさといった複雑さといったものを感じました。味わいは、果実味よりは酸が前に出ています。しっとり感とハツラツさ、どちらも感じさせるような酸です。また、旨みも最初からしっかりと。果実味は軽さ、透明感を感じるもので、それらの要素の後ろに。渋味、タンニンは結構ありますね。ボディはフルに近いミディアム。割と、単独でスイスイ楽しめるワインだと思います。バケットやハードチーズでもあればなおよしといった感じです。もちろん、食事にも合います。合わせるならやはり豚肉。煮豚やスペアリブでもいいでしょうが、もっとあっさりと塩焼肉や串焼きなどでも充分楽しめます。鳥肉も合いますから、焼き鳥と豚焼肉串の盛り合わせなんかでバーベキューワインとして楽しんでも良さそうです。あとは、生ハムなどタパス系メニューにも合いますし、ハムとチーズを使ったようなパン屋さんのちょっと贅沢なサンドイッチなどともいい感じです。バランスも良く、15度くらいのやや低めの温度で楽しめるワインですから、この時期でも飲める赤ワインかと思います。スペインの、とくにカリニエナという産地にはこういったワインが多い印象があるので、今後気に止めておきたいと思います。にほんブログ村
2010年08月16日
コメント(0)
今回は久々のスペイン赤。お手ごろレンジのものです。ロ・ヌエストロ・ガルナッチャ・ティント・ホーヴェン07。生産者はボデガス・アルコンデ。レリン地域という場所の、いくつかの小さな醸造所所有者のグループが1956年に立ち上げた若いワイナリーです。ナバラでブドウを作っており、その多くはバルク売りしてしまうそうですが、質の高いものだけは残しておいてワインにするそうです。セパージュは、ガルナッチャ100%。価格は、写真のお店で980円。色はルビー。透明度の高さが印象的です。香りは、ガルナッチャ=グルナッシュらしい茶色いスパイスや青いハーブっぽさ、それに生ハムやベーコンといった加工肉のニュアンスやキノコといった要素を感じます。フルーティさは、イチゴやその他赤ベリー、それにイチジクといったものをよく感じました。黒系やブルーベリーなどの濃い要素は余りありませんね。味わいも酸中心のすっきりしたものです。タンニンの触感も少なく、口当たりは滑らかですが、一方で渋味はそこそこあるでしょうか。果実味はドライフルーツ的なややトーンの低いもので、酸の後ろに広がっている感じです。ボディはミディアムで、透明感ありますね。このワインは単独でというよりは食事とともに楽しみたいタイプでしょう。香りの要素にあったような加工肉、ベーコンや生ハムをつまみにするのもいいでしょうし、ハムステーキやハンバーグ辺りを食べながらガブ飲みしても楽しそうです。また、15度くらいのやや低めの温度にして、鰹などの赤身魚とあわせてみるのも良さそうです。脂の乗った鰹のたたきやマグロの炙りなんかなら問題なさそう。まさにお手軽なデイリーワインですが、この価格帯でも薄っぺらいとかバランスが悪いとかならないのは流石スペインワインですね。にほんブログ村
2010年07月31日
コメント(0)
今回は久々のスペインです。セニョリオ・デ・ラサン レゼルヴァ01。生産者はボデガ・ピリオネスです。背後にピレネー山脈をひかえるソモンターノのボデガで、伝統品種と国際品種、伝統技術と最新設備の融合をめざし1993年に設立された若手です。結果、現在スペインの最先端を行くボデガとしてその認知度も高まっているようです。セパージュはテンプラニーリョ、モリステルの地場品種にカベルネ・ソーヴィニヨンの混醸です。価格は、2520円でしたが、楽天内では既に売り切れ。他でも見かけません。色はややオレンジを感じるガーネット。エッジはルビーです。軽く濁りがあるでしょうか。香りは典型的なこの手のセパージュのワインっぽさがあります。茶色いスパイスや黒胡椒、それにタイムやローリエなどのハーブっぽいニュアンスやバルサミコ酢、チョコ、コーヒーといった黒い要素を感じます。また、赤黒のベリーのコンポートやそれらのジャム、ドライフルーツ、プラムといったフルーツの香りや大きな赤い花、腐葉土、鉄っぽさといったようなニュアンスも感じられました。味わいは、10年近くたっているということでこなれています。果実味中心ではありますが、その果実味は柔らかくはんなりしたものです。酸は、あくまで下支えですがいい具合に効いています。果実がこなれたおかげで存在感が程よく出たといったところでしょうか。タンニンは、渋味は少々感じはするものの、口当たりの印象は無く、滑らかです。ボディはミディアムフルで、少々涼しげなイメージを持つほど。単独でもいけるワインですし、スペインらしく食事にも良く合うワインです。よくお邪魔するイタリアンに持ち込ませていただいて、鹿肉のソテーと合わせましたが、相性は抜群。バルサミコのソースで、削ったパルミジャーノを散らしているスタイルでしたが、肉単体でも旨みを引き立てるソース的な相性を見せますし、バルサミコソースと合わされば香りや味の深みがグッと増します。また、パルミジャーノとも相性がよく、それだけをつまみに出来るほど。やはり、赤身肉やハードチーズとの相性はいいということでしょう。ほかにも、スペイン同士でマンチェゴチーズなんかも良さそうですし、赤身肉ならラムのソテー(トマトソースのクスクスでも添えればさらに良さそう)や、ローストビーフ、ビーフステーキ、シチューなどあれこれ試してみたいものです。完成度が大変高く、値段を考えますと流石スペインといったところですね。売切れてしまっているのが残念です。熟成感も感じられましたが、このぐらい熟成したものを手に入れやすいのはスペインの魅力ですね。
2010年03月18日
コメント(0)
さて、今回は久々のスペイン。それも31年モノの古酒です。ヴィーニャ・アルビナ グラン・レゼルヴァ78。生産者ボデガス・リオハナスはその名のとおりリオハの作り手です。1890年設立と歴史のあるボデガで、こちらはそこの蔵出し古酒になります。ワインについてもワイナリーについても詳細はあまり分かりませんでした。セパージュテンプラニーリョ、マスエロ、グラシアーノ。価格は写真のお店で6090円。色はガーネット。透明度も高く、流石に熟成した雰囲気があります。香りは、熟成感がありつつも甘さも見せます。カツオダシ系の香りや、シェリーっぽさは確かに出ています。しかし、ブラックカラントやイチゴといったフルーツ、ハチミツを思わせるようなニュアンス、それに紅茶や革といった要素も感じられ枯れ果てたような印象は全くありません。また、ミネラル、土、それにスパイスといった要素もまだまだ健在です。味わいは、熟成によるであろう甘みが最も強く印象に残ります。また、流石に熟成して、ボディはミディアムで、口当たりはまろやか滑らかな岩清水系ですが、なかなかどうして、エキス分はしっかり感じられ、決して儚いというような感じではなく、存在感があります。タンニンも、微かにですが口に残りますね。もちろん、これだけの古酒ですからパンと最低限の生ハム、熟成したハードチーズなどをつまみにワインだけを楽しんでも大丈夫です。しかし、酒質がまだしっかりしているおかげで食事にあわせられないこともありません。といっても、ここまで熟成していますとやはりあまりコテコテしたものには厳しいです。鰹のたたきやマグロのあっさりしたステーキ、あるいはヅケなど旨みの強い赤身魚の料理とは相性良しでしょう。後は、鳥肉のバルサミコソテーなどほどほどのコクと、しっかりした旨みのあるものとあわせたいですね。なかなか面白い体験が出来ました。リオハの古酒らしく酸化のニュアンスバッチリ、というタイプではなく、熟成した中にも力、あるいは若々しさといったものを感じさせてくれるワインだったように思います。やはり、蔵出しという事で状態もいいのでしょうね。
2009年06月30日
コメント(0)
今回は個人的に結構驚きだった生産者のワインです。スール05。以前にノルテやナバエルスを記事にしましたボデガ・イヌリエータが作っています。現当主は元々父親と葡萄畑で働いており、その後スーパーマーケットをやっていたそうなのですが、やはりワインを作りたいとスーパーマーケットを売却して、最新鋭の設備を導入したワイナリーを設立したそうです。セパージュはガルナッチャ45%、グラシアーノ30%、テンプラニーリョ25%。国際品種を使ったノルテに対し、こちらは地場品種で出来ています。価格は、写真のお店で1517円です。色は濃いガーネット。透明度は低く、赤紫ないしやや黒さを感じるくらいです。香りはジャミーな感じです。熟した黒ベリーや赤ベリー、それにそれらのジャムといった要素が顕著で、さらにスパイスやバルサミコっぽさといった要素も感じられました。また、樽もそこそこ効いているようで、カラメルや少々のバニラっぽさやバナナっぽさといった風味も。時間と共に革系のニュアンスや微かなハーブないしヤマモモのような香りも感じられました。味わいは、やはりスペインらしいフワッとした口当たりが印象的でした。ボディ自体はフルボディないしミディアムフルというレベルなのですが、この口当たりのおかげでそこまで重い!という印象は受けませんでした、また、酸味がちゃんとあることも重さを抑える一因かもしれません。もっとも、やはり味わいの中心は果実味です。このタイプ、食事に合わせるとなると、やはり味の濃い赤身の肉料理などをイメージしやすいのですが、いざあわせてみると案外肉に負けてしまったりします。本ワインも、ラムの煮込みや牛ロースのステーキなどでもいけないことは無いのですが、どちらかというとローストチキンや焼き鳥(たれ)等の鳥料理、あるいは同じステーキでも豚肉の方がより合いますね。特に、豚肉との相性はいいので、トントロでも焼きながら楽しんでも良さそうです。こちらもなかなかのコストパフォーマンスですが、やや果実がまだ強めなので、もう1年2年置いてみるとよりよくなるかもしれません。ノルテの方がトータルバランスは良かったように思います。ただ、以前飲んだノルテは04ヴィンテージで、1年古いということと、スペインの04はかなりいいヴィンテージだったという部分もありますから、05どうしで飲み比べてみた方がいいかもしれませんね。
2008年10月09日
コメント(0)
今回も続けてスペインの白です。アバダル・ブラン07。生産者アバダルはバルセロナに程近いプラ・デ・バジェスにあるワイナリーです。1898年設立で、畑の一部ではビオディナミ農法を実践してもいるそうです。気鋭のワイナリーで、赤ワインのセレッシオはあのエル・ブジにもオンリストされているのだとか。また、プラ・デ・バジェスは1995年に制定された比較的新しいDOですが、コストパフォーマンスの高いワインが産まれていて現在注目されているのだそうです。セパージュは、シャルドネ70%、ソーヴィニヨン・ブラン20%に加え、地場品種のピカポル10%。価格は、写真のお店で2079円ですが、既に売り切れです><色はこちらも薄い黄色。シャルドネ多目ながら、黄金感もありませんね。香りは、しっかりしたミネラルが感じられ、さらにグレープフルーツやレモンといった柑橘のニュアンスが感じられるというフレッシュなものです。また、やや濃厚な要素として白桃のような甘い風味や白い花のニュアンスもありました。また、ソーヴィニヨン・ブランの割合は少ないのですが、グラッシーな青い風味も結構しっかり感じられました。味わいは、このワインもやはりしっかりミネラリーで、暖かい国ながらなんとなく北イタリアやオーストリア南部のような雰囲気を感じました。また、ややしっとりの酸味と旨みもなかなかに豊かで、果実味よりも前に出ているか同じ程度といったところです。これも、やはり食事にあわせて楽しみたいワインかなと思います。シーフードグリル、中でもエビやカニといった甲殻類とはかなりの相性を見せそうです。甲殻類という点では、カニ鍋などの海鮮鍋との相性も悪くなさそうです。その他、白身魚やチキンを香草を効かせて調理するのもいいでしょうし、鶏肉なら蒸し鶏のサラダなんてのもいいかもしれません。あっさりしたものと合わせて楽しめるワインでしょう。やはり、しっかり冷やして飲むべきタイプのワインですから、夏向きではあるでしょう。ただ、上にも書きましたが、お店の方も鍋物に合うだろうと仰っていて、冬場にコタツの中で楽しむというのもありです^^
2008年09月20日
コメント(2)
今回は、スペインのお手軽白ワインです。インフィニタス シャルドネ・ビウラ06。生産者はコセチェロス・イ・クリアドーレスというちょっと聞きなれない作り手です。なんでも、1889年創業のマルティネス・ブハンダという会社が1951年に新たに興したワイナリーだそうです。生産地はラ・マンチャ地区。セパージュは、シャルドネ・ビウラとシャルドネが先に書いてありますが、シャルドネ20%、ビウラ80%とほぼビウラです。価格は、写真のお店で1270円。色は薄い麦わら。フレッシュ系白ワインによくある色合いですね。香りは割と印象的で、青いハーブの他に、やや芝を思わせるようなグリーンな風味を感じました。少しソーヴィニヨンブランに似た雰囲気といえるでしょうか。その他の要素としては、金柑を思わせるような柑橘のニュアンス、青りんご、ミネラル、それに少々のイチゴっぽさとナッツの風味も感じられました。この辺はシャルドネ由来でしょうか。味は酸主体のドライなものです。ミネラル感もあり、シャープな印象です。果実味はほんのりと感じられる程度です。ただ、ボディはそこまで軽いものではなく、シャルドネが効いているのかビウラの特徴でもあるのかは分かりませんが、柔らかミディアムといったところです。もう、これぞまさしく食事に合わせるワインです。魚やチキンの香草焼きやハーブを利かせたシーフードやチキン、あるいは夏野菜のトマト煮こみ、もっとシンプルに焼き鳥(塩)やらシーフードバーベキューやらでも楽しめる事請け合いです。また、寒くなってきたら、鍋物とあわせるのもありでしょう。カニ鍋や塩ちゃんこ等でもいいですが、カレー鍋でもカレーが強すぎなければ楽しくあわせられそうです。廉価ながらきれいにまとまっており、スペインのコストパフォーマンスの高さを改めて感じられるワインでした。特に、本ワインが作られているラ・マンチャ地方はより安くて美味しい美味しいものができているイメージがあったのですが、その印象がまた強くなりました。
2008年09月18日
コメント(2)
今日はスペインの白です。スペインワインというと、やはり赤が有名ですが最近は白も色々と注目されているようです。こちらのワインは、オロ・デ・カスティーリャ・ヴェルデホ06。生産者はボデガ・エルマノス・デル・ヴィリャール。ルエダに1995年に設立された若いボデガですが、ボデガ・カサ・デ・ラ・エルミータのお気に入りらしいです^^セパージュは、名前にあるようにヴェルデホ100%。ルエダの辺りではよく作られている地場品種のようです。価格は、写真のお店で1500円です。色は薄い黄色。よくある麦わら程度の色合いです。香りは、シャルドネとソーヴィニヨン・ブランの中間などといわれているようですが、確かにそのような感じです。最も中心にある要素はシトラスで、グレープフルーツ(ホワイトだけでなくピンクも少々)、レモン、ミカンといったものが感じられます。また、ソーヴィニヨン・ブラン的な要素としてハーブのニュアンスが感じられます。ボルドーやロワールのそれに近いようなイメージです。さらに、リンゴや白い花、花の蜜といった要素も感じられ、この辺はフルーティなシャルドネ的でしょうか。その他、ミネラルやメロン・パイナップルなどのフルーティさ、少々の白胡椒といったニュアンスも。味わいは、酸と果実味どちらもしっかり目で、ジューシーかつフルーティなものになっています。バランスもいいため、夏場に冷やして楽しむにはとてもいいでしょう。後口に残るほのかな苦味もなかなかいい感じです。ボディはミディアムライト。余韻にはミネラルの他柑橘やトロピカルフルーツが感じられました。食事とは幅広く合わせられるタイプでしょう。真っ先に思いつくのは、柑橘を使ったカルパッチョやマリネといった、シーフードを使ったフレッシュな料理ですが、チキンの香草焼きや焼き鳥(塩)といったさっぱりした鶏料理ともよく合うでしょう。また、トマトとの相性も見逃せないところでしょうね。上記のような鶏肉、あるいはイカタコあたりのシーフードのトマト煮や、この時期なら夏野菜の煮込みもいいでしょう。スパイスやハーブにもこだわってみたいですね(個人的にはコリアンダーはオススメ出来ます^^)その他、時期が時期ならつみれ鍋など、和食との相性も良さそうです。フレッシュフルーティな、この時期にはよく冷やして楽しめるワインです。バーベキューなんかのお供にもいいんじゃないでしょうか。一方で、料理との幅広い相性が望めますので、案外寒くなってからも重宝しうるワインでもあるように思いました。
2008年07月28日
コメント(5)
今回もちょっといいワインです。先日のサッカー欧州選手権優勝国スペインのワイン、アアルト01です。本ワインの醸造責任者であるマリアノ・ガルシアはアリオンやウニコといった、いわゆる「スーパースパニッシュ」の生産に携わってきた敏腕です。本ワインも、そのようなスーパースパニッシュの流れを汲むワインです。セパージュはテンプラニーリョ100%。生産地リベラ・デル・デュエロでは、ティント・フィノと呼ばれているようです。価格は、6000円強ぐらいが相場ですが、写真のお店では4179円と特価です。上記「ウニコ」と比べると10分の1ですね^^;色は濃いです。かなりです^^黒系ガーネットというべきでしょうか。しかし、エッジにはルビーも見え、流石に7年熟成していることを感じられはします。香りはまさに芳醇。熟した黒ベリーや赤ベリー、ストロベリージャム、ダークチェリー、プラムといったフルーツ香に加え、樽を使っているからかややバナナを思わせるような風味も。もちろんそれだけでなく、腐葉土に黒胡椒やクローブといったスパイス、バルサミコ、バニラ、キノコ、さらにやや青みを感じるようなハーブっぽさも感じられました。さらに、時間経過と共に赤ベリーがよりしっかりし、黄桃、ローズマリー、スミレ、バラといったニュアンスも窺えるようになりました。味わいは、果実味の強い特濃ガツン!系かと思いきや、そこはスペイン、フルボディながらも柔らかく、滑らかな口当たりで、さながら闘牛士のようにひらりとかわします。果実味自体はやはりしっかりしていて味わいの中心ではありますが、上記滑らかな口当たりと、じわじわ湧いてくる酸味、後口に感じられる旨みのおかげでバランスよく飲めます。ただ、やはりタンニンはやや強めですね。余韻には干し葡萄やバナナの風味が感じられ、相当長いです。ワインがワインですから、パンや生ハム(ここはやはりハモンイベリコでしょう♪)、後はせいぜいチーズやオリーブ程度をつまみに、じっくりワインを味わってあげた方がいいでしょうね。ただ、やはり肉が合うだろうな~と思ったんですが、ローストビーフより牛肉のたたきが合ったり、それ以上にローストチキンやスペアリブがあったりしました。また、スペインではマグロも良く取れるようですが、トロの炙りなんかも結構合いそうな感じでした。流石のワインですね。2日目でこなれ気味で、それ以降は徐々に落ちて行ってはいましたが、それでも5日くらいは十分美味しく飲めたんじゃないでしょうか。今の段階でも、滑らかさがあり美味しく飲めますが、もう5年くらい置いても良さそうですね。
2008年07月10日
コメント(0)
さて、ボルドースタイルなワインが続きますが、今回はスペインの赤です。ナバエルス03。生産者ボデガ・イヌリエータのイヌリエータとは、オーナーの家が以前あったスペイン国内の土地の名前だそうです。現在は、ナバラ渓谷の、アルガ川からの何世紀にも及ぶ堆積によるいびつな丸石のある砂質石灰質土壌の、水はけの大変よい土地でワイン造りを行っています。本生産者が作る白ワインオルチデアが昨年の雑誌「一個人」の特集で高評価を受けています。セパージュはメルロー60%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%とボルドー系品種のみ。価格は写真のお店で1350円です。色は濃いガーネット。エッジにはルビーも見えますし、全体的にリオハ等の赤に比べると透明度もあります。香りは、まさにメルロー&カベルネ・ソーヴィニヨンのワインといった雰囲気です。黒胡椒の風味をはっきり感じられ、加えて黒ベリーやブラックカラント、熟した赤ベリー、カシス、杉と言った要素や、土、微かなコーヒーっぽさやカラメル、それにシナモンやバルサミコといった香りを感じられます。ただ、そこはスペインらしいと言うべきか、干し葡萄や赤い花と言った要素も感じられました。味わいは、やはりこちらもスペインらしく強い凝縮感、と言うよりはややクリアーさすら感じる滑らかなミディアムボディで、果実味が一番の主役です。開けたては、やや発泡のような刺激を感じ酸味も少ないですが、二日目ないし三日目くらいになるとその辺も落ち着いてきました。ただ、やはり果実味より酸味が前に出るということはありませんね。じんわり裏方です。また、渋みを感じはしますが、タンニンが舌を刺激するというほどではないように思いました。食事にあわせるなら、こちらもやはり赤身肉でしょう。牛肉のステーキやローストビーフ、それに煮込み煮にもあわせられます。また、やはりこのカベルネの風味にはラムがよく合います。こちらも、煮込みでもいけますし、ソテーはバッチリの相性です。その他、豚肉とも割りと合って、焼き豚にバルサミコ酢をたらしたものと結構よかったですし、トンカツや串かつとも好相性でした(ソースともいいようです)。イヌリエータのワインは、以前ノルテを飲みましたが、あちらもボルドータイプ(こちらとはセパージュの比率が逆)で、こちらがセカンドにあたるもののようです。親しみやすさならナバエルス、シビアさならノルテと言ったところでしょうか。どちらも非常にコストパフォーマンスは高いですね。特に、ナバエルスは、この価格帯のメルロー&カベルネのワインの中ではかなりのものだと思います。
2008年06月25日
コメント(0)
今回は久々にスペインの赤です。05ヴィンテージが「ワイン&スピリッツ」誌や「ギーア・ペニン」誌で高評価だったサクラ・ナトゥーラの06ヴィンテージです。生産者はセリェール・ピニョル。ロバート・パーカー氏が絶賛の安旨ワインラッチ・デ・ライムでも有名な生産者ですよね。ワイン自体は、一部のものに買い葡萄を使用しているため認証はありませんが、ワイナリー自体はカタルーニャ州の有機農法審議会に認証を受けているのだそうです。セパージュはカリニェナ35%、メルロー30%、シラー20%、テンプラニーリョ15%。価格は、写真のお店で2079円。色はらしいガーネットですが、透明度が意外に高く、濃い~という印象は受けません。香りは甘く芳醇。ラムレーズンを使ったレーズンバター(50%の新樽が効いているのでしょうか)をはじめに強く感じました。さらに、プラム、土、ミネラル、カラメル、オリエンタルなスパイスといったものを感じます。また、時間と共にやや穀物的な香りや干し葡萄、奥の方にはドライストロベリーといったような風味も感じました。味わいは、やはりフルーティで果実味が豊かです。また、ヴィンテージの若さもあってかタンニンを強く感じ、渋みと歯のキシキシ感があります。酸味はじわりと裏方。このスタイルの中では弱くはない方だと思います。ボディはミディアム程度で、ややみずみずしさを感じるくらい滑らかです。トータルすると、まさに黒葡萄を食べたような印象でした^^食事にあわせるというよりも、チーズやブラックオリーブ、生ハム(ハモンイベリコの味と香りが恋しくなりました)といったもの等、タパスをつまみに楽しみたい印象です。ただ、豚の角煮や焼き鳥(タレ)、ローストチキン、チキンのトマト煮など豚肉や鳥肉、味付けなら甘辛和食やトマト&ハーブ、あるいはバルサミコ酢といったものとの相性は良さそうです。豊かな香りと割りに軽やかなボディのおかげで、結構単独でも楽しめるかもしれません。個人的には、スタンディングスタイルのスペインバルなんかにあるとうれしいですね(^0^)熟成可能性についてはあまり感じませんでしたが、3年程度置いてみても面白いかも知れません。
2008年05月14日
コメント(0)
さて、ワイン会のワインもこれで最後です。フィンカ・ソブレーノ クリアンサ02。生産者であるボデガス・ソブレーノはトロ地方のボデガ(ワイナリー)で、醸造はマニュエル・ルイス・フェルナンデス氏が行っていて、樹齢20年以上の畑を100ヘクタールほど持っているそうです。セパージュはこちらもテンプラニーリョ100%。楽天での取り扱いは無いようです。色は濃いガーネット。透明度はほぼ無く、エッジは紫から赤みがかってきたところといった色合いです。香りは、ミントやオリエンタルなスパイスの風味といった青さを連想させる香りとややアンズのような香りが印象的で、今回飲んだ他のテンプラニーリョのワインとはちょっと毛色が違います。それ以外は、土や黒ベリー、熟した赤ベリー、ミネラル、スパイス、タバコのような樽の様なニュアンスといった要素が感じられました。味わいも、ビンテージ的には他のテンプラニーリョのワインより若いのですが、果実味は同じかやや強めて程度で、それ以上に酸味が元気なのが印象的です。また、旨みも多く、酸味と旨みが主体といったところ。タンニンはやや粗めで存在感はあります。食事にあわせるなら、鳥や牛の赤ワイン煮なんかによく合いそうですし、焼き鳥(タレ)や豚焼肉などをつまみながらでも美味しく飲めそうです。また、生ハムやブラックオリーブの塩漬け、チーズなどのタパス、ピンチョスあたりをつまみに気軽に楽しめるワインかなという感じもします。ビンテージ差や醸造方法の違いもあるでしょうが、他のワインとの違いに本当に驚きました。最初飲んだ時はテンプラニーリョではなくカリニェナか何かかと思いました。土地の違いがかなりあるのだと思います。
2008年02月04日
コメント(0)
ワイン会のワイン、続いてはスペインの赤。シエラ・カンタベリア レゼルヴァ97です。shinakunさん絶賛、kaoritalyさんの評価も高い1本です。生産者はヌマンシアやエストラテゴ・レアルでお馴染みのエグレン・ファミリーで、産地はリオハ。セパージュはテンプラニーリョ100%です。価格は、写真のお店で3150円で、楽天内で取扱いがあるのは写真のお店のみのようです。色は鮮やかなガーネット。流石レゼルヴァ、透明度は結構あります。香りは、ゴマ豆腐ないしルッコラのような風味とオレンジの香りが極めて印象的。時間が経つとオレンジの香りはさらに強くなります。その他、チェリーやラズベリー、ブラックベリーといったフルーツの香り、トリュフや革的なニュアンス、そして微かなハーブっぽさといった要素が感じられました。味わいは、熟成によるであろうまろやかなで滑らかなボディが印象的。飲み口がいいので飲みすぎ注意なタイプです^^;果実味もこなれていますし、乳酸的な酸味と滑らかなタンニンとのバランスもいいです。後口にはほんのりと旨みが残りました。こちらも、バランスの良さと繊細さのあるタイプなのでパンと生ハム、ハードチーズあたりをつまみにワインメインで楽しめるタイプだと思います。それでも食事にあわせるなら、樽のニュアンスと柔らかさの両方があるので、鳥だとちょっと弱く、牛以上の強い肉だと逆に強すぎるような気もします。そこで、ローストポークやソテーといった豚肉料理とあわせてみるのがいいように思います。これも美味しいワインでしたし、香りが結構個性的で印象深かったです。エグレンファミリーのワインはいくつかありますが、案外一番コストパフォーマンスがいいのではないかと思いました。スペインの3000円のワインの実力を見せてくれましたね。もう一つ上のグラン・レゼルヴァもぜひ飲んでみたいものです。
2008年02月02日
コメント(6)
さて、ワイン会のワインはここから赤です。最初の赤はスペインのヴィーニャ・エスペランサ グラン・レゼルヴァ97。生産者であるボデガス・フェルナンド・カストロは1850年にスペインのヴァルデペーニャス地方に設立されたボデガで、この地方では同族経営型のボデガとしては最古のものだそうです。セパージュはテンプラニーリョ100%。楽天での取り扱いは無いようです。色は濃いガーネットで、透明度は低めです。エッジは透明で、流石に紫感はありません。香りは、チョコレート、漢方薬、焼いた肉、カラメルといった風味があり樽が効いている事を感じさせます。その他、プラムやブルーベリー、熟した黒いベリーといったフルーティーな香り、さらには少しのナッツのような木の風味すら感じられます。味わいは、果実味がこなれて柔らかくなっており、酸も溶け込み気味で飲みやすいものになっています。ただ、タンニンは口の中に残るほどではありませんが、熟成度合いを考えれば比較的元気な方だと思います。ボディもまろやかなミディアムで重さは感じません。余韻には黒いベリーの風味を感じました。食事にあわせずとも、単独でパンやブラックオリーブ、あるいはハモンイベリコやマンチェゴあたりをつまみにじっくり、というよりのんびり飲みたいようなワインだと思います。しいてあわせるなら、ローストビーフや牛肉のタタキ、牛フィレのステーキ、それにキノコのバター醤油炒めなどあまり脂っこくなく、しかしある程度ミネラルのある肉料理あたりがお勧めな感じです。モダンなタイプのテンプラニーリョのワインらしい香りと味わいで、若いうちは樽の効いた濃厚系ワインだったのかなという印象です。しかし、10年と少しの熟成を経て十分にこなれて飲みやすくいただけました。
2008年01月27日
コメント(2)
こちらはワイン会で飲んだ白ワインです。バサ05。作り手はスペインで今注目されている醸造家の一人テルモ・ロドリゲスです。スペイン中を車で走り回って、放置されているブドウの木の中で気に入ったものを見つけるとそこに醸造・熟成の施設を持ち込んでワインを造るというユニークな造り方をしています。本ワインの生産地はルエダです。セパージュはヴェルデホ、ビウラ、ソーヴィニヨン・ブラン。価格は1300円程度が相場のようで、写真のお店でも1344円です。色は薄い黄色で、やや青みがかったタイプです。香りは、グレープフルーツ的なやや青さのある柑橘香が印象的。ソーヴィニヨン・ブランが効いているのでしょうか。その他、レモンや蜜っぽさ、やや石灰的なミネラル香も感じられました。また、時間が経つと草っぽさも表われてきて、こちらもソーヴィニヨン・ブラン的でした。味わいは、果実味と酸のバランスはいいですが、どちらもあまり強くは無く、よく言えば繊細といったレベルです。ミネラル感もそこそこで、ボディはクリアーで多少の伸びがあり、全体としてのバランスもなかなか。後口に少しの苦味を感じました。基本的に、食事の邪魔をするタイプではありませんが、魚介や鳥肉などのあっさりした料理となら、よりいい組み合わせになると思います。シーフードマリネや魚介のグリル(香草焼きでもいいですが、もっと簡単に炭火焼にオリーブオイルかけるだけ程度でも良さそう)、もしくは刺身でも大丈夫そうです。鳥肉ならやはり焼き鳥(塩)でしょう。ガーリックなども使わず、肉の旨みを塩で引き立てるだけないし少しレモンを絞る程度で十分でしょう。際立った特徴があるわけではありませんが、バランスはよく、値段相応くらいのワインかなという感じです。作り手が作り手だけにちょっと期待が大きすぎたかなという気もします^^;
2008年01月24日
コメント(4)
今回のワインはスペイン、ナヴァラ地方の赤です。ノルテ04。生産者はボデガ・イヌリエータ。スペインのワインガイド「ギーア・ペニン」やロバート・パーカー氏の評価も高いようです。本ワインの名前である「ノルテ」とはスペイン語で「北」という意味だそうです。なぜそのような名前なのかというと、ナヴァラの北にある地にあたるフランスのブドウ品種を使っているからだそうです。というわけで、セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー40%。価格は、写真のお店では1764円です。色は暗いガーネット。透明度は結構あり、エッジは紫がかったルビーといったところです。香りはなかなか華やかで、カベルネ・ソーヴィニヨンらしい黒コショウやミント的なハーブ香の他、熟した黒いベリーや赤いベリー、プラム、アメリカンチェリーといったフルーティーな香り、やや鉄っぽさを伴う土、キノコ、バラの花、そして樽由来のバニラ香といった要素が感じられます。味わいは、抜栓直後~1日くらいの間は酸味果実味ともに感じられるものの酸味の方が優勢で甘酸っぱい印象。2日目後半から3日目になると果実味がより強くなってきました。4日目でもあまりへたれる様子もありませんでした。渋みは酸味ほどではありませんが量はあるほうで、後口にはじわりと旨みが残ります。ボディはフルボディでまろやか丸い系。食事にあわせるなら、酸味の強い間はローストビーフや牛肉のステーキ(フィレといったややさっぱり目のものがいいかも)などや、あるいはタレしっかりで食べるローストチキンくらいでもいけそうな感じです。あとはゴボウとも面白そう^^果実味が主役に代わってからは牛肉はもちろんラム肉や鹿肉などの味の強いお肉にもあわせられそうですし、ブルーチーズとの相性も試してみたいところです。モダンスペイン的なつくりですが、バランスの良さがあり飲み疲れするようなタイプではないと思います。スペインらしい、コストパフォーマンスの高いワインといえると思います。次のビンテージ、そのまた次のビンテージと向上して行ってくれれば、値段の方も上がりそうな気がします^^;
2007年11月28日
コメント(0)
今回のワインはスペインのデイリーもの。マルケス・デ・アリカンテ クリアンサ03です。アリカンタというスペインの地域のワインで、このワインの下にまだ2つほどのワインがあります。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラニーリョ、モナストレルの三種類。価格は、890円と1000円を切っています。取り扱いは写真のお店だけですが、このお店ではこのアリカンテのワインが充実しています。なお、前回のヴィエナ・クラシックもこのお店での購入です。色は濃いガーネット。エッジには紫がありかなり若々しさと濃厚さを感じます。香りは、カベルネのスパイシーさと若干のハーブ感がしっかり感じられます。また、黒いベリーのフルーティーさや土の香り、そして微かな紅茶の香りも感じられました。面白いのは、口に含むとかなりはっきりと干しブドウの香りが感じられる点で、この辺りはテンプラニーリョやモナストレルに由来しているのかな、と思いました。味わいは色合いに似合った濃厚なもの。果実味の凝縮感が特徴の、モダンなスペインワインの典型のような味わいです。また、タンニンも歯の裏などにはっきりと感じられ、渋みもしっかり備わっています。酸味は、果実味や渋みと比べれば控えめですが、確かに感じられはします。ボディーもパワフルではあります。しかし、テンプラニーリョやモナストレルのおかげか熟成によるものか、あるいはその両方なのかは判りませんが、色や味わいからは意外なクリアーさがありました。やはり、この手のワインには牛肉が合います。ステーキやローストビーフ、ビーフシチューなどはもちろん、スパイシーさのおかげか中華風の味付けにも合い、中華風炒めにもいい感じでした。また、トマトソースとの相性もなかなかのようで、トンカツのトマトーソース&チーズがけにもよく合っていまして、特に、トマトソースの甘さや酸味とよかったです。味わいは、確かによくあるタイプのものかもしれませんが、それがこの価格というところには価値があるかなと思います。なお、このワインのほかに写真のお店が持っているアリカンテのワインは560円と440円!のものなので、こちらもどんなものか興味深いところです。
2007年09月08日
コメント(2)
ワイン会5本目からは赤ワインです。スペインのDOマドリッドで作られているロス・カミニージョス ティント05です。生産者はフランシスコ・カサスという1940年にマドリッドに設立されたボデガだそうです。セパージュはテンプラニーリョ50%、ガルナッチャ(フランスで言うグルナッシュですね)50%です。価格は写真のお店で1260円で、他のお店では取り扱っていない、オリジナル(輸入はインポーターが代行しています)のアイテムのようです。色は、典型的なガーネットで、モダンなスペインワインらしい感じ。しかし、やや透明度は高い目になっているように思いました。香りは黒いベリー、ブルーベリーといったフルーティなもの(少しジャミーな要素も)に赤い花、若干のスパイス、樽から来るであろうカラメルといったよくあるものなのですが、そこに若いワインにしてはかなりはっきりとした干しブドウが感じられます。味わいは、やはり若いモダンなスペインワインらしい果実味の豊かさがあるのですが、酸も脇役として仕事をしています。しかし、驚くべきはそのボディーのクリアーさ、滑らかさです。タンニンもやはり滑らかで、この時期でも少し低めの温度でするすると快適に飲めます。食事にもあわせやすいと思います。中でも、生ハム(食事と言うよりつまみですが^^;)やスパニッシュオムレツ、スペインのハードチーズといったタパスとの相性はいいと思います。また、豚の角煮や焼き鳥(タレ)、あるいは鰹のたたきあたりともいけそうな感じです。実はこのワイン、今回のワイン会で飲んだワインの中でも1番の人気アイテムでした。価格は1番安いんですがね~^^;確かに、非常にバランスが良く、私もかなり美味しく感じました。価格を考えても、明確に当たりといえるワインだと思います。この写真のお店(オーケストラワインショップ)はいくつかオリジナルのスペインワインを持っていて、今回のロス・カミニージョスのほか前に記事にしたオリベル・コンティもそうなのですが、どちらもなかなかいいアイテムでした。
2007年08月26日
コメント(0)
前回記事にしたオリベル・コンティの赤です。オリベル・コンティ ティント00。生産地はやはりエンポルダー・コスタ・ブラバになります。フランス産オーク樽による4ヶ月熟成をさせてあるそうですが、樽の過度の使用を避けるため、新樽、セカンド樽、サード樽と組み合わせて使っているそうです。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネ・フラン10%と完全なボルドー型です。価格は、やはりこのお店しか扱っておらず、3087円です。色は濃厚ガーネット。まさにカベルネのワインといった感じ。こちらのワインも無濾過なのでやや濁りがあります。香りはカベルネ・ソーヴィニヨンらしいスパイスの香りがはっきり感じられ、樽によるのであろうカラメル、なめし皮、そして落ち葉ないし腐葉土のニュアンスが感じられます。時間経過とともにそれらの要素がより明確になっていって、カラメルの要素にコーヒーっぽさが加わり、さらには若干の青さや黒いベリーの香り、アールグレイ的な紅茶の香りや黄桃のようなイメージの香りも現れます。味わいは凝縮感のある果実味がありますが、それに見合った酸があって甘酸っぱく実に快適です。ボディが柔らかさはあるものの、まろやかというよりみずみずしいものになっているのも快適さの一因になっているのかもしれません。タンニンも滑らかです。余韻は樽、干しブドウ、カラメル、そして若干のスパイスがあり長く、かつ、ブルーチーズをつまみにしてもしっかり感じられるほどにあります。つまみには、既に書きましたがブルーチーズもいけます。他にも、コショウで食べる牛肉やラム肉のステーキにもばっちり。ボルドーワインに合うものと同じもので大丈夫です。ちょっと面白かったのは、タレの焼き鳥にも結構よかったことです。おそらく、炭焼きの焼き鳥だったのがよかったのでしょう。これはちょっと凄いワインだと思います。3000円のワインに使うにはおかしいかもしれませんがコストパフォーマンスが高いワインといえるでしょう。リアルワインガイドの、3000円以下の美味しい赤ワイン企画のスペイン部門でも高得点で、パーカーも88点+と高評価を下しているようですが、これには同意せざるを得ないでしょう。
2007年08月13日
コメント(0)
今回はスペインの白です。エンポルダー・コスタ・ブラバという聞きなれない生産地のワイン、オリベル・コンティ ブランコ01です。このオリベル・コンティというワイナリーは1991年創業という非常に若いワイナリーだそうです。セパージュは、これまた珍しいゲヴュルツトラミネル50%、ソーヴィニヨン・ブラン50%というものです。価格は3150円で、取り扱っているのは楽天外を含めても写真のお店しか確認できていません。色は麦わら色。レモン果汁よりやや黄色く黄金ほどではないといったところです。特徴は、無濾過で作られているそうでやや濁りがあることです。香りは、ソーヴィニヨン・ブラン由来と思われる青リンゴやハーブの爽やかさ、ゲヴュルツトラミネル由来と思われるライチや桃、そして若干の洋ナシやメロンといった濃厚さの両方を持っています。また、ミネラル分や蜜も感じられます。しかし、特徴的なのはスパイス、中でもウコンのような要素がはっきりと感じられることです。なんとも複雑で不思議な感じです(ウコン感は抜栓ご3日くらい経つと減ります)。味わいは、熟成もあってか果実味も落ち着いていてなかなかドライです。酸味も果実味にあった落ち着いたものとなっています。アルコールの辛さや旨みも感じられ、少し日本酒のような印象も。ボディもクリアーで軽めとなっていて繊細さがあります。食事には、味の強いものでなければよく合います。特にシーフードとの相性はよく、なんだか本当に日本酒のようですが、サワラやタイの刺身なんかともいい組み合わせです。しかも、刺身に付いている紫蘇の葉で刺身を巻いて醤油をつけて食べるとさらに相性がよくなりました。またまた例のごと塩の焼き鳥をあわせてもみましたが、こちらは喧嘩にはならないもののワインはやや引き立て役になってしまいました。非常に面白いワインです。3000円という値段は安いものではありませんがめったに味わえない味のワインであるということは間違いありません。ちなみに、パーカーポイントは90点と高評価なようですが、これが彼の好みとはちょっと意外な感じもしました。
2007年08月11日
コメント(4)
スペインの泡というとカバが圧倒的に有名ですが、北部バスクではこんなワインも作られています。チャコリ チョミン・エチャニス06です。泡といってもこちらはプロセッコやヴィニョ・ヴェルデのような微発泡ワインです。あまり知名度は無いかもしれませんが、パーカーやぺニンの評価も高いようです。セパージュは…白葡萄のオンダラビ・スリ85%、赤葡萄のオンダラビ・ベルツァ15%です(マニアック過ぎ^^;)。価格は3000円前後が多いようですが、写真のお店では2656円とややお安め。色はレモンイエロー。あるいは淡い麦わら色といってもいいでしょう。香りは岩系で、塩味を感じるミネラルのニュアンスもありますが、主役は柑橘です。レモンのようなフレッシュさと酸味のある香り、グレープフルーツのような甘さも持った爽やかさを感じる香り、ライムのようなやや青いニュアンスを持った香りと柑橘満載です。味わいは香りに見合った酸味が中心。もちろん、果実味やミネラルもしっかりありますよ。発泡については「微発泡」というカテゴリーのなかでもかなり弱い方で、爽やかな白ワインといった印象ですね。ボディも軽やかですが、ミネラルの硬質感と少々のコクがあり、典型的なさっぱり辛口のワインといえると思います。余韻は酸味とレモンの香りやミネラルが少しありますが、やはりキレのよさが魅力でしょう。食事に合わせるべきワインです。特にシーフードには最適でしょう。白身魚や青魚のグリル、鮮魚けいならカルパッチョやマリネ、刺身でもサーモンや鯛の脂の乗ったやつにはいけそうです。あと、握り寿司でも白身やエビ、イカ、タコなんかなら美味しいと思います。また、最近流行のスペインバルのタパス料理なんかは軒並み合いそうです(^-^)お値段を考えるとやや高い気もしますが、この時期には間違いなく美味しいワインです。食事との相性も申し分無しです。夏の休日の昼下がりなんかに、友人とわいわいランチパーティーをやったり、あるいは海辺でシーフードバーベキューをやったりするには最適のワインだと思います♪
2007年07月29日
コメント(0)
スペインの白、というとあまり聞きませんが、これはそんなスペインの白ワインです。有名な生産者トーレスのヴィーニャ・エスメラルダ06です。モスカテル(マスカット)とアルザスやドイツでよく作られているゲヴュルツトラミネルというセパージュになっています。価格は1659円です。ちなみに、エスメラルダとはエメラルドという意味だそうですよ。色は薄い黄色。かなり薄めでレモンやグレープフルーツの果汁みたいな感じです。香りは実に甘く華やか。モスカテルの持つフルーティな香りとゲヴュルツトラミネル由来のライチや花の香りがあいまって、白いバラの甘い香り、柑橘類系の爽やかさ、それに少しのダージリンティーっぽさや白胡椒系のスパイス感などを感じられます。味は、06だけあってか抜栓当初はやや残糖による刺激を感じ、結構甘いです(分類的には中辛口程度でしょうか)。ただ、爽やかな酸味もあるので濃いという感じではなく丸みがあってやさしさを感じます。このあたりはアルザス的ですね。レストランでも結構置いている店が多いだけあって、食事には合わせやすいです。特に、ちょっと季節外れですが菜の花の辛し和えとの相性は良かったです。余韻がレモンのような爽やかな感じになりました。また、小松菜のおひたしにも合い、青い野菜を和食で食べるのに合うようです。また、鰹のたたきにも良かったですよ。さらに、マヨネーズってワインに合いにくい印象があったんですが、エビマヨと合わせても喧嘩せず美味しくいただけました(エビと合ってただけかもですが^^;)。トーレスのワインはコンビニでも買えたりしますが、このワインはちょっとそれは無理なようです><ただ、やはりスペインらしくコストパフォーマンスの高いワインであることに違いはありません。
2007年06月03日
コメント(0)
スペインワインのドラゴン・テンプラニーリョ レセルヴァス・プリヴァダス03です。ベルベラーナという1877年創立のボデガ(ワイン醸造所、酒蔵の意)のものです。産地はリオハです。その名の通り、テンプラニーリョ100%で作られています。開けたては、流石にアメリカンオーク樽で18ヶ月熟成されているだけあって強い樽の香り。チョコレート系の印象を受けます。ただ、黒いベリー系の香りや果実味の強さもあり若い目のテンプラニーリョらしさもあります。その一方で、熟成のなせる業かボディは重くなく、酸味も程よくあり野暮ったい印象は受けませんでした。時間がたってからがこのワインの真骨頂でしょう。徐々にフルーティな香りが出てきて、さらにその後、樽香がこなれる事でダージリンティーのような香りやスパイシーさが出てきます。この香り、抜栓後2日目3日目くらいでも充分楽しめますよ。むしろ、もっと落ち着いてくるくらいでした。味も、最初の頃は果実味と樽でブルーベリーヨーグルトのような印象でしたが、だんだんと落ち着いたバランスのよさを持ちつつも、クリアーかつチャーミングなブルーベリーの味わいもある、といった具合に変化します。つまみはあまり強すぎない味の方がいい、といいますかバケット程度にしておいてワインの味や香りを単独で楽しむ方がいいようなワインだと思いました。何か相性のいい食べ物をご存知の方がいたらお教えいただきたいです。このワイン、1500円程度のものなのですが、それにしてはかなりコストパフォーマンスが高いように思われました。これだけの変化と上品さを持っているというのは正直かなりの驚きでした。ただ、時間がかかるので、ワイン会等でいきなり一番いい状態で飲みたい場合はデキャンタしたほうがいいかもしれません。
2007年04月26日
コメント(0)
全41件 (41件中 1-41件目)
1