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最近観に行った映画の感想です。いずれもエンターテインメントをあまり意識していない作品ですが、東京ではそういう映画も比較的簡単に観られるのがいいですね。それぞれの映画について【以下ネタバレあり】と書いたところからはネタバレが含まれます。
1. 私たちが光と想うすべて
インド映画ではじめてカンヌ国際映画祭のグランプリを受賞した作品です。新宿のシネマカリテで観ました。インドで働く対照的な2人の女性の生き方を描きます。映画ファンサイトのコメント欄を見ていると、賞賛と否定と大きく評価を2分しているようです。否定される方は、本作の単調な物語の進み方を好まれていないように思います。それは映画に何を求めるかの違いによるので、否定される気持ちもよくわかります。映画にドラマティックな展開を求める方にはオススメできない作品ですね。都会の喧騒感・自然豊かな地方での静かに流れる時間といった風景とそれぞれの女性に秘められた強さが印象的でした。
⇒【以下ネタバレあり】2人の女性プラバとアヌは、ルームシェアしながら、どちらも大都会ムンバイで仕事をしています。プラバは真面目な女性で、親が決めた相手と結婚したものの、夫はドイツに転勤したまま1年も連絡が途絶えています。アヌはイスラム教徒の恋人がいます。ヒンドゥー教の家族からは間違いなく大反対されるので、知らせずに日々を楽しんで生きていました。そんなとき、もう一人の女性、プラバ の同僚であるパルヴァティが自宅の強制立ち退きに遭い、田舎の村に引っ越すことになります。プラバとアヌがそれを手伝って訪れた自然豊かな村で、ちょっとした騒動が起こります。記憶を失った男性が海岸に流れ着いたのです。アヌの恋人は彼女を追いかけて村にやってきてしまいました。それぞれの女性の人生が変わってゆく時、光が差しこんできます。それぞれの女性の性格やおかれたシチュエーションは違いますが、インドの歴史や慣習といった不自由な部分、3人がそれを超えてゆく姿を描き出したことがこの映画の魅力でしょう。
2. アイムスティルヒア
フランス・ブラジルの共同制作による映画です。1970年代、軍事独裁政権が支配していたブラジルが舞台で、実話をもとにしています。アカデミー国際長編映画賞をとっています。ブラジルの元国会議員ルーベンス・パイヴァと妻エウニセは、5人の子どもたちとリオで平和に暮らしていました。しかし、ある日その日常を変える事件が起きます…実際に現場にいるかのような映像には緊張感があふれています。政治に翻弄されながらも強く生きる姿に感動しました。
⇒【以下ネタバレあり】
当時の軍事政権は反対勢力を監視・抑圧しており、それに関わっていたルーベンスを突然拘束します。さらに、エウニセや娘までも拘束されてしまいます。ルーベンスよりも、エウニセの視点に立った映像で、「状況がわからない」恐怖がより一層強調されます。とくに拘束する側が権力者だった場合には、ほんとうに頼りにできるのは身の回りでつながっている人たちだけなのですね。しかし、現代の日本でもまったくないことではありません。警察や検察がもたらした冤罪事件もたびたび起きていますし、安倍政権時代には自身に都合の悪い人々を拘留することも行われました。市民は政治情勢に常に気を付けている必要があります。
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