栃木市は、巴波川 ( うずまがわ ) 20 分舟行している。女性船頭による「栃木河岸船頭唄」が蔵の壁に響き渡る。
栃木の舟運の始まりは、徳川家康の霊柩を久能山から日光山に改葬する際に、荷揚げ基地となったことから・・。巴波川は、利根川水系ではあるが、そう大きい川ではない。運河として利用するのに適していたのだろう。しかし、ひとたび大雨になると川は、「 ウズを巻き、波を立て て」流れたそうだ。
江戸時代、栃木河岸から江戸日本橋までは 43 里 (168 km ) の行程。江戸からは塩や日光山御用達品が運ばれ、栃木からは木材・炭、農産物を江戸へ運んだ。都賀舟 ( 米 50 俵積み ) を使用して巴波川を下り、利根川近くで高瀬船 ( 米 300 俵積 ) に積み替えたという。
数年前、小型の和舟に乗った有志が、栃木から日本橋までの川下りを成功させている。渡良瀬川―思川―利根川―江戸川―隅田川―日本橋川と 120 kmを 4 日間かけて舟行した。巴波川には「 7つのセキ 」がある。最初のセキは三番堰。手前の瀬戸ケ原堰は、転倒式に改修されているのでスムーズに通過できそうだ・・。
写真 -1 旧木造回漕問屋のほとりを流れる和船。大きな鯉が舟の周りに寄ってくる。
写真 -2 舟下りは瀬戸ケ原堰の手前Uターンする。船頭唄がよく通る巴波川。
写真 -3 瀬戸ケ原堰を下流から望む。堰の半分を転倒式に改修して、河川浄化作業を容易にした。
写真 -4 相生橋近くの片岡写真館。創業が明治 2 年、昔の街並みや人を撮り続けてきた。
写真 -5 県庁堀近くの常盤橋。小さいが古風ある橋が残されている巴波川。
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