森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.10.09
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
海洋冒険家の白石康次郎さんの本から森田と関係のある言葉を紹介したい。
「夢って育つものなのです。一つかなえれば次の夢、次の夢をかなえればまた、その次の夢が生まれます。僕はいつも、素直にその夢を追いかけているだけです。」

森田でいう生の欲望の発揮は弾みがつくことを言われています。
集談会で私は欲望なんて何にもないという人がいます。
なにもやりたいという感じがでてこないといわれるのです。

これは症状によって神経が過度に敏感になり、生の欲望に振り向ける余裕がなくなっているのだと思います。
神経質性格を持っている人であれば、症状から遠ざかるにつれて生の欲望がむらむらと高まってくるものと考えられます。
我々神経質者は普通の人よりも、元々強い欲望をもっています。
いったん生の欲望に火がつけば1段ロケットが燃え尽きれば、次に2段ロケットの点火というふうに弾みがついてくるものだと思います。


「過ぎたるは及ばざるがごとしです」
経済的にも、精神的にも満ちたりた生活が続いていると、生の欲望はどんどん衰えていくという関係にあります。
お金には不自由した経験がない、現在も不自由していない。
心に悩みなどを抱えて苦しんだ経験を持たない、今も心の悩みとは無縁である。

一見うらやましそうに見えるこの状態はとても危険な兆候を示しています。
満ち足りていると欲望という感情は湧き起ってきません。
するとそれに対応する行動も縮小再生産されることになります。

だから絶えず小さな不安、違和感、問題、イライラ感を抱えているということはとても大切なことです。
それは我々が生きていくための貴重な食料とともに、心の食料となるものです。
心の食料が継続的に補給されないと、我々はまともに生きていくことができないのです。

そのためにはせめて物質的な欲望を手放しに追い求めることは慎みたいと思います。

ここにもバランス感覚を前面に出して生活するということです。
調和がとれていれば破綻することなく、継続できます。
そこに「生の欲望」が健全に育つ糸口があります。





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Last updated  2013.10.09 06:38:04
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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