《櫻井ジャーナル》

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2015.04.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 世界有数の核兵器保有国と信じられているイスラエルは核ミサイルをドイツから提供されたドルフィン級潜水艦に搭載している可能性が高い。ドイツはイスラエルへ6隻の潜水艦を提供する予定で、近いうちに5隻目が引き渡されるという。

 この潜水艦が搭載しているのは巡航ミサイルの「ポパイ・ターボ」で、2000年5月にインド洋で実施された発射テストで1500キロメートル離れた地点の目標に命中したと言われている。一般に言われている射程距離は200キロメートルから350キロメートルなのだが、イスラエルが改良して射程距離を伸ばした可能性はある。

 しかし、地中海から発射した場合、射程距離が1500キロメートルだとしてもイラン全土をカバーすることはできない。イランを攻撃するためには空軍を使うか、潜水艦をイランの近く、例えばペルシャ湾の周辺へ配置しなければならない。そのためにはスエズ運河を通過、紅海をからバブ・エル・マンデブ海峡を通ってアデン湾、そしてアラビア海へ出る必要がある。イエメンに独立した政権が存在することをアメリカやイスラエルは許容できないだろう。

 スエズ運河とバブ・エル・マンデブ海峡が封鎖されるとイスラエルの潜水艦は身動きがとれなくなる。そのため、少なくともエジプト、ジブチ、イエメンがイスラエルにとって不都合な行動をしないようにする必要があるわけだ。

2009年6月にイスラエルの潜水艦がエジプトの艦船にエスコートされて地中海から紅海へ入っている が、サンデイ・タイムズ紙などによると、 核兵器を搭載した3隻の潜水艦が常にイランの海岸近くに配備 されているという。

 2013年にこのミサイルがシリアへ向けて実際に発射された可能性もある。この年、アメリカとイスラエルはシリアへ軍事侵攻する動きを見せ、「化学兵器話」を西側のメディアは宣伝していた。これはすぐに嘘だと判明するが、それでも 9月3日には地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射された のだ。



 最初の攻撃で躓き、中止になったのではないかと推測する人もいる。ジャミングで落とされたという説もあるが、ロシアがイランに提供するというS-300ならば打ち落とせるだろう。戦闘機でも同じことになる。

 ところで、ミサイルに搭載する核爆弾の開発は、1956年にシモン・ペレスがフランスでシャルル・ド・ゴールと会談し、フランスは24メガワットの原子炉を提供してから始まる。開発に必要な資金はエドモンド・アドルフ・ド・ロスチャイルドをはじめとする富豪が提供したようだ。

 1958年にはアメリカもその事実を察知している。CIAの偵察機U2がネゲブ砂漠のディモナ近くで何らかの大規模な施設を建設している様子を撮影、それは秘密の原子炉ではないかという疑惑を持ったのだ。

 そこで、CIA画像情報本部の責任者だったアーサー・ランダールはドワイト・アイゼンハワー大統領に対してディモナ周辺の詳細な調査を行うように求めたのだが、それ以上の調査が実行されることはなかった。ランダールが大統領へ報告する場合、通常はアレン・ダレスCIA長官やジョン・フォスター・ダレス国務長官が同席したようで、両者も調査の続行を要求しなかった可能性が高い。

 核兵器の開発には重水が必要だったのだが、この 重水をイスラエルはノルウェーからイギリス経由で秘密裏に入手 する。その取り引きについてノルウェーのアメリカ大使館で筆頭書記官だったリチャード・ケリーは1959年の段階で国務省へ報告している。この書記官はアメリカの国務長官を務めているジョン・ケリーの父親だ。

 1960年3月には西ドイツのコンラッド・アデナウアー首相がニューヨークでダビッド・ベングリオン首相と会談、核兵器を開発するため、1961年から10年間に合計5億マルク(後に20億マルク以上)を融資することになった。この会談をアメリカ側が知らなかったとは思えない。

 アデナウアーとベングリオンが会談する前月、1960年2月にイスラエルの科学者はサハラ砂漠で行われたフランスの核実験に参加した。その直後にはイスラエル自身が長崎に落とされた原爆と同程度の核兵器を所有している。1963年にはイスラエルとフランス、共同の核実験が南西太平洋、ニュー・カレドニア島沖で実施された。





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最終更新日  2015.04.17 02:13:33


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