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昨日、RYOを家に招き、乙一さんの「ZOO」の映画版を鑑賞しました。全体的な感想としては、かなりクオリティの高いオムニバス映画に仕上がっており、原作に全く負けていない内容でした。収録順は分冊文庫の「ZOO(1)」と同じだったのも良かったです。以下、1編毎に感想です。 「カザリとヨーコ」私にとって最もお気に入りの作品でした。とにかく主演の小林涼子さんが澄ましたカザリと薄汚れたヨーコの一人二役を好演しており、当初のイメージ以上に雰囲気が出ていたと思います。虐待というテーマも鬼気迫る勢いで演じられており、映像化して大正解の作品ですよ。 「SEVEN ROOMS」内容が内容だけに、どんな感じに仕上がっているのか気になっていましたが、こちらも原作の雰囲気十分でしたね。まずセットから不気味さがひしひしと伝わる場の力が出ており、そこに監禁されている女性役の人達が短い出番ながら恐怖にかられる様子を見事に演じていますね。当然、主演の市川由衣と須賀健太も絶望に立ち向かう姉妹を好演しており、全体的に残酷描写があまり出てこないにも拘らず十二分に怖さが伝わって来きました。 「SO-far そ・ふぁー」主演が神木隆之介、親役に杉本哲太、鈴木杏樹と非常に豪華なキャスティングで動きの少ない作品の中で特殊な家族を鮮やか演じています。天才子役と言われる神木隆之介の好演も光りますが、ラストのシュールさを見事に醸し出している杉本哲太は素晴らしかったですw映像になったことで活字では味わえない魅力が出ている作品だと思います。 「陽だまりの詩(シ)」「ZOO(1)」巻末の対談を読んでどんな作品化と気になっていましたが、独特の世界観をアニメで違和感なく描いています。若干、尺の関係でかエピソードが削られている場面があるのが残念でしたが、こういう形で映像化した手腕は脱帽ものです。映像特典として収録されている絵コンテも見応えありました。 「ZOO」最も別物と言える作品ですね。特殊メイクで死体の写真を完全再現しているのがリアル過ぎですが、それよりも結末を含めて原作以上に狂気を孕んだ展開は表題作にピッタリですね。どちらかと言えば、原作の方がスッキリした感じですが、映像化のアレンジとしては良いのかと思います。本編以外に映像特典としてメイキングが収録されており、どうやって撮影したのか気になっていた映像の裏側が覗ける上に初日舞台挨拶では乙一さんも登場しているのがファンには嬉しい所ですね♪実験的な表現も多く、原作を読んだ人も読んでいない人も楽しめる映画化して成功と言える作品だと思います。
2006年05月31日
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もうすぐ小学4年生の敬二少年は義兄の木岬研吾と共にドライブ旅行に出かけるが、雪崩に道路をふさがれ近くのペンションに泊まることに。その雪の山荘で起きる連続怪死事件の謎を「名探偵」が解き明かす、本格推理の決定版。真相への手がかりはすべて提示される「読者への挑戦状」付き。あなたは犯人に到達できるか。霧舎巧さんの「名探偵はもういない」を読み終わりました。この作品、原書房のミステリー・リーグから2002年に刊行され、もうすぐ文庫化されるかなと思っていたら何故か講談社ノベルスから出て少し驚きましたw霧舎作品は「あかずの扉研究会」シリーズのみ全て読んでいるのですが、私にとって最も楽しめた作品は今作ですねw「あかずの扉~」シリーズでは本格ミステリとラブコメのブランドが今一つ好きになれなかったのですが、今作にも少し恋愛要素はあるものの全然苦になりませんでしたw面白いのは「あとがきは先に読んでもいいけど読者への挑戦は読まないで下さい」という注意書きで確かに先に読んではいけない類の挑戦状でしたね。全体的に感想を書き難い作品なのですが、真相に関しては論理の構築は十二分に成功しているのではと思いますし、綿密に張り巡らされた伏線は序盤から油断も隙もないですねw焦点としては誰が名探偵なのかという点で事件と同様に読者を惑わしてくれる展開は読み応えがありましたが、どうしても「あのひと」の描き方が雰囲気は出ているものの周囲がすんなりと受け容れるのに非常に違和感を感じましたwとはいえ、途中で「もしや!」と思っていた人物が唐突に登場するのは嬉しかったですし、名探偵役も納得でした。比較的あからさまに「あかずの扉~」シリーズの「カレイドスコープ島」とのリンクが登場していますが、かなり意味深なラストを楽しむ意味でも出来れば先に読み終わってた方が楽しめるかと思います。最近、今作の姉妹作的な「名探偵はどこにいる」も出たようなので、そちらも読んでみたいですねぇ。
2006年05月30日
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先程、ジャンプを立ち読みして来ましたが、今週で案の定というか遂にと言うか「タカヤ」が最終回でした。この漫画、当初はありきたりな学園バトル漫画という感じで斜め読みする程度だったのですが、サブタイトルが「夜明けの炎刃王」に変わってからは毎週楽しみに読んでおりました。なぜなら、それまでは学園での素手による格闘がメインだったのにも関わらず「夜明けの炎刃王」になってからは、妙な異世界で剣を使ってのバトルという意味不明な展開を魅せ本当に素晴らしかったですw例えるなら「らんま1/2」が「ダイの大冒険」に唐突に路線変更した様な感じですねw結局、伏線や何から投げっ放しにして今週で打ち切りの見本の様なラストを迎えましたが、作者はどんな漫画にしようとしていたのか最後まで不透明でしたよ。とはいえ、違った意味で楽しみにしていた漫画だけに終わったのは残念ですw「デスノート」も終了し「ハンターハンター」の連載再開の見通しが暗い現在のジャンプで楽しみなのは「アイシールド21」と最高のギャグ漫画「テニスの王子様」くらいですよ。その「テニスの王子様」は、今週も上質な笑いを提供してくれていたのですが、特にラストの「無我の境地」の先にある3つの扉とかスポーツ漫画なのにスーパーサイヤ人を彷彿とさせてくれますねwでも今回最も笑ったのは、スコアボードに棄権の文字が二つ並んでいるのコマでしたwwwどんなスポーツなのでしょうかww
2006年05月29日
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満を持して、伊良部シリーズ第3弾登場!都下の離れ小島に赴任した精神科医の伊良部は、島を二分して争われる町長選挙に巻き込まれてしまう。あの伊良部が引きこもりに!? 昨日購入して一晩で読み終わりました。「伊良部」シリーズ最新作という事で期待していましたが、期待し過ぎていた為か前2作品よりも評価は低めです。何よりも残念だったのは、容易にモデルの想像が付く人達が患者で登場していた点ですね。確かに風刺的な面白みはあるのですが、どの人物も色が濃すぎて伊良部先生の個性は対照的に薄れた気がします。これまでの市居の人々が患者だった時の方が、細かな人物描写や伊良部先生の奇天烈振りが明らかに際立っていたと思います。以下、1編ずつの感想です。 「オーナー」今作で最も好きな短編ですね。モデルの某オーナーは死ぬほど嫌いなのですが、流石は伊良部先生が関わるだけに読後感も非常に良かったです。現実では某オーナーの愚行は留まる所を知りませんが、現実は小説より奇だという事でしょうかw 「アンポンマン」こちらは某オーナーに輪を掛けて物悲しいIT長者が患者です。平仮名を忘れるという症状は面白いのですが、これまでの作品ほどに掘り下げが少なくて全体的に浅い気がしますね。伊良部先生の活躍度合いも少なく消化不良に感じました。 「カリスマ稼業」女優の鬼気迫る健康維持が描かれていますが、こちらも「アンポンマン」同様に消化不良な部分が多いですね。今一つ、伊良部先生との絡みが微妙に感じられて面白みが少ないですが、逆に看護婦のマユミの活躍場面が多いのは嬉しかったです。 「町長選挙」表題作ですが、他の短編の倍のページ数で中編的な作品でした。孤島に赴く伊良部先生という面白い設定ですが、粗筋の「あの伊良部が引きこもりに!?」と言うほどのインパクトは描かれていませんでした。無茶苦茶なスピーチをしたり、医療器具を持ち込む等の金満振りは見せ付けていますが全体的に伊良部先生は流さる立場に過ぎず、癒しの効果が薄いですね。「インザプール」「空中ブランコ」と傑作が続き、直木賞まで獲得したプレッシャーによる生みの苦しみなのかもしれませんが、これまでの作品と比べて空回りしている場面が多く感じられました。大好きなシリーズだけに嫌でも期待は膨らんでしまうのですが、次回作では拙い期待を遥かに凌ぐ作品が読める事を祈っています。
2006年05月28日
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今日は久々にプロ野球の話題です。現在、昨シーズンから始まったセ・パ交流戦の真っ最中ですが、今年もロッテは好調で開幕当初の不振から完全に抜け出したという感じですね。今日も巨人に勝利し、これで30勝一番乗りで2位のソフトバンクに2ゲーム差を付けました。阪神以外には負け知らずという好調さに加え、軒並みパ・リーグの上位チームが苦戦しているのが単独首位の要因でしょうね。セ・リーグでは、ここに来てヤクルトがチームとして機能し出して借金返済どころか貯金を積み重ねて上位を窺える位置まで来ているのは驚異的ですね。遂に首位陥落した巨人、阪神、中日の3チームに割って入れば俄然面白くなるので、この流れは面白いです。それにしてもロッテは調子を上げてきた投手陣は評判通りとはいえ、打撃陣では昨日の試合で4番にニューカマーの大松を使いHRが飛び出したかと思えば、今日はベニーが4番で大松は使わないと得意の打順弄りでボビー采配が冴えていますねw打撃好調の福浦を使わなかったり、常識破りの采配を平気でする点も魅力的ですが、それでイ・スンヨブは巨人に走ったと思えば少し複雑ですが、それ以上に小坂の放出は未だに納得できませんね!若干、小林雅が登板過多なのが気になりますが、これまで4勝18Sと神掛かっているので気は早いですが、シーズン最多セーブ更新を期待していますwともかく、交流戦後半も楽しみにしたいと思います。W杯と被るのが少し残念ですが(汗)
2006年05月27日
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東京創元社のミステリ・フロンティアから刊行されている桜庭一樹さんの「少女には向かない職業」がブロードバンド(GyaO)でドラマ化されています(http://www.gyao.jp/)「GyaO」は無料のブロードバンド放送だと言う事だけは知っていましたが、まさか桜庭作品がドラマ化とは予想していませんでした。しかも1話50分の全10話とオリジナル要素の上乗せも期待できる長さで、今日から毎週金曜日に更新されて行くようです。とりあえず、早速登録して観てみようと思いますが、映画化される伊坂幸太郎さんの「アヒルと鴨のコインロッカー」に先んじた映像化は嬉しいですね。しかも来月には、米澤穂信さんの「さよなら妖精」と畠中恵さんの「百万の手」がミステリ・フロンティア作品の文庫化第一弾として刊行されますし、かなり注目のレーベルなのではないでしょうか。
2006年05月26日
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私立探偵・四里川陣と助手の四ツ谷礼子のもとを訪れた依頼人は「息子の殺人容疑を晴らしてほしい」と泣きついた。事件の起きた亜細山に向かう礼子だが、電車で乗り合わせた老人は山にまつわる怨霊伝説を語る。礼子を悩ます、「密室殺人」ならぬ「密室」&「殺人」の謎。さらには、彼女の心に眠るおぞましい記憶が覚醒し、増幅していく…。絶妙のバランスでちりばめられたユーモアとサスペンス、どんな想像をも裏切る結末。ホラー界の気鋭が放つ異色ミステリ。小林泰三さんの「密室・殺人」を読み終わりました。大胆なタイトルだけでなく、レーベルが角川ホラー文庫という事で非常に興味があった作品でしたが、確かに異色作と言える作品だと思います。作品に仕掛けられた仕掛けは、伏線が露骨だったのとある作家さんの某トリックと被っていたので驚きは少なめでしたが、真に驚いたのは1つの密室だけで400ページも引っ張っているという点ですねwしかも直接的な容疑者は3人、登場人物も名前のある人物が10人に満たないという小規模ながら事件を丁寧になぞる事で読んでいて飽きる事は無かったです。依頼人や容疑者が小物感たっぷりの露骨に性格の悪い人物というのも読んで行く上で良いスパイスになっていた気がしますw登場する探偵・四里川も如何にも名探偵という性格、語り手で助手の四ッ谷礼子は関西弁でユーモラス、谷丸警部も協力的で人柄の良いとオーソドックスながら安心して読める設定も良かったです。以前読んだアンソロジー「あなたが名探偵」の短編に登場した徳さんも美味しいポジションで登場し、出番は少ないものの独特の存在感を発揮していたのは十分に期待に応えてくれましたwタイトルに嘘の無い「密室・殺人」を鮮やかに解体するのにはカタルシスがありました。異色作とも言えますが、かなり手堅い本格ミステリとしても楽しめる作品に間違いは無いですし、何とも言えないラストを含めて読み応えのある良作だったと思います。
2006年05月25日
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死後一年が経過した女性の白骨死体が発見された。だが、昨日、彼女は生きていた!? 民話の郷・遠野の旧家を舞台に忌まわしき惨劇が……。作家探偵・六波羅一輝が謎に挑む! 長篇書下し推理。昨日購入した鯨統一郎さんの「白骨の語り部」を早速読みました。鯨さんの長編作品は、どこまでも大風呂敷を広げて行くのが特徴だと思うのですが、今作は非常にスタンダードというか正統派のミステリという感じでした。民話の里・遠野を舞台に旧家の個性的な四人姉妹、偶然訪れた作家と編集者といった実に本格ミステリ的な設定を使用しています。一晩で白骨化した死体という中々に魅力的な謎で引っ張ってくれるのですが、真相は読み易いものの二転三転する展開は面白かったです。ただ、良い意味でも悪い意味でもこの謎に費やされるページ数が多く、折角の遠野の舞台が活かされていない気がします。デンデラ野やカッパ沼という有名な場所も登場していますが、ただ観光しただけという感じで物語に深く絡んで来ませんし、主人公の父親が民話研究をしていたという設定も不要に感じます。民話「オシラサマ」に対する新解釈は鯨さんらしさが溢れているものの長編で解明するには非常に地味で普段の破天荒さを期待していた私にとっては物足りないものがありました。他作品とのリンクで気付いたのは「文章魔界道」の主人公の名前が出てくる点だけでしたが、他にもあるかも知れないですね。改めて鯨作品は当たり外れが多い事を認識した作品でしたwところで、古本250円で購入した私が言える義理は全く無いのですが、270ページで税込価格997円は少し高すぎる気がします(汗)ノベルスは最低限の値段設定が高い(確か最低でも700円くらい)ので仕方ないのかもしれませんが、もう少し良心的な価格設定を期待したいですね。あと、単行本→ノベルス→文庫の順で刊行するのもあざとい気がしますw
2006年05月24日
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今日は悪友・RYOの車で朝からお出かけ。メインは古本屋巡り、余技でゲーセンに立ち寄るというのがお決まりのパターンなのですが、今日は時間の関係でゲーセンは寄りませんでした。で、今日の収穫は以下の通りです。・泡坂妻夫 「花嫁のさけび」・鯨統一郎 「白骨の語り部」・田中啓文 「蹴りたい田中」・三雲岳斗 「旧宮殿にて」・山田宗樹 「嫌われ松子の一生(上)」・山田宗樹 「嫌われ松子の一生(下)」・夢枕獏 「あとがき大全」前々から探していた泡坂妻夫さんの「花嫁のさけび」や鯨統一郎さんの「白骨の語り部」は普通に拾い物でした。特に「白骨の語り部」は出たばかりなので発見できたのは嬉しかったです。田中啓文さんの「蹴りたい田中」はタイトルと表紙に惹かれて購入wwこういう馬鹿馬鹿しい雰囲気がプンプン出ている本は買ってしまいますね~。あと、夢枕獏さんの「あとがき大全」もノリで購入したいという感じで、この本を通して「餓狼伝」以外の夢枕作品へアプローチ出来れば幸いです。山田宗樹さんの「嫌われ松子の一生(上・下)」は映画化の影響は皆無で、ただ1冊105円だったので何となく購入しました。その後の車中で流れていたラジオの映画予告を聞いたRYOが、他の山田宗樹作品が微妙だったと否定的な意見を口にしたので密かに「これは地雷なのか!」と戦々恐々しました(何となく、さっき買ったとは言い出せずww)まぁ、とりあえず読んでみます~。タイトルの意味は書いたのは、先日は米澤さんの「クドリャフカの順番」を買った古本屋で今度は三雲岳斗さんの「旧宮殿にて」を購入したからでした。と言うのも両作ともライトノベルから本格ミステリへの越境作品で、これまで探しても古本で実物をお目に掛かれていなかった点も共通しており、思わず同じ人が売ったのかと勘繰ってしまいましたwwこの店、妙にライトノベル方面の品揃えが良く、近所に熱心な読者が住んでいるのではと毎回思います(でも熱心な読者なら簡単に売らないですよねw)ともかく、それなりに良い買物が出来たので満足でした。
2006年05月23日
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単行本未収録「むかし夕日の公園で」特別収録。目がさめたら、何者かに刺されて血まみれだった資産家の悲喜劇…「血液を探せ!」。ハイジャックされた機内で安楽死の薬を買うべきか否か…「落ちる飛行機の中で」など。驚天動地、粒ぞろいの6編。先程の「ZOO(1)」に続き「(2)」の感想です。こちらも同じく5編が収録されていますが、短めの短編が多くて特別収録と解説を併せても1巻よりも少しページ数が少ないです。とはいえ、内容の濃さでは負けておらず良作が多く収録されていました。以下、1編毎の感想です。 「血液を探せ!」待っていた楽しい系の作品。痛みを感じない主人公が包丁で刺され、輸血用の血液を家族で探すという話なのですが、遺産目当ての妻や偽善者の長男、臆病な次男という登場人物とのやり取りがコミカルで何度も笑ってしまいましたw藪医者っぽいオモジ医師も非常に良い味だしており、ミステリ的な要素も鮮やかで今作の中でもお気に入りな短編ですね。乙一作品としては珍しい老人が語り手(一人称がワシ)というのも新鮮でしたw 「冷たい森の白い家」「天帝妖狐」や「暗黒童話」を彷彿とさせる話で、あっさりと殺人が繰り返されるのが乙一さんらしいですね。素性も何もかも不明な主人公の遍歴が淡々と描かれており、場所や時代背景も不透明な大人の残酷童話という感じでしょうか。 「Closet」珍しくミステリ色が前面に押し出された作品でした。徐々に明かされていく真相も非常に論理的で純粋に本格ミステリを楽しめましたが、乙一テイストも活かされていますね。ラストは、ある西澤保彦作品を思い出すものでした。 「神の言葉」お得意の特殊能力を持った主人公が登場し、自分が囁き掛けた事象が相手に影響を及ぼすというのは便利そうながら非常に恐ろしい力ですね。しかも一度影響を及ぼすと解除できないという設定も絶妙で冒頭の猫とサボテンを勘違いする母親とか怖過ぎですよ(汗)ちょっと能力の効き目というか範囲に疑問を感じつつも目が離せない話でした。 「落ちる飛行機の中で」ハイジャックされT大校舎に向かう飛行機を舞台に復讐しに行く途中だった女性と自殺志願のサラリーマンが繰り広げる掛け合いが最高ですねw安楽死の薬を売ろうとするサラリーマンと買いたいけど飛行機が本当に落ちるか分からないので買うに買えない女性の駆け引きと、次々に抵抗する相手を殺しつつもコミカルなハイジャック犯は爆笑ものでした。空缶で滑るので向かって来る相手が返り討ちにあうというのは立派な特殊能力な気がしますwただ、ラストのあれは少し不要ですね。確かに必要なプロセスかもしれませんが、このノリの作品にはそぐわないと思いました。 「むかし夕日の公園で」ほんの数ページの短い中に怖さがぎっしりと収まっていました。特に私も昔公園で主人公と同じような事をした記憶があるだけにゾッとしたのですが、終わり方は乙一さんらしく読後感も非常に良かったです。巻末に島本理生さんの解説があり、自身の乙一体験に作品全体を俯瞰した解説を添え他という感じの無難なものでした。これで終わりなのですが、非常に残念というか意外だったのはあとがきがないのです!!あの乙一ファンにとって近況を知る意味でもネタを楽しむ意味でも必要なあとがきが無い!当然のようにあると思っていただけにショックでした・・・。これだけあとがきがなくて残念な作家さんは非常に珍しく、某世界最長のファンタジー作品のあとがきは自慢が鼻について不快になるのと楽しみ度を比べると雲泥の差ですねwwとはいえ、全体的にバラエティに富んでいて乙一さんの多才な一面が垣間見えるレベルの高い短編集だったと思います。様々なジャンルの寄り合いという感じで短編集の醍醐味が堪能できて、まるで長編作品の様に内容の濃い短編ばかりの期待を裏切らない作品でした。
2006年05月22日
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ジャンル分け不能、天才・乙一の傑作短編集。双子の姉妹なのになぜか姉のヨーコだけが母から虐待され…「カザリとヨーコ」など。話題の短編集を2冊にわけて文庫化。「1」には映画化された5編をセレクト。漫画家・古屋兎丸氏との対談も収録。昨日購入した乙一さんの文庫版「ZOO」を2冊とも読み終わりました。案の定というか昨年の「GOTH」の文庫版と同様に一気読みだったのですが、今作も非常にバラエティに富んでいて読み応えがありました。短編数が多いので(1)と(2)に分けて感想を書いてみようと思います。以下、1編毎の感想です。 「カザリとヨーコ」1編目から内容の濃い作品で妹だけを可愛がる母親が登場し、この母親が身震いする位に外道な上に妹のカザリも母親に負けじと性格が悪く、自然と主人公のヨーコに感情移入して読んでしまいましたw全体的に酷い虐待が影を落としているのにも関わらず、行間から暗さを感じさせない文章と希望の残るラストは乙一さんの優しさなのでしょうか。 「SEVEN ROOMS」アンソロジー「殺人鬼の放課後」で既読でしたが、黒乙一属性の作品でも屈指のグロテスクさは読み手を選びそうですね。目的も何も不明な中で殺戮を繰り返す殺人鬼が非常に不気味です。ただ、私にとってグロテスクさは漫画「ベルセルク」等で免疫がある為か不快感は少なめでしたw設定の絶妙さや極限状態の描き方は今作でも屈指だと思います。 「SO-far そ・ふぁー」突然、母親と父親が別の世界に行ってしまって・・・という感じですが、読み始めて第一に想像した予想が当たっていたのが驚きでしたw皮肉なラストといい「家族」の描き方としては非常に新鮮な作品でした。 「陽だまりの詩」巻末の古屋兎丸さんとの対談でも多く語られていますが、乙一さんとしては珍しいSF的設定の作品です。作品を通して「死」について語り手のアンドロイドが考えるという趣向と切ない余韻が残るラストが印象的でした。崩壊後の世界に取り残された2人という掘り下げられて来た設定を使いつつもきっちり独自色を出しているのは流石ですよ。 「ZOO」表題作はブラックユーモア溢れる短編でした。毎日届く恋人の腐乱死体の写真という眉を顰めそうな設定ながら、犯人を追い求める主人公の言動から悲壮感が全く感じられないのは読んでのお楽しみでwタイトルの付け方、皮肉なラストは十分に納得できるものだったのも良かったです。この「ZOO(1)」に収録されている短編は、全て映画化されたものなので映像作品ではどう表現されているか気になりますね。今度借りて来て是非観てみたいと思います。
2006年05月22日
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鋼は、心の痛みを抱えながら、愛犬・ステラとともにひっそりとオルゴールを修復する日々を送っていた―ある女性と出会うまでは。彼女・飯村睦月が持ち込んだオルゴールからは、彼女の父親が聴いていたのとはまったく違う曲が流れるというのだが…。持ち主の想いが込められたオルゴールとともに持ち込まれる奇妙な“謎”。そして鋼を苦しめる“過去”には一体なにが?鋼と睦月を待つ運命は―。アンティークオルゴールの音色のように、哀しくて優しい物語。 太田忠司さんの最新作「レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿」を読み終わりました。この作品、新刊で見かけて興味を惹かれた翌日に古本で発見するという幸運で購入したのですが、期待していた以上に良かったです。先日読んだ「予告探偵」が、これまでの太田作品と趣が異なっていたのに対し、今作は太田さんらしさが残りつつも新たな境地を開いたという感じでしょうかw今作はオルゴールのレストア(修復師)の雪永鋼の元に持ち込まれるオルゴールに隠された謎を解き明かしていくという連作短編集ですが、探偵役の雪永鋼も鬱病を患い病院に通院中という重い問題を抱えており、事件を通してオルゴールだけでなく自身の再生にも期せずして取り組んでいく過程は目が離せませんでした。収録された5編に登場するのも日常の謎が多く、オルゴールについての謎も専門知識のあるレストアにとってはあっさりと解けるケースが多いですが、その裏側にある人間模様が曲目と相まって浮かび上がって来る時に辛い真相は心に沁みます。特にお気に入りの短編は、非常に特殊な暗号の登場する「冬の不思議の国」で鮮やかなラストも印象的でした。勿論、最終話の終わり方も物語に合った納得のラストでした。ミステリとしての面白さに馴染みのないレストアという職種を巧みにブレンドできる太田さんの手腕が光る作品だと思います。ピアノ教室を舞台とした菅浩江さんの「歌の翼に」もそうですが、こういう作品を読むと音楽には人の心を癒す力があるというのが素直に信じられますね。
2006年05月21日
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気が付けば、もう出ている時期ですよね~。明日にでも本屋に行って手持ちの図書カードと交換して来ようと思いますw講談社ミステリーランドから出る新作「銃とチョコレート」の刊行日は下旬という事で、もう少し先みたいなので確実に店頭に並んだ頃にこちらも物々交換したいですねw来月には「失はれる物語」も文庫化されるようなので楽しみですが、来月は他にも待ちに待った作品の刊行が多いですね。以下、注目している作品です。・あさのあつこ 「バッテリー V」(角川文庫)・有栖川有栖 「乱鴉の島」(新潮社)・伊坂幸太郎 「重力ピエロ」(新潮文庫)・いしいひさいち 「コミカル・ミステリー・ツアー(4)」(創元推理文庫)・太田忠司 「白亜館事件」(徳間文庫)・大山誠一郎 「仮面幻双曲」(小学館)・岡本綺堂 「白髪鬼 新装版」(光文社文庫)・柄澤齊 「ロンド(上・下)」(創元推理文庫)・京極夏彦 「文庫版 今昔続百鬼 雲〈多々良先生行状記〉」(講談社文庫)・栗本薫 「グイン・サーガ108 パロへの長い道」(ハヤカワ文庫)・近藤史恵 「天使はモップを持って」(文春文庫)・坂木司 「仔羊の巣」(創元推理文庫)・柴田よしき 「猫探偵正太郎の冒険(4)猫は引っ越しで顔あらう」(光文社文庫)・高里椎奈 「薬屋探偵妖綺談3 悪魔と詐欺師」(講談社文庫)・滝本竜彦 「超人計画」(角川文庫)・畠中恵 「百万の手」(創元推理文庫)・東野圭吾 「殺人の門」(角川文庫)・光原百合 「時計を忘れて森へ行こう」(創元推理文庫)・米澤穂信 「さよなら妖精」(創元推理文庫)文庫化作品が特に盛況ですね~。単行本で既に持っている作品も文庫版は入手するようにしているので「重力ピエロ」や「さよなら妖精」も買う予定です(当然、古本ですがw)あと、有栖川さんの新作長編「乱鴉の島」は孤島ものらしいので押さえておきたい作品ですし、待望の新作となる大山誠一郎さんの「仮面幻双曲」も気になりますね。そして、何と言っても麻耶雄嵩さんの最新作が文藝春秋の本格ミステリ・マスターズから出る予定なのが嬉し過ぎです。今度は、どんなブラックな世界を魅せてくれるか非常に気になりますwともかく、怒涛の勢いで刊行される新作を気にしつつ積立本の山を少しずつ消化して行こうと思います・・・。
2006年05月20日
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九州から東京の一戸建てを購入して移り住んだ一家。だが、引っ越したとたん、不気味な出来事が。なんとこの家には一家惨殺事件の過去が! 「家」に対する人の妄執をモチーフとした5編を収録。『ジャーロ』等連載を単行本化。歌野晶午さんのノンシリーズ短編集「家守」を読みました。タイトル通りに「家」をテーマとしており、5編の短編はどれも深く浅く「家」という集合体に関係しています。本格ミステリは勿論、ホラーとしての要素もミックスされており、読み応え十分の作品です。どの短編も甲乙付け難い良さがありましたが、特にお気に入りは「埴生の宿」ですね。日給5万円のバイトという如何にも旨い話から展開される話は導入から面白いですが、何よりも凄いのは仕掛けでした。これは少し肉付けすれば長編にもなるのではと思える出し惜しみのなさは拍手ものです。他にも奇抜なトリックが登場する表題作「家守」や個性的な兄弟が探偵役の「鄙」も練り込まれた好短編だと思いますし、特に「鄙」のラストや時代背景の描き方は印象的でした。あと、怪しげな雰囲気と人間消失が描かれている「人形師の家で」と冒頭のストーカー問題から思わぬ場所に着地する「転居先不明」も捨て難い魅力があり、好みの短編ばかり揃った作品でした。歌野さんは基本的に寡作で短編数も少ないですが、あまり外れが無く安心して楽しめる点が好印象です。長編作品も待ち遠しいですが、定期的に短編集も読んでみたい作家さんの1人ですね。
2006年05月19日
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今朝、欧州チャンピオンズリーグ決勝のバルセロナ-アーセナルの試合をテレビ観戦しました。昨年は昔からファンのACミランが出るにも拘らず、放送している事を知らなかった大失態の上に偶然テレビを付けたらPK戦でACミランが負けるという散々な思い出がありました・・・。今年は残念ながらミランは準決勝でバルセロナに敗れましたが、敗退よりも期待していた魅力ある試合が観れなかったことが残念でした。決勝戦はバルセロナ圧倒的有利という予想でしたが、想いのほかにアーセナルが健闘して面白い試合になったと思います。序盤でGKのレーマンが退場し、数的不利になった事で大差になるかと思っていたらアーセナルがFKから先制し、後半に入ってもバルセロナの猛攻を防ぎリードを守るという展開には驚きでした。攻めあぐねていたバルセロナも選手交代が当たった終盤に立て続けにゴールを奪い逆転するのは流石でしたが、決勝点となるゴールシーンが映像の乱れで映らなかったのは痛かったです(汗)それでも若手の多いバルセロナの中で2アシストを挙げたラーションは見事ですね~。流石は百戦錬磨のベテランといった所でしょうか。結果的にリーガも征しているバルセロナが勝つべくして勝ちタイトルを獲得した試合という感じでしたが、これまでCLでは勝ち運の無かったベンゲル監督とアーセナルが勝ち上がって来たのは感慨深かったですね。来シーズンは、どこが決勝の舞台に勝ち上がるか今から楽しみですよ。
2006年05月18日
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先日の本格ミステリ大賞に続き、日本推理作家協会賞も決まりました(http://www.tsogen.co.jp/np/oshirase.do)・長篇および連作短篇集部門 恩田陸「ユージニア」・短篇部門 平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」・評論その他の部門 郷原宏「松本清張辞典決定版」、柴田哲孝「下山事件 最後の証言」長編部門で恩田さんが受賞されていますが、これまで受賞していなかったのが不思議な位です。今野敏さんの「隠蔽捜査」と柄刀一さんの「ゴーレムの檻」も候補作になっており、地元関係者だけに少し残念でした。短篇部門は受賞作は勿論、候補作でも知らない作家さんばかりでコメントし難いですが、道尾秀介さんの「流れ星のつくり方」は先日刊行された「本格ミステリ06」に収録されているようなので、そちらでチェックしたいと思います。「背の眼」とも関係ある内容らしいので楽しみですね。ただ、長篇・短篇部門併せて候補作すら全て未読と中々に勉強不足なので、本格ミステリ大賞同様に候補作の半分だけでも読みたいものです。
2006年05月17日
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大学四年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは代打出場の合コンの席。やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、学生時代最後の年をともに過ごした。マユのために東京の大企業を蹴って地元静岡の会社に就職したたっくん。ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。週末だけの長距離恋愛になってしまい、いつしかふたりに隙間が生じていって…。 乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」を読み終わりました。非常に驚いた作品なのですが、驚きの対象はトリックではなく、この仕掛け一発勝負に掛けた部分でした。殺人どころか犯罪も皆無で、しかも仕掛けの解説もはっきりとは解説しないのも驚きですね。ただ、トリックについてはフェアに徹した為か、非常に露骨な伏線が多くて途中で見当が付いてしまい、結果的にそれが正解でした。必ず再読したくなる作品と言われている様ですが、初読できっちり読んだのでしばらくは再読しないでしょうね~。何よりも80年代後半的な恋愛模様はお腹一杯ですよwその時代に青春を送っていた人にとっては、色々と感慨のある作品だと思いますし、章タイトルも当時の名曲から取っているみたいですね。それと「塔の断章」に登場した天童が登場しているのもリンクがあるとは思わなかったので驚きました。どうしてもネタバレを書かないと核心に触れられなさそうなので、ここからはネタバレありにします。<以下、この作品の仕掛け全般について言及しますので不都合を感じる方はご注意下さい>では、ここからはネタバレありで感想を書きます。このトリックですが、いわゆる「構成トリック」でしょうね。読者にとってはA面とB面の語り手・たっくんが同一人物に見えるように描きつつも実は別人という仕掛けですね。時間軸的にはB面のたっくん(鈴木辰也)が転勤になるシーンが最も時期的に昔でA面のクリスマスが未来になり、つまりはヒロインのマユが二人の「たっくん」と平気な顔して同時に付き合っているという非常にブラックなオチですねwA面では、男と全く付き合ったことが無いという純情な女を演じていたという事ですが、妙に電話番号の教え方が巧かったりするのはご愛嬌でしょうかw妊娠中絶を便秘で誤魔化すなど強引さも目立ちますが、夢中になっているたっくん(鈴木夕樹)には気付く筈も無いでしょうね~。仕掛けに気付いたきっかけは、マユが唐突に夕樹とのデート中に「タック」って言い掛けたのを誤魔化すシーンですね。その後で「たっくん」という愛称に持って行くのが非常に強引な事が鼻につき、B面の最初で鈴木と名字でしか名前が出ていないので疑いは決定的になりました。B面に入ると伏線がどんどん露骨になって行き、性格が変わっている点は勿論、買物に行ってミステリ好きの夕樹が本屋に行かないシーンで別人だと確信しました。それにしてもマユは見事な淫乱ですねw夕樹に対して「たっくん」という愛称を付けるのも同時進行に付き合っているから、呼び間違えるのを防止する意味合いなのでしょうし、電話の出方でも活きていると思います。結局、クリスマスの予約も辰也がキャンセルしたから夕樹が予約できてマユはどちらにせよクリスマスを楽しむという非常に理不尽なオチになっていますねwこれもイニシエーション・ラブなのかもしれませんが、とても理解できないというか女性恐怖症になりそうですwwA面とB面は同時にマユの二面性という事なのでしょうか。とりあえず、この作品を読んだ女性の意見が聞いてみたい所ですねwトリックは分かったもののブラックな味付けは嫌いではないので楽しめた作品に間違い無いですね。ネタバレ部分に付いてコメントして頂く場合は、必ず題名かどこかに「ネタバレ注意」と書いてからお願いします。
2006年05月16日
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先程、週間少年ジャンプを立ち読みして来たのですが、今週号で「デスノート」が最終回でした。今回は後日談的な内容だったのですが、ネタバレしたくないので内容には触れないでおきますwここ数週はクライマックス的な空気が濃厚で、特に先週号は大いに盛り上がっていたので完結は予想通りだったのですが、最後までジャンプ掲載漫画としては異例の位置付けにあったと思います。既に決定している映画化はともかくアニメ、ゲーム、ノベルス、CDと巨大なメディアミックスが連載終了後に発表されるのは異例ですね。普通は、連載途中での中途半端なメディアミックスで半端さが目立つ場合が多いのですが、完結後のメディアミックスは良い意味で好き勝手出来るので本編を補完する意味でも良心的だと思います。個人的に期待しているのは、ゲーム版で是非にニンテンドーDSのタッチペンで名前を書くと死亡というリアル路線をコナミには突き進んで欲しいですwwDSなら持っているハードですし、本気で期待しておりますw最も困るのはPSPで「街」同様にやりたいのに手が出ないという歯痒い状態になるので是非是非、DSで!それにしても人気絶頂で円満終了させた編集部の対応が、ドラゴンボールは言うに及ばず歴史的に見ても英断だったのは間違いないでしょう。最後まで独自路線を突き進み、テンポもよく、高いクオリティを保ったまま最終回を迎えた非常に稀な作品な気がします。まだ11巻も購入していないのですが、今後展開されるメディアミックス同様にコミックスでもじっくりと楽しみたいと思います。
2006年05月15日
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現在、BSでのサッカー日本代表のW杯登録メンバー発表を見ております。既に速報としてスポーツナビにも掲載されています(http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/data/mem_06germany.html)注目だったFW争いは頭角と見られていた久保ではなく、巻が選出されたのが最大のサプライズでしょうね。本当に久保は日本人離れした身体能力を持ちながら大舞台とは無縁で切なくなります。それにMFでもルマンの松井が落選したのはショックでした。欧州組大好きなのにフランスで活躍していた松井を外すとは・・・。まぁ、それを言うならオランダで得点を重ねた平山が一度も候補になっていないのですから仕方ないのでしょうが。実績重視とはいえ、骨折して本調子で大会を迎えられるか非常に微妙な柳沢は当確という様に疑問が残る選出な気もしますが、今に始まった事ではないので愚痴はここまでにします。ともかく、決まったからには来月の本大会は予選突破は困難だと思いますが、全試合応援しようと思います。
2006年05月15日
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日本から1500キロ離れた、東硫黄島。島の外輪火山が噴火し、住民は東京に強制移住させられ、現在は、観測所を守っている老人が1人住むだけの孤島である。そんな島で同窓会が開かれることになり、4年ぶりに東硫黄高校同窓生が集まった。出席者はクラスメイト36人中、不登校だった1人を除いた35人。和やかムードで進んでいた同窓会は、突如現れた殺人ピエロにより恐怖の孤島と化す。次々と同窓生たちを惨殺し始める殺人ピエロの正体は?第4回2006年『このミステリーがすごい!』大賞特別奨励賞受賞作。応募当時12歳の女の子の噂の作品で、ある意味で非常に読みたかったです。設定としては徹底的にリアリティがないと思うのですが、想像していたよりは文章は読み辛くなかった気がします。漫画の様な設定をラストまで強引に引っ張っている点も素直に感心してしまいますね。ただ、人物描写が非常に甘いと言うか、何と言うか猟奇的な連続殺人が発生にしているにも拘らず妙にのんびりした登場人物からは緊張感は伝わって来ませんでした。特に序盤での書き分けが微妙で、本当に集団で行動しているのかと思ってしまう位に状況が伝わり難いですし、要所要所で悲しんでいたりするのですが、それが上辺だけに感じでしまいます。あと、平気で成人しているとは思えない幼稚な言動が飛び出したり、そういう意味で設定以上に登場人物からリアリティが感じられず読んでいて感情移入できなかったです。特にぶっ飛んだのは主人公の有馬が「マヨネーズとぼくどっちが好き?」と告白するシーンには、君は本当に東大生ですか?と問い詰めたいですwその最終的なオチもどう受け取っていいのか非常に悩むべき所で私は唖然として失笑してしまいました。それに妙に性的な場面や話が出てくるのも安直な感じがしますし、ミステリとしても驚きは皆無でした。頭を抱えたのは、ネットの掲示板の描写で妙な誤変換が続々と登場するのですが、これは中学生位の女の子は平気でやっているのでしょうか??センスが理解できないですし、殺人トトを楽しんでいるのか、主人公達を応援しているのか立ち位置が微妙でした。別視点の雑誌編集者や警察の言動も微妙ですし、どこまでも理解し難い作品でした。何歳が描こうが商業作品として世に出た以上は何と言われても仕方が無いと思いますが、どうしても批判的な印象を多く受けました。出版する為に猛プッシュした大森望さんの感覚が分かりませんが、2作目以降も出版するのでしょうか?ただ、デビューさせたからには投げっ放しでは無く、ある程度のフォローをして選評にあった十年後の成長した水田美意子を実現させて欲しいものです。とりあえず、少しでも興味があれば一読する事をお薦めしますが図書館で借りるか、買うなら古本が正解な気がします。
2006年05月14日
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待望の文化祭が始まった。何事にも積極的に関わらず“省エネ”をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。十文字と名乗る犯人が盗んだものは、碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!千載一遇のチャンスを前に盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は「十文字」事件の謎に挑むはめに!米沢穂信が描く、さわやかでちょっぴりホロ苦い青春ミステリ。 まさに期待以上の作品でした!既刊の米澤作品は今作で最後でしたが、その中でも最高傑作だと思える素晴らしい作品だと思います。前2作の「氷菓」と「愚者のエンドロール」で登場したキャラや設定を活かした「古典部」シリーズの現時点での集大成的なカンヤ祭の3日間が描かれております。何よりも絶妙だったのは、奉太郎、える、里志、摩耶花の古典部の面々がトランプの模様で章分けされ、それぞれの視点からカンヤ祭での文集問題の解決と連続盗難事件が鮮やかに浮き彫りになっていますね。これによって、これまで以上にキャラへの感情移入や掘り下げに成功していて青春小説とミステリの融合に見事に成功しているのではと思います。様々な文科系団体が参加するカンヤ祭という舞台の魅力も余す所なく描かれており、自分も参加したくなる様な本当に魅力的な祭を活字で表現しているのは驚嘆に値します。特に料理対決の場面は、かなりの盛り上がりで目が離せませんでしたw物語の核となる「「十文字」事件」も某古典的ミステリへの巧いオマージュとなっていて、事件経過や動機を含めて納得できるものでした。その事件に省エネ主義者の奉太郎が係わるのですから面白くない訳がなく、謎解きシーンでの奉太郎の思惑は見事でしたし、作り過ぎた文集「氷菓」を少しでも売ろうと思い思いの努力をする古典部の面々といい全員が主役と言いたくなりました。とにかく全く期待を裏切らない傑作に間違いはないですし、当然ですが「氷菓」と「愚者のエンドロール」を読んでから手を伸ばすと何倍も楽しめる作品でした。今作で「古典部=小市民」だった評価が「古典部>小市民」となりました。「秋季限定~」も待ち遠しいのですが、古典部の新たな活躍も早く読んでみたいですよ。
2006年05月13日
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毎年楽しみにしている本格ミステリ大賞の2006年度の開票が昨日行われ、小説部門では東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」が受賞、評論・研究部門では北村薫さんの「ニッポン硬貨の謎」が受賞という結果になったみたいです(http://www.honkaku.com/award/award.html)珍しく両作品とも読んでいたのですが、概ね予想通りの結果だったのではないでしょうか。これで「容疑者X~」は各種ランキング3冠に直木賞、本格ミステリ大賞と取れるだけのタイトルは取り尽くしたことに・・・ああ、本屋大賞は取れませんでしたね。本格ミステリかどうか論争のある「容疑者X~」が本格ミステリ大賞を受賞とは皮肉な結果ですが、それだけ実作者や評論家にオフィシャルな場で支持された事は事実ですし、ちぐはぐな論争は終幕にして欲しいものです。今回の受賞で東野さんが、どういうコメントを発表するのかが非常に気になりますね。対して「ニッポン硬貨の謎」は、まさか評論・研究部門にエントリーされるのかという驚きがあった上に受賞とは恐れ入りましたw北村さんには、小説部門の受賞によって2部門制覇が可能になる様な作品を発表してくれる事を期待しております。去年もそうでしたが、小説部門にノミネートされた作品位は読んでおきたいと思いつつ今回も「容疑者X~」と石持さんの「扉は閉ざされたまま」しか読んでいなかったので、来年こそは5作品全て結果発表前に読んで開票を更に楽しみたいものですね。
2006年05月13日
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太平洋戦争中、疎開先で家出した梶原兵吾少年は疲れ果て倒れたところをある屋敷に運び込まれる。その夜、少年は窓から忍び入る“鬼”に遭遇してしまう。翌日から、虎の像の口にくわえられた死体をはじめ、屋敷内には七人もの死体が残された。五十年の時を経て、「直観」探偵・八神一彦が真相を解明する。かなり昔に読んだ本ですが、好きな作品なのに感想を書いていなかったので今更ながら感想を書いてみようと思います~。初期の「館」シリーズとかお気に入り作品も感想を書いていない場合が多くキリが無いのですが、掲示板に迷子_さんが書き込みをしてくれてこともあり、きっかけとしては良いですねw歌野さんと言えば、多くの賞を総なめにした「葉桜の季節に君を想うということ」がベスト作品に押される場合が多いと思いますが、私は今作も甲乙付け難い位に好きです。トリックの壮大さが目を引くのですが、ただそれだけの作品だったら強引なトリックによって無理矢理に成立しているとしか評価できない所を今作は構成の面白さで大きくカバーしていますね。何と言っても「安達ケ原の鬼密室」というガチガチの本格ミステリ的なタイトルでありながら冒頭で語られるのは「こうへいくんとナノレンジャーきゅうしゅつだいさくせん」で平仮名とカタカナのみで構成された文章に大きくイラストが付いているのですから堪りませんねwしかも盛り上がった所で「つづく」と表示され、一転して「The Ripper with Edouard」というアメリカの高校を舞台としたサスペンスタッチの作品が始まるのですから面食らいますwその作品も犯人が指摘された時点で終了し、やっと本編の「安達ケ原の鬼密室」が読めるという本当に妙な構成なのですが、最後まで読むと先行の2編の意味が分かるという趣向は大好きですよ。地味に他の作品とのリンクが見れるのも嬉しいのですが、何よりも構成の妙味が味わえる歌野作品の中でも屈指の傑作だと思います。「葉桜~」も確かに素晴らしいのですが、過去に遡って作家としての軌跡を楽しむのも読書の醍醐味ですね。
2006年05月12日
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西之園萌絵が叔母らと訪れた白刀島の診療所をめぐる怪しい噂に迫る。(「刀之津診療所の怪」)長期の海外出張で訪れた某国の美術館で、“僕”が遭遇した不可思議な事件とは…?(「ラジオの似合う夜」)ショート・ショート五編を含む透明感に満ちあふれた九編収録。 あっという間に読み終わりました。と言うのも短編4本とショート・ショート5本という構成なのですが、ノベルスなのに文章が2段組になっていないので見た目以上に薄かったですし、内容的にも初期の短編集の方が個人的には楽しんで読めていた気がします。注目すべきは「ラジオの似合う夜」と「刀之津診療所の怪」が某シリーズと関係があった点でしょうか。「ラジオ~」は私の嫌いなキャラが語り手で相変わらずの言動に辟易ものでしたが、お馴染みのキャラに「G」シリーズの主要キャラ、更に某シリーズキャラの兼ね合いが楽しめる「刀之津~」はニヤリとする場面が多々ありました。特にラストは、ある短編とのリンクが意外な形で昇華されており、ファンにとっては嬉しくなる幕引きでしょうね。ただ、あえて苦言を呈するならばシリーズ作品と広く浅くリンクする短編をノンシリーズの短編と混ぜ合わせて刊行するというのは、シリーズを読んでいる人にとっては無常の楽しみでもシリーズを読んでいない人にとっては意味が通じない上に釈然としない箇所が残り、どうしてもフラストレーションが溜まる様な気がします。そういう意味で、この作品は誰でも気軽に楽しめる短編集という評価とは少し違う位置付けになってしまっているのが残念な気がします。まだ未読の短編集「虚空の逆マトリクス」も近々文庫化すると思うので、そちらで読んでみようと思います。未読本も多いので「G」シリーズは、しばらく放置して完結した位で読み進めようかと企んでおりますw
2006年05月11日
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今日は久方ぶりに悪友・RYOの車で古本屋巡りに繰り出し、色々と買い込んで来ました。かなり探していた本も発見できて非常に実りある1日でしたよ。以下、買った本の一覧です。・泡坂妻夫 「煙の殺意」・海堂尊 「チーム・バチスタの栄光」・窪井凛 「FLY」・二階堂黎人 「聖域の殺戮」・山田正紀 「神狩り」・米澤穂信 「クドリャフカの順番 「十文字」事件」何と言っても米澤穂信さんの「クドリャフカの順番 「十文字」事件」は大きいですね。散々探していた作品だけに最優先で即読みしたいと所です。これで既刊の米澤作品が揃ったのも嬉しいですね。あと海堂尊さんの「チーム・バチスタの栄光」は、話題作なのと500円だったので思わず購入。どんな話かよく知りませんが、前評判的に非常に期待しておりますwベテラン作家さんでは、泡坂妻夫さんの「煙の殺意」は創元推理文庫の作品で唯一持っていなかったので入手できたのは幸運でしたし、押井守さんが絶賛していた山田正紀さんの「神狩り」も興味深かっただけに状態も良かったのは僥倖でした。そんな訳で、またもすぐにでも読みたい本が補充され嬉しい悲鳴状態ですが、とりあえず「クドリャフカの順番」に手を付けつつ短編集等を摘み食いしたいですねww
2006年05月11日
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山賊髭を生やした赤ら顔の名探偵・増加博士が華麗に(?)謎を解き明かす!作品の登場人物が、自分が推理小説の中のキャラクターであること、これから事件が起きることなどを知っているという設定のメタ・ミステリー。「『Y』の悲劇―『Y』がふえる」「最高にして最良の密室」「雷鳴の轟く塔の秘密」を収録。 二階堂黎人さんの「増加博士と目減卿」を読みましたが、この作品は2編の中編と1編の短編から構成されるメタ・ミステリ短編集です。登場人物が小説上の人物と自覚した上で行動するという設定は中々面白いと「「Y」の悲劇 ― 「Y」がふえる」をアンソロジーで読んだ時は思ったのですが、こういう風にメタ作品ばかり集められると面白さが薄れますね。何よりも「~の道化芝居」という形で作者と登場人物のシオンが楽屋オチの会話をするというのが非常に微妙でした。サービスのつもりなのかもしれませんが、ここまでメタ・ミステリを強調しなくても良い気がしますし、言い訳じみて感じられる部分が多々あります。登場する探偵役の名前はカーのフェル博士を文字って「増える」で増加(ぞうか)博士と名付け、ヘンリ・メリヴェール卿は「目減り」で目減(めべり)卿というのは正反対の意味になっていて面白いです。以下、1編ずつの感想です。 「「Y」の悲劇 ― 「Y」がふえる」核シェルターの中での密室殺人ですが、この作品では最も楽しめました。アンソロジー「Yの悲劇」で読んだ時は浮いた感じがしましたが、単品でメタ・ミステリとした場合は最もコミカルで面白い気がします。真相自体は破天荒過ぎて何とも言えませんがw 「最高にして最良の密室」目張りされた車中が舞台という作品ですが、密室の難易度は低目です。あっさりと犯人もトリックも分かる気がしますが、あまりに完全な密室にすると仕方がないでしょうね。ページ数が少ないからか齟齬が多く、特に被害者が女物の下着を着けていた事に全く言及されていないのはチョッと・・・。動機以上に気になりました。 「雷鳴の轟く塔の秘密」やっと目減卿が登場して古典的な塔の密室に挑みますが、名探偵並び立たずでとても推理合戦とは言えない展開は残念でした。密室の真相も特に感銘もなく、犯人も「ああ、またか」という感じでしたが、ピラミッドの話は楽しめました。鯨統一郎さんほどに凝ってはいませんが、余技としては信憑性はともかく、こういう考えもありだと思えるもので楽しめました。メタ・ミステリという分野を使って遊んでみたという感じでしょうか。全体的に好き嫌い別れそうな作風で私は苦手でしたが、肩肘張らずにミステリを読みたい時には良い作品なのかなと思います。
2006年05月10日
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離婚経験のあるタウン誌編集長の奥山美知子は、十五歳下のアルバイト・西木総一と愛人関係にある。ある日、二人は取材で訪れた寺の住職から、子を思う鬼子母神の由来を聞く。事故で母親を亡くしたばかりの総一は、いつしか美知子の中に母の面影を求めるが…(表題作)。恐怖、官能、怪奇…。奇才が誘う妖しき世界。多彩な仕掛けのびっくり箱全十二編。 久々に泡坂さんの作品を読みましたが、今作は「亜愛一郎」シリーズや「曾我佳城」シリーズは言うに及ばずノンシリーズの短編集としてもミステリ色が薄い短編集でした。だからと言って面白くないわけでは決してなく、これまでの短編集以上に幅の広い作風の短編が揃い粗筋通りに「びっくり箱」の様な作品に仕上がっています。やはりマジック関係や紋章師としての経験を活かした短編が多いですが、どれも単調なミステリには収まらずに奇妙な味わいが味わえます。様々な男女関係に関する設定も多く、妙に官能的な物語は独特の世界観がありました。その中でも「鬼子母像」「弟の首」「他化自在天」「竹夫人」はどれも不気味さがよく出ており、何とも言えない読後感がありますね。マジック的な要素の強い「ライオン」「ジャガイモとストロー」「幕を下ろして」も相変わらずの不可思議な世界を活字で描き切っていて読み応えがありますし「ジャガイモとストロー」に登場する某トリックは自分でも試してみたいですねww最近、軽めの作品を多く読んでいただけにベテランの味のある作品を堪能できたのは良い刺激になりそうですw
2006年05月09日
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ついにプレステ3の発売日と価格が発表されました(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060509-00000039-zdn_g-sci)日本では11月11日発売で20Gバイトモデルで59800円だそうです。結局は本体と同時にメモリーカードやゲームソフトも購入する事を考えると70000円近くは掛かる事になりますが、オンラインゲームへの対応やブルーレイディスクの搭載を考えると仕方ない値段なのでしょうね~。とはいえ、オンラインゲームにあまり興味がない私にとって即購入するほどの価値はないので、しばらく様子見に徹し、少し値段が落ちた位に購入したいですねwところで、こちらの記事で値段が違うのは何故なのでしょうか??(http://gameinfo.yahoo.co.jp/info/headlines/geg/20060509/cpt/12000000_eg002.html)
2006年05月09日
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GWは何かと忙しく、やっと自由な時間が出来たので満を持して今日は古本屋巡りへと行って来ました。久しぶりなのが功を奏したのか、今日は久々に欲しい本を安く入手できて嬉しかったですねぇ。以下、買った本です。・乾くるみ 「イニシエーション・ラブ」・霧舎巧 「名探偵はもういない」・坂木司 「青空の卵」・高田崇史 「QED 竹取伝説」・水田美意子 「殺人ピエロの孤島同窓会」・森谷明子 「千年の黙 異本源氏物語」・森博嗣 「レタス・フライ」やたらと単行本作品が多いのは1冊210円で売っていたからでしたwノベルス作品も250円で購入し、そういう意味で非常にリーズナブルな買物が出来ましたね。どの作品から読んでも問題がないのですが、読み易さ重視で「イニシエーション・ラブ」か「殺人ピエロの孤島同窓会」を一息で読み、同時進行で「レタス・フライ」という感じでしょうか。最近、読書する機会が少なかっただけに今回の買物をカンフル剤に読書が進めばと思います。
2006年05月08日
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私にとって、かなり大好きな作品である「メタルギアソリッド」シリーズの原点「メタルギア」をクリアーしました。と言うのも「メタルギアソリッド3 サブシスタンス」に収録されていたMSX2復刻版の事で、これまでシリーズの中で話には出てきたもののプレイできなった「メタルギア」と「メタルギア2:ソリッドスネーク」をプレイできるという素晴らしいサービスのお陰でした。高校生の時に発売されたPSの「メタルギアソリッド」から入った私にとっては喉から手が出る夢の企画だったので、値段も手頃になった所で購入した次第です。1987年にリリースされたゲームという事で20年近く前のゲームになるのですが、この1作目から現在まで続くシリーズのコンセプトである「敵に見つからない様にする隠密行動」が確立されているのが凄いです。しかもゲーム中に後の作品でお馴染みの「リモコンミサイル」や「赤外線ゴーグル」といったアイテムが同様の仕様で登場するのですから驚きでしたし、何よりも「ダンボール」ですら登場してくるのは嬉し過ぎですww当時の技術では表現し切れなかった部分が多いですが、後のシリーズで見事に活かし切っているとは流石は小島監督ですね。比較的あっさりと話は進み3時間も掛からずにクリアー出来ましたが、問題なく楽しめる面白さがありました。ただ、やたらと登場するカードキーは9種類もある上にストーリーが終盤でもカード1で開く扉とか非常に困り物でした(汗)後のシリーズでは扉にカード番号が書かれていたりするのが改めて感謝できましたwラストにはタイトル通りにメタルギアも登場しますが、1作目という事で非常に微妙な強さで下手したら余裕でノーダメージで倒せそうなのはご愛嬌でしょうねw黒幕の方も露骨に妨害して来ますが、某作品の事を考えると何があったのと心配したくなる位に無能で特筆すべきはロケットランチャーに4発も耐えられるタフネスだけでしょうかww普通に最も強かったのは中盤で戦うシリーズお馴染みのハインドでしたね。とりあえず、続けて「メタルギア2:ソリッドスネーク」をプレイしようと思いますが、他にも遊び心満載の要素が盛り沢山なので色々と遊んでみようと思います。あと、オマケとして収録されている「メタルギアソリッド4」の映像はPS3で出るだけあって別次元という感じでした。発売時期にもよりますが、このシリーズの為にもPS3は買わなければいけないですね~。
2006年05月07日
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深海4000メートルに存在する、海底実験施設「バブル」。取材に訪れた鷲見崎遊は、そこで二週間前に、常駐スタッフが不審な死を遂げていたことを知る。自殺としてすでに処理されてしまったひとつの“死”。だが、それはひとつだけでは終わらなかった。連続して発生する怪死事件。完全に密閉された空間の中で、なにが起きているのか。携帯情報デバイスに宿る仮想人格とともに、事件の推理に乗りだす遊だったが…。『M.G.H.』で第1回日本SF新人賞を受賞した新鋭がおくる、本格SFミステリー第二弾。徳間デュアル文庫から刊行されている三雲岳斗さんの「海底密室」を読みました。正にタイトル通りに海底プラント施設で起こる密室殺人という、まるで森博嗣作品の様な設定で「理系ミステリ」に分類されるべき作品ですね。若干、ある仕掛けに対するヒントの出し方が不十分な感じがしますが、密室を作った理由や真相という点で凝りに凝った秀逸で論理的なのは好感が持てます。密室の真相も知識のない人間にとっては何とも言えないトリックですが、下手なお茶の濁し方に逃げない真っ当な密室という点では正統派の本格ミステリとして非常に完成度の高いものだと思います。動機が通り一遍で微妙な印象もありますが、ミステリとしては想像以上に楽しめた作品でした。ただ、探偵役の女性が友人の人格がコピーされたPDAを持ち歩き、その人工知能がワトソン的なポジションを占めるという設定は舞台設定にも合っているものの個性が乏しく、尚且つ人工知能・ミドーも謎解きという面では活躍の度合いが低過ぎた気がします。他の人物描写では妙に似た感じの研究者の女性キャラが多く、誰が誰か分かり難い部分がありました。こういう細かな点で損をしている気がします。続編は出ていないようですが、シリーズ化を意識したような作風だけに何らかの形で関係作も読んでみたいですね。
2006年05月06日
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今日はボクシングの亀田興毅の世界前哨戦をテレビでチラッと観たのですが「亀田の日」と銘打っているだけに圧倒的な勝利でしたね~。と言っても、試合開始が遅くてジリジリしていた上に1R終了後にヤクルトー巨人にチャンネルを替えていたら、その間にKOして終わっておりましたww出かけていた為に弟・大毅の1RKO勝ちも観れませんでしたし、私にとってはトホホな展開でした。それにしても併せて3Rも掛からなかったのに2時間も放送枠があるとは流石は亀田兄弟ですよw21時から放送していたPRIDEが8試合で2時間なのと比べると、一体どんな感じで引っ張ったのか非常に気になりますね~。そのPRIDEも疲れていたので1試合目の途中で寝てしまいましたw結局、誰が勝ち上がったのか非常に気になりますし、今回はヒョードルを倒す選手が登場するのを期待しております。個人的には好きなノゲイラに頑張って欲しいのですが・・・。ともかく、格闘技を観るのには忍耐が必要みたいですねww
2006年05月05日
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「育ててもらわなくてもいい。誰の力を借りなくても、おれは最高のピッチャーになる。信じているのは自分の力だ―」中学生になり野球部に入部した巧と豪。二人を待っていたのは監督の徹底管理の下、流れ作業のように部活をこなす先輩部員達だった。監督に歯向かい絶対の自信を見せる巧に対し、豪はとまどい周囲は不満を募らせていく。そしてついに、ある事件が起きて…!各メディアが絶賛!大人も子どもも夢中になる大人気作品。あさのあつこさんの「バッテリー」の2巻を読みました。日記によると1巻を読んだのが去年の4月7日なので1年と少し振りに2巻を読んだことになりますwお陰で4巻も刊行されましたし、来月には5巻が文庫化されるようで文庫で全冊読破の野望は確実に進行中ですねwwさて、1年ぶりでしたが印象的な作品なので普通に読み進められました。1巻が春休み中の話と序章的な位置付けだっただけのですが、今作では中学に入学した所から話が始まり、本格的に物語が大きく動き出しているという感じですね。これまでに登場した板同級生を掘り下げるのは勿論、教員を初めとした学校関係者が登場して主人公・巧に係わり合っていきます。相変わらず野球を通しての少年の描き方が絶妙で、特に巧と豪の関係は正に紆余曲折という感じですね。予想通りに巧と野球部の上級生の間でいざこざもあり、1巻よりもページ数だけでなく内容的にも厚みがあるように感じました。この巻だけでも1つの物語が完結しているというのも良かったですし、何よりも先が非常に気になる終わり方になっていたのは、私が物語に引き込まれたということでしょうか。幸い3巻が手元にあるので続けて読み進めますが、これからの巧と豪の関係と物語の着地点が今から気になりますね。
2006年05月04日
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再三日記で書いている通り、今月は講談社ミステリーランドから乙一さんの久々の新作「銃とチョコレート」が出るので楽しみだったのですが、更に嬉しい情報がありました。なんと「ZOO」が今月文庫化するらしいのです!!(http://bunko.shueisha.co.jp/)文庫化を待ち構えていただけに非常に嬉しいのですが、これって「銃とチョコレート」と発売日が被りそうで怖いです(汗)しかも去年の「GOTH」と同様に分冊文庫化のようで出費が重なりそうですwこうなったら文庫化されていない単行本「失はれる物語」も文庫化しないかと思いきや来月するようでした(http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200601000042)しかも単行本に収録されていた作品に「ボクの賢いパンツくん」という短編を加えるというサービス精神旺盛さは嬉しいですね。そもそも「ボクの賢いパンツくん」というタイトルからして、どんな話か気になりますがww立て続けに刊行される乙一作品、どれも本当に待ち遠しいですね♪
2006年05月03日
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先々月は異様に単行本作品を読んだ月でしたが、先月はノベルスを大いに読んだ月でした。その中心が、はやみねかおるさんの講談社青い鳥文庫の作品で13作読んだようです。青い鳥文庫とは言いますが、大きさ的にノベルス扱いにして同じ棚に入れておりますw他の作品を含めると結果的に先月の読書量の半分がノベルスで、溜まりに溜まった未読文庫本はあまり減りませんでした。なので、今月は原点回帰で文庫本を中心に読んで行こうと思います~。あと今月末までに読み終わった作品で恒例の上半期MYベスト10をやれたらと思います。ただ、今回は伊坂作品を中心に単行本が多く候補にあるので選ぶのに苦労しそうですね。ともかく乙一さんの新作も出ますし、今月も良い読書がしたいものです。
2006年05月02日
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「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」退職判事関根多佳雄が博物館の帰りに立ち寄った喫茶店。カウンターで見知らぬ上品な老婦人が語り始めたのは、少女時代に英国で遭遇した、象による奇怪な殺人事件だった。だが婦人が去ったのち、多佳雄はその昔話の嘘を看破した。蝶ネクタイの店主が呟く彼女の真実。そしてこのささやかな挿話には、さらに意外な結末が待ち受けていた…。(表題作)ねじれた記憶、謎の中の謎、目眩く仕掛け、そして意表を衝く論理!ミステリ界注目の才能が紡ぎだした傑作本格推理コレクション。 地味に恩田陸さんの短編集は始めて読みましたが、どれも傑作揃いで短編でも存分に力を発揮できる作家さんだと分かりました。日常の謎に特化した論理的なミステリばかりだったのも評価を上げた要因で解説を西澤保彦さんが書いているのも非常に納得ものでした。物語は退職した判事の関根多佳雄が安楽椅子探偵として様々な謎を解決するという形式ですが「六番目の小夜子」の主人公・関根秋の父親が主人公という時点で嬉しくなりましたw更に秋の兄姉の春と夏も登場するという太っ腹で、しかもキャラも立っているのが良かったです。特に春が活躍する「待合室の冒険」は、ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」を意識した様に何気ない言葉から展開する物語は秀逸でした。他にもお気に入りの短編ばかりですが、その中でも好きなのはタイトルからして魅力的な「曜変天目の夜」と文通の手紙のやり取りだけで構成された「往復書簡」ですね。都市の力とでも言うべきものをを描いた「魔術師」も印象的で、仙台が舞台という事で恩田さんが宮城県出身という事を思い出しましたよwとにかく、どの短編も論理性を重んじつつも恩田さんらしい不思議な感覚も盛り込んだ良質のミステリ短編集だと思います。また是非ともこういう短編集が読んでみたいですね。
2006年05月01日
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