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2006年03月01日
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カテゴリ: 女ですもの
私の祖母の言葉である。いくつになっても「女であること」から

昨年他界した。享年85歳。だけど、見かけも、そして頭の中も
ずっとずっとそれより若かった。
ついこの前まで、タクシーの運ちゃんにナンパされる、そんな
「女」だった。
実に爽快な生き方だったので、ついに彼女をモデルに
ひとつの小説が世にでたくらい。
先日の直木賞の候補にもなった「ハルカ エイティ」(文芸春秋)


いつ会ってもとてもお洒落だった。最後まで背筋はまっすぐ。
一人暮らしを二十数年。
自分を「老人」だとは決して思っていない。
自慢のおばあちゃんだった。

日帰り町内旅行のバスの中で、歌唄ってみんなを盛り上げ、
ついたホテルで、温泉とビール。帰宅してお風呂に入ろうと
お湯を張っていた最中に、心臓の発作で倒れた。
結局そこから完全に回復できないまま、亡くなった。
元気なまま、パッタリ倒れたので、彼女の家は全部が日常のまま
だった。

その日着ていた服の洗濯が途中だった。

私なら洗濯はきっと次の日だろうな。下手したら、脱いだ服とか
そのままになってるかもしれないのに。
そして、居間には買ったばかりのまだ来ていないセンスのいい洋服。
机の上には雑誌の切り抜き。なんと韓国のイケメンのもの(笑)。
85歳だよ。まいったまいった。



夏休みには彼女の住む滋賀に妹と二人で帰省していた。
まだ、私が中学生だった頃か、風呂上りパジャマに着替えた私の
後ろから、彼女は突然私の胸を触った。
「まだ、こんなものね、女の子は胸が大切なんよ」。
子ども心にぎょっとした。
この人はやっぱり普通のおばあちゃんとは違うな、と感じていた。
私が高校生くらいになると、「好きな人はいるの?」と聞いてくる。
「居るよ」と答えると、「ひとりだけ?」。
あのー、普通好きな人は一人ではないの??。
そして、生年月日を聞かれ、占いをはじめる。
年頃の女の子だから、そういうことに興味がないわけではないので、
私もいろいろ話すようになっていた。
そう。恋愛相談の相手にもなってもらってた。
いまどきの若いもんわ・・というスタンスではなく、
「キスはまだか」とか「その人モテる?」とかまるで
同世代の友達と話しているよう。戦前生まれではなかったか??
そして、大学に入ったころから、私は彼氏を一人暮らしをする彼女
のところに連れて行くのが恒例になった。
親に会わせる前に、デートと称して彼女の住む滋賀まで出かけて行って
は家にあがらせて、一緒に食事。
後日、彼女の感想を聞く。「あの人は、いまいちだね」「前の彼のほう
がよかったわ」「ああいう人は、女にモテるから気をつけなさい」色々と
アドバイスを受けた。

亡くなった遺品の整理をしていたら、古いアルバムが出てきた。
ちょうど、今の私と同じくらいの年齢の彼女を見つける。
結婚し、一人の娘を抱え働いていた。
今のように女性が結婚後仕事を持つことがあたりまえではない時代。
祖父の仕事が安定せず、家庭の経済的事情で働いていたはずの彼女。
今以上に家庭と仕事の両立も大変だっただろう。
「百貨店のエレベーターガールになりたかった」彼女は父親が
校長先生という家に生まれ、あたりまえのように、教員免許を
とらされていた。それを生かして幼稚園の教諭をしていたのだ。
働くことも、その職業も決して彼女の自由な選択ではなかったはず。

アルバムの中のその姿をみてびっくりした。
やっぱり、綺麗なのである。一人だけ、輝いている。
みんな地味で質素な格好しているのに、なんだか彼女だけお洒落。
そういえば、洋服は雑誌をみて全部手作りしていたと言ってた。
そして、何よりカメラを見るそのまなざしに何か自信のようなもの
が漂っていた。

いろんな意味で、不自由な時代を生きていたに違いない。
でも、目の前にある生活を明らかに「楽しんで」いたんだ。
古いアルバムはそれを物語っていた。

子ども二人の育児だけで、毎日が過ぎていく。
ふと鏡を見る。美容院もしばらく行ってない。
そう、「手はなしたらあかん」よね。

私は母親だ。でも、やっぱり女なんだよ。
背筋がぴんと伸びた。







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最終更新日  2006年03月02日 21時48分42秒
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