そゆぶろ

そゆぶろ

2024.01.01
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パンタグラフキーボードに見えますが、実はメカニカルキーボードなんです。



MISTEL AIRONEは、Cherry社のMX ULP(Ultra low profile)スイッチを採用し最薄部5.08mmを実現したという、台湾メーカーのMISTEL発のメカニカルキーボード。

AIRONE(英語配列)
↑外部リンク

今回は国内発売の開始に合わせて、アーキサイトさんの公式ショップからタクタイル版を購入。私自身久しぶりのメカニカルキーボードとして選んだこのキーボードをレビューしてみます。




 外観




カラーは私の購入したシルバーの他、ブラックがあります。キースイッチはタクタイルとクリッキーから。というかこのULPスイッチ自体、まだこの2種類しか完成していないようですね。リニア版も登場すればゲーマー界隈からの注目も高まりそうです。

チルトスタンドはありませんが筐体に傾斜をつけてあり、一見するとスタイリッシュなパンタグラフキーボードです。ベゼルが細いのでパームレストいらずですね。



USBポートはtype-C×2(排他利用)。接続する端末との位置や距離に応じてどちらかを使えるようになっており、付属品にはUSB-C to Cのショートケーブルと、A to Cのロングケーブル、収納ポーチがあります。USB-A to CのA側は4端子なので、USB2.0かと思われます。






底面に修飾キーの配列を小変更できるDIPスイッチを搭載しているのは、メカニカルキーボードでよくある仕様ですね。ちなみにゴム脚は6か所にあって、打鍵時にキーボード全体がたわむような印象はありませんでした。

ここまで画像を見てきて、これがパンタグラフキーボードだと思ってしまっている方はいませんか…?これ、メカニカルキーボードですからね。薄いよね。


キー配列と打鍵感



英語配列を採用しているので日本語配列よりもキー数が少なく、長いスペースキーを持っています。AIRONEのキー配列はエンターキーの右側に1列キーが並んでいて、横幅はその分やや広めですね。


やはり英語配列は合理的だと感じます




5段配列なのでF1~12キーは独立しておらず、最上段のキーと統合されています。コンパクトキーボードあるあるな仕様ですね。



打鍵感の方は、ストローク1.8mmのタクタイルフィールということで、何も言われなければパンタグラフ式と錯覚してしまいそうです。タクタイルのポイントまでのプリトラベル(空走距離)もほぼ無いような感じですから、余計にパンタグラフっぽさが強いです。
しかし文章を入力していくと、パンタグラフやメンブレン式で感じられるものとは違った明確な節度感があることに気づきました。

最近のパンタグラフ式と比べるとピーク荷重は重めの65gですが、内部に使われている吸音フォームが効果的なのか、残響や底打ちの反発力といったマイナスの印象はほとんど感じません(気になったらデスクマットの使用も考えてみようかな)。撫で打ちに適する低荷重・超低ストロークとは違って、薄型でも打鍵のフィードバックには確かなものをを求めるユーザーに向いていると思います。私の選ばなかったクリッキーの方は、音が更に加わるのかな。

通常、メカニカルスイッチはコイルスプリングなどからくるバネっぽさがあり、メンブレンやパンタグラフではラバードームのゴムっぽさが打鍵感に混じります。ストロークの深いものは摩擦感も加わりますが、MISTEL AIRONEのULPスイッチは他のスイッチにはない"引きバネ"が使われていて(バックリングスプリング式の時代まで遡っても他の採用例はほとんどないのでは…?)、いわゆるプリテンショナーのように働くことでパーツどうしの遊びを吸収しているのかもしれません。このスイッチについてはCherryMXの紹介ページや動画を見るとイメージしやすいでしょう。

打鍵感はスイッチだけでなく筐体やキーキャップなどを総合した結果得られるものだと思いますが、上に書いたような特徴から、MISTEL AIRONEのそれは、ぶれ(遊び)の少ない、ほんの少し硬質な打鍵感といった印象です。

短いストロークの中でタクタイルのフィーリングが入るので、リニア軸を好むユーザーには向かないでしょうし、一般用途のキーボードとしては高価な印象は否めません。

 その他

到着したものはファームウェアバージョンがV1.0.09でした。
MISTELのページに行くとV1.0.10がリリースされていて、私も適用しています。

付属ケーブル以外での使用に関して。例えばLightning to USBケーブルなどのOTGケーブルでも使用はできましたが、iPhoneとの接続ではイルミネーションLEDを煌々と点灯させていると消費電力の関係かすぐに接続が中断されてしまいました。LEDの設定はPCなど電力が安定供給されるデバイスに接続している時が良さそうです。
LEDオフや同時点灯数の少ない設定ならiPhone(Lightning)でも使えています。

底面のDIPスイッチの他、初期レイヤー以外の3レイヤーにマクロ設定ができ、LED発光パターンも変更可能でとてもワクワクさせられますが、実際に設定を始めてみるとキーボード単体でのカスタマイズとなり、視覚的に現在どんな設定になっているのかは分かりにくいですね。オフラインで全て設定できるという点はメリットでしょうか。ちなみにLEDの照度も調整できますが、CapsLockオンで点灯するLEDの照度は固定のようです(イルミネーションLEDではないから?)。

一般的にメカニカルキーボードはキーキャップを外して清掃やカスタマイズできますが、AIRONEのマニュアルにはキーキャップを外さないよう注意書きがあります。



Cherry MX ULPスイッチを採用した極薄メカニカルキーボードのMISTEL AIRONE。メンブレンやパンタグラフのソフトな打鍵感と、一般的なメカニカルの中間に位置する、“刺さるユーザーには刺さる”キーボードだと思います。安いキーボードではありませんが、ぜひ試してほしいと思う1台です。








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Last updated  2024.06.07 23:08:22
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