Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年06月27日
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カテゴリ: 霊魂論



ゲーテの自然科学論序説並びに精神科学(人智学)の基礎(GA1)
第17章 ゲーテ対原子論 佐々木義之訳 1-9項
第九項
 何世紀にも渡って、キリスト教的な概念は、古代ギリシャから伝わってきた消えゆく感情以上に力強いものとなってきました。その過程で、人々は概念とアイデアという現実に対する彼らの先見的な感覚を見失い、純粋に物質的なものを崇拝し始めました。自然科学におけるニュートンの時代が始まったのです。もはや世界の多様性の根底に横たわる統一性について語られることはなくなりました。すべての統一性は否定され、単なる「人間的な」思いつきへと格下げされたのです。人々は自然の中にひとつの多様性、特別なものの寄せ集めだけを見ました。ニュートンはこの基本的な観点によって光をひとつの主要な統一体としてではなく、何らかの複合体として見るように導かれたのです。ゲーテはその「色彩論の歴史のための材料」の中でこの歴史的な発展の諸側面について記述しています。そこで明確になるのは、最近の科学の概念は色彩論の領域で不健全な観点へと導いたということです。この科学は光を自然の特質のひとつとしてもはや理解してはいません。ある一定の状況下で、何故、光に色がついて現われるのか、あるいは、色はどのようにして光の領域内で生じるのかということを科学が知らないのはそのためです。
参考画:Zur Farbenlehre



記:第九項では、シュタイナーがキリスト教的な概念が古代ギリシャの感情を超えて力強くなったことを述べています。その過程で、人々は概念とアイデア(理念等の観念的思考)に対する感覚を失い、物質的なものを崇拝するようになりました。これがニュートンの時代の自然科学の始まりであり、世界の統一性が否定され、多様性が強調されるようになったと説明しています。ニュートンは光を統一体ではなく複合体として捉え、ゲーテはこの観点が色彩論において不健全な結果をもたらしたと批判します。統一体としての光という考え方は、光が一つの単純なもの、つまり一つの性質や本質を持つものとして捉える見方です。例えば、光はただ「白い光」として存在し、その中に特別な違いはないという考え方です。一方、複合体としての光というニュートンの見方は、光が実際には複数の異なる成分から成り立っていると考えるものです。ニュートンはプリズムを使った実験で、白い光を通すと虹のように様々な色に分かれることを発見しました。これにより、白い光は単一のものではなく、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫といった複数の色(スペクトル)から構成されていると結論づけたのです。この考え方は、現代の光学や色彩学の基礎となっています。ゲーテは、色彩をもっと感覚的・心理的な現象として捉えました。彼は、色は光と闇の相互作用によって生まれると考え、ニュートンのように光を単に物理的な現象として見るのではなく、人間の感覚や心理に与える影響も重視しました。ゲーテは、ニュートンのプリズム実験を「人工的」であり、自然界の色の現象を十分に説明できないと批判したのです。
ニュートンの色彩論: 光の分光を通じて色を科学的に解析し、色が光の波長によって決まると提唱。ゲーテの色彩論: 色の心理的影響と感覚的側面に焦点を当て、色が光と闇の相互作用によって生まれると考えた。科学と芸術の融合: 二人の理論は、色彩学の重要な柱として現代にも影響を与えている。影響と貢献: ニュートンとゲーテのアプローチは、色に関する私たちの理解を深めるのに現代といえどもともに貢献しています。    (第17章 ゲーテ対原子論 第九項了)

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最終更新日  2024年06月27日 06時49分26秒
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