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カテゴリ: 陽明学


弧矢〔こし〕の利、以て天下を威〔おど〕す。
蓋しこれを睽〔けい〕に取れるなり。》

   弦木為弧、剡木為矢。弧矢之利、以威天下。蓋取諸睽。

睽〔けい〕はそむくなり。乖〔そむ〕く者をば威を以て服すべし。弓は武器の始まりなり。
(※睽〔ケイ〕)卦の象は、上は離火、下は沢水なり。
火は動いてのぼり、水は動いて下る。是〔これ〕そむいて和せざるの象なり。
然れども睽〔そむ〕きて用をなすの道理あり。
ここにおいて弓矢を作りたまう。木をたわめ弦〔つる〕をかけて弓とし、
木をけづりて其のさきをとくし(※鋭くし)、はづ(筈)をつけて矢とす。
これ曲れるを体とし直〔なお〕きを用とす。
体用〔たいゆう〕相乖〔あいそむ〕くの理〔ことわり〕なり。
又先へやらんとて吾〔わが〕前へゆく。是又そむきて用をなすなり。
木はまがりて弦はすぐ(直)なり。弓は立〔たて〕、矢は横〔よこ〕なり。
まがりたる方へ張らずして、そりたるかたより引かれて張る。
みなそむいて用をなすの義なり。
重門〔ちょうもん〕撃柝〔げきたく〕は小盗・暴人などの防ぎなり。
大賊或は東夷〔とうい〕・南蛮〔なんばん〕・西戎〔せいじゅう〕・北狄〔ほくてき〕などの、
中国をみだらん為に来たり、又は諸侯の叛逆などには、弓矢の備えなくては防ぎがたし。
弓矢の武具ありても威なき時は恐るることなし。
武具を備えて武事をならわし、武備厳重にして威ある時は、
四方〔しほう〕是〔これ〕をのぞ(臨)んで恐れ、おかすべきの心おこらず。
文事あるものは必ず武備あり。文事は仁政を行いて士民をなで安んずるの事なり。
礼楽制度其の中にあり。武備は文事の美をとげん為に、国・天下の警固なり。
今、神事の大祭には辻がた(固)めのあるが如し。
聖人は、徳仁愛にして神武の威あり。其の上に、文武の業、車の両輪の如く備わりておこたりなし。
故に天下の人恐れ愛す。夷・蛮・戎・狄も、仁政をしたい威武を恐れて来服す。
是〔これ〕を四海一家の如く中国一人の如しと云う。
又禽獣には、人よりもたけく力つよき物多し。
兵器なき時は、禽獣、人家にまじわり害することあり。
禽獣をとおざけ悪をおどすには、弓矢の徳にしくはなし。
作り初めには、弓も木にて作り、矢も木をけづりて作れるは、弓矢にたよりよき木ありたるなるべし。
万事、物の始めは質素なる物なり。
夫〔そ〕れそむいて用をなすことは弓矢のみにあらず。
睽〔けい〕は乖異〔かいい〕の義なり。
天地〔てんち〕睽〔そむ〕いて而其の事同じ也、男女睽いて而其の志通ず也と云えり。
亦〔また〕、火を上にし沢を下にするは睽〔けい〕なり、君子以て同して而異と云えり。
君子の俗に交わること、形同じく心異なり。
是〔これ〕睽〔けい〕の卦の、火・沢体を合わせて性同じからざるが如し。





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Last updated  2019年06月23日 10時45分18秒


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