森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.02.25
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カテゴリ: 最新の脳科学
私はニューロン(脳の神経細胞)は大人になると新たに作られることはないと思っていました。
死滅するばかりではないのかと思っていました。
久恒辰博氏は、それは違うと言われています。
子どもの時のように急激に増えるという事はあり得ないが、新たに作られることは間違いない。
またニューロンは使えば使うほど強化されると言われています。
反対に使わないニューロンは廃用性萎縮を起こすという事です。
つまりせっかく作り上げたシナプスのネットワークが破壊されてしまうという事です。

これは我々が問題にしている不安や恐怖の対応に明るい希望を与えてくれます。
不安や恐怖というのは主として脳の扁桃体と海馬が絡んでいます。

事あるごとに予期不安として意識化されて不快になるのです。
つまり不安や恐怖にとらわれるという事はそのあたりの神経組織が強化されているという事なのです。
そしてギャバ等の神経伝達物質が多量に作りだされてしまいます。

不安や恐怖で苦しむという人は、多くの認識の誤りがあると言われます。
事実を無視して物事を否定的、ネガティブに考える。
自分を否定したり、たいしたことのないものを極端に大げさに考えてしまう。等などです。
これは脳の働きから見ると、そういう方面のネットワークが強固に出来上がっているので、自動的にマイナス思考の連鎖が引き起こされるのです。

これらの悪循環を断ち切る方法があります。
脳には意欲ややる気を高める淡蒼球というものがあります。
また快楽や幸福を感じると盛んに活動するエーテン神経、側坐核、腹側被蓋野というものもあります。
さらに相手を受容し共感するためのミラーニューロンというものもあると言われています。


すると脳はニューロンのネットワークを成長させたり強化することをやめてしまいます。
つまり喜び、楽しみ、嬉しさ、思いやりというものは感じる力が弱くなってくるのです。
すると悲しみ、苦しさ、つらさばかりが強くなってきます。
少しの刺激でもより大きく感じるということになるのです。
それらは大きなストレスとなります。少しでも中和しようとします。

キャンブル、アルコール、薬物、セックス、過食、物欲等にのめり込んでいくというパターンに落ち込んでいくのです。

ですから脳科学の立場からすると2つの神経のネットワークをバランスよく鍛えていくことが極めて大切となるのです。
久恒氏は「幸せ脳」(エーテン神経、側坐核、腹側被蓋野を強化させる)を作るために次のように提案されています。

まず脳の栄養と脳の休養に気を配る必要があります。
つぎに脳に活力を与えるためにはほどよい運動が欠かせません。
また精神的、肉体的にストレスがたまっている時は、マッサージなどで脳の緊張をほぐしてあげることも忘れないでください。
次に将来への希望や生きがいを持って生活している時、また周りの人たちと共感し多くの愛情の中で過ごしている時、そして自分に自信を持って暮らしている時「幸せの脳回路」は、命のある限り成長を続けていくのです。

これらは森田的でよく言う欲望を抑制して生の欲望の発揮に邁進することで可能になります。
さらに「自然に服従して境遇に柔順になる」生き方を身につけることで、脳のバランスは自然にとれてくるものと思われます。
ともあれ神経質者はこの方面の神経を鍛えてもっともっと使う必要があるのです。
このことを自覚していると将来に明るい希望が湧いてきます。
(「幸せ脳」は自分で作る 久恒辰博 講談社参照)





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Last updated  2024.04.06 23:27:42
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