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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2015.08.01
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2種 3種 は合格できたので、
 そろそろ11月の1種受験の準備を始めようかなと思っています。
 そこで、タイトルからは、今さら感も漂っていたけれど、
 頭の準備運動にはなるだろうと、本著を読んでみることにしました。

 予想通り、内容的には 『<正常>を救え』 『精神医療ダークサイド』
『精神疾患は脳の病気か?』 『「うつ」は病気か甘えか。』 『うつに非ず』
『なぜうつ病の人が増えたのか』 『擬態うつ病/新型うつ病』 等々のように、
 診断のインフレと多剤投与・過剰服薬の現状について述べたものでした。

   ***

  ターナーら(2008)、カーシュら(2008)、フォーニアら(2010)の、
  以上3本の論文により、SSRIに対する欧米精神医学の見方は、
  いまやすっかり冷めたものになっています。

  そして、2012年日本うつ病学会もうつの大半を占める「軽症うつ病」については、
  「プラセボに対し確実に有効性を示しうる治療薬はほとんど存在しない」
  と宣言したのです。(p.84)

さすがに、今年の5月に発行されたばかりの書籍だけあって、
最新の情報が掲載されており、この点については、本著を読む価値は大いにあります。


  検査技術も格段の進歩があります。
  うつ病に関するストレス応答系の実態については、
  今後も厖大なデータが積み重ねられることと思います。
  とりわけ、免疫系にかかわる炎症性タンパクと呼ばれる物質の動きについては、
  年々わかってきています。
  そうなるとうつ病は、今後、
  非感染性慢性炎症性疾患としての疾病像が作られていくこととなるでしょう。(p.116)

これも、初めて知った内容。
でも、まだまだ研究途上のようではありますが。

  小学生に一流の数学者の価値がわからないように、
  精神科医としての程度の低い人には、一流の精神科医、
  たとえば、 土居健郎 笠原嘉 、中井久夫、各氏の価値は
  まったくわからないことでしょう。(p.187)

断定してしまう書き方に、引っかかりを覚えますが、
中井久夫さんの書物は読んだことがなかったので、取り敢えず手配しました。

  「うつ=激励禁忌」は、一般の人にも知られていますから、患者さんも誤解します。
  「頑張ろうと思うからいけないんだ。頑張らなくていいんだ。無理しなくていいんだ」、
  そう思います。
  それは、治療の最初期に限っては、間違いではありません。
  しかし、その後のステージは別です。
  特に、回復期には頑張りが必要です。
  うつのリハビリで一番大切なことは自助努力です。
  療養上の努力を自らが行うことなくしては、治療も回復も実現しません。
  それを促し支えるのが精神科医の役割です。
  周囲の人も、「ここを乗り越えれば、きっとよくなる。だから頑張ろう」と言って、
  励ましていかなければなりません。
  患者さんが一番ほしいひと言は、温かい励ましの言葉なのです。(p.247)

自助努力が必要ということは、まったく同意。
『うつ病治療常識が変わる』 で印象深かった言葉と同じです。
しかし、その人が、治療のどの段階にいるのかは、判断するのがとても難しい。
見た目だけで、判断するのは結構危険だと思います。

  生活習慣の基本をまとめると、
  1.睡眠量。具体的には1日7時間、ないし1週間50時間の睡眠。
  2.睡眠相の安定。具体的には平日と休日の起床時刻の時間差を2時間以内に保つこと、
  3.アルコールの制限。つまり、飲酒量を減らす、回数を減らす、薬物療法中は断酒、
  といったところです。(p.251)

これが、著者が本著の中で繰り返し述べていること。
まぁ、これについても異論という程のものはないです。
ただし、p.223~240に見られる、著者のペンの暴れっぷりには、
本当に休まなくてはならない人まで、休職を避けるようになってしまわないか心配です。

  しかし「まず休む→治す→それから仕事」というプロセスが有効なのは、
  かなりシビアなうつ病だけです。
  もっと軽いうつの場合は、休職するという選択は、
  しばしば患者さんをかえって厳しい状況に追い込んでしまいます。(p.223)

  それでは、企業が真に求めている人材とは何か?
  それは、「毎日休まず会社に来てくれる人」です。
  逆にいえば、毎日来てくれないと困るのです。
  企業にとって最悪の「招かざる人材」とは、
  突然会社を休んだり、病気で何カ月も休む人です。
  こういうことをやられると、企業としては、もうお手上げです。(p.227)

  企業にとって人事管理上の最大の失敗は、社員に病気で休まれることと、
  怠けて仕事をサボられることです。
  二つは性格が違うと思われるかもしれませんが、企業にとって結果は同じです。
  人件費の浪費、業務の振り分け困難、現場士気の低下……
  病気であれ、怠けであれ、企業の被る損失は同じです。
  会社にとって社員は「無事これ名馬」です。
  「うつ病なんぞで休まれるのが一番困る」というのが人事担当者の本音です。(p.227)

  今後、職場のメンタルヘルスを考える際には、拙速なドクターストップは控え、
  「働きながら治す、治しながら働く」ことを考えるべきです。
  生活習慣を改善し、十分量の睡眠と、アルコールの節減を行い、
  それである程度の健康が回復すれば、そのまま仕事を続けさせればいいのです。(p.232)

  それに、長期休職の事実に関しては、
  同僚たちは冷ややかに受け止めていることは想定しておかなければなりません。
  職場の同僚というものは、病気で休んでいるあなたに対して、
  無限大の優しさで見守ってくれているわけではありません。
  「このクソ忙しい時に休みやがって!」、そう思っている人もいるはずです。
  間違っても、「病気になったボクのことを、みんな優しさといたわりで接してくれるはずだ」
  などと思ってはいけません。
  そもそも、職場というのは戦場のようなところ。
  皆、忙しく、疲れ切っていて、人の心配などしている余裕はありません。
  休職している人に無関心であるならまだまし。
  むしろ、あなたに対して、「無用な業務を押し付けて、敵前逃亡しやがった」、
  と思っている場合すらあります。
  あなたに対する激しい憎悪が渦巻いているという可能性すら、
  想定しておくべきなのです。(p.238)

  でも、さきほども述べた通り、仕事のスキル、同僚との関係、顧客の信用……、
  休職することですべて失われてしまいます。
  これまで長年かけて培ってきた人間関係のネットワークが、
  時間とともに一つ切れ、二つ切れしていき、
  気がつけばその従業員はすっかり「過去の人」となってしまうのです。(p.240)

そんなこと、ちゃんと働いてるサラリーマンなら、百も承知です。
だから休みたくないけれど、それでも休んで治療しないといけない状況なのかもしれない。
それは、自分自身には判断できないから、目の前の精神科医の言葉を信じるしかない。
それとも、そういう状況に追い込まれた人は、迷わず著者の診察を受け直すべきなんでしょうか? 





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Last updated  2015.08.01 13:58:49 コメントを書く


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