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デビュー2年にして、サラ・バレツキーやスー・グラフトンと並ぶ女流ミステリー作家となったパトリシア・コーンウェルの3作目の長編が『検屍官ケイ 遺留品』です。 ここ数年、若いカップルが誘拐され殺される事件が続発していました。検屍官ケイ・スカーペッタが遺体に対面する頃には半ば白骨化しているため、殺人の手口も、死因も特定できない状況でした。 そして、新たに誘拐された女の子は、政界の大物の娘でした。 時代がさかのぼるので、今の検死ならもっと科学的に死因が特定できるのでしょうが、検屍官の大変さは昔も今も同じでしょう。 ケイは人差し指の骨に残った小さな傷や椎骨から抜き取った弾丸の特徴から、犯人像、犯行のシナリオに迫っていきます。最後はDNA鑑定の結果…。 本来の検死の仕事に加えて、犯人をみつけるために走り回るケイのパワフルさに脱帽です。 参照元:『検屍官ケイ 遺留品』パトリシア・コーンウェル 相原真理子・訳 講談社文庫
January 31, 2022
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『治療塔』でも、四国出身のしっかりした祖母と、知的障がいがある音楽家ヒカリさんが健在です。 重要人物の会話の中で、穏やかに話をしながらも的確ではっとする一言を発する「繁さんのお祖母さん」と、緊迫する場面でさらりと空気を変えてくれるヒカリさん。どちらも「選ばれない者」ですが、確固とした存在です。 最後に、リッチャンは、隆伯父さんが見せてくれた新しい地球でのヴィデオを見て考えます。「新しい地球」開拓という不毛の労役に携わった「選ばれた者」こそ見知らぬ惑星の棄て子のようではないか。「治療塔」で深く癒やされる人の姿からリッチャンは宇宙の言葉で伝えられるイェーツの詩を聞き取るのでした。最も新しい人よりさらに新しい人を、ほかならぬおまえが生むのだと、その言葉は告げ知らせてくれる。胎児の心音と共にイェーツの詩はリッチャンの中で生きてきます。 華々しい宇宙開拓の話でもありません。むしろ、語られるのは宇宙移民の失敗です。 戦争と環境汚染、エイズや癌が蔓延する旧地球、定住できなかった新地球。「選ばれた者」たる帰還者の政治的支配にも反対勢力が存在し、地球の未来像は揺らぎを見せます。 ただ1つ、再生への途を示す『治療塔』の存在。「選ばれた者」でも「残留者」でもない新しい人の誕生が、未来へ続くベクトル。 エンターテイメント性の高いSFに比べると、読むのに2~3倍の時間がかかりました。それでも読み込みが足りないくらいの重厚なSFです。 引用および参照元:大江健三郎『治療塔』講談社文庫
January 29, 2022
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1986年1月28日、アメリカのスペースシャトル「チャレンジャー号」が打ち上げ後74秒で大爆発を起こし、乗務員7人全員が死亡するという事故が起こりました。 その後、大江健三郎が1990年5月刊行のSF小説『治療塔』の中で、この事故を「宇宙意志からの警告」と表現したため、1月28日は「宇宙からの警告の日」とされました。 『治療塔』では、主人公のリッチャンに対して繁伯父さんは、新しい地球への移民の悲劇的な本質があらかじめ示されていた前駆として古き善き時代のケープ・カナベラル基地からNASAのスペース・シャトルが打ち上げられていた、宇宙航海の揺籃期のスペースシャトル打ち上げ失敗を挙げます。かれらの胸の底に届いていたのは、人的被害は最小限にとどめての宇宙意志からの警告だったのさ。私はね、あれを機会に、宇宙にロケットを打ち上げる試みは、すべて断念すべきだったと思うよ。…ところが人類はそれとは逆の選択をしたんだなあ。『治療塔』では、スターシップの大船団を作り上げ、新しい地球に向けて打ち上げることになります。それは、「選ばれた者」と「残留者」を分断することになり…。 残留者のリッチャンは、戦争で両親を亡くし、祖母と暮らしています。一家は権力者の一族です。 優秀であったのに地球に残った繁伯父は癌で亡くなり、弟の隆伯父は日本船団の責任者として新しい地球へと旅立って行きました。 そして10年、大船団は帰還しました。乗組員たちは大変な苦労をしたはずなのに、溌剌として10年前から歳をとることもなく。 帰還者は、残留者との分断を図る方向に…。 選ばれた者たちの若返ったような健康の秘密は『治療塔』と呼ばれる建物なのですが、どんな存在によって造られたものなのか、最後まで謎は解かれません。あらかじめ神によって用意されていたかのような『治療塔』の存在を、朔ちゃんはイェーツの詩を介して伝えます。僕はすべてを量りましたすべてを心によみがえらせて、これから来たるべき年月は、呼吸の消費、過ぎ去った年月も、呼吸の消費、この死、すなわち新しい生とあい量るなら。(『羊飼と山羊飼』) 『治療塔』で若返りを果たした開拓者たちは、新しい肉体の力を、汚染と欠乏の旧地球で生かそうと考え帰還します。 対して、ケープ・カナデラル基地で始まった「おしまい」のおしまいのシャトルは新しい地球を目指します。 引用および参照元:大江健三郎『治療塔』講談社文庫 イェーツの詩の訳も大江健三郎
January 28, 2022
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「類は友を呼ぶ」は、似たもの同士、気の合ったもの同士は自然に寄り集まって、仲間になるという意味です。「類は友をもって集まる」「類は類を呼び、友は友を呼ぶ」「牛は牛連れ、馬は馬連れ」も同じような意味で使われます。 それが夫婦のことだと「似たもの夫婦」。 「類を持って集まる」は、ひとつには「類は友を呼ぶ」と同じ意味ですが、もう一義には「善人の周りには善人が集まり、悪人の周りには悪人が集まる」の意味になります。 英語では「同じ羽毛の鳥は群がる」という言葉があるそうです。 類…ルイ、たぐ(い)
January 26, 2022
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思い切り文系脳、それより前に退化の進む脳で、ふと数学を復習してみようと思い立ちました。今まで余り使ってこなかった脳の分野を使うことで惚けも防げるとか。 数の初めは、1,2,3…と物を数えることから。人の指が10本だったことから、数は十進法になったと言われます。 1,2,3…という日常で使う数は「自然数」で、英語のナチュラルナンバーの頭文字Nと書かれます。定義はこんなに面倒なんですね。自然数と言っても、4と書いてあるりんごがみつかったわけではなく、人が作った約束事。きちんと約束しておかないと次へ進めません。 物の個数を表すだけなら自然数で用は足ります。が…。分数の登場によって、量を数であらわすことができるようになったんですね。割り算が全ての数でできるようになりました。 次に引き算の問題。 マイナスの数を使えば、家計の赤字も一目瞭然…、引き算も全て可能になりました。数が「有理数」まで広がると加減乗除の四則演算については問題なくできるようになりました。 日常生活で私たちが使う数は大体この範囲です。小学校で、時計と時間、長さ、重さ、量なども学習するので、必要最低限の数学は「算数」で足りると思います。 でも、考えてみると不思議なことはいろいろあります。自然数は無限にあるのですが、(無限にあるという証明はおばば脳には難しい)この無限がくせ者です。 無限ならではの話。こんな世界を受け入れないと、算数から数学へ脱皮できないのでしょう。中学校の数学レベルの数までgo! 参照元:ニュートンプレス『数学大図鑑』『数学パズル大図鑑』
January 25, 2022
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殺人場面から一転して、場面は快速「ムーンライトえちご」の車中へ。 わたしは事情があって、新宿発23時09分のこの列車に乗ることになりました。 膝の上に高級ブランドのロゴが入った紙袋をのせた隣席の女は、わたしと同年代と思われました。 前の席の、大宮で降り損ねて八つ当たりする太ったサラリーマン風の男、その隣の若い女…、様々な他人を乗せてムーンライト号は走ります。 ムーンライトえちごは、上越線経由で新潟まで行き羽越本線の村上まで運行していた夜行列車です。2009年に臨時列車になり、2014年6月以降は運行されていません。上越線を北上するにつれ、闇は深度を増していった。夜の暗さはそのまま「わたしの心の闇」です。 隣の女は、わたしに「ねえ、犯罪者と隣同士に乗り合わせる確率ってどのくらいだと思う?」と話しかけ、わたしは「あなた、人を殺そうと思ったこと、ありますか?」と問います。 お互いの腹の探り合いを経て終着駅到着の5分前、ついに…。 何も知らない他人と同じ密閉空間にいる怖さを思わされました。最後は意外な展開に。日本海の夜明け 終着駅に着く頃は夜明けです。 引用および参照元:日本推理作家協会・編『M列車(ミステリー・トレイン)で行こう』 カッパノベルズ から 折原一『危険な乗客』
January 24, 2022
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肩…ケン、かた「肩」のつく慣用句もたくさんあります。 わたしは文字通り、ずっと肩こりになやまされる人間ですが「肩が凝る」といえば「気詰まり」なこと。肩を貸す=援助すること。肩を入れる=ひいきにする。援助する。 ライブに参戦しグッズを買って、推しを応援すること?肩を抜く=手を引く。担下りすること?肩を落とす=がっかりした様子。推しのスキャンダルなどが原因に?肩を張る=威勢よさそうに見せる。肩肘張る=気負う。威張る。この二つの言葉には、無理している感が漂います。双肩に担う=重要な任務を引き受ける。大きな責任を負う。 プロジェクト途中では肩で息をする=苦しそうな様子のこともあったでしょう。その重要な任務が終わると、肩の荷を下ろす=責任や負担から解放されて楽になる。お疲れ様でした。
January 22, 2022
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第三章『太陽』のヒロインは、シングルマザー、杏子。 彼女は、虐待を疑う周囲の目からのがれるようにトンガにやってきました。彼女は、5歳の花恋をゲストハウスで相部屋になった第一章のわたしに押しつけ、男の人と泊まりに行ってしまう奔放な女性でした。 彼女の唯一明るい思い出は、苦しい阪神淡路大震災の避難生活で遊んでくれた、トンガのボランティア、セミシとの交流でした。 杏子は、セミシが、泊まったゲストハウスの主人、尚美のパートナーだったことを知ります。気分転換どころじゃない、元気を、生きるエネルギーをもらいました。「子どもは太陽だ。」というのがセミシの言葉でした。 花恋が自分の自由を奪い、輝きを奪ったと思っていた杏子は、大きな過ちに気づくのでした。 第四章『絶唱』は、尚美に宛てた作家の千晴からの書簡です。これまで間接的に描かれていた震災が、ここではリアルに描かれます。 大学のミューカル同好会で親友になった、千晴と静香と泰代。 静香は亡くなりました。泰代は、震災後すぐ静香の元に駆けつけて、原形をとどめないほど傷んだ遺体を確認していました。「棺桶がもうなくて、短い毛布一枚にくるまれただけ。長くてつやつやしていた髪がゴワゴワになってた」その翌日、心配して千晴のアパートに来た泰代は、交通機関の回復を待って千晴が安全圏へと脱出したことを知ります。 壊れかけた泰代との関係を修復してくれたのは、3人の絆だった『絶唱』。『絶唱』のタイトルは、震災を生きた人々の生き方そのもの。 千晴の最後の言葉は、著者自らの思うところでしょう。書くにしろ、読むにしろ、精力がいる本です。 引用および参照元:湊かなえ『絶唱』新潮文庫
January 20, 2022
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恋人の裕太が描いた絵を手に、誰にも言えない秘密を胸にわたしはトンガに来ました。 かつての恩師、家庭科の松本先生が見せてくれた「楽園」を求めて。どうしても見つけられなかった楽園の場所を教えてくれたのは…。線香花火の最後の瞬間のような、じくじくと燃える太陽が水平線に触れると、空も海もわたしも裕太もすべて同じ色に染まり、楽園の中へ溶け込んだ。 第一章『楽園』のヒロインは、阪神淡路大震災で双子の姉妹を亡くしたわたし。 わたしらしく生きることができなくなったわたしは、トンガの海岸で新しいわたしとして生きる決意をします。 震災で、否その前から失った物は大きかったのですが、大きな風景に包まれ、わたしは再生することができたのです。 第二章『約束』のヒロインは、第一章のわたしと裕太の恩師、松本先生。彼女は国際ボランティア隊の一員としてトンガに来ていました。学生時代からのつきあいの彼、宗一との関係に悩んでいます。 震災で亡くなってしまった人へ言ってしまった取り返しの付かない言葉が刺さります。 オムニバス形式の短編四編は、トンガのゲストハウスの主人、尚美を軸につながっています。 各章の4人は、みな阪神淡路大震災で誰かを亡くし、何かをなくし、傷ついた経験を持ちます。彼女たちが、その空白を埋め、再生する話になっています。 話は後半に向かってぐんと重くなります。それでも読みたい本の1冊です。 引用および参照元:湊かなえ『絶唱』新潮文庫
January 19, 2022
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炭…タン、すみ塗炭の苦しみ…「塗」は泥→泥水や炭の中に落とされるようなひどい苦しみを言い ます。出典は『書経』の、夏王朝に取って代わった殷王朝の大臣、仲虺が 書いたとされる文章。 「有夏は徳に昏(くら)くして、民は塗炭に墜つ」(夏王朝に徳がなかっ たため、人民は泥、炭の中に落とされるようなひどい苦しみを受けた) と、殷王朝が夏を滅ぼした正当性を訴える文章です。 コロナが日常を大きく変えてしまった今、為政者の皆さんには、塗炭の苦しみを味わっている弱い立場の人を救うことを第一に心がけてほしいものです。
January 17, 2022
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新年に、ダージリンに惹かれてベノアの紅茶の福袋を購入しました。「ピュアダージリン」「ファインダージリン」「ダージリンアールグレイ」と「ウバ・セイロン」の四袋にジュートの袋が付いていました。 まず、「ピュアダージリン」をいれてみます。水色は思ったより濃い色でした。くせがなく「おいしい」と、のび太君のお気に入りになりました。 ベノアの紅茶はインド・スリランカからの直輸入です。 ベノアのルーツは、19世紀半ばにフランスからロンドンに渡ったシェフ「ムッシュ・ベノア」だそうです。
January 16, 2022
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冬は温かなミルクティー。紅茶だけでなく、ルイボス茶やイタリア麦茶でも楽しめます。紅茶の「フランボワーズ・ショコラ」甘いココアの香りにラズベリーの甘酸っぱさがアクセントに。小さなマロンケーキと。マロンブッセには「ファルファローネ」成城石井で売っていた生サブレなるクッキー、カントリーマアムのようなソフトタイプの、大ぶりなクッキーです。ピスタチオ&ホワイトチョコとチョコの2種入り。ちょっと変わったタイプのお菓子でした。お茶はオルヅォ(イタリア麦茶)ベースの「チョコバナナパフェ」。オルヅォはミルクにも合います。
January 15, 2022
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罵…バ、ののし(る) 嘲…チョウ、あざけ(る)熱罵冷嘲・冷嘲熱罵…冷ややかにあざけり、盛んになじり非難すること。 「罵」はののしる、「嘲」はあざける、で、いい意味になるわけないですね。罵詈雑言…聞いて不愉快になるような口汚い言葉をまくしたてる。 「罵倒」より強烈。面罵…相手を目の前にして面と向かってののしること。 最近は、スマホやパソコンの画面越しに罵る「面罵」も多いです。 脳の働きは不思議で、自分の言った言葉を整理して記憶しようとするとき、「誰が」をぬかして記憶してしまうのだとか。 だから、人の悪口を言ったつもりが、自分のことのように記憶されて、ダメージを受けてしまうのだそうです。 反対に人を褒めても、褒めた部分が強く記憶されて自分のことのように気分がよくなるのだそうです。 「面罵」「罵詈雑言」「熱罵冷嘲」していると、脳は大ダメージを受けそうです。
January 14, 2022
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東京メトロ沿線にある鬱蒼と蔦の絡まる西洋館{喫茶 薔薇の蕾}は、かつて名画座だった場所でした。そこに集うのは珈琲と映画を、そして謎を愛する常連さんたち。(井上雅彦『珈琲城のキネマと事件』) ここに持ち込まれた不可解な事件を、〈民俗学者〉〈記号論〉〈怪談系〉〈書店員〉…と呼ばれるメンバーたちが解き明かします。 集った人々が専門知識を元に議論する様は、アシモフの『黒後家蜘蛛の会』を思わせます。が、給仕のヘンリーは存在せず、その場に居合わせたメンバーの意見の集大成で謎が解かれます。 第3話『赤い警官と未来の廃墟』 〈ウェンディ〉さんが持ち込んだ謎「別世界へ通じる扉は存在するか」。 幼い頃、別世界へつながる扉がたくさんある〈すたじお〉で、迷子になった姉を助けてくれた《赤いおまわりさん》。 病気の姉に替わって〈すたじお〉に入った〈ウェンディ〉さんは、はためくカーテンの合間にみつけた扉を開きました。そこは、別の世界の別の国でした…。 不可思議に思えることが、時代背景、子どもの視点、特殊な状況などから解きほぐしていくと、常識の範囲の出来事にみごとに収まります。ヒントは、『ひみつのアッコちゃん』のコンパクト、ブルーマット合成。 夢の世界が現実に戻ってくる推理はみごとです。このころの時代背景がわかるので、ひとつひとつ納得できました。 1月13日は、井上雅彦の誕生日です。 参照元:井上雅彦『珈琲城のキネマと事件』光文社文庫
January 13, 2022
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1月11日は「アスパラガスビスケットの日」です。お菓子メーカーの「ギンビス」から発売されてから45年以上になります。 発売当時、野菜のアスパラガスは高級食材で一般家庭で普通に食べられるものではありませんでした。 ギリシア原産のアスパラガスは、江戸時代にオランダ船から日本にもたらされました。初めは観賞用であり、明治時代になってから食用になりました。 欧米への輸出用缶詰に用いるホワイトアスパラガスが最初に栽培されました。グリーンアスパラガスが主流になったのは昭和40年以降です。 なおアスパラガスの名称は、古代ギリシアの「アスパラゴス」(甚だしく裂ける)から。和名は、阿蘭陀雉隠(オランダキジカクシ)。細かく切れた葉に見える枝が、雉を隠すほど生い茂ることから。 あこがれのアスパラを手軽に食べられるように、ビスケットで象ったのが「アスパラガスビスケット」です。節になる部分が独特の食感を出しているそうです。
January 11, 2022
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提…テイ、さ(げる) 中国での漢字の読みは一つなのですが、日本に入ってきた時代によって音読みが複数ある漢字があります。 「提」もそうです。元の意味は「手にさげて持つ」ことで、「提灯」(チョウチン)は、「手にさげて持つ灯り」と字の意味そのままです。熟語の多くが提=テイの読みなので、読みだけは別に覚えておく必要があります。提灯持ち…文字通り、提灯を持って先導する人→人にへつらってその人を褒めて 回ること傘と提灯は戻らぬつもりで貸せ…よくわかる気がします。借りた立場にしても、 雨がやんだ後の傘、明るくなった後の提灯のことは忘れがちです。まして遠く の人から借りてきたなら、ついででもないと、わざわざ返しに行くのも億劫 です。 貸す方も「返さなくてもいいよ」と使っていない傘、手軽なビニール傘を貸 した方が気楽でしょう。 「提」のもう一つの音読みが「ダイ」、梵語の音訳になります。「菩提寺」は先祖代々のお墓があったり、仏事で世話になるお寺のこと。「菩提」は世俗の迷いを絶って得られた悟りの知恵から、転じて死後の冥福を指すようになりました。菩提を弔う…死後の冥福を祈る。 CMの「○○製菓がお送りいたしました」の「提供」、「宿題を出しなさい」の「提出」の「提=テイ」の読みが常用漢字表内の音読みです。
January 9, 2022
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外来語である漢字を日本に取り入れるとき、中国語の発音に近い日本語の音をあてて読んだのが音読みです。 中国語では1つの漢字に1つの発音しかありませんが、日本に入ってきた時代によって複数の音読みができてしまいました。 古くは「呉音」で、揚子江下流方面の南方方言からできたと推測される音読み。「老若男女」の「男=ナン」の読みなど。 朝鮮の百済を通じて伝来後、次第に次の時代の「漢音」に取って代わられました。「漢音」が一番多い音読みで、唐の首都、長安や福都の洛陽の音に基づいた読みです。遣唐使や留学僧によって伝えられました。「男=ダン」「行=コウ」など。 その後禅僧によって伝えられた漢字音が、「宋音」「唐音」。「宋音」は平安中期から鎌倉時代にかけて宋・元から伝わり、「唐音」は、江戸時代に明・清初期の中国語発音が伝わりました。 また、「唐音」は広義には宋音も含み、「唐宋音」とも言われます。 「行脚」の「行=アン」のように禅宗関係の語に用いられます。 漢字の意味を日本語に翻訳したのが訓読みです。 訓読みと音読みの二種類が存在することでも難しいのに、本来音が一つであった漢字の音読みまで複数になってしまったことに、漢字の複雑さがあります。 ですが、その複雑さが、外来語の漢字を何とか自国の語にしようとした、昔の人々の苦心の軌跡ともいえます。
January 8, 2022
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串…くし 「串」はわかりやすい象形文字です。中国での意味は、串に刺した物全体を言いました。日本に入って、刺し通した棒のことを「串」というようになりました。焼き鳥屋さんの看板ですが「手串し」は「てざし」と読むのでしょうか?年間12万本はすごいですね。
January 7, 2022
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降り始め 予報通り、午後から雪になりました。積もるかな…。明日の交通機関の遅れ、道路の凍結が心配になります。 子どもの頃は手放しで喜べた雪も、大人になると心配の種。午後2時過ぎ午後6時過ぎ 積もってきました。
January 6, 2022
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色がタイトルに入った7つの短編集。それぞれが独立した事件ですが、第1話の『赤い水』がぐるっと一回りして最終話の『紫の献花』につながります。 黒いハト いじめの末、雅也は学校の屋上から飛び降りて死亡しました。 たったひとりの親友だった春樹は、いじめなどなかったと主張する担任、校長に向かって反論します。 同調する生徒、保護者が次々に現れ、雅也の両親も被害届を出したため、警察が捜査に来ます。 いじめの中心だった生徒が逮捕され、校長・担任の信用が失墜し、事件は終わったかに見えましたが…。 白いハトに混じって餌をついばむ黒いハトは誰だったのか。 犯人特定の裏付けになる科学的捜査もなるほどと思われますし、ミステリーとしての意外性も抜群です。実社会では、自殺と確定したら、ここまで捜査しないだろうとは思いますが。 参照元:中山七里『七色の毒』角川書店
January 5, 2022
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のび太君が久しぶりに水樹奈々のライブに参戦することになり、昨日送っていきました。会場はさいたまスーパーアリーナ。 感染予防のため、入り口での消毒・検温は当たり前になりました。密を裂けるため、開場も座席のブロックごとに時間をずらして、人が集中しないように考えられていました。 今回はグッズ販売も、前もっての通信販売、注文したグッズを受け取るだけ、当日販売の三種の形態がありました。いつもは長い列ができるグッズ売り場も人がまばら、のび太君も10分弱で購入できました。 前もって厚労省の「接触確認アプリ」のインストールすることも必須。 車いすの方は専用の入り口から案内があります。発達障害かなと思われる方にも会ったことがあります。 前々から、身分証明書の種類に「身体障害手帳、療育手帳など」を明記してくれていて、障がいのある人にもやさしいなと思っていました。 もちろん声援、タオルを振るのは禁止ですが、のび太君も拍手とペンライトで精一杯応援してきたようです。近くの席の人とは、どこから来たか、いつからライブに来ているかくらいの会話はしたそうで、四国から来ている人がいたり、世田谷区の人がいたと話していました。 正月休み最大のイベントを楽しめてよかったです。
January 4, 2022
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1月3日は1(ひ)月(と)3(み)日の語呂合わせから、瞳の日です。 瞳孔は光の通り道で、瞳孔の大きさによって網膜に投射する光量が変わります。瞳孔の大きさを調節しているのが、周囲の虹彩です。 虹彩は、人によって模様が異なるので、「虹彩認証」という個々の識別に利用されます。眼鏡、コンタクトを付けても識別可能です。一卵性双生児でも虹彩の模様は異なります。 生体認証には、指紋、顔などがあります。虹彩認証は、他の人との識別性に優れますが、赤外線を利用するため、太陽光の強い戸外では識別しにくいというデメリットもあります。
January 3, 2022
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昭和24年1月1日から「年齢の唱え方に関する法律」が施行されました。 この時代はまだ「数え年」が一般に使われていました。 数え年は、生まれた時を1歳とし、1月1日を迎える度に2,3,4歳と年齢を加える数え方です。12月31日から1月1日にかけてを「お年取り」と呼ぶ呼び方に名残が見られます。 数え年だと、1月1日生まれの子は翌年の1月1日に2歳になりますが、12月31日生まれの子は翌日の1月1日には2歳になってしまいます。 早く歳をとってしまうことを嫌って、12月後半の誕生日は正確な出生届を出さないこともありました。 国際的にも、数え年を使う国がなかったこともあって、年齢の数え方は「数え年」から「満年齢」に移行することになりました。
January 1, 2022
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何となく、今年はよい事あるごとし。元日の朝、晴れて風無し。 石川啄木正しくも時の歩みやお元日 松本たかし 引用元:石川啄木『悲しき玩具』 『現代日本文學大系95 現代句集』筑摩書房 から『松本たかし句集』 今年こそ穏やかな時の中を歩めますように。
January 1, 2022
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