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【僕は長い間、小説を書いて生活してきたわけですが、本を出すたびに、さまざまな意見や批評が寄せられました。好意的なものもあり、批判的なものもありますが、その中にはどうみても事実誤認、誤解としか思えないことも少なからずあって、そういうのってちょっと違うよなとか思いました。でも、こっちもまあ忙しいし、一つひとつ「それは違うよ」とか反論しているわけにもいきませんから、柳に風とサクサク受け流していたのですが、今になってみると「それでよかったんだな」と実感します。というのは誤解も間違いも偏見も、年月が経過するとみんな自然にばらけて、溶けて、まるごとひとつの気分みたいなものになってしまうからです。そしてそのひとつになった気分って、基本的にというか総体的にというか、不思議に「なるほどな」とか思わず腕組みしてしまうんです。 みなさんも他人から誤解され、場合によっては非難されて、腹が立ったり落ち込んだりした経験はおありじゃないかと思います。でもね、あまり気にしないほうがいいです。時間がたてば、すべては溶けて丸まって、落ち着くべきところに落ち着きます。もちろん中にははっきり反論すべき誤解もあるでしょうが、もしそれほど大したことじゃなければ、僕みたいに適当に受け流しているのがいちばんじゃないかな。あとは時間がうまく解決してくれます。時間は偉大です。頑張ってくださいね。】

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