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ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派が世界制覇プロジェクトを始動させたのは1992年2月、その戦争マシーンに日本を組み込んだのは1995年のことです。それ以来、日本は「戦時体制」にあるとも言えるでしょう。
しかし、ネオコンのプロジェクトは計算違いの連続で、アメリカ中心の支配システムは崩れ始めました。そのシステムを支えるため、西側の私的権力は言論統制を強化しているのです。
彼らにとって都合の悪い事実を隠し、都合の良い話を人びとに信じさせるのため、西側を支配する私的権力はテレビ、ラジオ、映画、新聞、雑誌、出版を駆使、ここにきてインターネットにおける統制も強化しつつあります。
内部告発を支援する活動をしていたWikiLeaksのジュリアン・アッサンジは2019年4月11日にロンドンのエクアドル大使館でロンドン警視庁の捜査官に逮捕されましたが、これはアメリカ政府の意向に沿うものであり、現在、彼はイギリス版グアンタナモ刑務所とも言われているベルマーシュ刑務所へ入れられ、「殺されつつある」と言う人もいます。
この弾圧はジャーナリストに対する米英支配層の意思を明確に示していると言えますが、彼だけが言論弾圧の犠牲者ではありません。ウクライナに住みつつ、同国のネオ・ナチ体制を批判していたゴンサロ・リラはジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領を批判した直後に逮捕され、拷問の末に獄中死しています。ジョー・バイデン政権は自国民であるリラに救いの手を差し伸べませんでした。
EU諸国も西側にとって都合の悪い事実をウクライナから発信していたジャーナリストを弾圧、帰国すれば逮捕される可能性のある人、あるいは銀行口座を閉鎖された人もいます。ガザではジャーナリストが医療関係者と同じようにイスラエル軍のターゲットです。
情報統制の中心に情報機関が存在していることは本ブログでも繰り返し書いてきました。ハリウッドにはカバラ信者が多いと言われていますが、作品のチェックはCIAが行なっているようです。
CIAの検閲基準のひとつは「支配システムの健全性」。何らかの権力犯罪を描くことは可能ですが、支配システムそのものは健全に機能していることにしなければなりません。つまり、悪事を働いているのは個人、あるいは邪悪なグループであり、最終的にはシステムの浄化作用が機能するというシナリオです。同じことがテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、出版でも言えます。アメリカでは民主党支持者と共和党支持者との間で対立があるようですが、このルールは機能しているようです。
しかし、こうしたルールに拘束されないで情報を発信する余地がインターネットにはまだ残されています。いつまで余地が残されているかは分かりませんが、西側の私的権力がそれだけ必死になっているのは彼らが危機感を抱いているからにほかならないわけで、民主主義を実現するチャンスだとも言えるでしょう。
櫻井 春彦