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こんばんは、ほうとうです。 18日(土)、広島市平和公園の一角にある国際会議場・フェニックスホールで行われた、広島交響楽団の演奏会(名曲コンサート・音楽の花束)を聴いて来ました。 「イニシャルBの誘惑」という副題が付されていて、今年度は名前の頭文字が“B”の作曲家の作品が取り上げられることが分かります。ドイツ・オーストリア(独墺)系作曲家には頭文字Bの大作曲家が多い(Bach、Beethoven、Brahms、Bruckner/バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー)ので、企画し易いですね。また、今年は生誕200年を迎えることから、当然ブルックナーの曲が今回取り上げられることとなりました。 今回の曲目は、ブルッフのクラリネットとヴィオラのための二重協奏曲ホ短調(Cl.三界達義、Va.安保恵麻、共に同団首席奏者)とブルックナーの交響曲第7番ホ長調(ノーヴァク版)とアンコールにJ.S.バッハのG線上のアリア(繰り返し無し)。 指揮は沼尻竜典。 今年度、広響はブルックナーを計4回演奏予定としています。前音楽監督下野竜也が得意としていたので、その蓄積もあるかも知れません。 嵐の中の母子像と ブルッフは、ヴァイオリン協奏曲第1番が有名なドイツ・ロマン派の作曲家で、今回の二重協奏曲は初めて聴きます。ブラームスの影響を受け内省的で、第2楽章でスウェーデン民謡、第1楽章でも民謡風のメロディーが登場するので、地味目の佳曲という印象を受けました。 ツツジ咲く さて、ブルックナーの第7交響曲。沼尻さんが振るので、コッテリした演奏にはならないと予想していましたが、やはりそうでした。沼尻さんは譜面に忠実に演奏するスタイルなのですが、マーラーが譜面に細々と言葉で演奏上の指示を書いたのに対し、ブルックナーはほぼ書かないので、彼特有の技法・手法は再現する必要があると思います。彼はパイプオルガンの即興演奏が大得意だっただけに、細かい指示を書かなかったのですが、教会オルガニスト特有の音楽の間も持っています。 ワグナー・チューバとバス・チューバを近くに配置したのは大正解。 チューバの古本さんは、ハイトーン(高音)が不安定(音の出だしや音程)でした。これは不満足です。 沼尻さんの演奏スタイルなら、ブルックナーに関しては初稿を演奏するのも面白いかも知れません。 中庭 また、会場が音楽専用ホールでないことから、オケの編成に比較して、ステージ上部の空間が無駄に広く、ホールの反響も今一つで、残響が少なめであることも、影響があったと感じました。 逆に、アンコールでは古典派の素朴な響きが好印象でした。 ヤマボウシと
2024.05.20
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こんばんは、ほうとうです。 12日(金)、フェスティバルホールで行われた、大フィルの第545回定期に行って来ました。(ホール向かいのフェスティバルウェスト) 指揮は音楽監督の尾高忠明。曲目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調(独奏:北村朋幹)とブルックナーの交響曲第9番ニ短調(コールス校訂、3楽章版)。 今回は、コールス校訂版に興味があったので、これについて書きたいと思います。 ブルックナーの交響曲には、楽譜の問題がついて回ります。弟子たちの意見で派手なオーケストレーションされた「改訂版」、その後の研究後、「原典版」として発表され、1934年出版された「ハース版」、続いて1951年出版の「ノヴァーク版」、そして今回演奏された、2000年出版の「コールス校訂版」です。なお、コールスは、ブルックナーが残した第4楽章スケッチをもとに補筆完成させた4楽章版もありますが、ブルックナー自身が親しい友人に「最高のアダージョ(緩徐楽章)が書けました。」としたためていることから、4楽章にせず3楽章で終わるのが今のところ良さそうです。 「ハース版」「ノヴァーク版」「コールス改訂版」の違いは、聞き分けるのは困難で、譜面を見比べる必要があります。 とすると、この「ブルックナーの白鳥の歌」とも評される、終楽章(3楽章)は、淡々と進めていくのではなく、じっくり丁寧に所によっては濃厚に演奏するのがいいと思います。
2021.02.15
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こんばんは、ほうとうです。 15日(日)、ザ・シンフォニーホールで行われた、広島交響楽団第405回プレミアム定期に行ってきました。指揮は同団音楽総監督の下野竜也。 天気が良いので、大阪駅から新梅田シティを通って散歩しながら会場に向かいました。 梅田スカイビル ザ・シンフォニーホール正面 曲目は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」(独奏は小山実稚恵、アンコールは、「エリーゼのために」。)とブルックナーの交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(ハース版)。「19世紀初めと末のウィーンの変ホ長調」とも言うべき曲目構成です。 コロナ前の団員配置で、客席も1席おきの発売ではありませんでした。器楽の演奏会では殊更な対策は必要ないと分かってきたようです。(開場は時間の余裕を持たせ、検温。チケットもぎりは客自身で。終演退場は誘導あり。会場内のショップ等は休業、は継続しています。) となると、合唱やオペラをどう公演するかという問題に立ち向かわなければなりませんね。 年末恒例の第九もプロの合唱団なら十分対応できる、と公演が予定されています。ただ、プロの合唱団は数少ないので、地方ではこの年末は第九の公演がない所が多いようです。 さて、聴いての感想ですが、協奏曲は、オケが、平均律で調律するピアノの音程に合わせられない所が少しありました。 交響曲は、ブルックナーの中では比較的編成が小さい(木管は2管で、ワーグナーチューバもない。)ので、コロナ下でも取り上げやすい曲です。 指揮の下野さんは、若いころ大フィルの朝比奈御大の下で研鑽を積んでいるので、ブルックナーを良く知っており、ブルックナー特有の作曲技法はきちんと押さえて、広響もこれに応えていい演奏でした。関西のオケもうかうかしてられませんね。金管の音色がもう少し煌きがあっても良かったかな、と感じました。ティンパニはもう少し良い(高価な)皮を使って欲しいと思いました。 また、コントラバスの首席に、N響の吉田秀さんが客演していました。ブンブン鳴らしてくれるけれども、とても心地よく流石でした。 下野さんも50歳を超えられたので、これからは味のある演奏を期待したいと思います。
2020.11.18
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こんばんは、ほうとうです。 昨3日(土)、京都コンサートホールで行われた、ハイティンク指揮ロンドン交響楽団の演奏会に行ってきました。 曲目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調(独奏:マレイ・ペライア)とブルックナーの交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)。(アンコールは無し。) この曲の組み合わせなら、ブルックナーを語るしかありませんね。(事実、モーツァルトも同じ言葉でまとめられてしまいます。) 謙虚とか慈悲深いとか評されるハイティンクですが、ブル7をやや抒情的に、しかしながら急激なテンポ変化や大胆で扇情的な表現は一切なく、即興も無く、当にしっかりしたリハ通りの「調和の」演奏でした。オケもミスなく、高い水準の演奏でした。 一番共感したのは、アダージョの2楽章で(バス)チューバ奏者をワグナーチューバ4番奏者の隣に移動させたこと。大賛成です。ブル7以降の交響曲ではワグナーチューバが使われるのですが、緩やかな所ではチューバも一緒に動いているので、そばにいるのが自然で、よく調和するのです。でも、なかなかチューバ奏者を移動させる指揮者はいないよな。(かつて私がいた学生オケは、元々ホルンとトロンボーンが近くに配置されていたので、チューバの私が移動する必要が無かったなあ。)
2015.10.04
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