三浦半島の西海岸の中間に、風光明媚な 立石公園 がある。逗子駅から南へ7.5kmほど、風が弱ければサイクリングでも行ける。京急の路線バスを使用すると30分程度。秋谷地区の立石バス停で降りると、秋谷の立石(あきやのたていし)は、すぐそばにある。
かながわの景勝50選の一つ「 秋谷の立石 」。海に突き出た立石と梵天ケ鼻(ほんてんがはな)の岩場に自生した松との間に、富士山・丹沢山地が見えるという構図が昔から好まれた。気象条件、暦、および時刻しだいで、絶景に遇うことができる。小生の訪れた時刻、富士は見えなかった。
立石の大きさは高さ12m、周囲約30mで、それほど大きくない。しかし背景となる 梵天ケ鼻 と富士山の配置関係で、立石の存在感があるのだ。立石の岩質は、方解石などの鉱物が脈状に発達した凝灰岩だと説明書きがあった。
歌川広重の「 相州三浦秋屋の里 」という浮世絵もある。江戸の人々にとって、富士と大山は信仰の山。二つの山と相模の海は人気が高かったと思われる。広重の「冨士三十六景」は何処からどう見た景を、北斎の「冨嶽三十六景」はどのように描くかが、作風の相違点と言われている。
写真-1 三浦半島西海岸の景勝地「秋谷の立石」。訪れた時刻には、富士山は見えず。
写真-2 梵天ケ鼻の岩場の松と江の島。秋谷海水浴場から望む。
写真-3 立石公園の展望所と松。相模湾と伊豆大島を見渡すことができる。
写真-4 広重の冨士三十六景「相州三浦之海上」。富士山と大山と江の島の三点セット図。
写真-4 かながわの景勝50選の碑。広報パンフより。
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