森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.09.19
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カテゴリ: 森田番外編
先日よく知っている人から心の悩み相談の電話があった。
私はアドバイスを抑えて、傾聴、受容、共感の態度で臨んだ。
プライバシーに配慮して話を脚色して紹介すると次のような内容だった。

その人は今年初め蓄膿症の手術をしたそうだ。
ところが術後の経過が悪く、今も鼻の奥に何かが詰まっているようで憂うつで仕方がないという。それが気になり大学病院をはじめいくつもの大病院で検査を繰返してきた。
CTを何度も撮ったが、どこでも手術そのものは問題がないといわれている。
主治医ではないある医者は、手術は完全に成功している。
鼻の手術は完治してスッキリするまで時間がかかる。
その間苦しいでしょうが、何ヶ月か経過するとよくなると思うので粘り強く待ちましょうという。その間は1ヶ月に一回の割合で診察を受けてくださいと言われたという。


そうこうしているうちに、明け方から午前中なんともいえないイライラ、体のだるさ、下痢、朦朧感、発狂するのではないかという不安がある。
このまま死んでもいいように思うこともあるという。
その他自分のつらさや苦しみについて私に対してこんこんと説明された。

心のつらさに対して、心療内科にかかり短時間型の抗不安薬デパスを処方されているという。
毎日3錠飲んでいるが症状はどんどん悪くなっているような気がするという。
他の病院ではいろんな薬を処方されたが、薬を飲んだことで副作用が強く現れたことがあるので、恐ろしくて飲めないのだという。

そんな最中5月にはバイク事故で意識不明になり救急搬送されたことがあった。
幸い命にかかわる事故ではなかったということだ。
でも後遺症が残っているような気がするそうだ。
さらに最近実の母親が亡くなり大きなショックも受けた。
精神的な支柱を失ったような気がする。

でも家事はなんとかこなしておられるようだった。

私は精神科医ではないので病気の診断はできない。
私にできることはその方の悩みに寄り添って、悩みを聞いてあげることだと思っていた。
自分のアドバイスは控えて、相手に寄り添って分からないことを聞いていった。
その時間は45分だった。


相手に寄り添って話を聞いてあげるというのは、アドバイスをする以上の効果があると思った。

その方は兄弟からこの際思い切って精神科にかかってみたらと言われたという。
鉄の柵の部屋に収容されるようなイメージがあり恐ろしいといわれる。
でもここまできたら自分もそうしようかと思っていると言われた。
近くでどこの病院がいいでしょうかと質問された。
その方はインターネットはやっておられないということでしたので、早速検索して教えてあげた。休み明けに電話で予約をしてみますということであった。
なんとか心の苦しみが少しでも軽減できることを祈るばかりだった。





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Last updated  2016.09.19 07:16:48
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通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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