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テーマ: 無情(53)
カテゴリ:
1960

 60年安保闘争 - 1960
http://www.youtube.com/watch?v=aVP2YKywBx8



夕刊読売新聞の「ナイフを捨てろ」


浅沼稲次郎暗殺事件が起きる約4ヶ月半前、
夕刊読売新聞都民版にて、
5月25日から6月21日までの期間、
囲み記事「ナイフを捨てろ」が連載されていました。
初回冒頭には、以下の文章が書かれています。


「“ナイフと少年”の犯罪があまりに多すぎる。
 玉川の少年殺し、大崎の決闘事件もそうだった。
 なぜ少年は危ないナイフをこんなに持ちたがるのだろう。
 警視庁の分析では、最も多いのは「護身用」
 ついで「好奇心」からだという。
 「好奇心」はわかるとしても「護身用」はかえってそれが、
 相手も自分も破滅に導く凶器であることを、
 少年たちは気がつかないのだろうか。
 これは法律、教育、管理など、いろいろな面から
 考えてみなければならない問題だが
 まずいえることは“ナイフを捨てろ”_。」
 (夕刊読売新聞都民版1960年5月25日 4版第6面)


浅沼稲次郎暗殺事件以前から、
東京都では「護身用ナイフ所持」に対する
一部マスコミや刃物関係者の危惧はすでにくすぶっていたようです。
前掲連載記事は今後も引用させていただくことにして、
最終回の内容に、未来への皮肉がこもっているので、
今回早速取り上げてみたいと思います。


「ナイフを捨てろ 23
おとなの反省が先
 ナイフ持たせる環境除け

  どうしたら少年にナイフを捨てさせることができるか、
 その結論を“こどもを守る会”の神崎清さんはこう語っている。
 「おとながまず反省しなければいけません。
 おとながいたるところで暴力をふるっているのですから、
 子供たちが見習うのは当然でしょう。
 最近の少年犯罪のうち、七〇%が凶器、
 それも短刀、登山ナイフ、飛び出しナイフなどを使っているが、
 理由としては“護身用”(無力感)“攻撃用”(優越感)があげられる。
 しかしこの二つのケースは立場を異にしているようで、
 いずれも殺人、傷害など犯罪への可能性を持っていることに変わりはない。
 しかしナイフを持ったあとの行為についてはなにも計算していない。
 …(後略)」
 (夕刊読売新聞都民版1960年6月21日 4版第6面)


1960年当時の少年たちがナイフを持つ理由として指摘されている
「無力感」と「優越感」は、
1970年代にアメリカから日本へと輸入された
カスタムナイフ・ブームの重要な動機づけとして、
ナイフ取り扱い業者やコレクターたちも抱いていたに違いありません。
その証拠に、日本国内でナイフは道具というより、
メーカーや特殊な職業にたずさわるユーザーの権威、
あるいは、希少性と市場価格が重要視される
たいそうな自慢用アイテムの方向へと偏ってしまいました。






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Last updated  2010年01月21日 23時49分16秒


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