イランが10月1日に発射した数百機の弾道ミサイルがターゲットにしていたのは、 F-35戦闘機を配備するネバティム基地、ハッサン・ナスララをはじめとするヒズボラの指導者を殺害したネツァリム基地、弾道ミサイルのあるテル・ノフ基地、モサドの本部など。イランのミサイルは イスラエルが誇る防空システム「 アイアン・ドーム」を突破、大半が命中したことは撮影された多くの映像で確認されている。「被害は軽微」というイスラエル政府の発表は逆効果だ。
そのイスラエル政府は数日以内に大規模な報復を開始すると主張している。イランの石油精製施設や核関連施設を攻撃するのではないかとも言われているが、そうなった場合、イランは中東の親米国にある石油施設を破壊する可能性がある。その前にイスラエルを破壊するかもしれない。またイラクやシリアの反シオニスト勢力は中東全域のアメリカ軍基地を攻撃すると見られている。
バラク・オバマ政権当時からジョー・バイデンやジェイク・サリバンはアメリカを戦争へと導いてきた。退任した ビクトリア・ヌランドも背後では蠢いているだろう。現政権ではトニー・ブリンケン国務長官も好戦派のひとりだ。バイデンに判断能力があるとは思えないので、ホワイトハウスでロシアやイランとの戦争を率いているのは 国家安全保障担当大統領補佐官のサリバンだろう。
本ブログでは繰り返し書いてきたが、パレスチナに「ユダヤ人の国」を作り上げたのはイギリスを支配していたアングロ・サクソンとユダヤの富豪たちだ。
シオニズムを出現したのはエリザベス1世が統治していた16世紀後半のこと。 この時期にイギリスではアングロ-サクソン-ケルトが「イスラエルの失われた十支族」であり、自分たちこそがダビデ王の末裔だとする信仰が現れたのである。ブリティッシュ・イスラエル主義とも呼ばれている。
ちなみに、旧約聖書の記述によると、イスラエル民族の始祖はヤコブだとされている。彼には12人の息子があり、それぞれ支族を形成、そのうちユダ族とベニヤミン族の後裔とされる人びとが「ユダヤ人」と呼ばれている。残りは行方不明で、旧約聖書を信じる人びとから「失われた十支族」と呼ばれている。
ところで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は修正主義シオニズムの直系。父親のベンシオンはゼエヴ・ウラジミル・ジャボチンスキーの秘書だった。ネタニヤフ政権には狂信的なユダヤ至上主義者も少なくない。
ネタニヤフ自身、昨年10月にガザで戦闘が始まった直後、パレスチナ人虐殺を正当化するために「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出し、 「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)と語っている 。
旧約聖書には、「アマレク人」を家畜ともども殺し、その後に「イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神に命じられたと記述されている。
アマレク人は歴史の上で存在が確認されていないが、この民族をイスラエルが敵視している勢力に重ねて見せた。パレスチナ人が生活していた歴史を破壊で消し去るということだろう。
サムエル記上15章3節には「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」ということが書かれている。これこそがガザやレバノンでイスラエルで行われていることであり、イランやロシアも殲滅する対象だと考える勢力がアングロ・サクソンとユダヤのエリートには存在している。こうした勢力はロシアも「ゴグ」とみなしているのだ。
ウクライナでは西側に支援されたネオ・ナチ体制がロシアに敗北しつつあるが、欧米はロシアの勝利を容認できない。そこでウクライナ人に「総玉砕」を命じている。
ウクライナにおけるロシアの勝利を容認できないアメリカ政府はイスラエル政府にガザでの虐殺やレバノンへの軍事侵攻、さらにイランに対する挑発を容認した。これはロシアを中東へ引き出すことが目的ではないかと推測する人もいるが、そこで戦乱が広がれば世界経済の崩壊は避けられない。
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