竹島(独島)の近くをロシア軍に所属するTu-95戦略爆撃機2機とA-50早期警戒管制機、中国軍に所属するH-6戦略爆撃機2機とKJ-2000早期警戒管制機が飛来、そのうち1機のロシア軍機と2機の中国軍機が韓国の設定する防空識別圏の中に入ったため韓国軍の戦闘機F-16とF-15が緊急発進、照明弾を落とし、警告射撃を行ったと韓国の国防省は発表していた。
それに対しロシア国防省は韓国側の対応を批判。飛行ルートは予定通りで、領空は侵犯していないと主張、当該海域には国際的に認められた防空識別圏はないとしている。無線でコンタクトせずにロシア軍機の前を韓国軍機は横切るなど危険な行為をしたものの、銃撃はなく、もし銃撃があればロシア側は「応じた」としている。銃撃し返したということだろう。中国は防空識別圏と領空は違うとしている。
軍用機の接近もさることながら、今回の出来事で目を引くのはロシア軍と中国軍が共同で「パトロール」していたこと。韓国軍やアメリカ軍へのメッセージのように見える。
竹島近辺での出来事は7月23日のことだが、20日にアメリカのジョン・ボルトン国家安全保障補佐官はアメリカから日本へ向かった。日本と韓国の対立を緩和し、イランとアメリカの対立でアメリカへ協力させることが目的だとされている。
そして23日にボルトンは韓国へ到着。同じことが話し合われたのだろうが、朝鮮半島の緊張緩和を目指し、ロシアや中国と経済的な関係を強めている韓国をアメリカ側へ引き戻すことが目論まれているようにも思える。
アメリカ軍と韓国軍は来月に合同軍事演習を実施する予定、朝鮮を刺激している。朝鮮との対話を進めつつある韓国の文在寅政権としては好ましくない流れだ。今後、韓国の軍や情報機関の動きにも注意する必要がありそうだ。