《櫻井ジャーナル》

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2015.09.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 9月に入り、西側メディアはシリアからの難民を大きく取り上げるようになった。国連の推計によると、今年中にヨーロッパへ逃れてくる人数は40万人近く、来年は45万人に達する。これだけで85万人。これだけ難民が殺到する切っ掛けはトルコ政府が難民のヨーロッパ行きを認めたことにあるという。意図的に作り出した「危機」だということだろう。 難民の殺到を宣伝する材料に使われたのが3歳になる子どもの遺体

 シリアで体制転覆プロジェクトが始動したのは2011年3月のことだが、そのときからトルコは反シリア政府軍に拠点を提供している。同国にあるアメリカ空軍のインシルリク基地では、アメリカのCIAや特殊部隊、イギリスやフランスの特殊部隊から派遣された教官が戦闘員を訓練、シリアへ送り出している。

 プロジェクトが始まった翌年の8月、反シリア政府軍の実態をDIA(アメリカ軍の情報機関)が報告している。それによると、 シリアにおける反乱の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI で、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとしている。

 また、シリアではアル・ヌスラというアル・カイダ系の武装集団が活動していることになっているが、この名称はAQIがシリアで活動するときに使っていたとDIAは説明している。AQIは2004年に組織され、06年にISIが編成されたときにはその中心になり、今ではISと呼ばれている。アル・カイダ系武装集団とISは基本的に同じとうことだ。

 ロビン・クック元英外相が明らかにしたように、 アル・カイダとはCIAに雇われて訓練を受けた数千人におよぶ「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル 。アラビア語で「ベース」を意味し、「データベース」の訳語としても使われる。つまり、「オサマ・ビン・ラディンが率いる戦闘集団」というわけではない。この仕組みを作り上げたのはズビグネフ・ブレジンスキー。当時、ジミー・カーター政権で大統領補佐官を務めていた。

 ブレジンスキーはソ連軍をアフガニスタンへ誘い込むための秘密工作を実行、1979年12月に思惑通り、ソ連の機甲部隊がアフガニスタンへ入った。そこからアフガン戦争が始まるのだが、ソ連軍と戦わせるためにアメリカの情報機関や軍はイスラム武装勢力を編成したわけだ。



 しかし、ここにきてISと最も緊密な関係にあるのはトルコ。例えば、イラクの首相だった当時、 ヌーリ・アル・マリキはペルシャ湾岸産油国がISを支援していると批判 していたほか、昨年10月2日にはジョー・バイデン米副大統領がハーバード大学でISとアメリカの「同盟国」との関係に触れている。ISの「問題を作り出したのは中東におけるアメリカの同盟国、すなわちトルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦だ」と述べ、その「同盟国」はシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すために多額の資金を供給、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は多くの戦闘員がシリアへ越境攻撃することを許してISを強大化させたと語っている。

 ISにとって最も重要な兵站ラインはトルコからシリアへ延びているもの。昨年10月19日に「自動車事故」で死亡したイランのテレビ局、プレスTVの記者、セレナ・シムはその直前、トルコからシリアへ戦闘員を運び込むためにWFP(世界食糧計画)やNGOのトラックが利用されている事実をつかみ、それを裏付ける映像を入手したと言われている。ドイツのメディアDWも昨年11月、 トルコからシリアへ食糧、衣類、武器、戦闘員などの物資がトラックで運び込まれ、その大半の行き先はIS だと見られている。

 ISは資金調達のためにイラクで盗掘した石油を密輸しているが、その石油を扱っているのはレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の息子が所有するBMZ社だと伝えられている。ISの負傷兵はトルコの情報機関MITが治療に協力、秘密裏に治療が行われている病院はエルドアン大統領の娘が監督しているとされている。しかも、トルコ政府のロビーとしてCIAの秘密工作部門の所属していたポーター・ゴスが加わったともいう。

 また、イスラエルもアサド体制の打倒を目指し、その事実を隠そうとしていない。例えば、 マイケル・オーレン駐米イスラエル大使は2013年9月、シリアのアサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っている 。このオーレンはベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近として有名で、これはイスラエル政府の意思だと考えて良いだろう。イスラエル軍はISを助けるための空爆を繰り返してきた。

 ネオコン/シオニストはイスラム武装勢力をウクライナでも使うつもりで、8月1日にはウクライナの外相、トルコの副首相、そしてタタール人の反ロシア派代表がトルコのアンカラで会い、タタール人、チェチェン人、ジョージア(グルジア)人などで「国際イスラム旅団」を編成してクリミアの近くに拠点を作ることで合意したとされている。

 そうした中、ロシア/CSTO(集団安全保障条約機構)がアル・カイダ系武装勢力やISと戦う姿勢を強めている。9月15日にCSTOの幹部がタジキスタンで会合を開いてシリアやイラクでのテロ活動を批判、国連の下で軍隊を派遣する容易があるとする声明を出している。

 これまでアル・カイダ系武装勢力やISを使ってきた勢力はこうしたロシアの動きに慌てているようだ。高性能兵器の提供に加え、ラタキアにロシアの拠点ができることを嫌っているとする人もいる。ISを守っているイスラエル領内の戦闘機が押さえ込まれ、兵站ラインを潰されたなら手駒の武装勢力が壊滅、自分たちの世界制覇プロジェクトも崩壊してしまう。最後はイスラエルが得意にしている核兵器を使った恫喝をするのだろうか?





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最終更新日  2015.09.24 01:52:01


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