《櫻井ジャーナル》

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2012.11.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 中東/北アフリカでアメリカ政府は危ない橋を渡っている。少なくとも庶民のレベルでは反米感情の強い地域だが、ジョージ・W・ブッシュ政権の軍事侵攻は人びとの怒りを極限まで高めた。いつ怒りが爆発しても不思議ではない。

 そうした中、ガザに対する攻撃をイスラエル軍は開始、地上軍をガザに侵攻させたなら中東の広い地域で庶民が立ち上がり、親米体制が倒され、戦火が中東/北アフリカの広い地域に広がる可能性もあった。

 そこでイスラエル地上軍のガザ侵攻を止めさせる必要がアメリカ政府にはあったのだが、その代償としてバラク・オバマ大統領はアメリカ軍を来週、シナイ半島に派遣し、ガザへの物資搬入を阻止すると約束したとする話が流れている。さらに、スエズ運河沿いに電子的なフェンスを設置するという情報もある。

 軍隊の派遣やフェンスの設置はイスラエルによるガザに対する兵糧攻めの支援。兵糧攻めは軍事作戦の中でも残虐な戦術のひとつと言われているわけで、本当にアメリカ政府がこうしたことをするならば、反米感情はさらに高まり、エジプト政府の立場も悪くなる。モハメド・モルシ大統領が「独裁宣言」をしたくなる気持ちがわからないでもない。

 それに対し、イランはハマスに長距離ミサイル「ファジル5」に関する技術情報を提供したという話も伝えられている。ミサイルそのものを提供することは難しいが、ミサイルを製造する技術なら提供できるということのようだ。このミサイルはテルアビブを攻撃することもできる。

 ハマスはムスリム同胞団を母体にしている組織で、イランと友好的な関係にあるとは言えないだろうが、イスラエルがイランを攻撃した場合の反撃拠点としてガザを見ているのかもしれない。

 十字軍以来、ヨーロッパのキリスト教世界は中東/北アフリカを侵略、略奪と殺戮を繰り返してきた。そうした歴史の中でアメリカが特に憎悪されている理由は、言うまでもなく、イスラエルにある。パレスチナ人に対する兵糧攻め、軍事侵攻による破壊と殺戮、そして国連を無視した占領、こうした行為をアメリカが擁護してきたことに対する怒りだ。

 アメリカ政府が形振り構わずイスラエルを守るようになったのは、1967年の第3次中東戦争以降のこと。この戦争でアメリカの情報収集船「リバティ号」がイスラエル軍に攻撃され、乗組員34名が死亡、171名が負傷するという出来事があった。本来ならアメリカ政府はイスラエルを強く批判すべきだのだが、いまだに抗議していない。第3次中東戦争はイスラエル軍による奇襲攻撃で始まったが、この戦争にアメリカ政府の一部が協力している疑いは消えていない。

 とりあえず、ハマスとイスラエルとの間で休戦が合意されたというが、残念ながら、平和が訪れることは期待できない。前にも書いたが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は父親のベンシオンから思想を受け継いでいる。このベンシオンはゼエブ・ウラジミール・ジャボチンスキーの秘書を務めたほどの側近。南はナイル川から北はユーフラテス川まで、西は地中海から東はヨルダン川までをイスラエルの領土にするべきだと考えていた。ベンヤミンも同じ考え方をしている可能性は高い。





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最終更新日  2012.11.24 03:30:05


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