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2017年12月07日
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カテゴリ: 陽明学


時として飲食男女の欲にうつることあるは、志の実〔じつ〕ならざる故ならんか。
又道に志なくても行儀よき者あり。
先生いずれをかとり給わむ。

 返書略。心は無声無臭のものに候えば、見がたき事に候。
志ありという人も、隠微〔いんび〕(※心の内部)の地の実〔じつ〕・不実存ぜず候。
又志なくて行儀よき人も、隠微の所しずべからず。
去りながら、父母・兄弟・妻子を古郷におきたる人は、
一旦、他国へ遊び候えども、終〔つい〕には古郷へ帰るがごとく、
隠微の地、とかく悪道にはゆ(行)くまじき人の、善に実なる所あらば、
道に志ありて、一旦形気の欲にひかるるとも、終にはもとに帰るべく候。
形気衰〔おとろ〕うるにしたがいて、道より外にゆき所有るまじく候。
志の不実と申すにてはなし。
実はあれども明のしばし蔽〔おお〕わるる所ありてなり。
唯今〔ただいま〕、飲食男女の欲もうす(薄)く行跡よくても、
心志の定まる所なき人は、父母・兄弟・妻子のあつまりたる古郷なくて、
ただひとり身のうきたるごとくなり。
しからば、往々〔ゆくゆく〕何国〔いずくに〕にとどまるべきやらん、はかりがたし。
今日のよきは、精力強くして慎みの苦にならざるか、
名根〔みょうこん〕の深くてなすわざか、
もしは、生まれ付きて形気の欲うすき者もあれば、其のたぐいなるべく候。
形気のおとろえ行くにしたがいて、本の志たる道徳はなし、心は昧〔くら〕し。
あじきなく(※つまらなく)して後世〔ごぜ〕(※来世)に迷うもあり、
慎みおとろえて乱るるもあり、行き過ぎて異風になるもあり。
一旦のよきはたのみならず、月夜のしばし曇りたると、闇夜の晴るるとのごとし。
雲ありともたのむべし。雲なしとも頼むべからず候。





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Last updated  2017年12月09日 04時22分55秒


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