木更津港の陸上自衛隊駐屯地近くに 吾妻神社 がある。日本武尊(ヤマトタケル)ゆかりの神社。日本武尊の妻にあたる弟橘媛(オトタチバナヒメ)を祀る。吾妻神社と港を隔て、約1kmに中の島大橋が位置する。中の島大橋が恋人の聖地に選定された理由のひとつがこの神社の存在だ。
日本武尊が東国遠征の折、相模国から上総国へ渡ろうとしたところ嵐に襲われた。その際、 弟橘媛 が海に身を投げて嵐を鎮めたという伝説。彼女の遺品である衣の袖を納めて神社ができた。衣の袖が流れ着いた場所が袖ヶ浦市。現在は船に頼らずにアクアラインというトンネルと橋で渡れる。
木更津の由来は、日本武尊が弟橘媛を偲んでこの地を立ち去ろうとしなかったから・・。「君さらず 袖しが浦に たつ波の その面影・・」の和歌が残る。木更津市街を一望できる大田山公園に 「きみさらずタワー 」がある。その上方のモニュメントは、二人が語りあう姿を現わしている。
千葉の地には、上総(かずさ)と下総(しもうさ)との古名が残っている。古来、上の文字が付く方が都に近い土地を示す。昔から海上ルートを利用したのだろう。観音崎辺りから富津に渡るのが最短だ。観音崎近くには速水港と 速水神社 がある。弟橘媛の遺品・櫛を納めた神社。櫛と袖とが結ぶ道である。
写真-1 木更津港の東側に建つ吾妻神社と桜の古木。弟橘姫(オトタチバナヒメ)を祀る。
写真-2 境内脇の鏡ケ池。日本武尊が弟橘媛の鏡を沈めたとされる池。
写真-3 社殿の向背に彫られている神話の世界。よく見ると海神龍と二人。
写真-4 先日訪れた横須賀市速水港。対岸に富津の東京湾観音が見えているが・・。
写真-5 大田山公園の「きみさらずタワー」。木更津市街を一望。
古街道沿 駒形神社 2020年08月29日
日光道中 粕壁宿 2020年08月06日
白壁・格子戸 石畳の道 2017年10月06日
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