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カテゴリ: 陽明学



 云う。自逝する者は生死に心あり。或いは名を好めるが故〔ゆえ〕也。
近くしては昼夜、遠くしては生死也。
夜に入〔い〕りていぬる(寝る)者、何の心あり何の名ありて自逝すべきや。
死生は天地の常理也。道理にしたがいて始終する者は無心也。
むかし程伊川〔テイ イセン〕病みて死なんとす、
郭忠孝〔カク チュウコウ〕と云う者〔もの〕往〔ゆ〕きて見るに、
伊川目をとぢて(閉ぢて)黙然たり。
忠孝云う、「夫子〔ふうし〕平生の学ぶ所、此の時に用〔もち〕うべし」。
伊川云う、「用うを道著〔どうちゃく〕すれば、便〔すなわち〕ち不是〔ふぜ〕
(道著用、便不是)(※用うると云ってはいけない)」と。
忠孝いまだ寝門を出〔い〕でざるに伊川卒す。

 問う。遺言〔ユイゲン〕という事は有るべきか。

 云う。死去人〔しきょにん〕のいい置くべき事は、生き残る人々の心にあり。
時〔とき〕・所〔ところ〕にしたがいて子孫の位〔くらい〕に応じ、
義に害なき事は勢にまかすべきのみ。死する者何をかいわん。
但し遠方へゆく人の、留守居の及びまじき事をいいおくごとき事、あるまじきにあらず。
子弟の教うるの言は平日の言なり。遺言に非〔あら〕ず。





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Last updated  2022年09月30日 23時19分36秒


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